オランダ・ロッテルダムの2カ所で銃撃、少なくとも3人死亡 容疑者は逮捕
アナ・ホリガン(ロッテルダム)、ヤロスラフ・ルキフ(ロンドン)
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銃撃事件の現場となった病院の前に集まった警察特殊部隊(28日、ロッテルダム)
オランダの第2都市ロッテルダムで28日、2カ所で銃撃事件が相次ぎ、少なくとも3人が死亡した。警察は、32歳の男性容疑者を逮捕したと発表した。
調べによると、容疑者は民家で発砲したのち、この建物に放火した疑い。続いて、市内のエラスムス医療センターを襲撃したとされる。医療センターはエラスムス大学の付属で、容疑者は同じ大学の学生だたという。
警察によると、民家での銃撃事件で39歳の女性とその14歳の娘が殺害された。病院では43歳の男性講師が撃ち殺された。犯行の動機は明らかになっていない。
迷彩服を着た男性が手錠をかけられ、病院の中から連行される様子の映像が浮上している。
銃撃事件の現場となったロッテルダムの建物から黒煙が立ち上った
ロッテルダム警察は記者会見で、逮捕した容疑者については以前から把握していたと話した。2年前に動物虐待の罪で有罪になった人物だという。
オランダ・メディアは容疑者の名前を「フアド・L」と報道している。
警察は、共犯がいた様子はないと話している。
容疑者の逮捕前、警察は長身で濃い茶色か黒い髪の容疑者が戦闘服を着て、バックパックとヘッドフォンと拳銃を持ち、オートバイで移動している可能性があると発表していた。
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銃撃のあった医療センターを走って出る人たち
事件発生直後に病院の現場に到着したという警備員はBBCに、「衝撃的」だと話した。「ひどかった、ひどかった」と明らかに動揺した様子で警備員は話し、匿名を希望した。
この警備員によると、銃撃犯は中央玄関から医療センターに入ったのではないという。
オランダのマーク・ルッテ首相はソーシャルメディアに、「暴力の被害者となった人たち、その大切な人たち、恐ろしい思いをした人たちのことを思っています」と書いた。
医療センターで銃撃が始まると、職員は患者を連れて屋外へ逃げた。担架に乗せられた患者もいたという。
病院の2カ所の窓には、「32号室。出られない!」などと書かれたサインがテープで貼られていた。
イスラエル出身の27歳学生、バラクさんはBBCに、銃撃が始まったときに自分は病院内で就職面接の最中だったと話した。外に出ると、サイレンが鳴り響き、恐ろしかったという。
「自分たちと同じ学生(が容疑者)だったなんて、信じられない」と、バラクさんは話した。
別の学生はRTLニュースに対して、「まず5階で発砲があった。撃たれたのは4、5発。続いて、研修センターに向かって火炎瓶が投げ込まれた」と話した。
狙撃手を含む警察の特殊部隊が病院を強襲し、建物の上空にはヘリコプターが旋回していた。