精選版 日本国語大辞典 「カルトン」の意味・読み・例文・類語
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板紙(ボール紙)のことであるが、絵画材料では板紙でつくられた画板や、デッサン挟みをさすほか、絵画の基底物としても使われている。またフレスコ壁画のような大画面の絵画作品やタペストリーの制作過程において、構図を正確に転写するためにつくられる、厚手の紙に描かれた原寸大の下絵のこともいう。
フレスコ制作のためのカルトンでは、彩色を施した第一のオリジナル・カルトンと、スポルベーロspolveroとよばれるオリジナル・カルトンの輪郭線をトレースした第二のカルトンが制作されることが多い。スポルベーロには輪郭線に従って小孔(こあな)があけられ、壁面にこれを当て、上から木炭やチョークの粉末などをはたきつけて(pouncing)構図を転写する。あるいは、カルトンを壁面に当て、輪郭線に従って硬筆stylusで強く引いて転写する方法もある。カルトンは、モザイク、ステンドグラス、タペストリー制作などのために描かれることも多く、このようなカルトンは、画家が絵画作品として完全に仕上げ、職人はこの原画に従って制作を進める。タペストリーのためのカルトンとしてもっともよく知られている例は、バチカンのシスティナ礼拝堂のためにラファエッロが描いた使徒行伝連作であろう。
[長谷川三郎]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…増加する一方の製本需要に対処するのにかっこうな簡易製本(くるみ製本case binding)が出現し,しだいにほとんどの書物がこの方法で製本されてから版元を出ることになってゆく。外見の差はわずかだが,決定的な違いは,それまでの書物が〈とじつけ〉と呼ばれる名のとおり,強い麻糸にかかえこまれた背とじひも(かがり糸と直角に交差し,背の外側に3~5本通っている)を,表紙の芯紙(カルトン)にあけた穴に通し,しっかりととじつけてあるのに対し,くるみ製本は表紙と中身を別々につくる。中身と表紙をつなぐものは,本の背にはりつけられた薄い寒冷紗と本文の端に3mmほどののりしろでつけてある見返し紙だけである。…
…これには2種類あり,初歩の練習用写生と,タブローなどの制作の準備段階として,個々の事物を個別的に描く場合とがある。(3)下絵(カルトン) タブローなどの制作の準備の最終段階として,彩色する寸前の状態にまで完全に作られた構図のことをいう。これにも2種類あり,布や壁面にそのまま転写される原寸大のものと,寸法が異なっているがすでに完成図となっているものとがある。…
…タピスリーはいわば糸で描き出す絵画であり,絵画と同じように複雑な構図を織り出すことのできる特殊な織物といえる。
[カルトン]
 複雑な図柄をもつために,タピスリーはカルトン(下絵)に基づいて織られる。カルトンは原則として画家によって提供されるが,彩色を施した原寸大のもの,素描あるいは小型の彩色画など形式はさまざまである。…
…このように技法的に完成されたフレスコは,とくにブオン・フレスコbuon fresco(〈純良のフレスコ〉の意)と呼んで区別される。原寸大下図としては,初めにシノピアsinopiaが,次いでカルトンが用いられた。シノピアとは本来,赤色顔料,赭土(しやど)のことであるが,この種の顔料で描かれている場合が多いために転用されるにいたったもので,粗塗り漆喰の上にじかに描かれた原寸大下図のことである。…
※「カルトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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