『ゆるキャン△』が人気出た
のは、キャンプ漫画というよ
りも、主人公しまりんのキャラ
が強いのではなかろうか。
まだ高校生だが、自立した
頑張り抜く女の子なのだ。
そして、免許取り立てなのに
ヤマハのビーノに乗って一人
でどんどん走る。
最初から150km超えの遠くまで
走る。
ビーン、ベンベンとしまりん
ビーノで。
作品の雰囲気自体はゆるゆる
なのだが、気負わず、自然体
でいる女子高生たちに何だか
ほっとする。
キャンプ漫画というよりも
少女たちの成長を描くロード
ムービーを観ているような気
になる。
ほんわりとした空気の中で。
寒空に仄かに漂う温かいコー
ヒーの湯気のような雰囲気の
中で。
良い漫画作品だと思う。
何とも言えない独特の空気
が流れている。
漫画というと、熱い圧縮空気
のような作が多いが、こうし
たゆるゆるだけど、何かを
訴えかける作品も珍しい。
ただ、「作品」なのだなぁと
思えるところもある。
それは、出て来る人全員が
心が清浄なのだ。
現実世界はそうではない。
人の不幸を喜んだり、特定
個人に粘着しまくって誹謗
中傷のいやがらせに血眼に
なっていたりする人間が
わんさかといる。
そしてそうしたネトクズの
言動をこれまた喜んで群がっ
て屯しているような連中も
ごまんといる。
『ゆるキャン△』は、人の心
の大切な何かを静かに描いて
いる。