県が、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を含む泡消火剤が6月に漏出していたにもかかわらず、3カ月間も公表していなかったことが明らかになった。県は米軍に対し、管理体制の不備を繰り返し指摘し、事故発生後の公表の遅れを非難してきており、県議会野党は「どの口で米軍を批判できるのか」と憤怒する。玉城デニー知事は国連人権理事会で国際社会に向けて、米軍のPFAS問題を訴えたばかり。与党も「最悪のタイミング。信頼と説得力を根底から失う失態だ」と危機感をあらわにする。(政経部・大野亨恭、山城響、東江郁香、又吉俊充)

 「危機意識が欠如している」。知事を支える与党の照屋大河氏(てぃーだ平和ネット)は26日、記者団に語気を強めた。

 県関係者によると、漏出事故発生確認後に担当者が宮城力総務部長に報告したという。しかし、事務方が知事や両副知事に伝えたのは知事がスイスから戻った直後の23日だったという。

 知事は、25日に知事公舎で開いた議会前恒例の執行部との意見交換の場で、与党に報告。与党幹部は「衝撃過ぎて立ちくらみがした」とうなだれる。...