石野純也の「スマホとお金」
円安時代を乗り切るiPhone購入術! 「iPhone 15」シリーズのお得な買い方は?
2023年9月21日 00:00
iPhone 15シリーズが、22日に発売されます。米国では価格据え置きのポジティブサプライズがあった一方で、日本ではiPhone 14シリーズと比較したときの価格が上がっています。これは、円安ドル高の為替相場を反映した結果。本稿執筆時(9月19日)の為替相場と比べると、それでもまだ円高気味に設定されてはいるものの、円建てでは前モデルよりも買いづらくなってしまったのは事実です。
こうした事情もあり、各キャリアとも下取りを前提にしたアップグレードプログラムを充実させています。ただ、キャリアはアップルから納入された端末を販売している関係もあり、どうしても本体価格はアップル直販よりも割高になります。たとえば同じiPhone 15、128GBでもアップルは12万4800円なのに対し、キャリア版最安の楽天モバイルでも14万800円をつけています。
そのため、最安を狙うのであれば、Apple StoreやいわゆるSIMフリー版を販売する家電量販店、Amazonなどでの購入がベター。ここにもう一工夫加えるだけで、実質価格はさらに下がります。そこで今回は、円安時代を乗り切るiPhone購入術と題し、買い替えの際に役立つ裏技を紹介していきます。
大手3キャリアの契約がある人は、Apple Store店舗での契約がお得
手っ取り早く割引を受けられるのが、Apple Storeの実店舗でキャリア契約のiPhoneを購入することです。Apple Storeもキャリアショップの代理店契約を結んでいるため、iPhone購入と同時に新規契約や機種変更の手続きができます。その際、アップルは8800円の割引を提供しています。割引は、新規契約やMNPだけでなく、機種変更にも対応。ドコモ、au、ソフトバンクの3ブランドで、この割引が受けられます。
ただし、オンラインのApple Storeではこの買い方ができません。また、オンラインで支払いを済ませて店舗で受け取れるのも、回線契約がないiPhoneだけ。9月15日の予約開始と同時に、回線契約つきのiPhoneの来店予約も受けつけていましたが、端末単体を購入する場合と導線が異なる点には注意が必要です。予約注文の画面上部に表示される、バナーから来店予約をしなければならず、少々分かりづらいのが難点です。
ちなみに、過去には端末単体で購入したあと、店舗でのピックアップ時にキャリア契約への変更もできましたが、その際はいったん支払いのキャンセルが必要になりました。また、混雑状況によっては変更に対応してくれない可能性もあるため、あらかじめキャリア契約ありとして来店予約しておいた方が確実と言えるでしょう。ひと手間増える格好ですが、これだけで8800円の割引がつくのはお得です。
8800円の割引と引き替えに、キャリアの事務手数料がかかる点には注意が必要です。端末を単体で購入した場合、基本的にはSIMカードを差し替えるだけでOKですが、機種変更の手続きをすると、キャリアのデータベースに登録がかかります。その際の事務手数料として、3社とも3850円が料金に乗ってきます。以前は2200円程度でしたが、今年に入り、各社とも値上げを断行。そのため、例年よりこの割引のお得度は下がっています。
とは言え、それでも差し引きで4950円の割引が受けられる形になり、損をすることはありません。ワイモバイルやUQ mobileといったサブブランドやオンライン専用料金ブランドに対応していないため、利用できるユーザーは限られてきますが、各社のメインブランドを使っているのであれば、この割引を利用しない手はありません。なお、割引は最安をつけているアップル価格に適用されるため、基本的には、この方法が最安になります。
高額還元が狙えるApple Gift Card、常時還元の楽天市場が強い
ポイント還元で実質的な価格を下げることもできます。なかでも還元率が高く、オススメできるのが「Apple Gift Card」を購入する方法。21年12月に日本市場に導入されたApple Gift Cardは、それまでの「App Store & iTunesギフトカード」とは異なり、Apple Storeでのハードウェア購入にも利用できます。販路によっては購入に対してポイントがつくため、これを活用すればお得にiPhoneを入手できるというわけです。
キャンペーン期間なら、10%還元などの大盤振る舞いをしていることもあります。有効期限もないため、こうした情報を見逃さずに、コツコツと上限金額までApple Gift Cardを購入しておけば、iPhone購入時の“積み立て貯金”のように利用可能。仮に支払額のすべてに10%還元が適用されたとすると、最安価格のiPhone 15、128GBですら、1万2000円程度の還元を受けられます。あくまで実質価格ではありますが、11万円台まで下がる格好。先に挙げたキャリア契約との組み合わせなら、10万円台まで実質価格は下がります。
ただ、10%還元は期間限定のことが多く、常に適用されるわけではありません。特にiPhone発売前後は、こうしたキャンペーンが少なくなります。事前に準備をしておければいいのですが、必ずしもそのタイミングで持ち合わせがあるとは限りません。そこでオススメしたい販路が、楽天市場です。楽天市場では、電子チケットとしてApple Gift Cardが販売されており、購入するとすぐにコードが届きます。
しかも、ここには各種ポイントアップが適用されます。筆者が9月に購入した際には、通常の1%に加え、楽天モバイル契約+ダイヤモンド会員で3%、楽天カード決済で計2%の楽天ポイントが入手できました。また、毎月18日の「ご愛顧感謝デー」では、ゴールド会員以上は上限1000ポイントまでポイントが2~4倍加算。現在実施中の「お買い物マラソン」も対象になるため、キャンペーンをうまく利用すれば10%以上の還元も狙えます。
注意点は、初回購入から45日間は1万円が上限になっていること。それ以降も5万円が上限で、リセットに15日前後の日数がかかります。そのため、1回のキャンペーン期間だけでiPhone 15シリーズの代金分をまとめて購入するのは難しいと言えるでしょう。一方で、楽天ダイヤモンド会員が毎月18日に楽天カードで2万5000円ぶん購入するだけで、還元率は7%に。15万円ほどなら、6カ月間コツコツと積み立てていくだけで達成でき、1万500ポイントの還元が受けられます。楽天モバイルユーザーなら常時2~3%ポイントの上乗せがあるため、これを利用しない手はないでしょう。
下取りは中古店が高い、3つの組み合わせで実質1万円台も夢じゃない
割引や値下げとは少々位置づけが異なりますが、iPhone購入にあたっては下取りも考慮しておきたいポイントです。キャリア各社は残価設定型や割賦の半分を免除するプログラムを導入していますが、アップル自身も下取りを実施しています。Apple Storeの店舗であれば、新モデルの代金から下取り額を割り引くことができ、負担の軽減が可能。差額で購入できるため、支払額を抑えたい人にはいい選択肢です。
ただ、下取り額という観点では、どうしても中古店にはかないません。たとえば、iPhone 14の128GB版だと、アップルは最大6万8000円ですが、中古店の中には最大で9万円弱の買い取り価格を提示しているところもあります。中古店の場合、買い取り価格は日々刻々と変わってしまいますが、iPhoneは比較的高値で取り引きされています。また、iPhoneの発売時に、買い取り価格を増額している店舗もあります。
たとえば、ビックカメラグループのサービスである「ラクウル」は、「メガ買取キャンペーン」として、10月31日まで買い取り価格を増額中。上記の例で挙げたiPhone 14の128GB版に関しては5000円の増額で、最大9万5000円の価格をつけています。アップルの下取りとの差額は2万7000円にもなります。これを128GB版のiPhone 15の購入代金に充てたとすると、差額はわずか2万9800円に。最初に挙げた方法でキャリア契約の割引を受けられれば、実質価格は2万1000円まで下がります。
また、本体価格の12万4800円から8800円を引いた11万6000円をすべてApple Gift Cardで支払ったとします。それを楽天市場で楽天カードを使って購入し、SPUで2%ほどポイント還元率が上がっていたとすると、楽天ポイントで5800円の還元を受けられます。ここまで加味すると、トータルの実質価格は1万5200円まで下がります。これなら、毎年最新モデルを買い替えても大きな負担にはならないのではないでしょうか。
すべてを組み合わせるのはやや極端な例のように見えますが、そこまで大きな手間はかかりません。このうちのいくつかを取り入れるだけでも、通常よりリーズナブルな価格で新しいiPhoneが手に入ります。円安時代を生き抜くためのiPhone購入術として、覚えておいても損はないでしょう。
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