沖縄県庁(那覇市泉崎)の地下駐車場から有害な有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む消火剤が流出した問題で、県庁地下に流れ込んだ消火剤を、県が3カ月近くも回収しなかったことが27日、分かった。この間、台風などの大雨で一部が近くの久茂地川に流れ出たことも判明。ずさんな管理体制が厳しく問われることになりそうだ。

PFOSは発がん性など人体への影響も懸念される有害物資で、周辺住民に注意喚起する必要があるが、県は流出の事実を公表しなかった。玉城デニー知事は27日、コメントを発表し、「県民に多大な不安を与えたこと、報告が遅れたことを、重ねておわびします」と陳謝した。

県によると、6月18日に県庁地下2階のスプリンクラーが誤作動を起こし、消火剤約900リットルが駐車場に噴出した。県は13年前からPFOSを含まない消火剤を使っていたが、配管内に古い消火剤が残っており、一緒に噴出したという。

噴出後、業者が一部を回収したものの、大半は地下の湧水槽に流れ込んだ。県は、湧水槽から外部に流出しないと判断してすぐには回収せず、事実上放置していた。しかし9月12日に点検したところ、湧水槽の水位が低下しており、流出したことが分かったという。

19日に採水検査したところ、PFOSなどの有害物質が湧水槽から1リットル当たり2万4000ナノグラム、庁舎外の排水溝から6600ナノグラム、近くの久茂地川から34ナノグラムが検出された。国の指針値は50ナノグラムで、県は回収を急いでいる。

県総務部によると、玉城氏は15日に担当部長から流出の報告を受けた。その際、適切に対応するよう指示したものの、公表はせず、18日からスイス・ジュネーブで開催された国連人権理事会に出席。米軍施設のPFOS問題などについて国連関係者らに訴えていた。

こうした対応に、自民党県連幹部は「これまでの米軍抗議は何だったのか。県議会で厳しく追及したい」と批判。玉城氏を支持するオール沖縄関係者からも「県が米軍に抗議しにくくなるのでは」との声が聞かれた。