オートバイが一番安定している
のはエンジンを切ってスタンド
を立てている時だ。
センタースタンドが無ければ
レーシングスタンドで直立
させている時等は安定している
ように見える。
だが、これは実は安定している
ようで左右のどちらかに少し外
力を加えたら倒れる危険がかな
りある。
センタースタンドは、固定安定
性よりもむしろメンテ性のため
にある。
サイドスタンドで下側に斜め
テンションをかけた停め方の
ほうが実は3点支持部分の間隔
の幅からもセンターより安定
する。
このことは、停止状態ではなく
走行状態でも、さらに別物の
外力によって旋回中には二輪
は安定するという物理性を持
つ事とたまたま合致する。
車体を立てた直進走行こそが
安定しているかのような錯覚
になるが、それはジャイロ効果
と駆動による牽引力のために
後輪にトラクションを感じて
いるからであり、直進車体立て
でハンドルを切るまでいかず
とも当て舵するとカクンと切っ
たほうと逆方向に二輪車は倒れ
る。高速道路走行でもそうだ。
直立は前後方向には安定性を
持つが、左右方向にはとても
不安定だ。どちらにでもすぐ
進路を変えてしまう。
前輪も直進加速時にはサスが
荷重が薄れて不安定。
ところが、バンクさせて旋回させ
ると二輪は非常に安定する。
これは前後ともコーナリングフォ
ースによってサスが沈んで仕事
をしているからであり、また、
キャンバーにより内向性を得た
前輪が安定して内側向きに安定
して転がろうとするからだ。
なので、一見非常に安定している
かのような直立直進状態よりも、
コーナリングでパーシャルから
やや微細に後軸に駆動をかけた時
のバンクして旋回しているオート
バイは極めて安定している。
(3:15からその安定旋回状態)
ただし、二輪のコーナリング
には大きな落とし穴がある。
それは、前輪も後輪も直立時
よりもスリップしやすい事と、
次が大事なのだが、旋回速度と
バンク角とパーシャルもしくは
駆動かけの三者が一体化しない
とうまく曲がれないし、「旋回
が危険な状態」を作り出して
しまう事だ。
ピタリと決まった旋回状態は
直立直進よりも両輪が安定す
るのだが、上記三位一体のど
れかが崩れても「不安定で危
険な旋回」に即転化してしまう。
オートバイに乗れている人は
コーナリングの安定旋回の
状態はよく知っているから
私の説明でもすぐに得心が
行くだろう。
逆に、旋回安定領域を持たない
人たち、未経験の人たちは、
バイクを傾けているコーナリ
ングが安定するなんて何を言
っているのだろう、と思う事
だろう。自分の未知の世界の
事実を示されても理解できない
どころか、逆に私が示す物理
的事実を「珍理論」と悪書犯
罪掲示板で罵ったりするのが
関の山だ。
だが、事実は事実として存在
する。
寝かし込みから立ち上がりまで
のコーナリング全域ではないが、
オートバイは旋回中こそが車両
の挙動として一番安定する状態
がある。直立直進よりも。
停止状態でのスタンド立ては
一見安定しているように思える
センタースタンドよりもサイド
スタンドで真下に荷重をかける
ほうが安定するが、走行でも
奇しくも直立直進よりも傾斜=
バンク旋回のほうが安定する
領域が存在するのである。
なお話がずれるが、空気抵抗は
60km/hあたりから極度に増大す
る。
そして、一つの増大のピークが
なぜかしらあり、それは60km/h、
80km/h、120km/h、160km/h、
210km/hとなる。
カウル等のエアロパーツの空力
効果は法定速度の60km/hでも
充分に発揮される。
空力は全面投影面積が影響する
ので、加速時には前傾して伏せ
るのが二輪走行のセオリーだ。
ほんの5センチ身をかがめる
だけでもかなり抵抗が異なるし、
タンクにベタ伏せだと完全に
カウルの効果が現れる。
これはカウル無しのネイキッド
でも加速時には背中を丸めて
前傾姿勢になるのは大原則だ。
上体を立てて起こしたままだと
航空機のブレーキパラシュート
のようになり加速しないし身体
が後方に持っていかれるので
危険だ。頭の天辺から背骨の
途中まで抜けるようにGを受け
流す前傾姿勢が正しい。
ゆえに、カウルのスクリーンを
黒く塗って目隠ししたりするの
は前方が視認できない危険走行
車両に自分が改悪している事に
なる。カウルの空力には影響
無くとも前方視認性の役目を
100%殺しているからだ。空力
発揮状態での前方視認を。
黒塗りスクリーンがカッコいい
と思っている者にまともな理論
走行などできる筈もない。機械
任せの運行のみだ。これ現実的
に。ヘルメットのシールドも
前が見えない黒塗りにすれば
いいのにと思うが、それはしない
ようだ。それは前が見えないから。
だが、オートバイのカウルの
スクリーンは前を見る為に透明
もしくはスモークで透過性を確
保している。前を見えなくさせ
るのは、それはヘルメットシー
ルドに目隠しするのと全く同じ
なのだ。
しかし、世の中、真実を解って
いない人は多い。
その社会状況こそ危険だ。
私は、スクリーン黒目隠し車の
運行者を見たら近づかないよう
にしている。物事の道理と危険
性の意味が解っていない危険な
人物だからだ。
昔の峠族で、転倒によりスクリー
ンが割れた少年たちは、スクリー
ンを除去した。前が見えないから
だ。
空力効果は半減するが、黒塗り
目隠しよりはずっとそちらのほう
が良い。理に適っているというか
視認性確保をきちんとやっている
からだ。
はっきりいうと、黒塗りのカウル
スクリーンは、走りとは180度の
反対方向に乖離しきっているので、
とてもダサい。竹槍マフラーや出
っ歯四輪や空中カウルの珍走団と
本質的にはなんら変わらない。あ
るいは現在は運行法違反となった
トラックの前フロントガラスの下
側隠しパネルと同じだ。
前方を全く見えなくしたバイクを
本人がカッコいいと思い込んでる
ところがまたかなりダサい。