ヒト以外の遺伝情報を体内に 世界初のワクチン

(バイデン米大統領)
「ワクチン接種は大きな希望だ。何も心配はないし、2回目の接種が楽しみだ」

新型コロナ対応のワクチンが登場したのは、感染拡大が始まって1年足らずの 2020年12月。欧米各国は、安全確認の一部を省略する “緊急使用許可”によって 接種をはじめました。アメリカの製薬大手、ファイザーとモデルナが相次いで完成させた 「メッセンジャーRNAワクチン」。最大の特徴は、それまでとは全く違う“薬の仕組み”です。新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク。 このトゲのような部分で、人の細胞に感染します。

ワクチンの成分は、このスパイクタンパクの遺伝情報 “メッセンジャーRNA”を特殊な膜で包んだもの。これがワクチン接種によって体内に入ると、人の細胞自身がメッセンジャーRNAの遺伝情報を元に新型コロナのスパイクタンパクを作りだすのです。 作られたスパイクタンパクは細胞の表面に移動。

それを免疫機能が異物と判断し、たくさんの抗体ができます。その抗体が、新型コロナウイルスの感染を防ぐ仕組みです。

(菅 義偉総理(当時))
「ワクチンは感染対策の決め手となる。国民の皆さんに安全で有効なワクチンを速やかにお届けしたい」

日本は、海外で使われている実績をもとに安全審査を簡略化した「特例承認」の形で導入。「努力義務」として集団接種をはじめました。ワクチンの添付文書には 「特例承認医薬品」の言葉と品質について、現在も情報を集めている事が明記されています。

ヒト以外の遺伝情報を体内に入れる世界初のメッセンジャーRNAワクチン。 発症予防効果は、劇的なものでした。 しかし、接種が進むと体の不調を訴える人が出てきたのです。