コメント日|2023.09.21
こんにちは。いつもいつも大変なご苦労に頭が下がります。 認知症の他に特に持病がないのであれば、施設には大体訪…
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「早く寝たいのに、布団に入ってから1~2時間は寝られない!」おまけに暑くて寝苦しい日は夜中に何度も目が覚めて、日中は頭がボーっとしてしまう人も多いはず。そんなあなたに朗報!米軍兵士の96%が120秒以内に眠りに落ちた米軍仕込みの睡眠法を、早速今晩からぜひ試してみてほしい。
工藤千秋さん/くどうちあき脳神経外科クリニック院長、坪田聡さん/睡眠専門医で雨晴クリニック院長
いつ敵に狙われるかわからない紛争地。極限の緊張下で注意力を発揮し、即座に行動しなければならない戦場の兵士たちには常に重圧がのしかかる。ひとつのミスが命にかかわる状況の中、睡眠不足で判断力を低下させないため、どんな場面でもすぐに体を休められるように米軍が採用した究極の方法がある。
「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」と呼ばれるその“睡眠法”は、強いストレス状況下にある兵士の96%が、120秒以内に眠りに落ちるという。しかも、マシンガンの銃声が聞こえる中でも有効だった――
くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋さんも、漸進的筋弛緩法の効果を高く評価するひとりだ。
「自分の意思で緊張状態を解除できる心理療法であり、1930年代にアメリカ人医師のエドモンド・ジェイコブソン氏によって開発されました。筋肉の緊張・弛緩を繰り返すことで、自律神経を緊張状態で交感神経が高ぶっている状態から、リラックス状態の副交感神経に切り替えます。すさまじい戦闘を経験した兵士が、その苦しい瞬間から解放されたと錯覚してリラックスさせるほどの効果がある。道具は不要で、行う場面や状況を選ばないことも推奨ポイントです」(工藤さん)
極限状態の兵士でなくても漸進的筋弛緩法は有効な快眠法であると、睡眠専門医で雨晴クリニック院長の坪田聡さんも声をそろえる。
「“リラックスしてください”と言われても、どうやってリラックスすればいいのかわからない人が多いと思います。しかし、筋肉に力を入れてから脱力させると緊張が弛緩されるのが感じられます。それを何度も感じることで、精神の緊張状態もほぐれていくのです」(坪田さん)
やり方は簡単で、誰でもすぐに実践できる。
「眠る直前に行う場合は布団に寝ころんだまま手足を伸ばして、腕を体の横においてください。目を閉じ、ゆっくり呼吸をしながら70%くらいの力で両手を握りしめる。10秒ほど経ったら一気に力を抜いて、その後20秒ほど筋肉が緩んでいる状態をぼんやり実感するだけ。しかも、たった1回でも効果があります。時間がある人は、両手が終わったら両腕、足の指、ふくらはぎと体の末端から中心に向かって筋肉の緊張・弛緩を繰り返すとより効果的です。必ずしも体のすべての部位を緩める必要はありませんので、自分のやりたいところだけ行う形でもかまいません」(坪田さん)
できる部位だけでもいいが、全身に対して行うとより緊張がほぐれる。
※体の部位/方法(力を入れるのは10秒間、脱力するのは15~2秒間)
●両手
手のひらを上にして両手をギュッと握り、手のひらをゆっくり広げて脱力する。
●両腕
力こぶを作るように腕を曲げ、脇を締めてギュッと力を入れ、脱力する。
●背中
肩甲骨を背中側に引きつけるように力を入れ、脱力する。
●肩
両肩をグッと持ち上げ、耳に近づけるように力を入れ、脱力する。
●首
右側に首をひねって力を入れ、脱力する。左側も同様に行う。
●顔
目と口をギュッと閉じ、奥歯を噛みしめ目・口・鼻を顔の中心に集めるように力を 入れた後、口をぽかんと開けて脱力する。
●お腹
お腹に手を当て、へこませる。その状態から手を押し返すように力を入れ、脱力する。
●ふくらはぎ
両足を伸ばし、ふくらはぎの筋肉を意識して力を入れ、脱力する。
●太もも
両足を伸ばし、つま先を上に曲げて太ももの筋肉を意識して力を入れ、脱力する。
●足の指
力を入れてグーの形にし、脱力する。
→夏の睡眠調査「80%以上が悩みや不満あり」熱帯夜にぐっすり眠るテクを専門家が指南
米軍式睡眠法を身につけることは、すぐに眠りに落ちる効果以外にもさまざまなメリットがある。坪田さんが解説する。
「寝付きがよくなり睡眠時間が確保されるので睡眠の質がよくなります。その結果、メンタル面が改善しやすいです」
工藤さんは日中にも応用できる点を挙げる。
「昼間の生活においてもリラックスのスイッチをオンとオフに切り替えることができるようになる。強く緊張する場面で、こっそり指先の筋肉を緊張・弛緩させてリラックスするなど応用できます」
漸進的筋弛緩法のストレス緩和効果が高いことはさまざまな研究で明らかになっている2020年8月に発表されたインドのマンガロール看護大学の研究では1週間の漸進的筋弛緩法を実践した看護学生のストレススコアが下がった。副作用がなく費用対効果は極めて高いと評価されている。
2022年3月に発表された米カリフォルニア大学アーバイン校の研究でも、90分という短時間の昼寝で漸進的筋弛緩法を行ったグループは、そうでないグループより125%も脳の休息状態を示す「ノンレム睡眠」の時間が延びたことが判明した。
「睡眠の質が改善されると脳の老廃物が取り除かれやすくなります。例えば『アミロイドβ』というアルツハイマー型認知症の原因物質も蓄積されにくくなります。また睡眠の質が上がると、成長ホルモンの分泌量が増え、全身の老化を防いでくれます」(坪田さん)
漸進的筋弛緩法によって睡眠の質を向上させることはアンチエイジングにつながるだけでなく、病気も防いでくれると坪田さんは続ける。
「睡眠の質が悪ければ食欲を調整するホルモンに影響して過食を招き、高血圧や糖尿病、肥満といった生活習慣病のリスクが増加します。加えて乳がんや前立腺がんにもなりやすいことも明らかになっています。さまざまな病気のリスクを考えれば、しっかり寝ることが寿命を延ばし、若々しさを維持するうえで非常に重要と言えます」
筋肉を緩めることが、健康への第一歩になる!
イラスト/黒木督之 写真/Getty Images、PIXTA
※女性セブン2023年9月7日号
https://josei7.com/
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