障害者施設で食材費過大徴収 経済的虐待の疑い、厚労省が調査指示

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 全国で障害者施設などを展開する福祉事業会社「恵」(東京)が、愛知県内の障害者向けのグループホームで利用者から食事の費用を過大に徴収していたことがわかった。障害者虐待防止法が定める経済的虐待(事業者の不当利得)の疑いがあるとして厚生労働省は同社の施設がある全国の自治体に対し、事実確認を指示した。

 愛知県によると、昨年5月、岡崎市の障害者向けのグループホームで、食材費の過大徴収の疑いがある事案を把握した。県は同年12月に県内の別の施設で監査を実施し、実際にかかった食材費を上回る額を利用者から徴収していたことを確認したという。

 その後の県の調査で、さらに他の複数の施設でも同様の過大徴収があることが判明した。実費の倍以上の額を徴収していたケースもあった。今年5月、同社の監査をした結果、組織的に過大徴収を繰り返していた疑いが強まった。

 これを受けて厚労省は6月中旬、同社のグループホーム約120カ所がある関東や東海、九州などの自治体に対し、過大徴収などの事実確認を指示した。

 厚労省令によると、食材費の規定では、調理に使った材料の実費のみを徴収するよう定めている。

 同社は2012年設立。ホームページによると、全国13都県で障害者向けのグループホームやデイサービスなどを運営している。担当者は取材に「監査中なので答えられない。事実であれば速やかに返金する」と話した。

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