(SS注意)酔うとキス魔になるタイプのマンハッタンカフェ

  • 1二次元好きの匿名さん23/09/20 22:46:43

    「カフェ、誕生日おめでとう……少し遅れちゃったけど」
    「ありがとうございます……アナタも…………忙しい身ですからね」

     そう言って俺達はカツン、とグラスを合わせる。
     トゥインクルシリーズをカフェと共に駆け抜けて、数年が経過していた。
     彼女が卒業してからも定期的会っているが、その成長ぶりには驚かされるばかり。
     漆黒の長髪は当時そのままの艶を残しつつ、体つきは女性らしく成長し、身長も少し伸びた。
     少し幼さがあった顔立ちもすっかり大人びて、目が覚めるような美人になっている。

    「……どうかしましたか? 私のことを……じっと見つめて…………」
    「……あっ、いや、学生だった君もついに二十歳かって思ってさ」
    「ふふっ…………そうですね……あの頃が…………つい昨日のことのよう」

     昔を懐かしみながら微笑むカフェの顔に、思わずドキリとしてしまう。
     思えば、元担当とはいえこんな美人とサシで飲む機会なんて、一度もなかった。
     ウマ娘と接することには慣れているが、大人の女性と接するのには未だ慣れない。
     落ち着こう────今日、彼女は頼れる先達として、俺を選んでくれたのだから。

    「……というか、本当に俺と二人で良かったのか?」
    「もちろん……タキオンさんやポッケさん、ユキノさん達には……別に祝ってもらってますから」
    「いや、初めての『お酒』を飲む機会に関してだけど」
    「…………それは……初めてはアナタとが…………良かったんです」

     そう言って、カフェは恥ずかしそうにはにかむ。
     ……美人の一挙一動は大変心臓に悪い。
     今日は、少し遅れたカフェの誕生日祝いであり、初めてのお酒デビューの日でもあった。

    『あの……お酒を飲みに…………連れて行ってくれませんか?』

  • 2二次元好きの匿名さん23/09/20 22:46:59

     誕生日当日に祝いの電話を入れた時、彼女から頼まれたこと。
     無論、友人のアグネスタキオンやジャングルポケットはまだ誕生日を迎えていない、という理由はあるだろう。
     けれど、過去の担当トレーナーでしかない自分を選んでくれたことが、とても嬉しかった。

     だから────カフェにとっての初めてのお酒が、良い思い出になるようにしたい。

     そのためには、まずは俺も楽しまなければいけないな。
     すっと、肩の力が抜けて、自身の表情筋が柔らかくなるのを感じる。
     
    「じゃあ、そろそろ始めようか、乾杯、はさっきしたけど」
    「……では…………いただきます…………でしょうか?」

     カフェはグラスを持ったまま、首を傾げる。
     その様子がどこかおかしくて、俺達は二人揃って笑い声をあげてしまった。

     そんな感じで飲み会はスタートしたのだけれど。

    「んっ……これも飲みやすいですね…………コーヒーを使ったカクテル?」
    「あっ、ああ、このお店は種類が結構あって、それで選んだんだ」
    「ふふっ……それなら…………堪能しないといけませんね……?」
    「うん、それは良いんだけど、もうちょっとペースを落とした方が良いんじゃないかな」
    「まだまだ……大丈夫です…………それにしても……少し熱いような」

     少し頬を上気させたカフェは襟ぐりを少し引っ張って、空気を取り込んだ。
     その胸元からは、豊かとはいえないものの確かな谷間が見えて、慌てて目を逸らす。
     ……カフェの飲むペースが、明らかに早い。
     度数低めのカクテルとはいえ、俺の倍くらいのペースで飲んでいる。
     美味しそうに飲んでいて、実際平気だったから止めなかったが、大丈夫だろうか。

  • 3二次元好きの匿名さん23/09/20 22:47:15

    「あっ……ごめんなさい…………やっぱり……少し酔いが回ったかもしれませんね……」
    「おっ、おう、無理はしないでね、残しそうなら俺が処理するからさ」
    「……間接キス狙いですか?」
    「違うよ!?」
    「ふふっ…………冗談ですよ……♪」

     カフェは俺に身体を押し付けるようにしなだれかかり、耳元で囁きかけた。
     低めの、それでもどこか甘い響きを含んだ声が、俺の鼓膜を優しく揺らす。
     ぞくぞくと背筋が凍り付くものの、密着した彼女の体温が、それを瞬時に溶かしてしまう。
     契約していた当時にはなかった、柔らかくて暖かい、生々しい感触。
     さらには、アルコールと珈琲、汗の匂いの混じったカフェの香りが、理性を刺激する。
     いやいやいや、個室とはいえちょっと距離が近すぎる。
     最初は対面で飲んでいたはずなのに、何でいつの間にか隣にいるのだろう。
     信頼してくれているのは良いが、お互いにもう成人、節度を持って接するべきである。
     大変心苦しいが、俺は心を鬼にして、カフェへ毅然とした対応をするのだった。

    「あの、その、カフェ、さん、ちょっと、ちょーっと、くっつき過ぎじゃないかな……?」
    「…………いや、でしょうか?」
    「…………嫌じゃないです」
    「……ふふっ」

     上目遣いで悲しそうに見つめて来るカフェに、俺の鋼の意思はドロドロに融解してしまった。
     ……こういうところだけは当時から全く変わっていない。
     彼女はぴこぴこと耳を動かして俺の顔をくすぐりながら、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。

  • 4二次元好きの匿名さん23/09/20 22:47:29

    「ふぅ…………美味しい…………これ……好きです」
    「へぇ、そうなんだ、俺も後で頼んでみようかな」

     先ほど話題に出していたコーヒーを使ったカクテルを口にして、息をついた。
     どうやら相当お気に召したようで、尻尾が楽しそうに揺れ動いている。
     俺もあることは知っていたものの、飲んだことはなかったので少し興味湧いて来た。
     
    「…………アナタも……味が気になりますか?」
    「うん、君がそこまで絶賛しているからね」
    「そうですか……それなら…………口も少し寂しくなってきましたし……」
    「口が寂しい? ああ、おつまみ追加注文しよう、か……!?」

     カフェの顔が音もなく眼前に近づいて来て、言葉が詰まる。
     お互いの浅い呼吸すら顔にかかってしまいそうな距離で、彼女は妖しく嗤っていた。
     心臓が止まりそうになりながらも、どうしたの、と声を出そうとした、その瞬間。
     俺の口は塞がれる────カフェの唇によって。

    「むっ……!?」
    「……ちゅっ……んんっ…………れろっ…………んむっ……んっ……」

     少しだけ長いカフェの舌が俺の口内に入り込んで、蹂躙を開始した。
     その舌先だけ別の生物なのかと思うほどに巧みに、滑らかに彼女の舌が俺の舌を絡めとっていく。
     口の中にコーヒーのほろ苦さ、ウイスキーの香ばしさ、蕩けるような甘さと焼けるような熱さが広がった。
     最後の二つが、カクテル由来なのか、カフェ由来なのかは、のぼせた脳では判断できない。
     顔を離そうにもがっちりと彼女の両手で顔を抑えられて、身動きは取れなかった。
     それから、文字通り、筆舌に尽くしがたい行為は続けられて。

    「ぷは…………はぁ…………はぁ…………お味は…………どうでしたか?」

  • 5二次元好きの匿名さん23/09/20 22:47:44

     何分、何十分かもわからない時間が経過した後、俺は解放された。
     離れていくカフェの舌先から、ねっとりと絡み合った唾液の橋がかかり、てらてらと光る。
     彼女はぺろりと美味しそうに唇を舐めとって、質問を投げかけて来た。
     しかし、元ステイヤーの圧倒的なスタミナに押しつぶされた俺は、呼吸を整えるのに必死で何も喋れない。
     
    「もしかして…………わからなかった…………でしょうか?」

     俺はその質問に、こくりと頷く。
     実際、味とかそんなことを考えている余裕などはなかった。
     そんな俺の態度を見て、カフェはわざとらしく驚いた表情を見せる。

    「あら…………それは残念……………………じゃあ」

     カフェは、残っていたカクテルを一気にあおる。
     カツンとテーブルにグラスを叩きつけるように置いて、じっとこちらを見つめて来た。

    「もう一度…………味わってもらわないと」

     言葉を紡ぐ口から見える真っ赤な舌は、艶めかしく揺れ動く。
     少し乱れた漆黒の髪の間から除く金色の瞳は、狂気の混ざった熱を湛えていた。

  • 6二次元好きの匿名さん23/09/20 22:48:03

    「最近、彼…………元トレーナーさんが余所余所しくて……何故でしょうか?」
    「私に聞かれてもねえ……そういえば、初めてのお酒はどうだったんだい?」
    「……最後の方は…………潰れてしまって記憶が…………ないのですが」
    「ふむ、カフェは意外とお酒は弱いのかな」
    「そうかもしれませんね…………ただ…………」
    「ただ?」
    「…………とても美味しくて…………とても幸せだったのは…………覚えています」
    「ほう! それは好奇心が刺激されるな! 私の時にはカフェに付き合ってもらうよ!」
    「……はあ…………アナタの相手は骨が折れそうなので……ポッケさんにも来てもらいましょう」
    「はっはっはっは! せっかくだからスズカ君も呼んで盛大にやろうじゃないか!」
    「…………本当に仕方のない人ですね」
    「……おや、君に言われたくないという気持ちが急に湧いて来たぞ?」

  • 7二次元好きの匿名さん23/09/20 22:48:53
  • 8二次元好きの匿名さん23/09/20 22:49:46

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  • 9二次元好きの匿名さん23/09/20 22:50:01

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  • 10二次元好きの匿名さん23/09/20 22:50:22

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  • 11二次元好きの匿名さん23/09/20 22:51:22

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  • 12二次元好きの匿名さん23/09/20 22:53:02

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  • 13二次元好きの匿名さん23/09/20 22:53:53

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  • 14二次元好きの匿名さん23/09/20 22:54:24

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  • 15二次元好きの匿名さん23/09/20 22:55:06

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  • 16二次元好きの匿名さん23/09/20 22:55:57

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  • 17二次元好きの匿名さん23/09/20 22:56:00

    >>信頼してくれているのは良いが、お互いにもう成人、節度を持って接するべきである。


    現役時に一晩中手を繋ぎ続けたやつが言うセリフじゃねえと思うです

  • 18二次元好きの匿名さん23/09/20 22:56:25

    SSスレってホントにこんなの湧いてくるんだな…って感心してる

  • 19二次元好きの匿名さん23/09/20 22:56:47

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  • 20二次元好きの匿名さん23/09/20 22:57:03

    心折れてないいで管理しなさい

  • 21二次元好きの匿名さん23/09/20 22:57:09

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  • 22二次元好きの匿名さん23/09/20 22:57:45

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  • 23二次元好きの匿名さん23/09/20 22:58:26

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  • 24二次元好きの匿名さん23/09/20 23:02:57

    SSに親でも殺されたのかな?って感じのスレ

  • 25123/09/20 23:03:52

    ※ ちなみにスレ主はレスをまだ一度も削除してません

  • 26二次元好きの匿名さん23/09/20 23:04:43

    自演で荒らして全部自分で削除して荒廃アピールしてるってこと?たまげたなぁ

  • 27二次元好きの匿名さん23/09/20 23:05:20

    >>18

    俺は初めて見たが単なる幸運だったらしい

  • 28二次元好きの匿名さん23/09/20 23:05:40

    >>25

    いやドヤってないでさっさと削除してくれ

  • 29二次元好きの匿名さん23/09/20 23:06:22

    うわぁ…こんな荒らしって本当に湧くんだ…

    とりあえず、トレカフェめっちゃ好きだし本当に出力してくれてありがとう!
    普段はクールで割とドライ気味なカフェが、お酒を飲むとどんどんと甘えん坊かつちょっと悪戯っ子な本性が見えて来るの本当に好き。クリスマスの時から距離感バグ勢ではあったけど、酒入って更に距離感がバグるの本当に良い。

    そしてステイヤーはキスが長い概念、いい…(語彙力喪失)
    そうだよね、ステイヤーは肺活量もあるから息長いよね、キスもめちゃくちゃ長くなりそうだよね。ついでに言えばSS…じゃなくてお友達の史実を考えたらカフェもそこら辺の欲強そうだし、お酒入って「口寂しい」と感じちゃうのは解釈一致。

    ………ちなみにタキオンとかはこの酒で獣になるカフェと飲んで大丈夫?餌食にならない?

    改めて、いいSSでした。もっと見たいです。トレーナーとギクシャクする所とか見たいなー、書いてくれないかなー

  • 30二次元好きの匿名さん23/09/20 23:07:13

    耳で顔くすぐるの良いな
    なんかえっちさと悪戯っぽさの混ざり方が

    SS荒らし俺強寝小便マンが目立つ所に上げてたお陰で良SSを見落とさずに済んだわガハハ

  • 31123/09/20 23:07:37

    >>28

    少し待ってから消すつもりだったんですけど勝手に綺麗に消えましたね……

  • 32二次元好きの匿名さん23/09/20 23:07:40

    今日はなんか荒らし多い感じだからねぇ
    何か嫌なことでもあったんかねぇ
    お酒飲んで寝ようぜ?

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