土曜日だというのに、以前の依頼者からあわてふためいた様子で電話とメールが来ました。
相も変わらずお粗末な「架空請求」メール。
どうせ架空なんだから、固有名詞も全部晒してやるわ。
最終通達
㈱サイバーリサーチ社
この度、現在お客様ご使用中の携帯端末より、端末電子名義認証を行い、以前にご登録されました「総合情報サイト」から、無料期間中に退会処理がなされていない為、現在、公正証書での債権書として当社にてデータ保留とさせて頂いております。本通達より再度これ以上放置が続きますと、当社規約に沿い、お客様の身辺調査を興信所に依頼した後、回収機関により、調査費・人件費等含めまして、ご自宅・お勤め先へ伺い、直接満額請求、もしくは当社顧問弁護士を通じての裁判所での法的処置と代わります。退会処理をご希望であれば早期に精算、退会処理手続きをお願い致します。尚、メールでのお問い合わせには一切お答えいたしかねますのでご了承下さい。ご連絡先
TEL 0338316926
受付時間
平日10:00~19:00
定休日 ・日曜・祝祭日社団法人日本調査業協会東京都調査業協会所属登録No.2225
㈱サイバーリサーチ社担当 浅井 迄
尚、明日の弊社営業時間内迄にご連絡の無い場合、手続き開始と共に上記記載事項通り、直接回収業者にデータ移行、もしくは法的処置となりますのでご了承下さい。
ということです(爆笑)
でも、こんなお粗末なもんでもびびる人はびびるし、引っかかる人は引っかかる。だから未だになくならないでしょうね。
メールだろうとハガキや封書だろうと、どんなにモットモらしいことが書いてあっても、身に覚えのないこの種通知が突然来たら、それは100%以上、架空請求ですよ!!!
たとえ、多少なりとも身に覚えがあったとしても、それが「いつ利用した、どこのサイトのことなのか、ぜんぜんわからん」というものなら、それも間違いなく架空請求です!!!!! そもそも、およそ他人様に金銭を請求する場合には、最低限、その請求権の根拠となる事実と金額くらいは特定するものでしょ。
つまり、何年何月何日から何年何月何日にかけて○○というサイトを利用したことによって発生した利用料金××円、という記載のない請求書は、120%、架空請求(断言)
そして最も大事なことは、
およそ、人様から強制的に金銭を取り立てることができるのは裁判所だけということです。
裁判手続によらなければ、それがどんなに正当な請求権であったとしても、相手から強制的に取り立てることはできないのです。
逆に言うと、裁判手続によれば、身に覚えのない請求であったとしても、強制的に取り立てることのできる権利に変わってしまう可能性があります。だから、
裁判所から来た通知だけは、絶対に放置してはいけません。 裁判手続によって請求権が確定してしまったら、
たとえそれがもともとは架空のものであったとしても、裁判所が強制的に取り立てることのできる請求権に変わってしまうのです。こういう状態の請求権のことを、「
債務名義」と言います。
そんなことにならないよう、きちんと裁判手続に参加して、「そんな請求権は存在しない」と争わなければいけません。
もともとが架空の請求権なら、きちんと争いさえすれば、裁判所がこれを認めることはないでしょう。
でももしも、裁判手続に全く参加せず、これを放置してしまうと、裁判所は相手の言い分をそのまま認めて、架空の請求権であったものが、立派な「
債務名義」になってしまう可能性がきわめて高いのです。
実際に、数年前、そういう事件が数件起きたとの報道もありました。
いっとき、架空請求が猛威を振るったとき、私たち専門家が「とにかくそんなもの放置しなさい!!!」と盛んに呼びかけた結果、裁判所から来た通知まで放置する人が出てきてしまったのです。というより、そこを衝いた悪質業者の巧妙な手口というべきでしょう。
さて、ここからが(やっと?)本題です。
絶対に無視してはいけない裁判所からの通知とは、どんなものなのか、しっかり覚えてくださいね!
まずは封筒です。

必ず、裁判所の封筒で来ます。あたりまえです。
これが、
「特別送達」という、特別な書留郵便で来ます。 そして、その中に入っているもの。
基本的には、「訴状」と「呼出状」です。
右側の呼出状、正確には「口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状」に注目してください。
これは要するに、「あなたを被告とする裁判が起こされたから、裁判の日に裁判所に来てね。その前に、答弁書という書類を出しておいてね」という通知。これが、書記官という人、これは裁判官の秘書のような役割の人ですが、この書記官の名義で送られてきます。ここには、この担当書記官の名前、所属する部・係の名前、内線番号、FAX番号などが、きちんと明記されています。
連絡先電話番号は、必ず、その裁判所の代表番号です。これもけっこうポイントかも。
「訴状」には、「甲○号証」という、証拠である書類の写しもセットになっています。
これ以外に、答弁書の書き方の説明書みたいなのとかそのひな形とか、これからの手続についての簡単な説明書みたいなのが同封されています。「これをこのまま放っておいたらたいへんなことになりますよ」「わからないことは弁護士に相談してくださいね」みたいなことも書いてあります。大阪地裁の場合、だいたいこんな感じ。

裁判を起こされたら、必ず、こういう書類がセットになって「特別送達」で送られてきます。
もしもこれが来たら、たとえ身に覚えがなくても、いや、
身に覚えがないからこそ、これだけは、絶対に放置してはいけません。封筒ごと持って、すぐに
弁護士に相談してください。