旧統一教会と接点ある議員も 福島県内国会議員アンケート

酒本友紀子
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係に厳しい目が向けられるなか、朝日新聞は福島県内に拠点を置く衆参国会議員14人に旧統一教会との関わりについてアンケートをした。取材結果を合わせて判断すると、関わりがあった議員が1人、関わりがあった可能性のある議員が1人、調査中が2人、回答を控えたのが2人で、いずれも自民党議員だった。

 7月の参院選福島選挙区で初当選した自民党の星北斗氏は、選挙期間前に福島市内であった教団のミニ集会であいさつしたという。誰の紹介かは覚えていないといい、「支援拡大のためだった。今後は社会的状況を鑑みて(付き合いを)判断する」とした。

 根本匠氏(自民、衆院2区)は「地元事務所の担当者が、関連団体の会合に祝電を出した記憶がある」とし、「会合の出席者から依頼があり、社交儀礼として出した。それ以外の関わりはない」と釈明した。

 亀岡偉民氏(自民、衆院比例)は、昨年の選挙期間中に選挙カーで福島市内の教会に立ち寄った。「先導車の交代場所だったためトイレを借りた。あいさつをしたかは覚えていない」と説明。祝電については「調査中」とした。

 一方、森雅子氏(自民、参院選挙区)については、いわき市の教会の建物内にポスターが貼られている様子を、参院選があった2019年7月撮影のグーグルマップストリートビューで今年8月上旬まで確認できた。現在はストリートビュー上のポスターにモザイクがかかっている。森氏はポスター掲示の経緯について、「知らない。(誰かが)事務所に置いてあるポスターを持って行ったか、旧統一教会と知らずにポスターを渡したのだと思う」と回答。「今後は誤解のないようにポスターの持ち出しなどを厳正にチェックしたい」とした。遊説で訪れたかどうかは「調査中」という。

 吉野正芳氏(自民、衆院5区)と上杉謙太郎氏(自民、衆院比例)は、「相手があることなので、個別の問い合わせには回答を控える」とした。

 アンケートでは、旧統一教会と政治家が接点を持つことについての認識も尋ねた。「社会問題となるトラブルを抱える団体とは接触すべきではない」(若松謙維氏=公明、参院比例)、「集会参加や祝電、メッセージを送ることは団体にお墨付きを与えることになりかねない」(岩渕友氏=共産、参院比例)といった意見があった。

 馬場雄基氏(立憲、衆院比例)は「全ての団体の背景や関係性を把握することは現状では難しい」としたうえで、「政党や議員、秘書が事務所の中で団体について情報を確認できるシステムの導入や意識合わせが必要だ」とした。岩渕氏も「きちんと党として調査すべきだ」と強調した。

   ◇

福島県内に拠点を置く国会議員と旧統一教会との関わりは? ※敬称略

◇星北斗(自民、参院選挙区)=選挙前に集会であいさつ

◇根本匠(自民、衆院2区)=関連団体の会合に祝電を送った可能性がある

◇亀岡偉民(自民、衆院比例)=選挙中に教会に立ち寄ったが、あいさつしたかは「覚えていない」。祝電については調査中

◇森雅子(自民、参院選挙区)=教会にポスターが掲示されるが、経緯は「知らない」。遊説で訪れたか調査中

◇吉野正芳(自民、衆院5区)=「相手があるので個別の問い合わせには回答を控える」

上杉謙太郎(自民、衆院比例)=「相手があるので個別の問い合わせには回答を控える」

「関わりなし」と回答した議員 ※敬称略

菅家一郎(自民、衆院比例)、金子恵美(立憲、衆院1区)、馬場雄基(立憲、衆院比例)、玄葉光一郎(立憲、衆院3区)、小熊慎司(立憲、衆院4区)、佐藤正久(自民、参院比例)、若松謙維(公明、参院比例)、岩渕友(共産、参院比例)(酒本友紀子)

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