アタシポンコツアンドロイド
シナリオ本編
❚ 導入
インターホンの音が鳴る。来訪者は運送会社だ。
貴方は荷物の正体を察する。1週間前の大きな買い物を思い出すだろう。
そう、荷物の正体は“家政婦アンドロイド”である。
発明者は科学者銅島鉄平(どうじまてっぺい)。そのあまりにも人間に近い見た目、完璧な性能から最近はテレビや新聞などでも大きく取り上げられており、巷で話題になっている。
扉を開けると配達員の青年が150cm(HO2の身長に合わせる)くらいの大きな段ボール箱を抱えている。貴方がサインをするならば受け取ることができるだろう。
そっと段ボール箱に切り込みを入れていく。緩衝材に包まれ、まるで寝ているかのように目を閉じている少女は人間そのものだった。横たわる機体の隣には説明書らしき冊子が見える。
❚ 触る
ふにふにと柔らかいが、人特有の温もりは無く金属のように冷たい。
❚ 冊子を読む
表紙には『取扱説明書』と書かれている。全部で4Pあるようだ。
『取扱説明書 〜1/4〜』
この度は家政婦アンドロイドのご購入ありがとうございます。まず電源を入れてみましょう。アンドロイドの電源ボタンは人でいう鎖骨の3cm下にございます。電源を入れましたら次の項目へ進んでください。
❚ 電源をいれる
胸のボタンを押すと閉ざされていたまぶたがふるりと上がる。そしてHO2はHO1を認識するだろう。
☆HO2に秘匿
HO1を見た瞬間、心臓がドキリと高鳴る。目の前にいる人物、ご主人様を愛おしいと思ってしまう。おそらくこの感情は恋で、一目惚れというものなのだろうと思う。
☆HO2アイデア
どきりという心音とともにカチリとどこかが鳴った気がした。
HO2は自分が家政婦アンドロイドであること、自分の家政婦No、世の中の一般的な知識を知っていて良い。
『取扱説明書 〜2/4〜』
当機体は"完璧"をモットーに制作したアンドロイドとなっております。当機体は独自のバッテリーを使用している為、食事、もとい充電を必要としません。
❚ 2P目を読み終える
すると、ぐぅ〜〜〜〜と腹の虫らしき音がHO2から聞こえて来る。HO2は空腹感を覚える。
HO1は説明書との差異に違和感を覚えるだろう。
『取扱説明書 〜3/4〜』
料理、掃除、洗濯…家事なら何でも完璧にこなすことが出来ます。何か頼んでみましょう。
掃除などの家事をしてもらう。ここで失敗したらHO2は痛覚が無いことをHO1に伝えると良い。
例)思いっきり包丁で指を切っているがそれに気付かず料理をしているなど
『取扱説明書 〜4/4〜』
何かお困りでしたらこちらまでお問い合わせ下さい。 ○○○-○○○○-○○○○
❚ 問合せをする
「はい!こちらお客様サポートセンターです!なにかお困りでしょうか?」
・不調が目立つ
「ええ?!当機体は数百回に及ぶテストを行なっているのでそのようなことは無いと思うのですが…もしよろしければ家政婦ナンバーをお聞きしてもよろしいですか?」
・家政婦ナンバーを教える
「ありがとうございます!少々お待ち下さいね……あれ?すみませんお客様、本当にその番号でお間違い無いでしょうか……?その様なナンバーの家政婦アンドロイドは存在しないのですが……」
・質問が落ち着いたら
「私どもの見落としかもしれませんのでこちらでも少々お調べいたしますので後日また連絡させていただきますね」
❚ しばらくして目星を振らせる
HO1はHO2のポケットに小さな紙の様なものが入っていることに気付く/HO2は自分の服に小さな紙が入っていることに気付く。
『メモ』
当機体は限りなく人間に近いアンドロイドです!良好な関係を築く為にさっそく一緒に出かけてみましょう!
☆アイデア
先程の説明書と違い、かなりポップな字体で書かれていることが分かる。
HO1は隣町に大きなショッピングモールが出来たことを知っている。そういえば冷蔵庫の中の食材が少なくなっている気がする。隣町は電車に乗って行けばすぐだ。
❚ 出かける
貴方たちは駅へと向かい、住宅地を歩いていく。
☆目星or聞き耳
誰かに見られている/後ろから足音がする。
すると、どこから出てきたのか黒いスーツにサングラスの怪しげな男達が貴方の道を阻む。
男「目標、確認しました。回収します。」
男はスーツの襟に付いた小型マイクにそう話しかけると、貴方たちにじりじりとにじり寄ってくる。非現実的な状況に混乱している貴方達でも理解できることはただ一つ。
“このままではまずい”ということだ。
君たちがどうしたものかと頭を悩ませていると突如、眩い閃光が辺りを包む。
HO2、貴方なら分かるだろう。自身の体が発光しているのだ。
何故?どうして?と混乱する思考とは裏腹に、貴方の口元は勝手に動き出す。
【HO2に秘匿】
「カスタマーの生命の危機を感知。アグレッシブモードに移行します。」と発言してください。
(発言が終わったら)
貴方のその言葉に男たちはざわめく。
「な、なんだと…?!」「どういうことだ…?!」「どうなっているんだ…?!」
概ねHO1も彼らと同じ感情になるだろう。しかしこの場に、この状況が分かるものはいない。
光り輝いているHO2でさえもどういうことかわかっていないのだから。
❚ 逃走フェイズ
ここから5ターンの間「黒服からの逃走フェイズ」を開始します。
様々な技能を提案して黒服から逃げ切ってください。
また、HO2はSTRとDEXを+5d6して下さい。
そしてHO2はまるで神にでもなったかのような強い万能感を感じます。
ポイントを振り分けていない技能でもなんか成功する気がする!ので、どんな技能でも自由に提案してください!
【HO2秘匿】
→自分は家政婦アンドロイド。大好きなご主人様を守らなくては!と強く思う。
全部で5Rあります。1Rごとにダイスを振る機会があります。成功で次ラウンドに行けますが、3回失敗で黒服に捕まります。
♦︎1R♦︎
貴方達は追ってくる黒服達から逃げる。
まず住宅街を突っ切ることになるだろう。しばらく走っていくと分かれ道にたどり着く。
道を曲がり、暫く走っているとその存在に圧倒される。そこにはー
Case1.急すぎる登り坂
圧倒的なまでの角度、この町にはこんな角度ののぼり坂が存在していたのかーーSANC0/1
堂々たる態度でそこに佇む"それ"は、登れるはずもないと言わんばかりの表情で貴方達を見据えていた。普通に登っていては時間もかかるし体力消費も激しい登り坂だ。どうにかして切り抜けないといけません。
☆解決できるような技能(技能でもステータス*5でも)
※振っていない技能を提案された場合初期値に+2d100した値で振らせてください。
大喜利みたいなものです。振るダイスは本当になんでも良いので成功させるようにしてあげてください。
❚ 失敗
(PCの提案に合わせた失敗描写)
そのため遅れを取ってしまう。黒服達との距離が近くなるだろう。
❚ 成功
(PCの提案に合わせた成功描写)
♦︎2R♦︎
登り坂を越えるとこの町を流れる大きな川の河川敷へ出た。この川の向こう岸に駅はある。
急いで川を渡ろう、あなたはそう思考するだろう。
しかしどうだろう、走っても走っても、川を渡るためのものが見当たらないー。
Case2.遠すぎる橋
取り壊し工事でもしたのか、全くいっさい、この辺りには橋が無いのである!SANC0/1
先に米粒の様に見える橋は一体どれほどまで離れているのか、そう考えただけでも気が遠くなる様な距離。希望への架け橋なんてものは存在しないのだ。
貴方達はどうしてもこの川を渡らないといけません。どうしますか?
☆解決できるような技能(技能でもステータス*5でも)
❚ 失敗
(PCの提案に合わせた失敗描写)
そのため遅れを取ってしまう。黒服達との距離が近くなるだろう。
❚ 成功
(PCの提案に合わせた成功描写)
♦︎3R♦︎
川を渡り、しばらく走っていくと太鼓の音や出店の食べ物の美味しそうな匂いがしてくる。
どうやら周辺の神社でお祭りをしているようで、人混みに流され貴方達も祭りに紛れ込む形になるだろう。
店主「あんたァ!!アンタだよアンタ!!」
かなり酒臭い出店のおじさんがHO1に話しかけてくる。HO1の顔をじーっと見た後に
店主「いやァ〜!!アンタやっぱうちの神社の神様にお顔がそっくりだな?!」
店主「オーーーーイ!!みんな!!この兄or姉ちゃんうちの神様の生まれ変わりかもしれねえ!!いや!!そうにちげぇねぇ!!」
そう言ってHO1はわらわらと集まった中年の男に担がれ神輿の上に乗せられる。
そして祭りはどんどんと盛り上がっていくー。
Case3.やっかいなおじさん
貴方に神の面影を見たおじさんは、上機嫌に神輿を担いでいる。そう、過度な信仰とアルコールは人を狂わせるのだ。えっさほいさと揺れる神輿の上から下を見下ろせばHO1はあることに気付く。黒服が境内にいるではないか!黒服も貴方に気がついたようで、奇妙な貴方の現状に一瞬戸惑うもことらへとやってくる。貴方たちは今すぐにここから抜け出さなければなりません。どうしますか?
☆解決できるような技能(技能でもステータス*5でも)
❚ 失敗
(PCの提案に合わせた失敗描写)
そのため遅れを取ってしまう。黒服達との距離が近くなるだろう。
❚ 成功
(PCの提案に合わせた成功描写)
テスプでは登攀で神輿によじ登りHO1を取り返したりしました
♦︎4R♦︎
何とかHO1を救出し、神社を抜け出す。
走っていくと徐々に風景が映画のセットのような古風なものへと変わっていく。
HO1は自分の住む街に時代劇などでよく使われる古い街並みの町があることを知っている。
どうやらそこに迷い込んでしまったらしい。そしてしばらく進んでいくと人混みが見えるだろう。何かと思って見てみると、人混みの先には立派な袴を着込んだ侍、色鮮やかな着物の町娘、黒一色の衣装の忍者が何やら言い争いをしている。その様子をカメラや照明器具を持った人々が囲んで撮影していた。どうやらドラマの撮影をしているようだ。
☆目星
忍者がHO1のことをずっと見ている
忍者の視線に気付き、貴方もそちらへと目線をむける。
目と目が合う。否、合ってしまう。
刹夏、忍者は素早い動きでHO1の背後に回り込み、貴方の体を縛り上げる。
そして、貴方の体をヒョイと持ち上げ、しなやかな動き建物の屋根まで登る。
忍者「せんぱ〜〜〜〜〜〜〜い!!!!HO2(家政婦ナンバー)回収しました〜!!!俺、やりましたよ〜〜!!」
と、下にいる黒服たちに叫ぶ。
しかし、上機嫌な黒服とは逆に下にいる黒服たちは顔を顰める。
黒服「鈴木ィ!!!!!!!!バカ!!!!!!お前そっちは購入者だ!!!!!!」
Case4.やらかし黒服
鈴木と呼ばれた忍者はあなた達の顔を交互に見ては額に汗を浮かべる。
忍者「そ、そんな・・・バカな・・・!!」
忍者「うう・・でも大人しく返すわけにもいかない!おい!アンドロイド!購入者を返して欲しければ俺と戦え!」
♦︎鈴木戦♦︎
ここからは鈴木との戦闘になります。
鈴木はヘマをしてショックを受けている為HO2が先手を撃てます。
☆解決できるような技能(技能でもステータス*5でも)
❚ 失敗
(PCの提案に合わせた失敗描写)
❚ 成功
(PCの提案に合わせた成功描写)
君の攻撃は彼にクリーンヒットしたのか、HO1を手放し気絶した
♦︎5R♦︎
古い街並みを走り抜けると、駅近くの公園にたどり着く。
この街に住んでいるHO1ならば、この公園の中を通れば駅への近道になることを知っている。
【HO2秘匿】
HO2はSTRとDEXを通常の値に戻してください。
それと先ほどまでの溢れ出るようなエネルギーが無くなっていることが分かる。
一歩が重い。これが疲労というものなのか。
☆HO1アイデア
HO2の頭から煙が上がっているのが分かる。触れてみれば体が熱くなっている。
疲弊した体と脳は楽な方へと足を進める。
あなた達は公園の中の近道を通ることとなるだろう。
しかし、数分後。貴方はその選択にひどく後悔した。
目の前にはこの公園を象徴する大きな池。
池の周りには自分たちを取り囲むように迫り来る黒服たち。
Case5.四面楚歌
貴方たちが池を背にどうしたものかと考えていると、池の方から声が聞こえてくる。
女「いや〜たのしかったね♡ダーリン♡」
男「アヒルボートなんて何年ぶりだったかな///」
前からにじり寄る黒服。後ろには池。池にはアヒルボート。
貴方たちは思う。”これしかない”と。
♦︎アヒルボートレース♦︎
これから黒服の乗るアヒルボート(あいつらも後から乗ってきます)から逃げてもらいます!
PCはマップの3コマ目からスタートし、黒服達は1コマ目からスタートします。(1コマ差がある状態です)↓イメージ図
HO1は運転、HO2は体をろくに動かせないため相手の妨害をしてもらいます。
運転は【DEX*5】で判定してもらいます。成功で1マス進めます。失敗で停滞します。
これは黒服側も同じです。
妨害はKPに何か技能を提案して妨害できそうな技能を振ってください。成功で相手の動きを止めることができます。
行動順はPC→黒服です。
黒服は追いかけるのみで妨害はできません。
PCたちが5コマ目に到達した時点でレースは終了します
ここも逃走フェイズと同様にHO2の提案に合うような描写をしてあげて下さい。
黒服軍団ステータス
運転30%
❚ 黒服に追いつかれてしまう
疲労からか、なかなか上手くボートを進めることが出来ない。黒服達は君たちのボートに追いつき、乗り込んでくる。黒服は手早くHO1のうなじを強く打ち、HO2の電源ボタンを押す。そうして君たちは意識を失うだろう。
→【シーン:目覚め】へ移行
❚ 黒服から逃げ切る
死ぬ物狂いで君たちは黒服から逃げ切ることが出来る。駅構内へ向かうことになるだろう。
→【シーン:駅へ】へ移行
❚ 駅へ
駅に着くともう黒服の姿は見えない。
ちょうど隣町へ行く電車が止まっているようだ。
腰をおろして揺れに体を任せていると心地の良い眠気が襲ってくる。
☆アイデア
さっきまで起きていた他の乗客も皆寝ていることが分かる。
先程までの非日常はなんだったのか…そんなことを思いながら貴方たちは微睡んでいくだろう。
☆聞き耳
うとうととぼやける視界に人型が映る。あなた達の目の前に立った人物は呟く。
?「てこずらせおって…やっと捉えたぞNo.」
その言葉を最後に君たちの意識は闇へ溶けた。
部下がなかなか HO2を捕まえてこないので、銅島自らがPC達の乗る電車に催眠ガスを撒き散らしています。
❚ 研究所
・目覚め
硬い床に不快感を覚え、意識が浮上する。
体を起こし、辺りを見渡せばそこは全く知らない牢屋の様な場所だった。SANC1/1d3
目の前には鉄格子があり、牢の中には何も物は置かれておらず、自分達しかいない。牢の外にも見張りなどはおらず、部屋を調べることが出来そうだ。
☆聞き耳
檻の外から話し声が聞こえる。
「HO2には発信機があるのにどうしてもっと早く捕まえられないんだ!!」
「すみません…奴らなかなか厄介で…」
☆目星
やはり物は無いが、少し高い位置に通気口を見つけることが出来る。
二人で協力すれば入ることが出来そうだ。
❚ 通気口の中へ入る
狭い通気口を進んでいけば、おそらくあなた達がいた牢の隣の牢へ出ることが出来る。扉を調べれば鍵は掛かっておらず、外に出ることが出来るだろう。
《B1探索可能箇所》階段
階段
上の階へつながる階段があり、光が差し込んでいる。
階段を登ると先ほどの薄暗い牢屋とは打って変わって、明るい室内に出た。白を基調とした清潔な内装は病院や研究所の様な雰囲気だと感じるだろう。
階段を登った先の壁にこの建物の地図が貼ってある。
・更衣室
沢山のロッカーが並んでいる。
調べてみれば殆どのロッカーには鍵が掛かっているようだ。
☆聞き耳
外からたくさんの足音と「おい!ここだ!!」という声が聞こえる。
君たちは慌てて隠れる場所を探す。しかしここは更衣室、ロッカーしかない。殆ど鍵がかかっている中、一つだけ扉が開いているロッカーがある。ここに隠れるしか無いだろう。
❚ ロッカーへ隠れる
狭いロッカーの中では自然と互いの体が密着してしまうだろう。
【HO2秘匿】
☆POW*1
またこの判定は任意で自動失敗にしても良い。
→失敗
HO1はHO2の体が急激に熱くなっていくのが分かる。更に頭からは煙が出ていることにも気付ける。
【HO1秘匿】
☆聞き耳+20
HO2の胸からカチカチカチという音が聞こえる。
追手1「あれ?先輩!発信機の反応が…消えました!」
追手2「そんなわけないだろ!更衣室にいるって反応出てたんだぞ…って本当だ?!なんだ?故障か?」
追手1「ですかねぇ…。ちょっと俺直しに行ってきます!」
追手2「おう、俺達も別の場所探してくる。」
そんな会話を後に、更衣室に人の気配は無くなる。
❚ ロッカーから出る
入っていたロッカーをから出ると、君たちの体に張り付いていたのか、何かが落ちた。見ればカードキーの様で名前の欄には「鈴木」と書かれている。
・研究室
扉に鍵が掛かっているが更衣室で入手したカードキーで解除できる
中に入ればいくつかのデスクの上に資料の山が積まれており、棚には本や資料ががさつに入れられている。
《研究室探索可能箇所》デスク、棚
デスク
☆目星
走り書きのメモを見つける。
『メモ』
NO.(HO2の家政婦No)はまだ不備が多い。
こいつをベースにLOVOIDを改良していく。
《改善点》
・対象との過度な密着で発信器が故障
・アグレッシブモードの暴発。それに伴うバッテリーの大幅な減少。
・回路がショートしすぎる(惚れっぽすぎる為?)
棚
☆図書館
ファイリングされた資料を見つける。
『LOVOIDについて』
【LOVOID-ラボイド-】
LOVOIDとは家政婦アンドロイドを模した恋愛式暗殺アンドロイドである。
love「恋」とoid「に似たようなもの」という意味で命名。
LOVOIDを決して家政婦アンドロイドとして販売しないように要注意。
【恋愛式】
機体が起動し始めて認識した人間に"一目惚れ"するよう設定。
一目惚れが発動すると同時に、心臓の爆弾タイマーが起動する。(爆弾については後述)
機体がいわゆる「ときめき」を感じた際にタイマーの速度は上がっていく。対象との良好な関係が重要となる。
【アグレッシブモード】
対象が危険な状態にあると判断したとき自動的に発動。
対象を守るという本来の目的とは無駄な機能とも思えるが対象との良好な関係を築くには信頼を得らなければいけないので必須機能。
【心臓】
爆弾が埋め込まれている部位。感情や記憶もここで管理されている。
この部位を損失すると無感情のアンドロイドになる為注意。
銅島博士のキーでなければ取り出すことは不可能。
【キス】
タイマーを無視し、即爆発できる手段。
対象と機体の互いの意識があることが前提。爆発は唇と唇でなければ作動しない。
【容姿】
依頼者の標的の好みを参考に形成。(HO2の写真)
❚ ラボイドの資料を見た
・HO1
隣にいるHO2が爆弾を埋め込まれている暗殺用アンドロイドだと気がついてしまう。SANC1/1d3
・HO2
自分がとっても危険な存在であることに気がついてしまう。ご主人様に害を与えてしまったらどうしよう…SANC1/1d3
☆資料に目星
よく見ると資料に付箋が貼られている。
『付箋』
爆発の仕組み!
①キスの興奮により機体全体の回路がショート
②回路のショートによる熱暴走
③機体のバッテリー部位に熱が伝い爆発!!
↑バッテリー切れだったら爆発しねえじゃん(笑)
HO2のバッテリーは時間経過で減っていきます。
ED1を目指すためには爆発することが必須になります
・博士の部屋
簡素なベッドと机、棚のみ置かれている。生活感はあまり無い。
《探索可能箇所》ベッド、机、棚
ベッド
ベッドの側に置かれている小さな机に写真立てが伏せられている。埃を被っているようで長い間この状態になっているようだ。中には初老の男性と若い女性がにこやかに笑っている写真がある。HO1は男が家政婦アンドロイドの開発者銅島鉄平であることが分かる。
☆目星
裏にもう一枚写真が入っていたようだ。表の写真とは違い、かなり劣化していることからそれはだいぶ前の写真であることが分かる。若い男女が仲睦まじく笑っている写真だ。貴方たちは写真の女性が2枚とも同一人物であることに気付く。
☆アイデア
表の写真に写っていた初老の男性の若い姿のように見える。
机
机の上にはパソコンが置かれている。画面には
『標的の好み』
・HO2の容姿
・HO2の性格
こんな感じでよろしくお願いします!
できればキュルンとした感じで!
と書かれたメールが開かれている。
ここの情報はお遊び(?)要素なので適宜HO2ちゃんに合わせて変更してください。
棚
☆図書館
日記を見つける。
『日記』
○月○日
杏子が死んだ。なぜ どうして
共に墓に入ると、約束したのに…
○月○日
俺は杏子無しでは生きていけない
○月○日
機械音声で杏子の声を作ってみた。まるでそこにいるみたいだ。
○月○日
機械で杏子の顔を作ってみた。なかなか良い出来だ。
○月○日
体も作った。これで杏子が蘇った!!
また2人で暮らせる。
○月○日
杏子では無かった。
杏子は決まって動物の映画で泣く。
杏子は俺が好き嫌いをしたら怒る。
なのにこいつは、決まった言葉しか喋らない。こんな鉄クズ、杏子では無い。
○月○日
失敗。杏子の肌はもっと柔らかい。
○月○日
失敗。杏子は小説を読むと眠くなる。
○月○日
失敗。
○月○日
失敗。
○月○日
俺がいくら頑張っても杏子は蘇らない。杏子に似た鉄人形にしかならない。
○月○日
妙な夢を見た。
男が…俺に何かを教えてくる。
…待てよ。これなら、もっと人に近いものが作れるかもしれない。
○月○日
昨日見た夢で得た知識を元にアンドロイドを作ってみたらそれが俺に話しかけて来た。
「昨日君に知識を与えた者だ。」なんて言って来た。胡散臭くて怪しいが確かにこいつから教わる技術は高度だ。
信頼はできないが利用価値はありそうだ。
○月○日
すごい。男の言うことは的確だった。!ついに杏子が出来た…!!
動物の映画で泣いている。好き嫌いを怒られた…!杏子だ…杏子がいる…!
○月○日
杏子がうたた寝をしていた。本を読んでいたらしい。ほおに触れると柔らかかった。
(杏子との仲睦まじい日々が続く)
○月○日
家政婦アンドロイドも好評だ。この調子で売り出して行こう。
○月○日
いわゆる裏社会の人間から暗殺アンドロイドの依頼を受けた。
そんなもの…作れるのだろうか。
…いや、今の俺なら作れるのかもしれない。
○月○日
できた!!やはり俺の知識と技術が有れば造作もなかった。これで大金が手に入る。
杏子が研究の邪魔をしてきたので突き飛ばした。痛みなどない癖に涙を流していた。腹が立つ。俺はどんどん老いていくのに杏子はあの時のままだ。俺は杏子と共に墓に入るという約束をしたんだ。これでは俺の愛した杏子ではないじゃないか!!
機械では無い杏子が欲しい。あの男なら何か知っているはずだ。明日聞いてみよう。
○月○日
腹が立つ。どうして何も言わないんだ。
お前が杏子を壊したら機械に血肉を与える方法を教えてやると言ったから壊したのに。何故だ!!こんな木の実1つ貰ったところで何もできないじゃないか!
・資料室
壁一面本棚の図書館の様な場所だ。小さな机と椅子やコーヒーメーカーなども設備されており、休憩所としての役目も果たしているようだと思う。
《探索可能箇所》本棚、机
本棚
☆目星or図書館
付箋の貼られた本を見つける。中身は童話集の様で「白雪姫」「眠り姫」のページに付箋が貼られていた。
机
☆目星
誰かの手帳が落ちている。見ればフリーページに何か書かれている。
『手帳』
やっちまった………ヤッッベ〜……!!!!!!
いや…あんなん見分けつかねぇよ!!完全に家政婦アンドロイドじゃん!!
知らねえよ〜〜暗殺アンドロイドなんてよ〜!!!!!家政婦アンドロイドとして出荷しちゃったよ〜〜〜どうしよ〜〜〜〜
・?の部屋
扉を開けるとそこは今までの部屋とは違い、大きめのベッドとソファ、テレビなどが置かれておりホテルのような綺麗な内装だった。
?「あ、どうも〜いらっしゃ〜い!」
部屋の奥でくつろいでいた男が君たちに話しかける。男は不気味なほど綺麗な顔をしている。体が所々機械のような作りになっている。彼もアンドロイドなのだろうか…?
?「あ!君さNo(HO2の家政婦ナンバー)ちゃんでしょ!みんな探してたよー」
?「ま、僕は捕まえる気ないからさ。お話でもしようよ!あ、飲み物いる?」
そう言って彼は君たちに飲み物の入ったコップを差し出してくる。
HO1のコップにはお茶、HO2のコップにはオイルが入っている。
HO1は飲まなくても問題ありませんがHO2には絶対に飲ませてください。
❚ HO2がオイルを飲む
【HO2に秘匿】
オイルを体内に流し込む。すると体内の部品が徐々に奇妙な動きをし始める。歯車が徐々にずれていく感覚。不快感は無いが、体内で何かが創り出される様な不思議な感覚がする。
❚ HO2がオイルのことについて聞く
?「ん〜?元気になるオイルだよー!エナジードリンクってやつ!」
?「飲み物の話はどうでもいいよ!それよりさ」
?「君たち今ものすごく困ってるでしょ?僕がヒントあげるね」
・HO2のバッテリーは半分も残ってない
・あと1時間もしないうちにHO2の時限爆弾が爆発する。
PC達が各々反応を見せると
?「ねえ、君たちはこれからどうしたい?どうなりたい?」
❚ 「HO1.2と一緒にいたい」「爆発を止めたい」「人間になりたい」と答える
?「うんうん、じゃあさHO2ちゃんを人間にしちゃおうか」
?「僕は君を人間にできる呪文を知ってるよ。それを君たちに教えてあげて良い。でも僕からのミッションに応えられたらね!」
?「ミッションはね、博士から“肉の実”を奪ってきて欲しいんだ。君たちの知ってるものだと…そう!さくらんぼに似た小さくて赤くて丸いものだよ!」
?「できる?」
❚ 怪しい、本当に人間になるの?
?「えー失礼だなぁ呪文の効果は安心してよ!絶対だよ?」
❚ お前は何者?
?「んー何だったら嬉しい?機械の神様とか?」
❚ なんで自分たちに優しくするの?
?「面白そうだから!僕人間の愛って感情が好きなんだよね」
❚ 了承する
君たちが了承すれば彼はニコリと笑い一枚のカードを渡してくる。
?「これ、エレベーターのカードキー。上に上がってすぐの所に博士がいると思うから。頑張ってね!」
・エレベーター
?の部屋でエレベーターのカードキーを貰っていないと動かせません。
❚ 最終戦闘
・博士と対峙
エレベーターは君たちを上の階に連れて行く。すぐに上の階にたどり着くだろう。
扉が開けばそこは広い空間になっていた。何より目につくのは夥しい数の機械類だ。
機械の細かな部品が床にバラけており、壁際にはもう動かなくなったのか、失敗作か人型アンドロイドが打ち捨てられていた。中には君たちが博士の部屋の写真立てで見た女性もいるだろう。
部屋の中央には白髪混じりの白衣の男が立っている。彼は貴方達の方にゆっくりと体を向ける。
銅島「…自ら私の元へ帰ってくるとは、随分と優秀なアンドロイドになったものだ。No(HO2の家政婦ナンバー)」
そしてHO1の方へ視線を向ける
胴島「君もありがとう。ここまでこいつを連れてきてくれて。だがもう用は済んだ。君は帰っていいぞ。」
銅島「さぁ、No(家政婦ナンバー)を渡しなさい。」
❚ 肉の実ちょうだい!
「にくのみ…?ああ、あいつが私にくれたものか…。」
「ふむ、いいだろう。ではNo(家政婦ナンバー)と交換だ。」
❚ HO2渡さない!
「ああ、そいつに愛着でも沸いてしまったのか。だが問題ないよ。そもそもそいつを君の元に送ってしまったのはこちらの手違いだ。後日そいつと全く同じ顔、同じ性格の家政婦アンドロイドを君におくるよ。」
❚ それでも渡さない
「埒が明かないな…。手荒な真似はしたくなかったんだが…仕方ない。」
すると彼の背後にいた機械達が動き出す。
一体は狼のようにしなやかに、もう一体は蛇のように狡猾に。
彼らは無機質な殺意を君たちに向けて動き出した。
・戦闘開始
【HO2に秘匿】
カチリ、狂っていた歯車が次々と噛み合っていく。まるでこの時を待っていたかの様に。全ての歯車が噛み合った時、貴方は新しい貴方になっていた。
貴方はいざという時に一度だけ使える「新機能:必殺技」を取得しました。
しかし、それを使うとMP(バッテリー)が1になり、自力で動けなくなります。
使用する際はPLが口頭で宣言するか、使用するようなRPを行ってください。
狼型機械
CCB<=60 【回避】
CCB<=60 【かみつき】
1d4+1 ダメージ
////////////
//STR = 18
//DEX = 18
//SIZ = 9
//db = +1
蛇型機械
CCB<=60 【回避】
CCB<=60 【巻き付く】
2d3 ダメージ
////////////
//STR = 18
//DEX = 18
//SIZ = 9
//db = 0
❚ 銅島に攻撃しようとする。
貴方が銅島に視線を向けると機械達が攻撃を阻む。
彼に接触したい場合は機械達をどうにかしないといけない様だ。
HO2が必殺技を使うのを渋っていたら機械達はかなり強いと教えてあげたり、死なない程度にHO1に攻撃を集中させたりしてください。
❚ 必殺技を使う
※必殺技宣言を受けたらHO2PLに「どこからビームを出したいか」聞いてください。
刹那。キラリとHO2の瞳が光る。そして(ビーム部位)からは目が焼けてしまうほどの輝きが溢れ出ている。誰が見ても分かるほどに(ビーム部位)に何かのエネルギーのようなものが蓄積されている。そしてHO2が最後の力、最後のエネルギーを振り絞ればそのエネルギーは機械達に向かって放射されるだろう。その勢いはビームというにはあまりにも強烈で、言葉で表すのならば破壊光線だった。
その光線を受ければあの恐ろしかった機械達は見る形もなく破壊されていく。機械達が完全に動かなくなったのと同時にHO2の光線は光を失っていく。そしてHO2はその場に倒れた。戦闘終了です。
・戦闘後
❚ HO2の元へ行く
彼女はその場でぐったりと倒れている。HO2はこちらへ駆けてくるHO1の姿が見えるだろう。
HO2は自力で動けないだけなので意識もあるし会話もできます
❚ 博士から肉の実を取る
彼は気絶しているようで彼の服を探ればさくらんぼのような赤い木の実が出てくる。
❚ 鍵を探す
☆目星1/2で見つけることができる
PLの宣言があった場合のみ技能の提案をしてください
戦闘が終わるとエレベーターの扉が開き、中から例の謎の男が出てくる。
?「おめでとう〜!いや〜愛の力っていうの?すごいねぇ〜こういうのが見たかったんだよ!」
?「じゃあ約束のやつあげるね!」
彼はHO1にメモ用紙を渡す。
『機械生命体に血肉を与える』
対象に肉の実を与え、自身のMP3、SAN3、CON1D3をコストに唱えることができる。
唱えたのち、機会生命体の破壊が必要である。
?「それとHO2ちゃんの爆弾タイマー、かなり速くなっているみたい!放っておけばあと10分もしないうちに爆発しちゃうよ!隣町に確か人がいない空き地があったかな?そこなら安全だよ。急げー!」
❚ 隣町へ行こうとする
HO1は動けなくなったHO2を抱え、隣町へ急ぐことだろう。君たちが施設を出ようとした時、男がHO1に耳打ちする。
【HO1に秘匿】
男PCの場合
「期待してるよ、王子様。」
女PCの場合
「期待してるよ、可愛い王子様。」
君は動かなくなったHO2を抱え、走る。今日ほど全速力で走った日はもう二度と人生で訪れないだろう。
走る、足の筋肉が痛い。走る、HO2を抱える腕が痛い。走る。息が切れる、苦しい。それでも。
HO2は朧げな意識の中、霞む視界の中、君のために全身全霊で走るHO1の姿だけが鮮明だった。
そして、ようやく貴方たちは隣町の空き地へと辿り着く。もうあまり時間は残されていない。貴方たちは何をするだろうか。
エンド分岐
❚ 肉の実を食べさせ、呪文を唱え、キスをする
→END 虹のベッドとチェリー
❚ 肉の実を食べさせ、呪文を唱え、爆発を待つ。
→END2 電気羊と砂嵐の夢
❚ 胴島の鍵を使い、心臓を取り出す。
→END 不条理でキュート