ガソリン車の生産終了で整備士の仕事が激減?整備士の将来をあえて悲観的に考えてみた
ブログを毎日投稿している人って化け物だなと感じている山北です。
今日は、年々ガソリン車の生産が減っていく日本で、整備士の仕事も変化するかもって話と、整備士の将来をあえて悲観的に考えてみたので、その話をしたいと思います。
個人的にもし、明日からガソリン車が全てEV車に変わってしまうと、整備士の仕事がガラッと変わり、変化に対応できない整備士が職を失うことになると思うんですよね。
そうならないために電気関係の知識を身に付ける必要はあると思うんですが、それだけでは弱いと僕は感じています。
そこで今回は、ガソリン車の販売台数の減少についてや将来、仕事に困らないようにするために、今すぐなにをすべきなのかを考えてみました。
ガソリン車の販売台数は年々減少している
ここ数年でガソリン車の生産台数は年々減少しています。
なぜこんな話をするかというと、ガソリン車つまり
「エンジンを積んでいる車が多い=たくさんの整備士が必要」
になると思うからです。
逆に「EV車が多い=必ずしも整備士がたくさん必要なわけではない」かなと。
正直、EV車の販売台数が大幅に増えた証拠を探していました。
しかし、思ったより変化はありませんでした。
※これらの数値は2021年12月の分は含まれていません。
日本では、EV車よりハイブリッド車に力を入れているため、このような数値になったのかなと思います。
でも、じゃあガソリン車の販売台数はどうなんだろうと思い調べてみると、多少ではありますが開きがありました。
これが2017年~2021年のガソリン車販売台数の推移グラフです。
ただ、コロナの影響で2020年の新車販売台数は、ガソリン車のみならず全ての数値が下がっていたので正直、EV車に力をいれているから減ったとはいえないかなとも思います。
でも、総合的な販売台数は2019年まで上向きだったにも関わらず、2019年も下がり続けているのを見ると、ハイブリッド車の影響が強いんでしょう。
現在はまだまだガソリン車が主流の日本ですが、その状態を維持し続けるのは難しいと思います。
では、なぜハイブリッド車やEV車が増えていくのかを解説します。
知っている人も多いと思うので、不要なら飛ばしちゃってください。
国ぐるみでガソリン車終了に向けた取り組みが行われている
日本をはじめ世界中で、ガソリン車の生産終了に向けた取り組みが行われています。
もうすでにハイブリッド車がたくさん走っていますが、ハイブリッド車が急速に増えたのってここ10年前後のように思います。
プリウスは1997年から販売されていますが、当時はそんなに乗っている人もいませんでしたし。
ガソリン車が当たり前でしたよね。
でも今ではプリウスをはじめ、たくさんのハイブリッド車が販売され、日産なんかはEV車の販売にも力を入れています。
ではなぜこんな状態になったのでしょうか。
もちろん燃費のよさやメーカーの努力もありますが、やっぱり国の影響が大きいです。
エコカー減税などをはじめ、ハイブリッド車やEV車を普及させるためさまざまな施策が行われています。
日本政府はガソリン車の販売を終了させる旨を発表
経済産業省は「遅くとも2030年半ばまでに、乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を講じる」と発表しています。
これってつまり、今後はガソリン車の販売はしないようにしますと明言しているようなものですよね。
日本としても、ガソリン車の販売を終了したいと思っていることが分かると思います。
電気自動車やハイブリッド車の優遇処置が大きい
日本がガソリン車を無くすために行っている大きな施策に、減税があります。
聞き覚えのあるエコカー減税も日本という国が決めた施策です。
現在でもエコカー減税は継続されていて、25%や50%の減税があるなかで、電気自動車や一定の数値のエコを達成した車は免税や非課税になることも。
毎年数万円が安くなるなら、誰だってその車買いますよね。
その他にも、充電料金を安くする「電気自動車等の環境省の補助金制度」など、電力会社と一緒にお得に充電できる施策。
そして、補助金も受けられるという、ガソリン車では考えられないほどの優遇処置が開始されています。
これらは、国だからこそできる施策です。
メーカーの頑張りだけでは、ここまでハイブリッド車やEV車を広めることは難しかったのではないでしょうか。
では、ガソリン車が減ることで整備士にどのような問題が出てくるのか考えてみました。
ガソリン車が無くなるにつれ整備士に関わってくる問題とは?
ガソリン車がなくなるにつれ、整備士の働き方も変わるんじゃないかと考えています。
今までのような整備士は必要とされない未来を僕は懸念しています。
整備する箇所が減っていく
EV車が増えていくと整備する箇所が減っていきます。
今までなら、オイル交換は定期的なメンテナンスの一つでしたが、EV車が主流になるとオイル交換はありません。
また、ファンベルトなどもないので、ベルトの交換も不要です。
そして、エンジンブレーキの見直しなどもされているので、新しいハイブリッド車などはブレーキパッドもなかなか減りませんよね。
このようにたった5秒ほど考えても、整備内容が減っていることに気づきます。
現状でさえ、車の製造技術や事故に対する警告装置のおかげで、事故も大幅に減りました。
そのおかげで自賠責の料金なども下がっています。
今後はもっと事故による修理や交換部品が減り、交換することすらしなくなっていくのではないでしょうか。
電機メーカーの参入
電気自動車が一般的になるなら電機メーカーが本格的に参入してくるでしょう。
今までメーカーが多額のお金をかけてきた、エンジンの研究も意味をなさなくなります。
その反面、電気メーカーが強いジャンルになっていきます。
そうなると、当たり前ですが電機メーカーの参入、そして電機関連で働いていた人が活躍できる場になるでしょう。
電気関連にあまり詳しくない整備士って結構多いイメージですし、電気に関しては整備士より、電気工事士の方が詳しいのではないかと思います。
すでに電気に関して詳しい人が今後、整備士になる可能性もゼロではないです。
そうなると、エンジンのある車しか触れない整備士は不要になってきます。
法律なども絡むのでできないとは思いますが、もしかすると、今後、車の整備工場併設の電気屋さんができてくるかもしれません。
整備士免許も変わるかも
今は整備士という免許があって、その免許を取得しているから車の整備ができていますが、EV車が主流になることで、整備士という免許が変わるかもしれません。
電気自動車専門の資格が新しくできるかもしれないですし、そもそも整備士という免許の内容が変わるかも。
そうなってくると、現在の資格はあまり意味をなさなくなります。
資格や整備の内容に沿って変化できなければ、自分自身が需要のない人材になる可能性も十分にあるでしょう。
だからこそ、危機感を持って仕事しないといけないと思うんですよね。
整備士を続けたいならのんびり構えておくのは危険!
今回はかなり悲観的に整備士の将来について考えましたが、僕がこう思うのは、今働いている整備工場の先輩整備士を見たときに感じたことも含まれています。
会社員だからとあまり危機感も覚えず、言われた仕事しかしない。
そして、新しい知識は覚える気もない整備士を何人か見てきました。
40代や50代という年齢で新しいことを覚えるのはつらいと思います。
そして記憶力は若い人に比べるとどうしても劣りますよね。
でも、社会が急速に変化していくなかで、いつまでも昔の気分のままでいるのは、あまりにも危機感がなさすぎるように感じています。
昔なら、エンジンを分解できて、基本的な整備技術があればそれでOKだったかもしれません。
でも今は、電装品の取り付けや電子制御装置の故障診断など、覚えないといけないことはたくさんあります。
きっとこの記事を読んでいる人は、向上心のある人ばかりだと思うので心配はないと思いますが、そうでないなら今すぐにでも自分を変えないと、将来、職を失うことになるかもしれません。
終身雇用制度はとっくに終わっている
終身雇用制度はとっくに終わってます。
ディーラーでも早期退職者を募集して、40代や50代の世代を退職させています。
その早期退職者のなかに自分が入ってしまう未来を想像できますか?
仕事をやめたあとのプランはありますか?
厳しいことをいいますが、即戦力にならない限り50代という年齢で中途採用してくれる会社はほぼゼロです。
だって、50代の人材を雇うなら、20代の新人を雇った方が絶対にプラスだから。
雇ったところで戦力にはならないでしょうし、むしろ雰囲気が悪くなったり、教育に時間がかかるというデメリットの方が大きいからです。
だから、僕はいつでも会社を辞められる状態にしておいた方がいいと思っています。
僕が副業をはじめたのは、給料の安さからでしたが、現在、副業しておいてよかったなと感じています。
それは、お金の面もそうですが、自分で仕事をもらってこれるという自信にもつながっているからです。
整備技術以外に身につけるべきことはたくさんある
何歳になっても、整備技術以外に身につけるべきことはたくさんあると思います。
特に接客術。
このスキルがあれば、今の仕事を続けられなくなっても、新しい仕事で役立てられます。
接客術と一口にいってもさまざまですよね。
お客さんと何を話すかによっても、対応方法が変わると思います。
分かりやすく説明する方法や相手の立場になって考える意識、洞察力、交渉力など一朝一夕で覚えられるものではありません。
だからこそ、早めに意識して少しずつ身につけておくべきだと思います。
特にディーラーは整備士が整備できることは当たり前で、今はお客さんの対応などを行う整備士も多いです。
欲しい人材は若い整備士
整備士が本当に少ないなら、早期退職させないですよね。
でも早期退職者を募っている。
つまり、欲しい人材は若い整備士なんでしょう。
古くて頭の固い、新しい技術を覚えようとしない整備士は求められていないと考えてた方がいいです。
今は若くても、人は必ず歳をとります。
自分が40代や50代に突入したとき、必要とされる整備士になれているかどうかは今の意識次第です。
だからこそ、若いうちから接客術など、お客さんを対応する技術を身につけることが大切なんじゃないでしょうか。
まとめ
今回は、かなり悲観的に整備士の将来について考えてみました。
えらそうに書いていますが、僕自身もまだまだ半人前なので、整備技術もその他のスキルも身につけていかなければならないと感じていますし、正直、僕の想像どおりにはならないでしょう。
そして、僕自身も想像どおりになってほしくありません。
でも、国ぐるみでガソリン車を廃止しようとしている取り組み、そして車メーカーのEV開発はすでにかなり進んでいます。
遅かれ早かれハイブリッド車やEV車が主流になる時代はくるでしょう。
今までのような整備ができなくなったとき、時代に取り残されている整備士はどうなっていくのか、その点に不安を覚えます。
だからこそ、常に向上心を持ち勉強をしていかなければならないと思いますし、整備士でも接客を自発的に行わなければならないんじゃないでしょうか。
整備技術と同様に、接客スキルも一朝一夕で身につくものではありません。
少しづつ身につけていくものだと思っています。
この記事を読んで、危機感を覚えた方はぜひ今日から行動にうつしてみてください。