道路を走る時、一番の危険
は周囲の車と歩行者の動き。
そして、それを把握しない
自分。
さらに二輪の場合は、「運転
操作」の如何が加わる。
四輪車に無い特殊な動きが
二輪車にはあるので、二輪
独自の動かし方を身につけな
いまま道路に出るととても危
険で断崖の綱渡りをするよう
なものだ。
二輪車独特の注意の仕方があ
る。四輪車でも通じるものが
あるが二輪独自のものが。
それは、「他者(他車)と絶対
に接触しない」というのと
「絶対に転倒しない」という
のに尽きる。
前者は、徹底的に周囲の状況
に注意する事で促される。
後者は、これはもう自分の技
量を磨くしかない。二輪車の
運転というのはバランスボール
の上に立つようなものだから。
バスケットでシュートが入ら
ない、どうしよう、とは全く
異なる交通社会での責任と危
険対処の技術そのものが必要
とされるのが車両運行なので、
どうしたら事故を回避できる
かというのは自分自身で考え
て自分自身で実行するしかな
い。
「あの車は(人は)よけてくれる
だろう」と思い込むのが一番
の危険で、全く相手に気づか
ないのとは別に、存在を認知
しながら発生する事故は殆ど
これだ。
典型例が二輪車の直進と四輪車
の右折での正面衝突事故で、こ
れが二輪の事故のトップとな
っている。
そして、右直事故は過失相殺は
10:0にはならない。よくて8:2
だ。直前に四輪車が急に右折
して絶対に避けられない状況
でも二輪車にも責任があると
されるのが判例だ。
これはどうしてか。
車両を運行する以上、車両同士
の衝突事故は、余程悪質なもの
でない限り両者に責任があると
されるからだ。停まっている車
列に後ろや前から突っ込まれた
とか以外では、ほぼ過失相殺で
は相互に過失があるとみなされ
る。
相互に比率の違いはあれ、互い
に責任性を求められるのに、
二輪の場合にはハンデがある。
それは、身体が剥き出しなので、
重篤な損傷を負うのは二輪の
運転者のほうである、という
物理的な事実だ。
なので、二輪の事故では人が
多く死ぬ。
それが「二輪は危ない」という
事のカラクリだ。
二輪の事故の類別は大別して
二種類に分けられる。
それは、他者(車)との接触事故
と単独事故。
特に後者は四輪の比ではなく
二輪には多い。
前者はその可能性が高くなる
場所、つまり人や車が多い
場所=街中で多く発生する。
場所、つまり人や車が多い
場所=街中で多く発生する。
単独事故は街中でも起きうる
が、どちらかというと人里離
れた場所で発生する事が多
い。その多くは運転ミスなど
の自分自身の技術的な問題に
い。その多くは運転ミスなど
の自分自身の技術的な問題に
属するケースが多い。
単独事故は四輪車よりも二輪
車のほうが極めて高い。
そして、二輪車の単独事故は
転倒により発生する。
転倒は事故なのだ。
転んで溝に落ちたり、谷に落ち
たり、他の車両や人に自分の
車両や自分がぶつかるのが事
故ではなく、転倒そのものが
第一の事故で、その第一の事故
が第二の激突や転落や轢死や
衝突死に繋がる。
二輪車は転ぶ事そのものが事故
であり、それが次の瞬間の重大
な危機に繋がる。
コテンとその場で人がいない
場所で車体を倒しても、それ
は事故なのだ。自宅駐車場であ
っても、それは事故。四輪車で
自宅壁にドンとぶつけたら事故
であるのと同じく、二輪の停止
ゴケも転倒事故なのだ。
まして、公道での走行中は交通
事故となる。
二輪に転ばぬ先の杖は無い。
それに似たものを得るのは、
自分自身の運転のやり方と乗る
人間の心がけしか無い。
二輪は「絶対に転んではなら
ない」という強い意志を実行
しないといけない乗り物だ。
四輪車では転倒横転はあまり
ない。皆無ではないが。
二輪車は乗る人間次第ですぐ
に倒れる。自立しない乗り物
だからだ。
二輪車こそ、「乗る人間」の
在り方が求められる。航空機
程ではないにせよ、事故=死
に繋がる可能性が四輪車に
比べて非常に高い乗り物だか
らだ。自分が死ぬだけでなく、
人様も殺しかなねない。
二輪車の事故を避けるのは
・街中でも人里離れた所でも
自分以外の存在に注意する
・自分自身の運転方法に注意
する
この二点に尽きる。
特に街中では自分以外の全部
の車両や歩行者の動きを把握
しながら運行するのが良い。
当然、それを可能とするには、
速度は物理的に落ちる。速度
を落とさないと人間は身体機能
として周辺状況把握はできない。
さらに、危険回避に一番効果
があるのは「予測行動」だ。
例えば、交差点で前方に停まっ
て右折レーンにいる対向車が
いるとしたら、「まず急に右折
する」と思ったほうが良い。
「こちらが優先道路だから急に
は曲がらないだろう」と思うの
が一番良くない。
これは、住宅街での走行でも
そうだ。
まず人の飛び出しがあるだろう、
と思って警戒しながら進行する
のが良い。
それで飛び出しもなければ通過
後にラッキーだった、と。
見通しの悪い交差点も、見通し
の良い交差点も、道が交わる
場所での出合頭事故も多いの
で、殊更に周囲を確認する。
そうした事を延々と連続させ
るのが車両の運行、運転だ。
なので、法規にも定められた
ように疲労を避けるための
休息が適宜必要になる。
どなたも、安全運転で、幸せを。