| |
「違いの分かる」大人世代こそデジタル文化を使いこなせる現代における「デジタルストレス」はますます複雑化しています。しかし、そのストレスを乗り越えていくための知恵や技術にもまた、デジタルは役に立ちます。 人生にとって本当に大切なものを取り戻すための鍵は「ワビサビ」精神にあるのではないか。それを実現する「手段としてのデジタル」と組み合わせることで突破口が開けるのではないか……との思いから生み出した造語が「デジタル・ワビサビ」です。 故スティーブ・ジョブズと、ジョブズ亡き後のカリスマと呼ばれるツイッターの創始者ジャック・ドーシーには、「日本のわびさび文化に深く傾倒した」という共通点があります。 ジョブズが禅や日本文化に傾倒していたことは有名ですが、有名なスタンフォード大学卒業式にゲストで呼ばれたときのスピーチで、自身が膵臓癌に冒されていることを告白した上でこう述べました。 「いちばん大切なことは、魂や直観を信じること。自分がいちばんやりたいことは魂が知っている。それ以外のことは二の次だ」 そのジョブズを深く尊敬しているジャック・ドーシーは、ワビサビについてこう述べています。 「私なりの理解だが、ワビ・サビは両極端の対比の中で美しさを見いだすことととらえている。暖かさと冷たさ、素朴なものと近代的なもの、居心地のよいものと無機質なもの。面白いのは、2つの対照的なものの間に美学があるということだ」(日経ビジネス スクエア・インパクト「ポスト・ジョブズ」が起こす決済革命 2013.9.9)。 このように「ワビサビ(Wabi-Sabi)」は、今では本家の日本よりも海外の先進的起業家やアーティストたちの心を捉え、文化の重要な要素として尊重されていますが、「質素で静かなもの」という原意を超えて、「魂とつながるもの」「精神活動の本質」といった深い世界を表す言葉として使われています。 魂云々が大袈裟だというなら、「大人の文化」と言い換えてもいいかもしれません。この大切なものが失われてしまったからこそ、今の日本は息苦しく、じり貧なのではないか。手遅れになる前にワビサビ精神を見つめた「大人の文化」を取り戻そうではないか……というのが本書の主張です。 デジタルストレスの克服法から始まり、「デジタル・ワビサビ」の楽しみ方まで、具体的な事例を数多くあげながら解説しました。 本書が「デジタルストレス新時代」をうまく泳ぎ切る処方箋としてだけでなく、みなさんの個性を生かし、果たせなかった夢を思いがけない方法で実現できるヒントにしていただければ幸いです。 講談社 現代ビジネス内 著者インタビュー記事は⇒こちら |
インターネットは出会いと連帯の計り知れない可能性を与えてくれる。これは真によきものであり、神からの贈り物だ。(第266代ローマ教皇 フランシスコ)●若者ほどインターネットが何かを知らない?
私は社会を変えたかったのではなく、社会が変わるべきどうか、社会自体が決める機会を与えたかったのだ。 (エドワード・スノーデン 元CIA職員)●自分の趣味趣向が知られている!
悪い知らせは、早く知らされなければならない。 (ビル・ゲイツ)●コンピュータOSという「共通言語」による世界支配
方向を間違えたり、やり過ぎたりしないようにするには、まず「本当は重要でも何でもない」1000のことにノーと言う必要がある。 (スティーブ・ジョブズ)●知っているようで知らないケータイの世界
古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求むべし。 (松尾芭蕉)●デジタル・ワビサビとは何か
アイデアは誰にでもある。問題は、アイデアを実行することと、アイデアの実現を助けてくれる人を引きつけることだ。 (ジャック・ドーシー)●コンピュータ制御で作ったストラディバリウス