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2017.10.29

瞑想の「方法」で脳への影響に変化、複数組み合わせが有効か

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瞑想を長く行っている人たちの脳の構造や機能が大きく変化していることは、すでに多くの研究によって確認されている。さらに、瞑想を始めてからの期間が比較的短い人でも同様の効果が得られることや、ウェルビーイング(心身が健康で満ち足りた生活を送っている状態)が促進され、うつや不安症の症状が緩和されることが、複数の研究によって示されている。

今回の調査結果で興味深いのは、瞑想の方法によって脳への変化の現れ方が異なることが確認されたという点だ。研究チームは、「結果が示すのは、マインドフルネスや社会的知性のその他の側面がいかに育まれるかについては、潜在的な生物学的基盤があるということだ」と説明している。

チームはまた、グローバル化が進み、他者の経験を理解できることの重要性が一層高まる現代社会において、思いやりを持つことは特に大切なことになっていると説明。そして、そうした中では「ソフトスキル」の重要度がますます高まっていると指摘している。

「共感できる、思いやりを持てる、そして他者の視点を取り入れられる、といった社会的能力は、人の気持ちや自分とは異なる考え方への私たちの理解を深めてくれる。これらは、他者と協調していく上で極めて重大なことだ」

私たちの知性の中で最も重要な部分を強化するためには、方法の異なる複数の瞑想を行うことが有効なのかもしれない。

編集=木内涼子

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瞑想がキャリア向上に役立つ5つの理由

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瞑想(めいそう)は何世紀にもわたり実践され、最古の記録はインドまでさかのぼる。しかし近年は、より厳しさを増す世界で幸福度を上げる方法として、世界中で爆発的に流行している。

通勤途中で瞑想アプリを使うにせよ、早朝に浜辺でヨガをするにせよ、瞑想はこれまでになく身近な存在になっている。瞑想がこうして一般化したのは、その効果が科学的に証明されているからだと言う人もいる。瞑想がストレスや不安、痛みへの対処法として効果的であることが、研究によって示され始めている。

私のクライアントの中にはどういうわけだか、瞑想は自分と違う特殊なタイプの人がするものだと信じて込んでいる人が多い。しかし実際は、瞑想は万人向けのものだ。その理由を、以下に挙げよう。

1. どこでも、いつでもできる

瞑想は、落ち着ける場所であればどこでも行うことができる。自分のスペースが必要で、できれば静かな邪魔されない場所が良い。座っても、歩きながらでも大丈夫だ。

5分でも1時間でも、瞑想の長さを自分で決める。どんな長さでも効果があり、昼の休憩時に10分しか時間を取れなかったとしても問題ない。

1日1分から始めて、慣れてきたら時間を増やし、最終的には1日30分まで延ばすことを勧める。どれほど少ない時間であっても、自分の生活の中に瞑想の時間を設けることが大きな一歩だ。

2. 安価にできる

高いジムの会員費を払ったり、ヨガマットを買ったりする必要がなく、投資対効果が非常に高い。必要なのは自分自身と、学びと成長を望む気持ちだけだ。

また、ただ静かに座って悟りを得るまで待っている必要もない。瞑想初心者だったり、指導役が必要だったりする場合は、やり方を指南してくれる無料アプリが多数ある。

私からは、自分が改善したいことに合わせたガイド付き瞑想動画をユーチューブで検索することを勧める。例えば、心をクリアにする、不安を静める、失恋を癒やす、成功を収めるといった目的に合わせた瞑想動画がある。向上させたい点を支援してくれるものを探してみよう。
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編集=遠藤宗生

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