交際相手の娘が18歳未満と知りながら、交際相手と共謀して、娘に性的暴行を加えたなどとして、母親とその交際相手が監護者性交等の罪に問われています。
なぜ母親は自分の交際相手に娘を性交させたのでしょうか。母親が裁判で語ったこととは…・
監護者性交等などの罪に問われているのは、島根県に住む会社員の男(31)と無職の女(39)です。
起訴状などによりますと男は2023年1月、交際相手の女と共謀して、女の娘に性的暴行を加えた監護者性交等の罪、また2020年6月から去年12月までの間に、共謀して29回にわたり、女の娘の胸の写真を撮影するなどした児童買春、児童ポルノ禁止法違反の罪に問われています。
6月7日の初公判で、起訴内容に間違いがあるかと問われた男は「違うところはありません」、女は「間違いありません」と答えました。
検察側の冒頭陳述などによりますと、被告の男と母親は2016年6月頃に出会い系サイトを通じて知り合い交際を開始しました。
母親は離婚歴があり、両親の家で娘と暮らしていましたが、2022年7月から娘と2人暮らしを始め、生活保護費や児童扶養手当等を受給して生活していたといいます。
娘の胸の写真を撮影するなどの行為が始まったのは、男が母親に対し、娘の写真を要求するようになってからで、母親は当時小学生だった娘に、「成長を確認するため」などと言い、写真を撮影して男に送っていたとしています。
男の要求はエスカレートし、娘と性交渉させてくれるよう母親に依頼するようになり、母親はそのことを娘に伝えるようになったといいます。
その後、男は娘に避妊用ピルを飲むことを勧め母親に渡したり、胸が大きくなるようにとプロテインを飲ませたり、胸のマッサージを教えるよう母親に指示したりして、母親はそれに応じていたとしています。
そして2022年6月頃、母親が男の家に娘を車で送り届け、男は娘と性交渉するようになったと指摘しました。
そして、男との性交渉を嫌がる娘と、男をつなぎとめたいとの思いで説得する母親の間で喧嘩が絶えなくなり、2022年12月には、母親が包丁を持ち出し、娘が負傷することもあったといいます。
母親からの「エッチせんかったら別れなければならない」との説得に、「自分が犠牲になればいいんでしょ」と、最終的には娘が断念したとのやりとりもあったとしました。
そして2023年1月、男は母親と共謀の上、娘に性的暴行を加えたと指摘。娘がその後、外部に被害を打ち明けて事件が発覚しました。
8月16日の公判では、2人への被告人質問が行われ、まず、上下紺色のジャージ姿の男が証言台に立ちました。
〜弁護側の被告人質問〜
弁護人「被害者となぜ性的関係を持ちたかった?」
男「まず画像をもらったのが始めです」
弁護人「裸の画像をもらおうと思った理由は?」
男「遊んだりする中で、被害者の身体を見てみたいと思ったのと、どれくらい自分の言うことを聞いてくれるか試してみたかった」
弁護人「母親(被告の女)とはどういう気持ちで付き合っていた?」
男「すごく好きで付き合っていました」
弁護人「真剣に付き合っていたのに娘と性的関係を持ちたかった?」
男「裸の画像をもらっているうちに性的欲求がエスカレートして性行為したいと思いました」
弁護人「好きな女性に娘の裸の画像を撮るように言って傷つくと思わなかった?」
男「傷つくと思います」
弁護人「被害者が嫌と言える状況だった?」
男「言えなかった気がします」
〜検察側の被告人質問〜
検察官「被害者が性行為を嫌がっていたのは分かっていた?」
男「そうですね…」
検察官「高校生になった娘に彼氏ができると、彼氏よりもはやく性行為することにこだわったんですよね?」
男「こだわってはいないです」
検察官「被害者に、自分と母親の性行為を見るように話しましたか?」
男「そうですね」
検察官「性欲のはけ口であれば母親でも被害者でもどちらでもよかった?」
男「いいえ、そんなことはありません」
検察官「被害者に聞いて欲しいと言われてるので質問しますが、結婚したがっていた母親をどうするつもりだった?」
男「結婚願望はなかったです。結婚はしないがずっと一緒にいられたらいいなと思っていました」
続いて、チェックのスカートに黒のブラウス姿の母親が証言台へ。
被害者の担当をしていた相談員によると、娘と母親はとても仲が良かったと言います。なぜ娘を男に差し出すような状況に至ってしまったのでしょうか。
〜弁護側の被告人質問〜
弁護人「男のことをどう思っていた?」
女「すごく好きでした」
弁護人「被害者についてはどう思っていた?」
女「この世で一番大事な娘だと思っていました」
弁護人「娘の裸の写真を撮ったとき嫌がっていなかった?」
女「嫌がっていました」
弁護人「男が性行為したがっていることを被害者に伝えた時は?」
女「嫌がっていました」
弁護人「大好きな彼氏が他の女性と性行為することについてどう思っていた?」
女「すごく嫌でした」
弁護人「なぜ娘の画像を送ったり、性行為したがっていることを伝えた?」
女「彼への強い愛情心、依存心、怖さがありました」
弁護人「愛情心とは?」
女「大好きな彼の願望を叶えたい」
弁護人「依存心とは?」
女「彼に見捨てられたくない」
弁護人「怖さとは?」
女「彼の言うことをできなかったときに不機嫌にしてしまう」
弁護人「不機嫌になることがそんなに怖い?」
女「文章の絵文字がなくなったり、1日連絡が取れなくなったりして怖かった」
弁護人「娘がここにいるとしたらなんて声をかける?」
女「とにかく土下座して謝りたいです」
〜検察側の質問〜
弁護人「不機嫌になるのが怖かったのに別れなかったのはなぜ?」
女「彼は今まで別れた人と違って愛情があったので、怖くても別れられなかった」
弁護人「娘との性行為の要求に従うくらい好きだった?」
女「はい」
弁護人「男の関心が娘に移っていくことに関してはどう思っていた?」
女「焦っていました」
弁護人「男との性行為を巡って娘とケンカになったとき包丁を持ち出したのはなぜ?」
女「自分が自殺したらいいと包丁を持ち出した」
弁護人「あなたの自殺を止めようとしてけがをした娘は医者に『調理実習の練習をしていてケガをした』と話していますが、本当のことを言おうと思わなかった?」
女「言おうと思ったけど娘に止められました」
被告人質問が終わると、被害者の弁護士が、本人の思いを代読しました。
「私はたくさん傷つきました。保護されてからも男が夢に出てきて眠れず、男の人を見ると動悸がします。男のことで母とのケンカが絶えず、母を共犯者にしました。男さえいなければ…私は男にできるだけ重い処罰を求めます」
検察は、被害者がPTSDなどの診断を受けていて、身体面、精神面ともに生涯にわたる深く拭いがたい傷を伴う影響を与えたことは明らかだと指摘。
男に対しては、自らの性的欲求を満たすため、交際相手を利用した身勝手で自己中心的な動機に酌量の余地はないなどとして、懲役9年を求刑しました。
また、男の関心をつなぎとめるために娘を犠牲にする犯行動機は、子を守る親の立場として言語道断であり、酌量の余地はないとして、母親に懲役6年を求刑しました。
一方、弁護側は男に関して、娘の体調を気遣う場面も見られるなど単なる性的欲求のはけ口にしていたわけではないなど、汲むべき事情があるとして、簡単に判決を出さないように求めました。
また、母親に関しては軽度の知的障害などがあること、被害者が男と同等の厳しい処罰を求めていないことなどから酌量減刑が相当とし、執行猶予付きの判決を求めました。
裁判長に「最後に言いたいことは?」と問われると、男は「被害者を傷つける行為をして申し訳ないと思っています」、母親は「娘に対して長い間苦しめて申し訳ないと思っています」と話しました。
判決は9月27日に言い渡されます。