日本酒に限らず、とにかく嗜好品はファンマーケティングの時代です。SNSの台頭により酒蔵は消費者に直接訴求ができるようになりました。日本酒は数少ない嗜好品の中でも造り手に直接会える産業です。デジタルでの接点に加えて、イベントでの造り手との接点が付加されれば、より豊かな記憶として心に残り、ファンの増加と定着に役立つことでしょう。

日本酒はその長年の商流構造上、専門店による販売が重視されています。限られた生産量の中でより多くの買い手と繋がるためには流通におけるプロとの繋がりが重要です。「若手の夜明け」がきっかけで取引が増えた酒蔵もすでに多数報告があり、これは酒蔵にとって生産量(売上)の向上につながる重要な要素です。「プロの部」において取引・仕入れの参考のための味の確認に加え、蔵元との対話促進によって各蔵の取引量の増加を期待しています。

『若手の夜明け』は世界で唯一の「造り手の顔が見えるイベント」として、どのイベントよりもコンテンツが豊富なイベントです。特に若手蔵が手の回らないクリエイティブやナラティブを手厚く支援することで、酒蔵・醸造家たちのブランド価値を上げていき、それがひいては長年蔵元達によって紡がれてきたイベントそのもののブランド価値を高めてていくことになると考えています。世界中の醸造家の憧れる場となることが、参加するすべての酒蔵のブランド価値も高めていくと信じています。