Sound Horizonの五周年記念映画 Across The Horizonが劇場公開時に、東京と大阪で舞台挨拶が行われました。
その回にFC会員が各会場一名ずつ招待され、会報に載せるレポートを書くという企画がありました。そのレポです。
1000字程度の作文を募集し(確かSound Horizonへの思い、みたいなテーマ)、その中から選考される。応募作文

当日、ファンでいっぱいのブルク7の七階。当時はあまりファン友もいなかったので、一人ぼっち。
舞台挨拶は20時から。19時半前にちゃんと来ているかどうかの確認の電話があり、「19時半に間に合うように迎えに行きます」とのこと。
迎えに来てくださったお姉さんにご挨拶したあと、「Revoの控室に案内します」と言われ頭が真っ白になる。
事前にそういう話はもちろん無く、友人に「謁見があるんじゃないか」と言われても、いやさすがにそれはないのでは……というくらいの気持ち。献上品はスタッフの方に預かってもらえるかもしれないので、一応用意してはいた。

控え室。
司会のお兄さんやカメラマンの方など数人、メイクやヘアセットの道具がが置いてある。
しどろもどろにぺこぺこ挨拶をしていると、気配を感じたらしきRevoさんが奥の別室から「こんにちは-」と登場。
第一印象は、髪がツンツンwwwww でした。すみません。

どうぞどうぞとお姉さんにRevoさんの出てきた奥の応接間みたいなところへ追い立てられ、
Revoさんにも、「(入っても)いいからいいから」とおいでおいでされ、挙動不審になりながら奥の応接セットのある部屋へお邪魔する。
「ま、どうぞ」とRevoさんに椅子をすすめられ、「失礼します」と座ると、「面接みたいだな」とRevoさんがおっしゃる。
と、なぜかソファに座って、ごろんと横になり「柔らかいなぁ~」とひっくり返るRevoさん。
緊張をほぐしてくれようとしたのか、ただ単に転がりたかっただけなのか、とにかく全く意味が分からない。

起き上がってキリッと「作文、読ませてもらいました」とレポーター応募に出した作文についてなんだかんだと話をし始めるRevoさん。本当に面接みたい。
まとまっていて? 起承転結があって? 「私はSound Horizonのここが好きです」という内容が多かった中、ちょっと違っていて良かったとのこと。嬉しそうに紙をめくるジェスチャー付き。
内容の拙さについて言い訳すると、「うん、うん」と一々相槌をうって聞いてくれる。

話してる時に、やっぱり手がもにょもにょ動くRevoさん。そして座り方がやっぱり足開いてどっしり。前のめり。
マニキュアは黒の上に、紫のラメ。すごくガン見されて怖い。
ファンというものが可愛くてしょうがない感じ。

レポートは、感じたまま素直に書いてくれたらいいとのこと。
応募作文のあんな感じでいいんでしょうか、もっと女の子らしくキャピキャピしたのがよければそういう風に書きますが、と提案してみる。
Revoさんはちょっと考えるように上を向いてらっしゃったけど、基本的に書きたいように書いていいとのこと。
「東京のレポーターは大阪のレポーターと内容がかぶることを心配してたね……」とRevoさんがおっしゃる。私もそれが心配だとお伝えする。違う人間が見るんだから同じになることはない、とRevoさん。

「すごく緊張してるね」とRevoさんに言われる。
Revoさんの後ろに立ってるスタッフのお姉さんが「◯◯県からいらっしゃったそうです」とかなんとか言う。「◯◯!」と軽く後ろを向いて頷くRevoさん。
「え~……*****(本名)さん」
名前くらいは事前に見てるのだろうけど、さすがにびくっとする。
大事なことを言われるのかと背筋を伸ばすと、
「よく……手紙をくれる……」とにやにやするRevoさん。
そういえば浜名湖で電話でお話しした時も、名乗ったら、「何か聞いたことある名前だな……ああ〜はいはいwww」みたいなノリだった。
「彼女はね、休みなんてとらないで働け、仕事しろ、と書いてくる子なんだよ」と後ろのお姉さんにわざわざ説明するRevoさん。
そうなんですか、とすごくどうでもよさそうなお姉さん。
「うん。……今日は、会えるのを楽しみにしてました」と人の悪い笑みで言われる。

「なにかプレゼントとがあるんだっけ」とRevoさんがスタッフに聞き、写真を撮ってくださるとのことで、べーあんさんがやってくる。
「ソファで座って撮るのと、ポスターの前で撮るのとどっちがいい!」とRevoさんに聞かれ、Revoさんの隣になんて座れない! と、迷ったすえに壁のポスター前で。
ささっと誰よりも先に、邪魔な机をどかす王様。
遠慮して離れてると「せっかくだからもうちょっとこっちに……」と春日のここ空いてますよみたいなポーズ。すっごい行きにくい。しかも、勢いあまってRevoさんの足を踏んでしまう。
シンプルなトルコ石っぽい青いピアス。どこかでRevoさんは香水つけてる、という話を聞いたことがあったので、くんくんしてみたけど何の匂いも感じない。

写真映りをきちんとチェックするRevoさん。
「こんなに至近距離で見たのは初めて?」とスタッフのお姉さんに聞かれ、「浜名湖でお隣りに座らせてもらいました~」などと楽しくお話。
祝賀会には来たかとのお姉さんの問いに、夜の部にと答える。地方だから、そういうのに参加してないと思われたのかもしれない。
Revoさんはじっと立ってられない人のようで、立っててもふらふらふらふら体重移動をしている。
「(浜名湖で隣に座らせてもらえても) 緊張してしっぽ髪しか見れませんでした」と言うと、
「じゃあ引っぱってみるか!」と背を向けるRevoさん。
この人何言ってんのと思いながらも、せっかくなので引っ張らせてもらう。神社の鈴引っぱるような心理。
「えい、えい」←私
「いてっ、いてっ」←Revoさん
「・・・・・」←お姉さん
……つらい。

しっぽは直毛でさらさら。根本は生成っぽいレースリボンでかわいい感じに結んである。
「こんな可愛いリボンだったんですね-、ローランコートってこうなってるんですね-」と観察し始める私。
コートの前をぱかっと開けて、ほらほらって感じに見せてくれるので、金ボタンに触ってみたり。
Revoさんは前体重な方のようで、どんどん前に出てくる。
アホらしいやりとりに呆れたのか、いつのまかスタッフのお姉さんがいなくなる。……ふたりきりである。
聞きたかったことを尋ねたりして、雑談。
ちなみにこの時も、ソファで向かい合っている時も、作品に関することに探りを入れてみても微笑んだまま黙秘される。
Revoさん、と呼びかけたら、「ん?」と反応が返ってくるのに感動。
考える時に視線がよそを向くRevoさん……そして答える時に視線が戻ってくる……の繰り返し。
話す時は、必ずその人の目を見る人のようで、スタッフのお姉さんと話すときも、身体をひねって後ろ向いて話していた。育ちの良さが感じられるひとだった。

念のため用意してきた献上品をお渡しする。
「あけてもいい?」
「恥ずかしいからダメです!」
「(無視)ビリビリ」
包装紙は、ベリベリっと破く派らしい。
そろそろ…とRevoさんの方から切り上げの合図が。
サイン貰ってもいいですか!というと、「うん、いーよー」と軽い返事。
未使用のパスポートにマジックを取り出し、準備ばっちりなので笑われる。
「***さん、***さん……だからちょっと遊んで……」と名前を改変されたサインをもらう。

些かお約束ちっくではあるけど、休まないで働いてくださいね、頑張ってください、と言うのに、いちいち「うん。うん。」としっかり頷いてくださるのが嬉しい。
そこでお別れしたつもりが、応接間出てもすぐ背後についてきててびびる。
控室の方に挨拶してたら、ドアの横で王様が待ってらっしゃる。
まだ何か用があるのだろうかと訝しく思っていると「エレベーターまで送るよ」とのこと。
いろいろ怒涛のようにツッコミたいことはあったが、こんなに丁重に扱ってもらえると思っておらず、とはいえ、ここに書いてはいないけれどすごくビジネスライクに感じる瞬間もあって、結構混乱した。

エレベーターまでの廊下を並んで歩いていると、後ろからお姉さんに、「レポートの詳細は聞いてますか? 」と聞かれ「メールをいただいてます」と答える。
それを受けてRevoさんが再び、「レポートは好きに書いていいよ~」みたいな話。
この日は自分でも意識して、一度も陛下とは呼ばなかった。(当時はまだ陛下と呼ぶことが多かった)
なので、「レポートでは陛下呼びしなくてはいけませんか」と聞いてみる。もちろん軽い皮肉を込めている。
「そんなことは気にしなくていい」ときっぱりおっしゃるRevoさん。ちらりともこちらを見ず。

エレベーター前に来ると、男性のスタッフの方がエレベーターを呼んでくださる。Revoさんは胸に手を当てて、ふざけた感じにお辞儀をして、
「では……また後ほど!」と言ってくださる。ので、しんみりした感じにならずにすむ。
エレベーターのすぐ前まで来て、扉が閉まる最後まで見えるような位置に立って、見送ってくださるRevoさんは、後ろで手を組む校長先生状態でどーんといる。でも無言。
私ももう特に言うこともなく、間が持たず手を振ってみたりする。
扉閉めていいっすか? みたいなスタッフの男性の方。
時間もそんなになかっただろうに、追い立てるような雰囲気にしないでくださったスタッフさんたちが、本当にありがたかった。

舞台挨拶は、最前列のどこでもいいとの説明を受け、関係者用のステッカーをもらいすぐ入場。
どこでもいいならとど真ん中座る。王様の横で、「サウンドホライズーン、つうてんかーく!」 とかやってたのが私ですすんません。大阪は関係者がほとんどいなくて、1、2人といったところ? だった。

舞台挨拶がまた近くて、目が合ったりすると恥ずかしくて仕方ないので、思いっきり監督ばかりをみてました。
別人? というくらいにさっきと比べるとテンションの高いRevoさん。
控室のイメージがゆっくりしたRevoさんだったので、きびきび動くRevoさんに違和感があったり。発声の仕方とかも全然違うし。
終わった時の、「あー終わった終わった! 」みたいな楽しそうな表情が印象的だった。

さて、映画を見て、翌日帰宅。レポート提出は一週間後。
雰囲気が違うのを三つ出して、Revoさんがどれを選ぶのかを、最後の楽しみにさせていただいた。
ツーショット写真はデータが消えて送れないというお詫びのメールが来て、かなり残念だったけど、Revoも◯◯様(本名)のお気落ちを心配しておりますとのことだったので、なんとか耐える。嘘です、三日くらい啜り泣いてました。
代わりにサイン入りの舞台挨拶の全体写真をもらい、終了。会報のカット違い。

すばらしい経験と、過分なふれ合いを持たせてもらえて、今振り返ってみても感謝の気持ちしかない。
ただ、CDを聴くアーティストよりライブに行くアーティストの方に人間的な親しみを感じるように、Revoさんにもキャラクター性やカリスマというものよりも一人の大人、一人の人間としての印象が強くなったかもしれない。