●はじめに 先にも書きましたけれど、『テーマ⑦ 異世界で働くヒロインが恋も仕事も頑張るシンデレラストーリー』は、テーマ設定がかなり難しいです。 といいますのもテーマを構成する要素が多くて、どこに主眼が置かれているか分かりにくいからです。 >異世界を舞台とし、主人公(ヒロイン)が"仕事"を通して成長&成功していくエンターテインメント作品を募集いたします。 >魔法使い、錬金術師、冒険者――など、異世界ならではの職業でも良いですし、転生・転移主人公による現代知識を活かした仕事内容も大歓迎! >読者に夢を与えるような、素敵なシンデレラストーリーをお待ちしております。 (募集ページから引用) 私の感想分析でやたらと「テーマに沿っていないのでは?」と書きましたが、そもそもテーマに対して私の受け取りが間違えている可能性もあります。 なので、ここでは「くおんみきさんは『テーマ⑦ 』をどういう定義でとらえているか」を補足的に表明しておこうと思います。 要は、もしも私の思うところのテーマの認識が間違えていたなら、テーマ云々の指摘のいくつかは的外れだということになるかと。 そうでなくとも、テーマのとらえ方を明示しないのは、不誠実なのかなという気もしましたので。 そういう意味での、補足になります。 ……えっ? 『テーマ②』についてはしないのか、ですか? あちらは、テーマのとらえ方云々以前のものが多すぎるので、明示する意味はないと思います。 ●(おそらく)こんな作品を求めていると思うもの 早速ですが、いくつか、実例をあげてみます。 分かりやすく、今期(2023年夏)アニメで例えますと……。 おそらく担当編集者さんが求めているのは、『シュガーアップル・フェアリーテイル』みたいなのかなと。 未視聴の方は、アニメ、見てみてください。 (※なお、私は原作は読んでいません) あるいは、別の例えをすると「お仕事ドラマの異世界版」みたいなのかなと。 お仕事ドラマというのは『ハケンの品格』だとか『家売るオンナ』とか『これは経費で落ちません』みたいなのです。 ただ、テーマ説明に「ラブコメ」などの文言は入っていないので、「オフィスラブ」とまではいかなくてよいのかと。 少し古いですが『ヲタクに恋は難しい』(私はアニメ版しか見ていませんが)ぐらいになると、ラブコメが強すぎて、少しズれる気がします。 あとは、HJさんの作品で例えますと……。 もしも『神達に拾われた男』の主人公が女だったとしたなら、満たすのかなと。 これなんかは分かりやすいお仕事ものですので、主人公の性別を置き換えれば、おおよそ募集テーマなのではないかと思います。 ●多分、それは違うというもの 今回、全作品を見ていて思った、多くの方がやってしまっている勘違い。 これも、今期のアニメに例えますと…… どうも『贄姫と獣の王』ぐらいのものが、テーマに合致すると思っている方が多い印象ですね。 これ、要素をかすっている箇所もありますけれど、別ジャンルだと思います。 ちなみに、少し前のアニメ化作品となりますが…… これが『後宮の鳥』みたいなのなら、ギリギリありかもしれません。 もっとも、ギリギリすぎるので、私ならその方向性では書きませんが。 あるいは、HJの作品で例えると『英雄王、武を極めるため転生す ~そして、世界最強の見習い騎士♀~』は入りません。 まあ『英雄王~』は(少なくともアニメ化されたのを見る限りでは)主人公が騎士従者見習い(学生身分?)ではありますが……。 例え「学生」でなかったのだとしても、お話の傾向がこれ系統だと、テーマにあわなくなるかと。 が、こういうのを応募されている方、かなり多かったのですよ。 もうひとつ、例示しておきましょう。 たとえば『ゴブリンスレイヤー』の主人公が女だったとしても、テーマ的には微妙になるかと。 ゴブスレさんは職業冒険者ですので、紛れもなくお仕事ですけれど、あれは「ゴブリンを殺すお話」ないしは「冒険もの」ですので。 主人公が女神官ちゃんの方だったなら「お仕事もの」だと思いますけれど、主人公はゴブスレさんなので、あれは「ゴブリンを殺すお話」です(※巻数が進むとお仕事ものっぽいお話もありますが)。 でも、応募作品を見ていると、こういうのも多かった印象です。 絶対にNGだとは断定できませんが、限りなくNGに近いものです。 ●明らかに違うもの あるいは『ライザのアトリエ』ぐらいのを出している方もいますが……。 これは、明らかに違うかなと。 これが『ライザのアトリエ2(※原作ゲームの方の二作目)』ぐらいなら、見せ方によってはありかもしれませんが……。 いえ、でも、この「シュタウトのところのアレ」は恋愛要素を踏み抜いて爆破するような子なので……やっぱりテーマに全くはまらないですね。 (どうでもいいことですが、原作ゲームだと、動作や言動が時々おっさん臭いですよね、この主人公。他の女性キャラもゴリラみたいな性格しているのとか、虫食べるとか言い出す子とかばかりですし……ああ、いえ、誉め言葉ですよ?) ちなみに似たもので、少し前のアニメ化作品で『新米錬金術師の店舗経営』というのがありましたか。 これなら……「恋も」の部分以外は、完全に満たすかなと。 まあ、「恋愛感情とは少し違う気がする」みたいなことが作中で明言されていますし、本当にそのあたりがかなり弱いのですが。 あの主人公、恋愛ごとにかなりドライで……作中で結婚までしておきながら、恋愛感がゼロなのですよ。 あとは、TSFもの(TSもの)が数作品ありましたが、これはTSFという時点で危険です。 人によっては、それを女性主人公だと認識するのに抵抗感があるので、九割がたNGです。 これは、具体例を出すまでもありません。 よっぽどうまくやらない限りダメですよ、これらは。 ●「えらそうに批評しているお前はそういうの書けるのかよ」問題 よく言われるので、明言しておきましょう。 多分、書けないです。 書けるのだったら、いくつもの賞を総ざらいしていますので。 そもそも、人間というのは大体の場合において、自分の思っていることの五割も実現できません。 普通は自覚している二割か三割、がんばって(というか運がよくて)七割出せることがあるかどうか……でしょうか。 今回の場合、評価項目は、その他を除けば5項目あるわけですが……。 私は平常だと、5項目あるうちの1~2項目を満たすものしか書けないと思います。(上手くはまっても、3~4項目を満たすぐらい? 下振れは際限ないので、0ということもあるにはあるかもしれません) とはいえ、こんな言葉があります。 「料理のプロでなくとも、旨い不味いや、その食材が腐っているかどうかぐらいは分かる」と。 もちろん、それぞれ好みはありますし、やはりプロでないと分からないものというのもあるにはあります。 ただ、料理にしても小説にしても、賞味するのはプロより素人の方が圧倒的に多い(99%ぐらい?)ということをお忘れなく。 もしも、「書けもしないくせに偉そうに」「お前なんか素人だろ」と思うのでしたら……。 それはつまり「自分の作品は99%の人間に受け入れられない」と言っているに等しい場合があるのかなと。 もちろん、私が特別、悪食だとか馬鹿舌だとかいう可能性もありますけれどもね。 強い言葉を吐く場合、しばしば、それが自分に返ってくるということを忘れないでいただきたいかなぁと。 (「今まさにお前が口にしているだろう」というツッコミは……もちろん甘んじて受けなければならないですよね、ええ) ●おわりに 最初の「ルール説明と覚え書き」にも書いていますが……ここであらためて書いておきましょうか。 テーマコンテストって、おおよそ、かなり難しいのですよ。 規定通りに書き上げられただけで、その方はかなりの実力(精神力)があるのだと思います。 各作品について、色々とガタガタ言わせてもらっていますが……。 書き上げて応募された方は、本当、それだけで誇ってよいことですので。 (※ただし、元々あった作品を応募……という場合はその限りではありません。テーマに沿っているならまだしも、そうでもないのに改稿もせずに出しているようなのは……滅びればいいのではないでしょうかね?) 不満のあるような書き方をされても、深刻に悩まなくてもよいです。 読んだ作品には最低限度でもポイントなど入れておきますので……。 それで、許していただければなぁと。 (※ただし……以下略) ともあれ、言葉足らずな部分もあったかもしれないと思っての、補足でした。
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かいんでる
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かいんでる
2023年9月14日 12時42分
くおんみき
2023年9月14日 12時47分
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くおんみき
2023年9月14日 12時47分
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