2023-09-12

子どもへの性犯罪時効を存置すべき理由

[B! 事件] ジャニーズ 元タレントら“子どもへの性犯罪 時効撤廃を” | NHK

このニュースには反対。性犯罪には時効があるべきだし、過去に行われた時効撤廃についても再考するべきだ。

理由は、「時間はあらゆる証拠を洗い流してしまうから」に尽きる。その証拠には、有罪証拠だけではなく、無罪証拠も含む。

あなたは昨日の夕食、誰と何を食べたか言えるかもしれない。行きつけのお店で友達ご飯を食べました。これがインスタに上げた写真です。店長も友人もそう証言してくれていますアリバイ成立。送検すらされない。よかったよかった。

だが、30年後にその店は残っているか? 店長や友人は生きているか? インスタの垢は削除していないか? そもそもインスタがサ終していないと誰が言えるのか? っていうか、その日に友達レストランに行ったことを思い出せるのか? 増田は30年後に自分アリバイ証言できる自信がない。

そうはいっても殺人であれば、たとえば凶器に残された指紋であるとか、第三者目撃証言とか、そういったことが無罪の決め手になるかもしれない。

しか性犯罪の多くは、証拠が残らないことが多い。親密な関係性で行われる性暴力というものは多くあり、その場合証拠が残ることは極めて少ない。それはある一面では「訴追に足る証拠がないので、被害者泣き寝入りを強いられたり無罪判決が出ることが多い」であるということだが、もう半面は「証拠が足りない状況でも訴追され得る」ということでもある。これは、無力な一市民にとってみれば、恐るべきことではなかろうか。

ジャニー喜多川による性暴力は、おそらく実際にあったのだろう。そこは疑わない。だが、性暴力について偽証する人というのは残念ながら存在するし(ウトロ事件会津若松虚偽告訴事件草津町長に対する冤罪事件)、被害者が間違った人を犯人として名指ししてしまうこともある(氷見事件)。被害者家族が間違った人を警察突き出したという事件もあった(貝塚ビニールハウス殺人事件)。そういった冤罪は、いつでも、どんな犯罪でも起こり得るのだ。自分被害者になる可能性については多くの人が想像しているだろうが、自分容疑者になる可能性についてはいったいどれだけの人が真剣に考えているんだろうか? あなたが何もやってなくても、警察が容疑をかけたら、あなた容疑者になるのだ(容疑者というのは、「犯人」という意味ではなく「犯人ではないかと疑われている人物」のことである)。

増田教職に就いていて、子どもたちと個別面談したことが何度もあるが、何年何月何日に教員室で身体を触られました、と言われたときにどう防御したらよいのかわからない。数ヶ月前のことだって記憶あやふやなのに、まして30年、50年も前のこととなったら。草津町長の冤罪事件では、「町議の訴える被害の状況と実際の町長室の家具の配置が違う」という点も町長から反論として出されたが、何十年も経ったら教員室も模様替えしていて、「こんな犯行をできたはずがない」という弁護はできなくなっている可能性が高い。

もちろん、あまりに昔の事件捜査・訴追については何らかの物的証拠被害者を縛り上げたロープについた指紋とか、採取された精液とか、防犯カメラ映像とか)を必須にする、という運用がなされるなら、そこまで恐れる必要はないのかもしれない。しかし、残念ながら増田日本警察良心をまったく信用していないので、時効によって、そもそもそんな昔の事件については捜査がなされないことを望む。

  • 被害者が間違った人を犯人として名指ししてしまうこともある(氷見事件)。 被害者の家族が間違った人を警察に突き出したという事件もあった(貝塚ビニールハウス殺人事件) 嫌...

  • 性犯罪に関しては、全て時効を撤廃する方向で改正した方がよい。 袴田事件や免田事件の取り調べに憤った左派団体や人権弁護士でも、性犯罪に関してだけは、さすがに警察と検事を信...

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