「小学校の計算なんて簡単でしょ!?」と思われるかもしれませんが、大人になると、なんでも電卓で計算をするようになってしまい、いざ計算をしようとすると、やり方が分からないということがありえます。
今回は、そんな計算問題の中でも、小数のわり算、さらに余りまで出てきます。
正確に計算できるでしょうか?
問題
次のわり算で、商は整数で求め、余りも出しなさい。
4.7÷0.6
電卓で計算すると、余りを出すことができません。ご丁寧に小数点以下まで計算されてしまいます。
「商」というのは「わり算の答え」のことです。これが整数、つまり小数が出てこないようにします。
小数の計算なのに、答えは整数になりますよ。そして余りにも注意しましょう!
さて、計算できたでしょうか。
答えは「7あまり0.5」です!
解説
もしかすると「0.7あまり5」とか「7あまり5」なんて間違いをした人もいるのではないでしょうか。
「小数点をどのように処理するか」というのが、今回の計算のポイントです。
まず、わり算では次のような性質があります。
「わる数」と「わられる数」に、同じ数を掛けても割っても商は変わらない
どういうことかと言うと、以下の計算はすべて同じ答え(商)になるのです。
① 20÷4=5
② 2÷0.4=5
③ 0.2÷0.04=5
言葉で表すと、次のようになります。
①「20を4ずつに分けると5個のまとまり」(4が5個で20)
②「2を0.4ずつに分けると5個のまとまり」(0.4が5個で2)
③「0.2を0.04ずつに分けると5個のまとまり」(0.04が5個で0.2)
確かに、答え(商)はぜんぶ同じですよね。
ということで、今回の問題「4.7÷0.6」は「47÷6」の計算をすればいいということですね。
6×7=42だから、47÷6=7あまり5
答えは、7あまり5になるじゃないか!?というのも、よくある誤答のひとつです。
わり算の計算で同じになるのは「答え(商)」の部分だけであって、「余り」は同じになりません。
もとの問題は「4.7÷0.6」です。はじめの数が4.7なのに余りが5もあるのは、おかしいですよね。
ということで、実は余りに関しては、小数点をもとに戻さなければならないのです。
今回の計算で言うと「47÷6=7あまり5」ですが、これを10分の1にすると「商だけは同じ」というわり算の性質により、「4.7÷0.6=7あまり0.5」ということになります。
まとめ
今回の問題は、小学校5年生で学習する「余りのある小数のわり算」です。
小学生だけでなく、大人でも正答率の低い計算問題のひとつでした。ぜひこの機会に計算の学び直しをやってみてください。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース