漫文駅伝特別編 『アル北郷人生挽歌~続きを待てずに』⑪ アル北郷
前回までのあらすじ。
1995年、秋。「北野ファンクラブ」収録のため、渋谷ビデオスタジオへやって来た、憧れの‘‘殿‘‘に弟子入りを直訴した、25歳のわたくし北郷淳は、偶然同じ日に弟子入りに来ていた、原田&小林と番組の収録見学を許され、その流れで、スタッフやダンカンさんが参加する、打ち上げ的な飲みの場に同行。そこでダンカンさんより、
‘‘殿の弟子は今一杯いてあふれている状態だから、うちでなく他でやれ‘‘的な進言をうけたのです。
が、どうしても殿の弟子になりたいわたくし&原田&小林の3人は、ダンカンさんの進言に耳をかたむけず、‘‘それでもたけしさんの弟子になりたいです‘‘的な空気をかもし出し黙っていると、
‘‘こんなに言っても分からないのか!‘‘的なキレ方をしたダンカンさんに、水道橋博士が住む、タワーマンションへと連れて行かれ、
そこで博士に全裸になるよう指示を出し、自らもズボンを脱いで、己のビッグ過ぎる、‘‘業務用マヨネーズ‘‘程のある、ナニを露呈させたダンカンさんは、ダンカンさんが上になる形で、全裸の博士に覆い被さり、お互いがお互いのナニを舐めあう、男同士の69(シックスナイン)を始めたのです。
そして、‘‘このくらいの事が出来なきゃ、たけし軍団には入れないんだよ‘‘と言わんばかりに勝ち誇った顔で、
「お前達に、これが出来るか?!」と、博士のナニを咥えたまま、ダンカンさんはわたくし達に言い放ったのでした・・・・。
時刻は夜の10時少し前。
博士の住むタワーマンションの綺麗なリビングで突如始まった、大人の男二人による69。
♪チュパチュパ♪と、イチモツを咥える音がリビングに響く。
その光景を、正座をして見つめる弟子入り志願のわたくしと原田&小林の3人。そして、博士の家に住み込みで常駐していた、佐藤勝(のちのお宮の松)。
「お前たちに、これが出来るか?!」
ダンカンさんからの無茶苦茶な挑戦状に、返す言葉を失い、ただただ。
身長176㎝程のダンカンさんが、身長158㎝程の博士の上に覆い被さり、お互いが一心不乱にナニを舐め合い、咥え合うおぞましい光景を前にたじろぎ、黙ってしまった弟子入り志願者3名。
この時、わたくしの頭の中は、‘‘そんな事までしたくない‘‘といった当たり前の感情と、‘‘ちくしょう。そんな事やられたら、こっちは諦めるしかないだろ‘‘といった怒りと、‘‘異常にデカいダンカンさんのビッグコックを咥えている博士って、単純にすげ~な‘‘といった驚き。それらの感情が頭の中でぐちゃぐちゃになり、一体どうしたらいいのか?どんな言葉を返せばいいのか?焦っていました。
だって、なにもアクションを起こさず黙っていたら、
「お前たちにうちは無理だ。諦めて他へ行け!」と、ダンカンさんに押し切られてしまう。だから、焦っていた。
人間、焦りだすとロクな事がない。ただ、本当に追い詰められ、焦りだすと、火事場のバカ力ではないが、得体の知れないパワーが出る事も事実。
今振り返ってみても、‘‘なんであんな事が出来たんだろう?‘‘とつくづく思う。
焦ったわたくしが何をしたのか?説明します。
追い詰められたわたくしは、咄嗟に、
「はい。僕もできます!佐藤さん。脱いで下さい!」そうはっきりと声に出し宣言すると、履いていたリーのデニムとパンツを脱ぎ、殿ゆずりの‘‘仮性包茎スタイル‘‘の、決して大きくないナニを露呈させると、
「佐藤さん。横になってください」と続けて指示を出し、わたくしが上になる形で、69を始めたのです。
もちろん、この時が人生で初めて、男のナニを咥えた瞬間であり、
すぐさま脳に、「むむむ。しょっぱいな。こんな味がするのか?」と信号が走ったのをよく覚えています。
で、改めてこの時のことを振り返ると、常に不思議に思うのは、わたくしが「脱いでください」とお願いした佐藤勝(後のお宮の松)が、特に嫌がることなく裸になり、こちらが提案した69をすんなりと受け入れた事実です。
この事が気になっていたわたくしは、つい先日、2022年10月の末、お宮の松に(当時は佐藤勝)「あの時、なんですぐに69をやらしてくれたんですか?」と聞いてみた。
「あの時は殿の弟子の中で、たけし軍団の中でも一番下だったから、大先輩の博士やダンカンさんが、いきなり69やりだしたのが悔しくてさ。一番若手で無茶できるはずの自分が、先輩に無茶を見せつけられてるようで、とにかく悔しくて、それで、こっちも当然なんかやるつもりでいたから、そしたら北郷がやろうって言いだしたから、『よし来た!』って感じで、69をしたんだよ」byお宮の松
あの夜のお宮の松は、先輩のダンカンさんと博士に負けたくなかっがために、わたくしとの69をスムースに受け入れた訳です。
つくづく、たけし軍団とは頭のおかしい団体である。
だって、のんけ同士の69を見せられ、自分もそれ以上に激しい69をしなければ、負けだと思う気持ちを抱かせる訳ですから。
普通なら、「何やってんだよ。しょうがねーな」で済む話です。
話を1995年の秋、69の夜に戻す。
博士邸の綺麗なリビングで、繰り広げられたダンカンさんと博士の69。
その横で、わたくしと佐藤勝も、負けじと69。
8畳程のリビングは、大人4人が、♪チュパチュパ♪と音をたて、お互いのナニを咥え合う、カオスな状態となったのです。
そんなカオスを、原田&小林は黙り込み、傍観者のごとく見届けている。
で、佐藤勝のナニを咥えながら、当然の疑問がわたくしを不安にさせた。
‘‘あれ。これ、いつまでやんの?‘‘・・・。
つづく。
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