九州発 西部本社編集局

博多港転貸 複数業者と賃貸借契約「家賃収入 年1億円」証言

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 福岡市が管理する博多港の土地や建物について、市から利用許可を受けた民間会社「博光運輸」(福岡市博多区)が市条例に違反して転貸していた問題で、同社が複数の事業者と実質的な賃貸借契約を結んで賃料を受け取っていたことが関係者への取材でわかった。「毎年1億円以上の『家賃』を受け取っていた」との証言もあり、市は実態調査を始める方針。

市の許可を盾に

港湾施設の転貸が問題となっている博多港(1月30日、福岡市博多区で)
港湾施設の転貸が問題となっている博多港(1月30日、福岡市博多区で)

 市によると、博光運輸は今年度、約3500万円の使用料を市に支払い、博多港で延べ約2万8000平方メートルの専用利用許可を受けていた。

 「一部の事業者が市の利用許可を盾に広大な一等地を借り、また貸しでもうけてきた」。30年以上前から「野積み場」と呼ばれる土地を博光運輸から借りてきたという事業者は読売新聞の取材に対し、転貸が長年続いてきたと証言した。

 市条例は港湾施設の転貸を禁じているが、市中心部に近く、物流拠点として利便性が高い博多港の土地や建物などは物流業者を中心に高い需要があるという。この事業者は博光運輸と契約し、月約250万円の使用料を支払ってきたという。

 10年ほど前から月約30万円で野積み場を借りてきたという別の事業者も「博光運輸から『家賃』と言われて支払ってきた」と話した。

 博光運輸で経理を担当していた元役員は「2020年時点で18社と『共同施設利用契約』を交わした。利用料名目で、年1億円を超える収入があった」と証言する。このうち5社が読売新聞の取材に応じ、土地や建物を借りていたことを認めた。車両置き場などとして使っていたといい、博光運輸に支払った賃料は5社合計で年約4600万円に上った。

港の不動産業者

 市によると、博多港で施設の利用許可を受けているのは約100社あり、原則として国から許可された事業者に限定されている。国の許可には、直接雇用の従業員が42人以上で年間15万トン以上の貨物を取り扱えるといった条件があり、2000年以降の新規参入は1社(撤退済み)のみだった。九州運輸局の担当者も「許可のハードルは低くない。多くの事業者が申請前に諦めている状況」と明かす。

 一方で、国と市から許可を受けた事業者には大きなメリットがある。こうした「一等地」を求める事業者は多いものの、使用料は港湾施設の公益性や公共性の観点から「安く抑えられてきた」(市担当者)ためだ。市場の相場と使用料の差が転貸の背景にあったとみられ、博光運輸は市の聞き取りに対し、一部の土地と建物について「転貸をしていた」と認めた。市関係者は「港という特殊な場所で、不動産業者みたいになっていた」と指摘した。

調査方法検討進む

 「クリーンな形にできればと思う」。福岡市の高島宗一郎市長は1月10日の定例記者会見で、利用許可を出している約280の全港湾施設の利用状況を調査する方針を表明。市は調査方法の検討を進めている。

 博光運輸は読売新聞の取材に「取材は全てお断りしている」と話した。

 元神奈川県横須賀市職員で関東学院大の 出石いずいし 稔教授(行政法)は「力を持った一部の業者に対し、自治体も穏便に済ませてきたのが実情ではないか。港の土地などは市民の財産という意識を持ち、適正な状態に戻すべきだ」と話した。

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