ルート(√)という記号は、中学校の数学で学習し、覚えている人も多いでしょう。
では、ルートがついた数は、実際どれくらい大きさの数になるのでしょうか。
電卓にも「ルート」があるので、それを使えば計算できてしまいますが、電卓を使わなくても数の大小比較だけなら暗算でもできるのをご存知ですか。
今回は、そんな問題に挑戦です。
問題
次の数のうち、大きい方を答えなさい。
√20、5
ルートがつく数は、円周率のπ(パイ)と同じく、どこまでも続く小数です。
いくつかの数は語呂合わせで覚えている方もいるのではないでしょうか。
√2=1.41421356・・・
ひとよひとよにひとみごろ(一夜一夜に人見頃)
√3=1.7320508・・・
ひとなみにおごれや(人並みに奢れや)
√5=2.2360679・・・
ふじさんろくオウムなく(富士山麓オウム鳴く)
このような数であれば、暗記さえしていれば「どちらが大きい?」と聞かれれば簡単に答えられます。
しかし、今回の問題の√20という数、これがどんな数なのかを知っているのは、よっぽどの数字オタクだけです。
さて、今回の問題の答え、大きい方は5です。( √20 < 5 )
解説
問題を解くポイントは「5を、ルートを使って表す」ということです。
そのためにはまず、「ルートを使った数」について確認してみましょう。
例えば、√3というのは、「2乗すると3になる正の数」を表します。つまり (√3)²=3 です。
同じように、√16は「2乗すると16になる正の数」のことです。
「2乗すると16になる」、これはもっと簡単に表すことができそうです。同じものをかけ算して16になるので4×4=16ですよね。
つまり、√16という難しい表現をしていますが、これは4と同じ数なのです。(4=√16)
このようにして、整数をルートを用いて表現するということが可能です。
整数からルートへ変換するのは簡単です。その数を2乗してルートの中に入れるだけです。
2=√4
3=√9
4=√16
5=√25
6=√36
さて、ここまで確認をすれば、今回も問題も解けそうですね。
√20は「√16 と √25 の間の数」です。つまり「4と5の間の数」ということですね。
なので、√20と5では、5の方が大きい数ということになります。
まとめ
このように、整数はルートへ変換できるということを知っていれば、どんなルートの数でも、おおよその大きさの目安をつけることができます。
「√20ってどんな数字だ?」というのを考える問題ですが、実は解くためには「5をルートを使って表す」というのが必要でした。
簡単な数をあえて、難しい表現にすることで、考えやすくなることもあるんですね!
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース