JJMO2023予選解説

問題/解答:第21回(2023年)JJMO 予選 の問題 (imojp.org)

あくまで解法の一例であり必ずしも綺麗とは限らないこと、僕の理解が足りておらず議論が間違っている可能性があることに注意してください。

1.

約数が6個であるのでp2q,p5を小さい順に列挙して調べればよいです。

p2q:12,18,20,28,44,45,50,52

p5:32,243

より52であることがわかります。

2.

RからBC,ADに垂線を下ろし、その足をそれぞれT,Uとすると、四角形PQRSが正方形であることより、TC=3,DU=2

よってCRRD=TCDU=32

3.

AA,BB,CCを並び替えた後に残りの一文字を挿入することを考えます。

最初の並べ方が6通り、挿入する文字の種類が3通り、挿入する位置が3通りであることから、6×3×3=54 通り

4.

偶奇が同じである相異なる二つの正整数の和は必ず素数ではないことを利用します。

偶奇が同じである組の数は最小で4である(5個を2,3に分ける)ことから最大でも6個しか素数になりません。

一方、1,3,4,10,165つの数で達成可能であるため、答は6個です。

5.

方べきの定理より3×PE=AE×EC,2×DQ=AD×DB

ここで平行条件より、AD×DBAE×EC=6481であるから、

64×3×(2+DE)=81×2×(3+DE) より、DE=175

6.

f(x)=x220005xのグラフを考えることで、条件を

0<a<b<10002,|10002.5b|>|10002.5c|にいいかえることができ、これは

0<a<b<c<10003 を満たす場合の数の2倍と等しいです。

よって求める値は2×10002C3=333433340000

7.

上位から順にi,j,kと割り振った時にi<1,j<10,k<100のいずれかが成り立っていればよいです。k>100であるような国を多く作る方が真に得であるため、i<1が不可能なことからj<10である国をできるだけ多く、すなわち4ヵ国作ります。

ここで残りの国はk<100である必要があるため、最大で883=29ヵ国作れるので、答は33ヵ国です。

8.

対角線の交点をPとすると、3AP=DP,3BP=CP

これと、BP+DP:AP+CP=2:1よりAP:BP=5:1であるから、AD:BC=5:1

AD=5x,BC=xとすると、ブラーマグプタの公式より面積は

(3x+1)(3x1)(2x+2)(2x+2)=36x4+40x24

の中をx2の二次関数とみて最大値を求めると、x2=59のとき最大値649を取ります。このような四角形は確かに存在するので、答は649=83

9.

題意の条件より、あるマスについてそのマスと隣接する3つのマスが定まれば一意に定まります。

よって以下の21マスの状態を定めれば再帰的にすべてのマスが定まるかつ矛盾を起こさないです。1マスの状態が8通りあることとあわせて、答は821=263

https://cdn.discordapp.com/attachments/873578095486062602/1062369008596287518/IMG_2205.png

10.

まず、6の倍数でない数は後手が2または3を言うことで先手の負けとなります。12x+6の形で表せる数は、後手が何を言っても先手が4を返すことで先手の勝ちです。残った数のうち、420の倍数でない数は後手が5あるいは7を言うことで先手は負けます。残った2023以下の420の倍数は後手が何を言っても89を返すことで先手の勝ちとなることから、求める答は169+4=173

11.

上界が2043736であることを示します。(この証明はsfliedの証明を参照しています)

まず、二人ともA市に住んでいる友達のペアの数の総和は、A市とB市に住んでいる友達のペアの数の総和以下であることが示せ、これはB市に対しても同様のことが言えます。対称性よりx<2023x人がA市に住んでいると仮定すると

上界はx2+x(x1)2+x22であると言え、これの最大値はx=1011の時の2043736です。

次にこの2043736の構築を示します。

頂点を人、辺の有無を友達であるかの有無とする(ABのラベル付き)グラフを考えます。

2022頂点の完全グラフであって、1011頂点がAであるようなグラフは題意の条件をみたします。そして頂点2023Aとして以下の操作を繰り返します。

まだ選ばれていないAの頂点二つ、Bの頂点一つを選ぶ。

選んだ二つのAの頂点をa,bとする。

aBの頂点を結ぶ辺を削除する。

bと頂点2023を結ぶ辺を追加する。

Bの頂点と頂点2023を結ぶ辺を追加する。

これにより辺が1本増える操作を505回行うことができるので、最終的な辺の数は、2022×20212+505=2043736 

よって求める答は2043736となります。

12.

僕が解けなかったため、この解法はnoppi_kunの解法です。

PBQCが平行四辺形となるようなQをとります。

このとき、

ADEACB

DEPCBQEDP=EBC=BCQ,DEP=CBQ

よって、四角形ADPE 四角形ACQB

相似比がDE:CB=3:5であることから、AQ=53×AP=15

よって中線定理より、

2(AM2+PM2)=AQ2+AP2

AM2=137

よって、答は137