ここ2年、自動車保険はイーデザイン損保を使っていました。車はセレナ。20等級ゴールド免許で保険料は
- 2020年 …… 22,690円(31歳以上夫婦限定、車両保険無し、弁護士特約、育英費用特約)
- 2021年 …… 23,460円(同条件)
- 2022年 …… 今回更新
という感じでした。安いです。そこに、この秋、新しいスタイルの保険が始まり、基本的にはそっちに全部切り替えたい風な案内が届きました。保険商品の名前は「&e(アンディー)」というらしいです。
アンディーの特長
面白いのは、保険対象車両に加速度や衝撃を検知するセンサーを取り付けるというもの。それで事故時の加速や衝撃の具合を検知したり、事故の時はスマホアプリと連動して連絡などを行えたりするというものになるようです。下記はnoteで公開されているイーデザイン損保の解説です。
アンディーで契約更新
12月の契約切れに備え、今年は早めの10月中に更新を済ませることに。イーデザインのWebサイトからは従来通りの保険とアンディーのどちらも選べるようになっていたのですが、面白そうなので新しいアンディーに。ざっと同じ条件で見積もったところ、料金はそう大きく変化しないようでした(正確な金額は残していなかったのですが、金額は800円程度アップするだけ。これなら毎年の保険料見直しで上がったりする分とあまり大差無い、という印象でした)。ただ、twitterなどで見てみると……特約の内容によっては9,000円ほど上がったケースもあるようです。
ウチの場合は値上げ幅はあまり無い印象だったことと、子供が単独で出歩くようになってきたことから、これまでは「車内のみ」だった人身傷害補償保険を「車内/車外とも補償、上限3,000万円」に変更してみました。これで、保険料は昨年より2,424円アップの25,884円。ま、乗車時以外の交通事故などもカバーってことなので、それくらいはいいでしょう。で、更新契約を完了して昨年度の契約と比較してみたところ、1点変化があることに気付きました。昨年まではつけられていた「育英費用特約(親の死亡などに伴い、15歳以下の子供1名につき500万円補償)」が無くなってます。
上記サイトの最後の注意書きを見ると「当ページは当社の自動車保険(&e(アンディー)を除く)の概要を説明しています。」……と。アンディーではこの特約は無くなったようです。こういうの、はっきり記載してほしい。なんか「新商品に乗り換えさせるためにデメリット部分を隠蔽しているのでは?」という印象を持ってしまいますね。ま……うちはとりあえず15歳以下とはいえ、手はかからなくなってきているのでよしとしましょうか……。
センサー到着
契約更新後、2日でセンサーが届きました。
開封してみます。
センサーは3センチほどのサイズ。厚みは1.5センチ~2センチ。ボタン電池が入っており結構ずっしりした印象です。
裏面が粘着テープになっており、これで車のダッシュボードや小物入れに水平になるように貼り付けろとのこと。早速車にとりつけるため、先にアプリをダウンロードしておいてからマンション駐車場の車に向かいます。
アプリダウンロード
早速アプリをダウンロード……と思ったのですが、説明書にダウロード用QRコードが無い。開封と同時に捨てた、センサーが入っていた白い箱の外装にしかQRコードがありませんでした。実は、同梱物にはQRコードが3つあるのですが、専用アプリのダウンロード用QRコードは箱の外装の1つだけ……。
FAQのチャットなんて夕方以降はやってないし(24時間対応ではない)、挨拶文のPDFなんて要らない。少なくとも、手元に残すであろう取り扱い説明書にはダウンロードリンクぐらい貼っておきなさいよ……と思いました。自分はAndroidユーザーなので、箱にあった小さいQRコードからGoogle Playストアにアクセスし、アプリをダウロード。インストールしながら車に向かいました。
センサー取付とアプリとのリンク
車を機械式駐車場から出し、平おきの場所に停めて、説明書にあった「助手席と運転席の間のパネル近辺やダッシュボードなど中央部分で平らなところ」にセンサーを取り付けるべく、場所を検討します。ここで1点注意が!!
センサー取り付けはアプリ起動して設定開始してからの方がいいです
理由は、アプリ起動後、設定開始すると「まずはセンサーを強く叩いてスリープモードから起こします」という手順が現れます(笑)。粘着テープで貼ってからそれは難しいって!!というわけで一旦ひっぺがして、パンパン!とたたき……アプリの設定を先に進めます。「アプリのGPSへのアクセス設定」画面が出てきますが、ここでも注意を!
アプリのGPSへのアクセス設定は「常に許可」にしないと先に進めません、ってか詰みます
確かにね……アプリの手順表示かFAQかどこかに「常に許可に設定しないとだめ」とは書いてあったように思うのですが、思い出せません。ただ、ここに至るまで利用者は「このスマホアプリと、アンディー用センサーの関係」について何も説明を受けてないんです。スマホアプリが、なんで車の加速/衝撃センサーとのリンク設定でGPSなどの利用を「常時」行う必要があるのか。自分は、アプリはあくまで初期設定と情報のモニタリングだけのためであり、普段は不要ともっていました。なので、他のアプリでもこの手の設定は常に「アプリ起動時のみ」にしていたので、なんとも思わずそうしてしまったのですが……。結果、設定作業がそこで止まって先に進めなくなりました。
仕方ないので、Androidの設定から、GPSへのアクセス権限設定を開き、&eの権限を変更してアプリを起動しなおすことで先に進めました。そして、アプリのホーム画面で驚きの挙動……。「最新版が無いか確認します…… 最新版をダウンロードします。」って勝手にやんなよ!外で。最近外出してないからまぁいいですが、通信量とかスマホ料金を節約している人もいるはず。そういう人は、アプリのダウンロードとかは自宅のWiFi環境で行うとか結構気を遣っているはずなのに、このアプリ、確認することも無く屋外でダウンロード始めました。んー……なんか嫌な予感しかしませんね。
とりあえず本日外出する予定はないので、センサーはカーナビなどのパネル下にある小物入れの奥に取り付けました。これが邪魔で、小物入れの機能が半分死んでしまうのですが、ダッシュボード(フロントガラス手前)に取り付けてみたところ
- 運転席からの視界に、白いセンサーがバッチリ入って邪魔
- さらにフロントガラス内面に白いセンサーが映り込んで視界の邪魔
ということに気付いたので諦めた次第です。これ、センサー白にしたの誰??車のダッシュボードやフロントガラスに取り付けるタイプのセンサー類って黒でしょ普通……。あほなんですかね。
アプリを入れて設定したが分からない点や意外な点
さて、既になんか嫌な予感しかしないアンディーなんですが。アプリを入れて気付いた、よく分からない点を挙げておきます。
- 結局、スマホをずっと持っていないとこのセンサーは意味ないのだろうか? …… てっきり、センサー自体が衝撃検知などを行い、事故時にセンサーから情報を抜いてもらうことで、よくある「死人に口なし」状態で自分達が悪く言われたりするのを防止出来るのかと思ったのですが。GPS常時利用などの感じからすると、アプリはバックグラウンドでずっと動き続け、センサーと連動して運転情報を抜く、という仕様のようなんですね……。スマホ忘れたらセンサーは完全に無意味ってことなんでしょうか。
- 夫婦でアプリを登録し、同乗した場合はどっちのアプリに記録されるのか? …… センサーの用途として「運転記録や安全運転度の記録を、家族などで比較したりできます」と書いてありました。でも……2名がアプリを入れて同乗した場合、今どっちが運転してるかってセンサーは知りようが無いですよね。まだセンサー付けて運転してないのでなんとも言えませんが、複数名がセンサーにリンクしたスマホを持って同乗した場合にどうなるのか、全然分かりません。
- アプリがバックグラウンド稼働中に外部と通信するのか等の情報は? …… アプリとセンサーの関係が分かりやすく記載されていないため、通信量や常時通信の有無などが分かりません。
次に、意外な点。
- センサーによる運転状況情報は、保険料や料率に一切関与しないようです …… えっ!?そうなの?ww
なんというか……世の中の大半の人が自動車保険に求めているのは、「いざという時に的確に自分達の味方をして助けてくれるかどうか」であって、日頃の運転がいかに穏便かを競ったりすることじゃないと思うんですよ。結局、センサーを付けることの利用者に対するメリットが、センサー取付やらなにやらによる手間以上に見当たらないんですよね。事故時、たとえば「トラックに挟まれてグチャグチャになり、運転席と助手席の夫婦がスマホもろとも潰れて死亡。子供だけが残される」みたいな状況になったとき、前述の推測が合っていれば「スマホがないとせっかくのセンサーも事故の状況を説明してくれない」ってことですよね。おまけに育英特約も無くなってるし(笑)。これ、利用者側よりも、保険会社が「手間を掛けずに、短時間で結論を出せるケースを増やしてコスト削減」したいだけなんじゃないか……と思えたりします。なので、運転傾向の記録を競わせたりするアミューズメント要素を盛り込んでるんじゃないかと……。
とりあえず、
- 導入までの説明不足(手順やダウンロードリンクの件、スマホの役割などの説明不足)
- 導入手順の分かりづらさ(説明書だけ読むととりあえずセンサーを貼り付けようとしてしまったり、GPS常時利用の注意喚起が薄いなど)
- いきなり屋外でアプリ自動更新を始める無粋さ
- 複数利用者を想定したケースバイケースのFAQ不足(任天堂Switchの家族利用、増台時のFAQを見習え!)
あたりが気になってメリットをまったく感じられませんでした。ちょっと残念ですが、切り替えも面倒なのでこのまま1年は様子を見ようと思います。