
今年も、チベット『托林寺壁画修復プロジェクト』に参加するため数ヶ月間イタリアを離れます。度々申し訳ございませんが、ブログの更新、並びに御質問に対するお返事を休ませていただきます。御了承ください。
昨年は、予定していた以上に壁画修復の仕事を進めることができました。今年の目標は、4年前から行なっている托林寺(トリン・ゴンパ)境内に建つ通称「White Temple」内の壁画修復作業を終えることです。チベットには多くの壁画が点在しますが、その多くの作品が痛み、朽ち果てつつあるのが現状です。また、ポタラ宮内の壁画のように、運良く修復の機会に恵まれた作品も中途半端な形での介入が目立ち統一性に欠けます。そういった意味では、この『托林寺壁画修復プロジェクト』において、ひとつの寺院内の壁画修復を完結させることは、今後チベット壁画修復界において大きな影響力を与えるのではないかと思います。今年の8月には敦煌研究所の研究員も見学に来られる予定です。「良い形で今後のアジア壁画修復界発展へと繋がれば…」と強く願います。
イタリアに戻りましたら、またみなさんに御報告ができるかと思います。楽しみにお待ちください。