「群青に散りゆく」を観た
テーマ:角田奈穂
観ました。
配信で。
いやいやいや、カメラワークよ!
そして法螺貝よ!ぷぉぉぁおぉぉお!
NHKの「古典芸能への招待」を彷彿とさせる天才的な撮り方というか、劇場鑑賞に勝るとも劣らぬ臨場感。
というより、演出の方がどう魅せたいのかという想いが劇場へ行かずとも体感できて配信は配信でよき。
DVDが発売されるとのことなので、万万万が一、配信を見逃してしまったという方は、ぜひぜひぜひともDVDを購入していただきたい(台本付き)。
でもねぇ、劇場でも観たかったなあ。
印象点をモメンタムで。
・男が惚れる漢達
コウガシノブさん、夢麻呂さん、タイソン大屋さん。もうね、アフタートーク特別版やってほしい。
「イケオヂのなり方」ってね。
そんなんね、なんぼ聞いてもいいですからね。
カッコ良すぎた。
私も頭剃ってヒゲ伸ばしちゃおうかな。リモート勤務だし。
小劇場の魅力として、役者の飛び散る汗と息遣いってのがあるわけだけど(人の言葉借りてます)、まさに。
こんなにもその暑苦しさが似合うイケオヂ達はいない。
私も不惑手前。どんどん惑って、皆さんのようなイケオヂになろうと思います。
最期の最期で畳み掛けてくるイケオヂ達の魅せ場。思想とかお話のオチとか関係なく一糸乱れぬジェットストリームアタック(?)+アルファ、あれだけでチケ代の元とれちゃう。
イケオヂだけじゃなく、TPC蒼き空に続いてのSHUNさん(おのれ芹沢鴨)、辛嶋慶さん、柿本光太郎さん(おのれ中西浩市!)と若き匠達も。
・男が惚れる女達
もうね、選考基準がわかっちゃった。
「モンペが似合うか否か」でしょ?
いやあ、まさに「女学生」の皆様と奥方様(脇を固める方々のリキというか安定感が半端じゃない)。
でもって、芳子さん(k.kazu強化指定)。
私が隊員ならこんな素敵な女性のきんぴらを食べてから送り出されたい。
・角田奈穂
いやあ、まーたベストバウト(?)を更新しましたね。
ご本人は「儚い」とおっしゃってましたけど、それはもちろんやはり今回も「良き妻」でした。
そしてそして。「あのシーン」の滴り落ちる涙と汗、画面を通しても聞こえてくる特攻隊員の妻としての激情。
プロレス同様に空間内に声が通るんですよ。
プロレスラーも役者も奈穂さんの「天性」というか「天職」だといつも感じております。極めてほしい。
4月にWINS OF GOD以来、15年ぶりに「劇場」という世界へと導いてくれた奈穂さん。
今回も盛大にありがとう。
これからもずっと応援していきたい。
・まとめ
今回の作品は「美化」とか「悲惨さ」とかそーいうんじゃねぇんだ。私は「いい」とか「悪い」とかじゃなくて、たぶんきっとぶっちゃけ、人間が2人以上集まったらこの世から争い事がなくなることは多分ないと思っていて。
その昔、こういうことがあった。
その昔、青い空に散った若者達とその家族、男と女達がいた。
「歴史」というのは「知識と経験の蓄積」だと思っていて。じゃあどうすっか。
私は特にそうだけど、誰もが家族や会社の人に、いつも誰かに助けてもらいながら日々を暮らしている。
だから感謝をしなくてはならない。もっと。もっともっと。
会った記憶はないけど、かつて通信兵として命令を下され大陸へと渡った私の祖父にも感謝しなくてはならない。もっと。もっともっと。
んで、その昔いろんなことがあった。それを忘れるのではなく知ること。知らなきゃ知ればいい。こういうふうに知れる場所がある、作品がある。
奈穂さんのように知らせてくれる、伝えてくれる、その使命を背負いながらプロレスをしている超人がいる。靴下を片っぽだけ無くしちゃう超人がいる。感謝しよう。もっと。もっともっと。
奈穂さん、ありがとう。
思想がどうとか、観たら気持ちが落ちるとか、ことさらに構えることはない。何もない。観ればいい、知ればいい。そんなスタンスというか距離感でいいと思う。何事も構えたら本質は見えないから。
素敵な時間を過ごせた。
身体を良くして今度こそ劇場で。
まだまだ公演も暑さも続きますが、皆さま無事完走を。
ありがとうございました。
いつかまたどこかで。