私が16才の時に初めて自動二輪
免許を取った教習所の現在。
だだっぴろかった場所なのに、
上に首都高が走ってしまった
模様。
東京都内の高校では「3ない運動」
などは無かった時代。
高校生は16才になると多くの者
が自動二輪の免許を取った。
私の一学年上の世代の10月から
自動二輪は中型限定と教習所で
は取得できない限定解除に分か
れた。
一学年上の人たちで10月まで
に免許が取れる誕生日の人は
「自動二輪」の免許が教習所で
取れて中型限定付きなどでは
ない免許証だった。
私の時代から始まった自動二輪
の限定解除試験は「免許を取ら
せない為の試験」なので今では
考えられない程厳しかった。
難関とされる大学合格するほうが
よっぽど簡単なんじゃね?という
程に。
なので、1975年~1995年までの
限定解除者は、技術も対応力
(これが一番合格には大切)が
相当に練れていた。
そして、運転が下手くそな者は
殆どいなかった。みんな二輪の
運転が上手かった。
しかし、限定解除も末期頃に
近づくにつれ、どんどん緩く
なってきた事実があるようだ。
受験者ライダーの技量が向上し
たのではなく、合格審査の基準
がかなり緩くなった。
というか、それがまともなのだ
が。
かつては、言葉遣いや態度や
服装を試験官が気に入らなか
ったらそれだけで一発で不合格
にしていたのだから。
ようするに返事の声出しも、姿
勢も新米警察官と同じような
やり方をしないと受験に入れ
なかった。当然、最初は直立
不動で「礼!」だ。そこでまず
落とされる。
ヘルメットは白いジェット一択、
黒いグローブに黒いブーツ。
ブーツの外にズボンの裾を出し
ていたらそこですぐに不合格。
そして、実技審査では事細かく
減点されて不合格にされる。
「不合格にする為の試験」だっ
たからだ。
一発一回での合格者など日本全国
いなかった。
それが90年代に入ってから出始
めた。黒いフルフェイスだろう
が受験させてくれるようになった。
まあ、当たり前ではない事を
警察裁量の当たり前として押し
通していたのが70年代~80年代
末期までの状況だった。
自動二輪限定解除は、免許取得
ではなく、警察官になるつもり
で受験しないと合格させては
くれなかったというのは、実際
の歴史の事実としてあった。
あとよく分らぬ実態として、
ブーツ無しでも受験はさせな
いと警察の違法になるので受験
はさせたが(合格させないが)、
その際には、靴はかかと付が
条件で、さらに変な事してた。
ソックスでズボンの裾を巻く
事を警察官である検定官は
受験者にさせていた。
あれ、クッソださい。
たぶん、欧米人とか見たら
大笑いするのではなかろうか。
ソックスを脚絆のようにしな
いと受験させなかったのだ。
言っちゃ悪いけど、見ててもろ
ダサだった。
受験前にブーツ買えよ、とも
思った。というか、普段中型
に乗ってるのだろうにブーツ
履かないのだろうかと疑問だっ
た。それなのに限定解除する
つもりなのだろうか、と。
安全についての認識不足で、
それでは落とされもしよう、と。
安全靴でもいいんだよね、紐
無しの。ワークブーツでもいい。
極端な話、ゴム長靴でも。
ソックス脚絆は正直「何だ?!
あれは」という程のヴィジュアル
だった。
今の一発試験は全くそれらが
ない。
そして、一発検定は一回で合格
することも案外容易くできるし、
教習所での公認大型免許取得も、
一度も追加講習など無くとも
60才過ぎであっても合格できる
ようだ。普段から二輪に乗って
いてきちんとした技量がある人
たちは。
たとえ不合格や見極め落ちて
追加講習になっても、落ち込
まずに「そのうち取れるさ」
という気構えでボチボチやった
ほうがいいと思う。反省はきち
んとして対策練って。
ただ、一本橋は粘り過ぎてやり
過ぎると、減点は無くとも試験
官の心象は悪くなるので、適度
なところにしといたほうがいい
かと個人的には思う。
私の場合も16才の時に一本橋を
30秒ちょい切りやった時には
教官から「やりすぎだ」と注意
され、速度を速めても真ん中
あたりで「今12秒!」と怒鳴る
ような声を出して警告された。
粘り過ぎは良くないと思う。
13秒前後あたりがいいかと。
(旧限定解除時代は12秒以上
で減点無しだった)
今は大型二輪免許は10秒以上
で減点無しと、かつての中型
の基準に簡易化されているので、
大型二輪は10秒で脱輪せずに
走ればいい。
前方を見ろの嘘を指導される
ので、視点は数メートル前の
橋を見ながらも顎は引かずに
顎は出し気味(こんな乗り方
は実走行では危険だが)にして
顔を正対させるようなポーズ
で目線だけを正規目線にすると
試験官の減点は無いようだ。
そして、重要なのは、8秒通過
でたとえ5+5=10点減点しよう
が、通過する事が大切で、粘ろ
うとも脱輪したらそこで一発で
即検定中止になる。
理由は、脱輪は「事故」だから
だ。
パイロン接触、急制動停止線
越え、車体倒し(立ちごけや
乗車前の倒し)も即検定中止。
それらは「事故」だからだ。
これは厳しかった旧限定解除時代
の70年代~80年代であろうと、
教習所で大型二輪が取れる今で
あろうと変わらない。
立ちごけは事故なのだ。
現実的に公道であっても、立ち
ごけは四輪の壁衝突と同じく
事故なのである。
ところが、現在、極めて不思議な
珍妙な風潮が二輪乗りたちの間
に蔓延している。まさに巷間で。
それは「立ちごけは誰でもやる
事だから気にするな」という風潮。
これ、大間違いだ。
誰もがやらねーっつーの。事故は。
自分に甘い人たちがドワッと増え
ているのが不思議でならないが、
時代なのかも知れない。
自分ではきちんとした確かな技術
でやる事ができないのに、他人の
事はあげつらって誹謗中傷したり
するのが大好きな人間たちが現代
人の特徴だからだ。カス勢ぞろい。
独立自尊で自戒精神を厳格に必要
とされる二輪乗りたちにその風潮
が蔓延している現代実態に驚く。
スカばかりが二輪転がしてるのか
ねえ、と。
ささいなミスは誰でもおかすから
二度とミスらないようにすれば
いい。それはそうだ。
だが、交通社会での交通の事故
の場合は、よくあるから気に
すんなでは済まない。
二輪車で公道で転ぶ事は「事故」
なのだと厳格に二輪運転者は認識
する必要がある。
オフロードコースでの二輪操縦
練習や大会での乗車で転ぶのと
公道走行中に転ぶのでは次元が
まるで異なるのである。
四輪車では歩道の縁石乗り上げ
突込みはよくある事だから気に
すんな、では済まない。
危険な乗り物である二輪では、
四輪以上に厳格な注意が不可欠
だ。
どうか二輪乗りたちは自覚して、
転ばないようにするにはどう
乗ればいいかに腐心して、努力
して、安全に二輪を運行して
ほしいと願う。
どうぞ事故無く幸せな二輪ライフ
を。