2023-09-03

数年前にまだ中学に入りたての頃、父親の転勤?異動?で憧れの東京引っ越してきた、私は本当にど田舎にいたので、東京に行けると聞いて眠れないぐらい嬉しかった。

引っ越し先の部屋は今の一軒家よりも狭いか勉強部屋は弟と同じになるけど、と言われたけど、それも東京に行けるならいい!と言ったのも覚えている。実際に越してきたのは(今にして思えば)よくあるマンションだったけど、なんだかおしゃれに思えたものだ。2LDKマンション、あの頃は何とも思わなかったがもう異動がないと決まっていたとはいえ思い切ってマンションを買うことにした両親を尊敬する。知らなかったけど、私たち姉弟祖父母に預けて何度か東京に来て部屋の内見とかをしていたらしい。

引っ越してきた日は片付けとか買い出しとかして大変だったけど私たち姉弟ははしゃぎまくっていた、驚いたのはめちゃくちゃ静かなことだった。こんなにたくさんの部屋があってこんなにたくさん人がいるっぽいのに!お母さんにめっちゃ静かだねー!って言ったら防音なのねーとか言ってた。お父さんも本当だなー都会はちゃんと防音されてるんだなーとか言ってた。だって元いた家は周りに家がないし電車も遠いから静かなのに、ここは周りにすぐ家があるのに静かでびっくりした。都会の家は頑丈なんだと思った。

片付けもあるから連休の前に越してきたから暫く休みだ、私たち家族は越してきた次の日に夜遅くにもテレビ放送していることに驚いてテレビを見て馬鹿笑いしていた。いつもは寝なさいとか言われるのに、その日はもう夜の12時を過ぎていたのにせっかく東京たからってことでみんなではしゃいでいた。スーパーで買ったピザを温めてジュース飲んで、楽しかった。お父さんもビールを飲んで、酔っているせいか余計に声がデカくて、そのうちゲームしようって言い出して、先に寝たお母さん以外の3人でマリパしてた。

時間が夜の2時になった頃、インターフォンが鳴った。え?と思ってみんなで顔を見合わせた。出ないでいるともう一度鳴った、居留守のつもりだった。もう一度鳴って、いい加減音に起きてきたお母さんがなに?と言って私たちに聞いてきた。私たちは首を横に振った。

4回目のインターフォンがなった時にお父さんが出た、私と弟は次何のミニゲームするかを話し合っていた。そしたら廊下の向こうから怒鳴り声と父の謝る声が聞こえてきて、私たちは息を呑んだ。怒られてるの?なんで?そう思った。

これを読んでる人たちは当たり前だと思うかもしれないけど当時の私たちは壁が完全に防音だから外の音が聞こえないんだと思い込んでいた。だって都会って華やかで騒がしいイメージがあったから、こんなに静かなわけない、そう信じ込んでいた。父と母も内見に来た時近所の人にも会ったし外は車も走っていたのに静かだったから、不動産屋さんにここは静かですねと聞いたら、二重窓だし壁がしっかりしてますからと言われたと言っていた。

でもそうじゃなくて、みんなが周りに気を遣って生活し合っているだけで、楽器を弾く人が住む部屋みたいに防音なわけじゃないそうだ、今ならわかる。でも前の家の時にはそんなの必要なかった、夜中に騒ごうが、窓開けて友達電話しようが、でかい音でゲームしようが、言われたことなかった。

あの日インターホンを鳴らしたのは管理組合の人と警察だった、何時だと思ってるんだと言われて父は困惑して、いやでもここは防音のはずですから最初に言い返したせいで余計に怒らせて、様子をうかがっていた同じ階の住人みんなから反感を買ってしまった。30分ぐらい言い合いになって、当たり前だけどうちが悪いから母と一緒に謝ってなんとか終わった。どうやら同じマンションだけじゃなく近隣住民や隣のマンションの人から騒音警察に連絡がいってて、それで警察の人もいたらしい。

越してきたその日、父と母は同じ階と上下の部屋に挨拶に行っていた。その時に下の部屋の人にもう少し静かに歩いてほしいです、と言われていて、確かに私と弟はもう少しそっと歩いてね傷がつくから的なことを母から言われていた。だからふわふわスリッパを買って歩けばいいと思って買い出しの時に買っていた、ふわふわから大丈夫だろうと私と弟は走り回ってスリッパスライディングして転びあったりしてた、あれも相当うるさかったと思う。

その後は静かに過ごした、どの程度の音なら周りに聞こえないのかわからなかった、ドアの開け閉めは?足音は?話し声の大きさは?怒られたか不安だった。私や弟は同じマンションの子や隣のマンションの子大家が同じ)とはすぐに仲良くなれたおかげでその子からマンションでの生活を学ばせてもらった。父は酒を飲むのを一切やめた、母は家計が助かると笑ったけど一部の住民はいまだにぎこちない関わりしか持てないからまだ笑い話にできないでいる。

隣のマンションの子が当時の動画を持ってて見せてもらったことがある、隣とはいえの子の部屋は反対側から数えたほうが早いところにあったのにめちゃくちゃでかい笑い声が響いてて、こんなにでかい声だったんだって恥ずかしくてたまらない。

ていう恥ずかしいエピソードを、今年一人暮らしを始めたので禊で書き残しておきます

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