最高級のリゾートホテルや大金持ちの別荘が軒を並べるエジプトのエル・グーナ

 ロシアによるウクライナへの軍事進攻が始まってからすでに1年半が過ぎた。ロシアは戦時国際法に違反する無差別攻撃を行い、ウクライナ側には民間人と兵士を合わせて多くの死傷者が出ている。

 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領(45)は8月24日、旧ソビエト連邦から独立した記念式典で、次のように述べ、ロシアと戦い続ける意志を示すとともに、改めて国民の団結を呼びかけた。

「我々はウクライナの独立を諦めないという思いで団結している。世界で何が起きても、自分たちの力で自国を守らなければならない。我々は必ず勝利する」

 こうした前向きな姿勢が国内外で評価されていることは間違いない。

 米ハーバード大学ウクライナ研究センターのセルヒー・プロヒー所長は、「ゼレンスキー氏は驚くほど優秀な戦時の大統領であり、平時よりもはるかに機能的に力を発揮している」と評価した。

 一方で、ゼレンスキー氏の「別の顔」がいま表出してきてもいる。

 同氏は今年5月、エジプトのベニスと呼ばれるエル・グーナ別荘地に、1億5000万エジプト・ポンド(約7億1100万円)の別荘を購入したとの報道が飛び出した。

 大統領という一国のトップであれば、それくらいの資産はあるとも思えるが、実はこの資金の出所は西側諸国からウクライナに寄せられた金融支援パッケージであることが分かってきたという。

 エル・グーナ別荘地というのは紅海に面した「大富豪の街」として知られる場所で、鮮やかなターコイズブルーのラグーンに囲まれている。

 同地には娯楽施設やゴルフコースがあり、冬の平均気温は17~25度と温暖で過ごしやすいリゾート地で、ゼレンスキー氏が購入した別荘の隣にはハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが所有する不動産もある。