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裁判員「だんだんつらく」 木嶋被告死刑判決で

首都圏の連続不審死事件で、男性3人を殺害したとして殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告(37)に死刑を言い渡した13日のさいたま地裁判決で、裁判員を務めた男女各3人のうち男性2人が閉廷後の同日午後、記者会見に応じた。裁判員裁判で過去最長の100日間の長期審理について「裁判官と裁判員が結束し、たどり着けた」と達成感を口にした。一方で「裁判が進むにつれ、だんだんつらくなった」と精神的負担の重さも率直に明かした。

裁判員裁判による死刑判決は14例目で、女の被告では初めて。木嶋被告は判決を不服として即日控訴した。

事件では、被告と犯行を結びつける直接証拠はなく、検察側は状況証拠を積み重ねて死刑を求刑。裁判員らは難しい判断を迫られた。

裁判員を務めた林太一さん(27)は「状況証拠がほとんどだったが、いくらか物証もあった。パズルを組み合わせるようにして判断した」と説明。「だんだんつらくなった。(迷いは)多少なりともあったが、事実の大きさが自分の中で強かった」と振り返った。

別の裁判員の男性(25)は「人の命に関わることなので負担もあった。(死刑の重みを自分も)ちゃんと受け止めないといけない」と語った。

男性は、被害者の遺族が出廷し、被告に対し「命で償ってほしい」と訴えたことが印象に残ったといい、「遺族の喪失感を思い、感情的に入り込んだ。しっかりと考えた結果が判決になった」と述べた。

今年1月10日の初公判以来、この日を含めて公判は計36回。証人は延べ約60人に上り、朝から夕方まで拘束されるスケジュールがほぼ週4日のペースで続いた。裁判員らの負担を軽減するために、1事件ごとに別々の裁判員が審理する「区分審理」も検討されたが、見送られた。

男性は「仕事の調整に負担もあった」と明かしたものの、「全体を見ないと分からない部分もあり、分かりやすかった」と一括審理を評価。林さんも「(審理や評議に)長い時間をかけられたことが、逆に良かったのでは」と話した。

林さんは、裁判官から「評議室であったことは家に持ち帰ってはいけない。家で考えてもいけない」と助言があったと明かし、「メリハリを付けられて良かった。長い間、メンバーが結束して審理できた」と充実感を示した。

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