アディショナル インパクト・ 人類補完計画の解釈
具体的に起こっていたこと
アディショナル インパクト(別名アナザー インパクト)と 人類補完計画が結局何だったのか?意味不明だった人も多いと思うので、説明のために上記イラスト図を作ってみた。
具体的に解説すると、L結界内(赤い世界)にある無数の エヴァインフィニティが変形した首無し 綾波ボディに人類の魂を補完する計画。
そして黒い リリスが変化した巨大な 綾波の頭部で、全人類の意思が統一される感じなのだろう。
LCL化した人類の肉体は、 エヴァ・インフィニティが 綾波体型の エヴァンゲリオン・イマジナリーに変化するときに使われて同化した可能性もある。
劇中で言葉による説明はなかったが、シーンをみてるとこのように推測できるだろう。
旧劇のみんなが破裂してLCL化していくだけの描写と比較して、シン・エヴァはより具体的になっていた。
現実と虚構を統合しようとしている
アディショナル インパクトでの 人類補完計画は、現実と虚構(マイナス宇宙)の両方に存在する黒い リリス+槍の力で現実・虚構を統合するものだった。
わかりやすくいうと、まず肉体は現実世界、精神は虚構世界なので両方をくっつける。
そして同じ外見( エヴァイマジナリー)として、同じ意識を共有する生命体になれば、他人との違いからの悩みなどから解放される 人類補完計画が完成するよね!ということ。
旧劇の補完計画の新解釈となっている。
ちなみに、 セカンドインパクトは海を浄化。 サードインパクトは大地を浄化。アディショナルは魂を浄化するもの。
アディショナル インパクトはゲンドウが起こしたもので、ゼーレが起こそうとした正式なフォース インパクトとは違う(最終目的は同じな気もするが)。
アディショナル インパクトの結果、ゲンドウが神となりユイと会えるような 人類補完計画が完成するはずだった。
ゲンドウが 人類補完計画を進める真の理由はアダム
碇ゲンドウがカヲルのクローンで、アダムの力を受け継いでいると考えると、彼がユイに会いたいという理由だけで、 人類補完計画を進めていたのではない!と推察できる。
旧劇までの物語では、妻・ユイに会いたい一心で全人類を巻き込むエゴイストだったが、それだけでなくゲンドウの中のアダムが全人類が知恵を捨てさせる進化を望んだのではないか。
結論をいうと、ゲンドウはアダムの意志で 人類補完計画を進めたのだ。
シン・エヴァンゲリオンでは、ゲンドウの精神世界やシンジとの父子の和解など家族の物語が回収されたのでそちらにだけ目が向きがちだ。
しかし一方で、人類を殲滅させたいアダム、それに対抗する リリスとの契約、人外生命体の意思もあったはず。
エヴァの物語は、かつてアダムと リリスが住んでいた他の星の歴史の繰り返しという意味もあるのかも(漫画『 封神演義』っぽいね)。
庵野監督の中では、アダムと リリスは ウルトラマン的な立ち位置なのかも。
まとめると、ゲンドウが エヴァ初号機( リリスから作られた)に取り込まれたユイに 固執するのは、アダムと リリスを取り巻く壮大な物語の一部なのかもしれない。
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シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の用語辞典
L結界密度
セカンドと サードインパクトの影響でコア化( 使徒のコアのように赤くなった)した場所をL結界といい、L結界密度が高いと人間は 液状化( LCL化)してしまうようだ。
放射性物質みたいなイメージだろう。
L結界内には、 エヴァインフィニティ(首無しで赤色の初号機みたいな形のヤツ。別名:ハ イカイ)という生物がはびこっていて、歩き回っている。
相補性L結界浄化無効阻止装置
L結界を無効にする大型の黒い円柱装置。コア化した世界を浄化してくれる。パリにあったユーロ ネルフ第1号封印柱もこれ。どうやら地球外の生命体が作り出したものらしい。
44A(フォーツーエー)
エヴァ量産型で飛行できる。マリが冒頭パリで戦っていた機体。
4444C(フォーフォーシー)
量産型のボス的存在で、「序」の ヤシマ作戦のような超 陽電子砲が撃てる。
マイナス宇宙
マイナス宇宙についてゲンドウがたらたら語っていたが、要は現実に存在しない対極の世界。
シン・エヴァではマイナス宇宙=精神世界(現実=肉体)の解釈だったのではないか。そうすると、マイナスと現実を統合することが、精神と肉体の境界をなくすことになり、 人類補完計画になる。
ゴルゴダオブジェクト
マイナス宇宙にある物体。虚構(精神)と現実の境目を無くすアディショナル インパクトに必要なもの。これがあれば好きなように世界を書き換えられるようだ。
ネブカドネザルの鍵
『破』で加持がゲンドウに渡したもので、これを体に取り込むことで、ゲンドウは目が一つでATフィールドを使える超人的な存在になった。
ロンギヌスの槍
人類補完や インパクトの鍵となる絶望の槍。時間を早送りすることができる。
聖書で磔にされたキリストの腹を刺して、ちゃんと死んでいるか確かめるのに使われた槍が由来。
カシウスの槍
人類補完や インパクトの鍵となる希望の槍。時間を巻き戻すことが可能。
『破』で初号機によって引き起こされそうだった サードインパクトを、カヲルがMark 6でカシウスの槍を機体にぶっ刺して止めた。
ガイウスの槍
別名ヴィレの槍。ヴィレがヴンダーの脊椎で作った槍。
この槍の力で世界を書き換える「ネオン ジェネシス」が遂行された。
光の翼
アダムが光の巨人なので、 光の翼はアダムに生えていた翼ではないだろうか。
量子テレポート
マイナス宇宙の中でマリに居場所を特定されないために13号機が行っていた瞬間移動のこと。
アヤナミタイプ
碇ユイのクローン・ 綾波レイをアドバンスド・ アヤナミシリーズと呼び、それぞれ番号で呼ぶときに アヤナミタイプ○○。となる
前作『Q』と「シン・エヴァ」に出てきた黒スーツの 綾波は、 アヤナミタイプナンバー6。
綾波は、 綾波( アヤナミ)という戦艦から。
シキナミタイプ
アスカ(本名: 式波・アスカ・ラングレー)のクローンをシキナミ(式波)タイプと呼ぶ。アスカには親はおらず、クローンだったことが「シン・エヴァ」で明らかになった。
旧劇の 惣流・アスカ・ラングレーがオリジナルで、新劇の式波・アスカはそのクローンという説が有力。
式波は、敷波(シキナミ)という軍艦から。
エヴァ・インフィニ ティー
エヴァインフィニ ティーとは、コア化したL結界の中に無数にいる赤い エヴァ。ニア サードインパクトで発生したと思われる。たまに動いたりしている。
エヴァンゲリオン・イマジナリー
現実と虚構の両方に存在する リリスが、巨大な 綾波になったものをリツコが エヴァン・ゲリオンイマジナリーと呼んでいる。
要は言葉通り、アディショナル インパクトで出来た空想上の エヴァ。
エヴァインフィニ ティーも 綾波体型に変化するので、こちらも エヴァンゲリオンイマジナリーに含まれるのだと思う。
この エヴァイマジナリーの中に、人類の魂を入れていくのが 人類補完計画だったと推察される。
プラスフォーインワン
オップファータイプ(使い捨てという意味合い)である エヴァ・マーク10〜12を、マリが乗る改8号機が食って取り込み、変形合体(オーバーラップ)した機体。
プラス・フォー・イン・ワン(+4 in 1)になることで、マリはマイナス宇宙に突入することができ、シンジを救い出せた。
生命の書
エヴァの世界でループの鍵となる書。
カヲルやシンジの名前が書かれている。そこから察するに名を書かれると次の世界へループできるのだろう。
ただ、カヲルが旧劇からの記憶を保持したままなのに対し、シンジは全て忘れているようなので、保存の方法やそれぞれの役割は異なっていると推察できる。
死界文書と対になっているのかも。
KREDIT(クレディット)
ミサト率いるヴィレの下部組織で、生き残った集落に物資を補給したり、インフラを整えたりしている。
シン・エヴァンゲリオン考察・解説まとめ
最後にもう1度、シン・エヴァンゲリオンの独自考察をまとめてみよう。
シン・エヴァ考察の結論!
- カヲルはゼーレ司令
- ゲンドウはカヲルのクローン
- ゲンドウにはアダムの力が宿る
- マリは27曲目(次の世界)でもシンジを見つけた
- マリはゼーレに仕組まれたクローン
- 人類補完計画は現実(肉体)と虚構(精神)の融合
まだまだ多くの謎がありそうだが、シン・エヴァの大きな疑問についての考察・解釈はこんな感じだと思う。
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