【閲覧注意】ここだけ二重人格コハル・part2

  • 1二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:31:33

    ただしその性格はハナコ以上のオープンスケベで度々主人格に気付かれないようにしつつ色んな学校の生徒に手を出しとっかえひっかえ遊んでいるキヴォトス屈指の女好き(ついでに二重人格になった理由はゲマトリア産の双子合体の結果)とする。


    名前は『ミハル』。ミハルが表に出ている時、頭や背中の翼が白くなる様子。主人格のコハルの事は「お姉ちゃん」と呼び慕っている。


    武器は神秘製の強制絶頂手榴弾(アクメグレネード)。炸裂した範囲内の人間を強制的にイかせるだけの極めて平和的な非殺傷兵器。


    【閲覧注意?】ここだけ二重人格コハル|あにまん掲示板ただしその性格はハナコ以上のオープンスケベで度々主人格に気付かれないようにしつついろんな生徒に手を出しとっかえひっかえ遊んでいるキヴォトス屈指の女好きbbs.animanch.com
  • 2二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:33:39

    一発ネタ長良伸びに伸びて完走しそうだったのでpart2です
    お付き合いいただければ幸い

    スレ画はコラで作った翼が白いミハル状態のイメージ図

  • 3二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:34:21

    建て乙
    アクメグレネードちょっと面白すぎる

  • 4二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:35:47

    >極めて平和的な非殺傷兵器


    ウソつけ社会的な殺傷力がすさまじいぞ

  • 5二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:36:15

    「極めて平和的な武器!極めて平和的な武器だから!ほらこの通り身体には一切傷が付いてないでしょ!」

  • 6二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:38:57

    >>5

    なるほど身体は無傷で心は羞恥で折れたところをいただくんですね

  • 7二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:48:06

    〜〜part1までのあらすじ〜〜

    主人格にバレないようにしながら女の子にえっちなことをしてきた第二人格・下江ミハル。途中2回ほど表に姿を現しつつ、補習授業部で頑張るお姉ちゃんを影から見守り中。

    被害者リスト
    ・才羽ミドリ(完堕ち)
    ・ヴァルキューレモブ(完堕ち)
    ・歌住サクラコ(完堕ち)
    ・浦和ハナコ(( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!)
    ・黒舘ハルナ(アクメード被弾・軽傷)
    ・赤司ジュンコ(アクメード被弾・重傷)
    ・鰐渕アカリ(アクメード被弾・重傷)
    ・獅子堂イズミ(アクメード被弾・軽傷)

  • 8二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:50:57

    と、そんな具合でちまちまのんびり続きを書いていこうと思います

  • 9二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 00:54:28

    アカリがよわよわなの珍しいな

  • 10二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 01:07:00

    その内痴情の縺れで背中から刺されそう

  • 11二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 04:51:46

    >>10

    どうせまとめて落とすから何とかなるやろ()

  • 12二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 07:22:49

    いざとなったらアクメグレネードで無力化できる
    なおコハルの体も相当えっちなので自爆する模様

  • 13二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 07:33:39

    アクメグレネードが複数人を一気に巻き込んで絶頂させるのがなかなか無法

    知ってれば回避すればいいって話になるが、しらなきゃ戦闘巧者相手にも戦闘中に快楽叩きつけるとか効くから格上狩りの初見殺し特化としてはかなり悪くない

  • 14二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 08:16:17

    防御無視だからかなり無法だよな…
    非殺傷かつ生物にだけ効果があるから鎮圧にかなり使えるし

  • 15二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 08:23:20

    初見だとまず間違いなく食らう
    2度目だと食らいはしないだろうけどミハルに開発されてるせいで食らうまでもない……
    なるほど(なにが?)

  • 16二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 18:13:15

    ちなみに先生はミハルについてどのくらい勘付いてる?

    dice1d100=61 (61)

    (50以上で二重人格の可能性に思い至ってる、80以上でほぼニアピン)

  • 17二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 18:24:18

    >>16

    さすがは先生

  • 18二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 22:02:01

    先生は生徒に関しては察しいいからね

  • 19二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 22:52:39

     生徒達が寝静まった深夜。これまでのことを振り返りつつ、思考を巡らせる。補習授業部とその裏に隠されたナギサの意図。トリニティの裏切り者とエデン条約。色々と考えることは多いけれど、今気になっているのはそれとは少し違う事柄だった。

    "(普段のコハルとは似ても似つかない行動。それこそ、まさしく人が変わったような振る舞い)"

    "(色が変わる翼。そして、その間に起こった出来事について、コハルには記憶が…………いや、『認識がない』と言った方が正しいのかな)"

     この目で見聞きしたものから情報を削り出す。それに合致する知識がひとつ、頭の中にあった。

    "(二重人格、あるいは多重人格)"

     ひとりの人間、ひとつの肉体に複数の人格が形成される精神状態。つまり、あの"翼の白いコハル"は普段私たちの前にいるコハルとは違う、コハルであってコハルではない誰か、という可能性。

    "(と、ここまで予想をしたはいいものの…………それを確かめることは、まだできない)"

     二重人格はその性質上、強い精神的な負荷によって生じた可能性が極めて高い。不用意に触れた結果コハルを────いや、『2人』を傷付けることだけは、絶対に避ければならないから。

    "(今はただ、慎重に見守って、見極めていこう。『あの子達』のことを)"

  • 20二次元好きの匿名さん23/08/22(火) 23:24:38

    ミハルはコハルを大事にしてるし、身体がえっちなのは姉自身がえっちに育てたのでは?

  • 21二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 04:01:33

    コハルはコハルでえっちだからね
    仕方ないね

  • 22二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 12:35:09

    ほしゅ

  • 23二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 12:37:03

    コハルの不信感ゲージ

    dice1d100=71 (71)

    50以上で「私ってなんかおかしい?」と思い始めてる、80以上で何かに気づく

  • 24二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 12:51:24

    特に話しかけられたりはしないけど悩ましい視線を送ってくる知らない人と出会ったり、覚えのない場所での自分の目撃情報を友人から聞いたり……何かあるって思うきっかけはそこいら中に転がっている

  • 25二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 12:55:03

    美食とばっだり会うけど目をそらされて「???」ってなるコハルちゃん

  • 26二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 13:01:48

    違和感に気づいているけどあとちょっと、って感じですわね

  • 27二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 21:20:31

    あともう1つ何かあったら気がつきそうな段階

  • 28二次元好きの匿名さん23/08/23(水) 23:55:07

    ミハルって姉の過酷を特等席で見れるんだよな
    お姉ちゃん大好き妹だから、気を利かせて意識を落とすのかもしれないが

  • 29二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 03:51:06

     少し前から、気になっていたこと。

    「下江さん、この前ここに来てなかった?」「え……?い、いや、行ってないけど……」
    「あれー?下江さんみたいな人見かけたと思ったんだけどな」

     行ったこともない街で、私を見かけたと言うクラスメイト。

    「…………えっ!?もうこんな時間!?」

     休日の日に、時折時間が飛んだように、その日一日の記憶がなかったり。

    「ぁっ………………」
    「え、何……?」
    「い、いや、なんでもないよ。またね」

     私の顔を見るなり、顔を赤くして走り去っていく、先輩らしき生徒。私にとっては面識もないのに、向こうは私のことを知っているみたいで。よくわからなかった。

    「コハルちゃん、昨日の夜のことなんですが……」
    「え?……何の話……?」

     そして、何やら身に覚えのない、妙なことを話していたハナコ。いつものように適当なことを言っているのかと思ったけれど。その時だけは何だか様子が違っていて。戸惑ったようなハナコの顔が、何故か頭から離れなかった

     極め付けは────ハスミ先輩や補習授業部のみんなと一緒に戦った、美食研究会とか言う人達ともう一度あった時のこと。

  • 30二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 03:56:24

     いきなり試験の内容が変わって、しかも試験会場が何故かゲヘナの中になって。とにかく大慌てで向かう途中、何故か助け舟を出してくれた美食研究会の人達が、何やら私に変な目線を向けてきた。


    「ところで……貴女。確かお名前は、コハルさん、でしたね」

    「え……何?」

    「ええ、ええ。実は私たち、貴女との一件を経たことで…………新しい世界、未知の領域とも呼べるものを知ることができましたの」

    「は、はぁ……?」


     少し赤い顔でそんなことを言われて、とても戸惑った。あの時、私は途中で眉間に銃弾を喰らって動けなくなっちゃったし、それまでに何か特別なことをした覚えもない。ない、けど……


    (また、私の知らない、私の話……)


    "────悪いけどハルナ、今は時間がない。あまり話している暇は……"

    「ああ、これは失敬。では皆様、車へ。早速出発と致しましょう」


     先生が割って入って、その話は有耶無耶なまま終わったけれど。その後に合流した、赤い髪の子や白い髪の人は、変な顔をして私の顔をチラチラと妙な顔で視線を向けられて。


     そんな顔をされる理由がわからなくて。


     心の中に、もやが残った。




    dice1d2=1 (1)

    1 どうしても、不安になる。私は一体、何なんだろう。

    2 でも。何故かはわからないけれど、このままでいいような気もした。

  • 31二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 04:06:08

    ちゃんと違和感をそのままにしないのは偉いな

  • 32二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 04:07:36

    どうしても、不安になる。私は一体、何なんだろう。みんなが話してる私は一体誰で。ここにいる私は、何なんだろう。


     答えが出せないまま、解き方のわからない問題を解こうとするような、そんなもどかしさがある記憶が頭の中でぐるぐると回る。



     私は────────





    「あ………………」

  • 33二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 04:08:20

    原作セリフはアツいな

  • 34二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 04:09:33

    「コハルはコハル…………私は、私」

     この前、先生に言われたこと。多分、別のことを指して言ったこと、何だと思うけど。

     わからないことは多いけど。いつか、答えに辿り着かなきゃいけない、そんな気がするけど。今はその言葉で、気持ちを落ち着かせることにした


     …………………と言うか。


    (そんなことで悩んでられない……!!ティーパーティーの偉い人が私達のことを落とそうとしてるって、どういうことーーー!?!?)


     正直、別のことの不安が大きすぎて。おちおち考えてもいられない状況だった。

  • 35二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 10:16:47

    本来即バレしてもおかしくないのにまだ疑惑ですんでるあたりミハル根回し(意味深)がしっかりしてるのかコハルがコハルなのか

  • 36二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 10:22:48

    両方だと思う
    女の子には根回し(意味深)で夜しかコンタクトをとって来ないようにしてるはずだし、外部には情報漏れてないし

  • 37二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 19:19:13

    美食研究に口を使った口封じする時間がなかったのが割と致命的か?
    別にバレて困るものでもないのかもしれないけど

  • 38二次元好きの匿名さん23/08/24(木) 20:12:15

    ミハル自身は女遊びはやめないけどコハルに致命的な迷惑はかけたくない、みたいな感じかな
    お姉ちゃん大好きが最優先だからみんなが見てる中でのアクメグレネードも止む無しだったんだろう

  • 39二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 00:24:13

    コハルが気づいた時どうするのかが全く想像つかないけど、いい子だからきっと大丈夫だと信じる

  • 40二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 05:16:32

    (やっっっっばいお姉ちゃんがめちゃくちゃ不安がってるどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ)


     美食研究会。捕まって仕舞えばもう会うことはないと思ってたのに。まさかゲヘナに行くことになった上に、あんなに早くもう一度会うことになるなんて思わなかった。

     ゆっくり話していられない状況だったのと、運良く先生が割って入ってくれたから、それ以上話はしなくて済んだ、けど。


    (っていうか退学って何……ティーパーティーの偉い人達、一体何考えてんの……!?)


     聞けば、「トリニティの裏切り者」とかいう人を探しているそうで。先生が言うには、本当はいるかもわからないそれを、ティーパーティーのホストのナギサ様は居るものとみなして、私達の中にそれがいると思って、見つけ出そうと躍起になっているらしい。エデン条約とかいう、ゲヘナとの約束事を実現させる前に────


    (────待って。なんで、お姉ちゃんが疑われたの?)


    (………………もしかして、私のせい?)


     トリニティの外へ出て他所の学校の生徒と好き放題遊んでいたのがバレた?詳細まではわからないにしても、他校の生徒と関わりを持ってるのが知られた?それが、他校と内通していると判断された?

     この身体は正義実現委員会のお姉ちゃんのものなわけで。翼の色が変わるとはいえ、同じ顔なわけで。もしお姉ちゃんの顔を知っていて、外で過ごしてた私がお姉ちゃんと同一人物だと見做した人がいたら?それが、例えば内通者だとか、スパイだとか、そういう風に捉えられて、トリニティまで伝わったとしたら?


    (ナギサ様が探してる「トリニティの裏切り者」は…………私?)


     本当は裏切り者なんて誰もいなくて、私が不用意に動いたせいで疑念が生まれて。それでお姉ちゃんが疑われて、ハナコ先輩達まで巻き込まれたんだとしたら────!






    メンタル減少値

    95 − dice1d95=38 (38)

  • 41二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 05:33:44

    (いや、落ち着け……落ち着け、私。まだ、そうと決まったわけじゃ、ない)

     キヴォトスの学校は、場所にもよるけど隔絶された場所というわけじゃない。トリニティだって、学区外に出ることは普通にできるし、他所の学校と友達を作ることは、滅多に無いなんてことはない、ありふれた行動の範疇の筈。私だけが疑われるとは、思えない。

    (それに、外で過ごしてたのが私……下江コハルの身体だって悟られてるなら、もっと探られててもおかしく無い。保守授業部ができるまで、そんな動きは無かった)

     軽くとはいえ服も変えて変装までしている。学区外で姿を見られたくらいで直ぐに下江コハルに繋がる可能性も低い。これまで隠し通せているのは、私の願望を引いてもある程度事実、だと思う。
     つまり、そもそも、私がトリニティの外に行ってしていた事が、バレてない可能性の方が、高い。

    (────っ、落ち着け、落ち着け……!悲観的にもなっちゃダメだけど、楽観的になりすぎてもダメ…………ああもう、考えがまとまらない!)

     どうしたって私の願望が混じってる気がする。私のせいであって欲しく無い、そう思っちゃう。そのせいで予測と認識が歪んでる気がする。本当に冷静になれてるのか、わからない。

    (どうしたら、いいんだろう。こんなこと、誰にも話せな────)


    "────コハル。勉強や、テストのこと以外で。何か悩みがあったら言って欲しい"


    "必ず聞くから"


    (────え?)

  • 42二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 05:34:39

     不意に聞こえて来た声に、意識を"表"の方へ向ける。先生が、お姉ちゃんに語りかけているところだった。


    「え……いきなり、何?」


     怪訝そうな様子で問い返すお姉ちゃんに、真剣な顔で、先生は続ける。


    "それが、どんな内容でも。私は聞くから。もちろん、君が話したくなったらでいいけど……"


    "必ず、聞くから"


     お姉ちゃんのことを見ている筈なのに。同時に、何か別のものを見通そうとしている、そんな変な目をしていた。


    (もしかして…………気付い、てるの?)


     深夜、ハナコ先輩の時に一回。夜、美食研究会と戦った時に、もう一回。私は先生の前に顔を出した。その二回で、私の何かに気がついた?


     シャーレの先生。正直、美人さんで抱いてみたいくらいにしか思ってなかったけれど。生徒に親身になって寄り添ってくれる、優しい大人で。色んなところで、色んな生徒を助けてるって、噂になってて。噂通りに、お姉ちゃんにも真剣に向き合ってて。お姉ちゃんも、先生を信頼するようになってて。


    (私は────)





    dice1d2=1 (1)

    1先生を頼る

    2先生を頼らない

  • 43二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 05:39:13

    (────────先生を、頼ろう)

     どこまで話していいかとか、何もわからないけど。あの人なら、大丈夫かも知れない。不思議と、そう思ったから。

  • 44二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 07:38:44

    先生を遂行してる

  • 45二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 17:57:28

    保守

  • 46二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 19:17:28

    けど説明されたら先生も困らない?
    夜な夜なキヴォトスの女の子たちをお摘みしてセフレ増やしていた上に、
    その内の一人はこの前面倒見たばかりのミドリだよ?

  • 47二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 19:24:15

    間違いなく予想の斜め上を飛び越える性格してるよね

  • 48二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 21:29:37

    こんなん予想できるか

  • 49二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 22:51:40

    (どこまで話そうかな……)


    dice1d3=2 (2)

    1 二重人格のことは伏せる、他校の生徒と繋がりを持っていること(エッなことは内緒)と、それを疑われてるんじゃ無いかと悩んでることだけ相談

    2二重人格なことを含めて話す

    3「実は私二重人格で普段はお姉ちゃんの裏側に隠れてて時々こっそり他校の生徒とかを美味しくいただいてて……」"────なんて?"

  • 50二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 22:53:44

    エッな事を話すのは避けたな

  • 51二次元好きの匿名さん23/08/25(金) 22:54:50

    よし、流石ミハル、冷静だ

  • 52二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 01:37:55

    こう言う時、ちゃんと理性的なあたり話進めようとするあたり下半身以外はかなりまともなんだなって

  • 53二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 05:32:45

     みんなが寝静まった時間帯。ヒフミやハナコがいない隙を狙うように、彼女は現れた。

    「────先生。少し、時間……いいかな?」

     "翼が白い"、下江コハル。よくよく聞くと、口調や抑揚、発音もいつもと違って聞こえる気がする。

    "もちろん。何か、話したいことがあるんだね?“

     昼間に、コハルへ伝えたメッセージ。不安そうな顔をしていたコハルはもちろんのこと、その裏にいるかもしれない"もうひとり"に向けて、届くように願いながら発した言葉。ちゃんと、聞いていてくれたと思って、いいのだろうか。
     座るように促したけれど、彼女は扉近くの壁に寄りかかって近寄ろうとはしなかった。まだ少し、抵抗があるのか。信じきれていないのか。その心の距離が、こうして現れているような気がした。

    「…………………先生は、さ……その……」
    "うん。ゆっくりで良いから。しっかり、最後まで聞くから"

     言いにくそうに、言葉を選ぶように、慎重に言葉を紡ぐ少女に、小さく言い聞かせる。

    「……………………………………その。私のこと、どれくらい気付いてる?」

     絞り出すように発したのは、そんな探るような言葉だった。気付いている。その言い方に、自分の中の仮説がまた強固になるのを感じた。

    "…………………『二重人格』"
    「────────ッ!!」

     短く告げた言葉に、彼女は大袈裟なくらい反応を示した。やっぱり、間違ってなかったのか。そう納得するよりも前に、自分の口が素早く動いていた。もし打ち明けてもらえたなら。まず最初に言うべきことは決まっていたから。

    "────じゃあ、改めて。初めましてだね"
    「……えっ?」
    "…………君に会えて,嬉しいよ"

     その子が……"君"がいるという事実を、真正面から受け止めて、受け入れられるのだと。しっかりと、そう伝えられるように。

  • 54二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 14:39:54

    ちゃんと個人として向き合おうとするの、いい大人だなぁ

  • 55二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 19:09:29

    >>52

    「まあ私はタチ専だから使うのはもっぱら指か口なんだけどね♡」

  • 56二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 22:37:50

    これ説明していったら先日のアクメードの件に言及しなきゃいけなくなりそう
    頑張れミハル

  • 57二次元好きの匿名さん23/08/26(土) 23:27:09

     正直、驚いた。まともに信じてもらえるとは思っていなかったし、多少なり察していたとしても、簡単には受け入れて貰えないって、そう思っていたから。
     でも、先生は。本心から、私を受け入れるって、態度で精一杯示してくれた。

    「…………ミハル」
    "え?"

     それに応えたくて。それを信じたくなって。

    「ミハル。下江ミハル。お姉ちゃんの……下江コハルの妹の、下江ミハル。それが、私の名前」

     小さな声だったけど、それでもはっきりと。自分の名前を言い切った。

    「────え、あっ…………なん、で……?」

     その瞬間、不意に、じわっと視界がぼやけた。涙が滲んでいるんだと気付いて、慌てて目を擦る。

    "そっか…………君は、コハルの妹なんだね"
    「…………!……ふっ、ぅ……」

     なんでだろう、と考えて。先生にそう言われた瞬間、また涙が滲む感覚がした。そこでようやく、私が今、初めて他人にお姉ちゃんの妹だって名乗ったせいだと理解した。
     誰にも言うことができなくて。お姉ちゃん本人にも言えてなくて。正体不明の、ただの『ミハル』として、色んな人と関わったけど、それだけじゃ満たされない気持ちがあったんだ。
     ほんとはずっと言いたかったんだ。ただの『ミハル』じゃないんだって。下江コハルの妹の『下江ミハル』なんだって、誰かに知って欲しかったんだ。

    "……………よろしくね、ミハル"

     いきなり泣き出した私に、先生は静かに言うだけだった。私のことをどこまでも考えてくれてるのが伝わって来て。この人に話してよかったって、心の底からそう思った。

    「………………………うん。よろしく、先生」

     ごしごしと目を擦って涙を拭って。しっかりと前を見て、そう言った。

  • 58二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 01:30:30

    いかん、泣きそうだ……
    お姉ちゃん大好きだもんね…自他共に、大好きなお姉ちゃんの妹として見てもらえたらそりゃ嬉しいよね…いつか、コハルもミハルのことを認める日が来るのだろうか
    割とあっさり受け入れそうな気もするけど

  • 59二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 02:00:12

    いい話...いい話なんだけど...見境なく女の子つまんできたパートとの温度差がしゅごい...

  • 60二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 07:44:27

    かなり節操なく女の子に手を出してきたのも、(生来の女好きは多分にあるだろうが)一個人として確立出来ない故の寂しさとかやっぱりあったんでしょうね
    なまじお姉ちゃんも大事だからそっちを守るためにも事情とか言えないし

  • 61二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 08:57:23

    表に出る時間帯的に食事はコハルが摂ってるだろうから食欲は満たせないし、睡眠欲は表に出る意味がない、
    だから三大欲でまともに満たせるのは性欲だけなんだよな

  • 62二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 15:42:29

    ここに来てそれっぽい理由がついてくるの面白いな

  • 63二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 15:43:48

    そのうちまた元気にカットイン見せてくれるさ

  • 64二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 22:08:10

    お休みミハル

  • 65二次元好きの匿名さん23/08/27(日) 23:48:21

    補修授業部と純粋に打ち解けあっている様もみたいし、ナカヨクなっちゃうのもみたい

    心が二つある〜

  • 66二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 01:29:00

     『ミハル』と名乗ったその少女は、ぽつぽつと話し始めた。コハルが眠っている隙を狙ってこっそりと表に現れていたこと。コハルや他人に気付かれないようにしながら、トリニティの外に出たりして、色々な人たちと関わっていたこと。

    「それで…………もしかしたら、私がしたことが偉い人が『トリニティの裏切り者』なんてものを疑うようになった原因なんじゃないか、って」
    "なるほどね…………"
    「私のせいで、お姉ちゃんや、ハナコ先輩達が……そう思ったら、怖くて…………」
    "そう、か……うん、ありがとう、話してくれて"

     沈んだ顔で、否、怯えたような顔で語ったミハルを見つめながら考える。ナギサの耳に何かしら届いていたなら、同じティーパーティーのミカが知っている筈。でも、ミカから補習授業部の背景を教えてもらった時、ミハルが言ったような情報を持ってはいなかった。
     ミハルは二重人格という事実が露見するのを避ける為に工夫をいくつも行っていたらしい。その成果が出ている、と言い切ってしまってもいいだろう。

    "ひとまず、ミハルが心配するようなことはないと思う。コハルが補習授業部に入れられたのは、正義実現委員会……特に、ハスミに疑いをかけたから。そう聞いているよ"
    「……………………何それ」

     安堵と、そして仄かな苛立ちが入り混じった表情。自分の行動が疑われていたわけではないと安心したものの、半ばとばっちりような理由で姉が巻き込まれたことは許せない。そう思っているようだった。

    "…………まあ、コハルの成績はかなり危うかったから、どのみち補習は必要だったと思うけど"
    「あー…………」

     怒りを宥めるように冗談めかして言うと、ミハルは苦笑いを返してきた。裏の意図は確かにあったけれど、補習授業部の生徒は皆各々の理由で成績が落ち込んでしまったりテストを受けていなかったりしたことも事実。実際、コハルは成績不振でさえなければ補習授業部には入れられなかっただろうから。

    "ちなみにミハル、成績の方は"
    「…………いやほら、学校はお姉ちゃんの領分というか、授業受ける時間に動いてるのはお姉ちゃんだから、ね?」
    "ね?じゃなくてですね"

     …………どうやら、ここにも補習が必要な生徒がいるみたいだった。

  • 67二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 01:29:58

     それから、2人で少しだけ話した。まだ正直に言えないことが沢山ある私が話せることは、お姉ちゃんについてだけだったけど。
     私とお姉ちゃんの違うところ。私から見たお姉ちゃんのこと。お姉ちゃんの自慢したいところ。お姉ちゃんの好きなところ。
     "妹"としての私を、隠さないで遠慮なく曝け出して話すのは初めてのことで。胸がいっぱいなるくらい嬉しくて、楽しかった。


     けど……………それを、素直に喜んでもいられるのは、ほんの少しの間だけなんだ。


    "コハルやみんなには、ミハルのことは内緒にしておく。それでいいんだね?"
    「うん。試験もあるのに、私のことで混乱させたくないから。…………もう、手遅れかもしれないけど。それでも、決定的に知られちゃうのは避けたいんだ」

     お姉ちゃんはもう勘付き始めてる。今は勉強に集中できてるみたいだけど、私のせいで試験に落ちたりしたら、謝っても謝りきれない。多分一生自分を許せなくなっちゃう。あんだけ軽率に動いておいて今更、と自分でも思いはするけど。


    "……………………話したい、とは思わないの?"


     少し躊躇いながら、先生はそんな事を聞いてきた。

     私は──────。

  • 68二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 01:30:31

    『話したい』気持ちの大きさ

    dice1d100=52 (52)

  • 69二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 02:15:15

    ◇揺れる思い──

  • 70二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 02:28:50

    「………………話したい気持ちは、あるよ」

     それが、私の本音。

     ついさっきだってそう。今日初めてまともに話したくらいな先生相手でも、妹だって知って貰えて、こんなに嬉しくなるんだって、知ってしまったのに。

     お姉ちゃんにも、私が妹だって言えたら。お姉ちゃんのことが大好きなんだよって伝えられたら、どんなに幸せなんだろう。想像するだけでもう、胸がぎゅって苦しくなるくらい、そんな未来が欲しくてたまらなくなっちゃう。

     でも、でも。それと同じくらい────

    「やっぱり、話せない。話したくない、かな」

     受け入れて貰えなかったら。気持ち悪いって思われたら。嫌われたら。そう考えたら、怖くてたまらない。お姉ちゃんに否定されるのは、きっと、耐えられない。

     何より、私たちは2人で1人だから。受け入れて貰えなかったとしても、離れることができない。そうなったらお姉ちゃんは、受け入れることができない存在が、ずっと心の中にいることになって。お姉ちゃんに受け入れて貰えない私は、お姉ちゃんを傷付け続けながら、それでも意識の裏にいるしかない。

     そんなの、考えるだけで嫌だった。だから────

    「だから、話さない。お姉ちゃんには、話さないんだ」

     心が揺れる。話したい気持ちと、話したくない気持ちがせめぎ合ってる。ほんの少し話したい気持ちが上回りそうになって、最後に理性がなけなしの力で止めてくる。今、お姉ちゃんは大事な時間だから。臆病風に吹かれてるだけかもしれないけど、これも私の本音だった。

    "わかった。ミハルは、そうしたいんだね"
    「うん…………」

      私のぐちゃぐちゃな本心を聞いても、先生は穏やかな顔と声のまま、静かに頷くだけだった。

    "じゃあ、2人だけの秘密だね!"

     イタズラっぽく笑いながら、そんな風に言って見せた先生に、少しだけ心の中が軽くなった。

  • 71二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 02:42:27

    「………………もう寝るよ。これ以上私が起きてたら、お姉ちゃんの身体が寝不足になっちゃう」

     まだ言ってないこと、言えてないことは多いけど。初めて、いろんな事を聞いてもらって、少しだけ胸の中がスッキリした。

    「話せて良かった。ありがとね、先生」
    "そう言ってくれて、こっちも嬉しいよ。ありがとう、ミハル。「2人とも」、ちゃんと休むようにね"
    「……………………!」

     ………ほんと、堪んないなあ。こっちが嬉しい言葉ばっかりかけてくれるんだから。私が言うのも大概だけど、ちょっと人たらしが過ぎるな、先生。

     きっと、この先も沢山悩んで、苦しむこともあると思うけれど。どうしようもなくなった時は、きっと助けてくれるんだろう。そんな人だってことが、この短い時間でも伝わってきたから。

    「………………うん。おやすみ、先生」

     いつになく晴れやかで穏やかな気持ちになりながら、ドアノブに手をかけつつ挨拶をした。

  • 72二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 02:42:58

    "あ、ミハル。最後にひとついい?"

    「探偵さんとか刑事さんみたいなこと言うじゃん。なあに?」

    "この前深夜に廊下で会った時にハナコの胸を揉んだ件についてなんだけど…………"

    「ノーコメントで」

    "ミハル?"

    「ノーコメントで」

    "ミハルさん?"

    「お願い先生、そこには触れない方向で」

    "……………そっか。ところで話は変わるんだけど、美食研究会と戦った時に使った手榴弾について聞きた────"

    「黙秘権を行使します」

    "ミハル?"

    「黙秘権を行使します」

    "ミハルさん?"



     この後めちゃくちゃ誤魔化して煙に巻いて、逃げるように寝室へ向かった。

  • 73二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 03:16:14

    なんて透き通るような世界観……からの罪状追求で草
    アクメードはさておき、ハナコの件は言い訳できないねえ

  • 74二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 03:56:18

    ここでアクメグレネードに禁止令かけないと、ナギサ護衛時に討ち入りアビドス生やミカが餌食になるのでは……?

  • 75二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 04:00:42

    どっかのスレで聞いた「ヴァニタスを本当に理解するためには、まず世界の悦楽を知らないといけない」みたいな話がずっと頭に残ってる

    アリウス生とかもガンガン餌食になっていきそう

  • 76二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 05:24:48

    このグレネードで駄文を書きたくなってきたな…

  • 77二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 15:45:59

    保守グレネード

  • 78二次元好きの匿名さん23/08/28(月) 23:19:17

    保守

  • 79二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 00:08:17

    その後のミハル

    dice1d3=1 (1)

    1 お姉ちゃんの邪魔はできないけど……それでも、私は私の、できることを。

    2 これ以上不安にさせられない……大人しくしてよう。

    3 ティーパーティー……桐藤ナギサ……。

  • 80二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 00:31:54

    健気だ

    不健全だけど

  • 81二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 02:00:03

    いい妹をもったな、コハルよ……(なおエ駄死の権化)

  • 82二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 07:09:34

    アリスクにバルバラ、ベアおばとアクメードの犠牲は事欠かないからな

  • 83二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 13:45:20

     広すぎる試験範囲に高すぎる合格ライン。それでも私達は諦めずに勉強を続けて、着々と点数を伸ばしていって。そうやって迎えた試験の前日に、事態はとんでもない方向に動き出した。
     まず、2回目の試験の時みたいな妨害があって、試験会場にすら入れないかもしれなくて。
     その後にアズサが、よくわからないけどアリウス分校とか言うとこらから来た生徒で、アリウスはティーパーティーの人を殺そうとしてて、でもアズサはそのアリウスを裏切って守ろうとしてて……。

    (ああもうっ、わけわかんない……!)

     混乱しながらでも少しずつ飲み込もうとする。その間にも、話は進んでいく。

    「本当にごめん。私のことを恨んでほしい。今のこの状況は全て、私がもたらしたことだから……」
    "……それは違うよ"
    「……先生?」

     落ち込んだような顔のアズサに、先生は言った。

    "元々の原因はきっと、「信じられなかったこと」の方。もっとお互いがお互いを深く信じられていたら、こんなことにはならなかった"

     ────信じられなかった、こと………。

    「………………ん、うぅっ……?」

     先生の言葉を聞いた瞬間、何故か、胸がズキッとした。よくわからない感覚に、思わず胸元を握りしめる。

    「──────その人にとってトリニティは、嘘と偽りで飾り立てられた、欺瞞に満ちた空間でした。誰にも本心を話すことができず、誰にも本当の姿を身けることができないまま……」

     ────本当の、自分を……。

    「……………ゔっ……ま、た……?」

     なおも話は続く。きっと、自身のことを話しているんだろう、そんなハナコの言葉に、また胸に何かが刺さるような感覚が走る。
     わけがわからないまま、何かを……"誰か"を宥めるみたいに、慰めるみたいに、胸元をきつく握り締め続けた。

  • 84二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 16:25:59

     痛い。痛い。

     アズサ先輩の告白が。先生の言葉が。ハナコ先輩の独白が。全部全部、どうしてか、胸に刺さる。

     …………わかってる、理由なんて、わかってるんだ。だって、同じだから。本当の自分を見せられなくて、隠して、騙して、誤魔化しながら生きること。それは要するに、私のことだから。
     そうしたのは、そうしなきゃいけないと私が思ったのは。お姉ちゃんを信じなかったから。受け入れられないって、心のどこかで思ってたから。
     気付かれたくなくて、けど意識の奥に引き篭り続けることができなくて。中途半端に動いて、お姉ちゃんに不安を植え付けただけだった。

    (私がお姉ちゃんを信じていれば、何か変わったのかな)

     時間が巻き戻っても。私は同じ選択をしたかもしれないけど。もし最初からお姉ちゃんに気付いてもらえるように行動をして。受け入れて貰えるように勇気を出していたら。別の未来があったのかな。

    「────────アズサちゃんがいつも口癖のように言っていました。全ては虚しいものである、と。ですが同時に……アズサちゃんはその後ろに、いつも言葉を付け加えていましたね」

     自分勝手に傷ついて、沈んでいく心に、語り続けるハナコ先輩の言葉が聞こえてくる。

    (あ…………)

     そう言われて、私も思い出した、アズサ先輩が言っていた言葉。

    『例え、全てが虚しいとしても。それは今日、最善を尽くさない理由にはならない』

     信じること。本当の自分を見せること。最善を尽くすこと。
     私が信じるべき人は。私が隠し通してきたものは。私にできる最善は。

    (私は────)
    (私に、できることは────)

  • 85二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 19:24:16

    今日、彼女の運命は動き出す──

    先生との会話もあって、踏み出す準備はもうできてたんやなって……元々サクラコ様だって喰っちまうミハルを楽しんでたのに、今や複雑な産まれをしてしまった一人の少女の物語に夢中になってしまってる

  • 86二次元好きの匿名さん23/08/29(火) 19:28:24

    原作のセリフがグサグサ刺さったり原作のセリフで奮起したり
    そんなミハルちゃん

  • 87二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 02:03:40

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 02:56:17

    「は、はぁっ……!」

     ふと気づく。お姉ちゃんがずっと、胸のところをギュッと強く握っている。辛そうに顔を歪めて、苦しそうに息をしていた。

    (これって……もしかして、私の……?)

     悲しくなると感じてしまう胸の痛み。意識の"裏"にいる私の感情が、お姉ちゃんの身体に現れてるんじゃないか。
     私のせいで、お姉ちゃんが傷ついてる。そう思った瞬間、今すぐ消えてしまいたいような気持ちになりかける。

    "コハル?"
    「コハルちゃん、大丈夫ですか……!?」

     心配そうに声をかけてくる先生とヒフミ先輩。みんな、今、すごく大変な時なのに。これからナギサ様を助けて、テストにも受かって、全部解決しようって言う、大事な時なのに。

    (私の、私のせいで────!)


    「────大丈夫」


     その声は、少しだけ、震えているのに。何故か、力強く感じた。


    「大丈夫だから。私は、大丈夫。だから────」


    「お願い、泣かないで」


     泣いてる人なんて、誰もいない筈なのに。どうしてかお姉ちゃんは、不意にそんなことを言い始めた。

  • 89二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 02:59:20

     胸の痛みが止まない。私はバカだから、アズサの話も、ハナコの話も、全部わかったなんて言えないけど。この胸の痛みは、2人の話が悲しいと思ったからって訳じゃない。今まさに襲われようとしてる人を助けに行こうっていう状況に、緊張しすぎてるわけでもない。

     誰かが泣いてる。

     理由も何もわからない、ただ自分の直感だけが訴えかけてる。頭の奥で、心の奥で、誰かが泣いてる。
     この痛みはその誰かの痛みなんだ。説明なんてできっこない、自分でも何が何だかわからない。問題文も途中式もないのに、答えだけが頭に浮かんでるような、そんな訳のわからないモノ。

    「大丈夫だから。私は、大丈夫。だから────」

     けど、これはダメだと思った。泣かせたままじゃダメだと、強く思った。

    「お願い、泣かないで」

     周りを見る。先生も、ヒフミも、アズサも、ハナコも。誰も泣いてなんていない。私も泣いてなんかないし、涙も出てない。泣いてる人なんてどこにもいない。なのに私は、そんなことを言っていた。
     自分に起こってることが何なのかちっともわからない。そんな状態に陥っているんだから、もっと不安になっていいはずなのに。そんな気持ちはちっとも湧いてこなくて、ただただ使命感みたいな、とても強い気持ちだけが燃えてるみたいだった。

     "あの子"を泣かせちゃダメだ、って。それが誰かもわからないのに、そんな思いが止まらない。

    「大丈夫。大丈夫だから、ね」

     小さな子供を宥めるみたいに。母親が娘を落ち着かせるみたいに。

     "姉"が"妹"を、安心させるみたいに。

     大丈夫だから、と。心を込めて、訴えかけた。

    (────────ぁ)

     不意に、眠くなるような、意識がフッと落ちかけるような感覚がして。次の瞬間から、身体が勝手に動き始めた。

  • 90二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 03:05:37

     これで、3回目になると思う。まだお姉ちゃんが起きてる間に、"表"に顔を出したのは。
     今までの2回は、夢か何かだと思わせられたから、なんとか誤魔化せていたけど。きっと、今回は夢だとは思ってくれない。

    (これ、って……)

     頭の中で響く声。意識の"裏"にいる、お姉ちゃんの声が伝わって来てる。はっきりと感じたそれが、もう後戻りはできなくなったことを否応なく自覚させてくる。

    「……………………はぁっ……」

     そっと息を吐いて。お姉ちゃんが握り締めいた胸元の手をそっと解いて、目を開ける。

    "………………っ!!"
    「これは…………」
    「コハルちゃん……?」

     心配そうな、怪訝そうな、不思議そうな。それぞれ色んな顔が混ざった表情をしているのは、アズサ先輩、ヒフミ先輩、ハナコ先輩。そして、驚いて目を見開いている、先生。

    「──────ごめん先生。この前言ったこと、やっぱ無しで」
    "………………ミハル"

     小さく名前を呼んでくる先生に返事をしないまま、お姉ちゃんの鞄を開く。取り出したのは、普段お姉ちゃんが使っているものとは別のスマホ。お姉ちゃんにバレないように人と連絡を取るために、わざわざもうひとつ用意した端末。合宿に来る前に、お姉ちゃんの鞄の普段使わないポケットに忍ばせておいたはいいものの、取り出す機会がないままだった、私の携帯。そこから1番新しく交換した連絡先を選んで、通話ボタンを押した。
     …………正直、この選択が正しいのか、わからない。私の存在がバレてしまうのを承知で動くことも。こうして"あの人"を頼ろうとしていることも。

     でも。それでも。

    (先生を、みんなを……お姉ちゃんを信じる。そして……私は私に、できることを)

    「────もしもし、サクラコ様ですか?」

     最善を尽くすって、決めたんだ。

  • 91二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 06:58:39

    熱い伏線(?)回収
    サクラコ様ならきっと…!っていう信頼感がある

  • 92二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 07:02:10

    初手でジョーカー切りおった……

  • 93二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 09:30:51

    もしかしてミハルがベアトリーチェを堕としたらハッピーエンドまで直行できるんじゃないか?

  • 94二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 15:24:14

    vsアリウス生ナギサ襲撃部隊、ミハルはどれくらい動く?

    dice1d100=68 (68)

    (0に近いと自重、50でほどほど、100に近いと大暴れ)

  • 95二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 17:50:33

    流石にアクメトルネードを起こすぐらいに暴れることはなかったか

  • 96二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 19:36:20

    けど1、2発アクメード投げてそう

  • 97二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 19:38:17

    闇に紛れて辻アクメしてそう

  • 98二次元好きの匿名さん23/08/30(水) 23:28:01

    アクメゲリラ戦をアリウスに仕掛けるのか、股が熱いな

  • 99二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 00:55:08

    字面が最悪すぎて草

    いや最初は真っ当に外堀埋めからだと思うよ?

    最後のトドメにハニトラを使わないかって言われたらわからないけど

  • 100二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 01:14:54

    なんだかんだ大事なお姉ちゃんの身体でもあるからな
    そういう意味ではミハルは自分の身を顧みない暴走は絶対しないって信頼がある

  • 101二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 03:01:01

    ナギサのえっち度(初期値)

    dice1d100=34 (34)


    もしミハルとした場合のえっち度の+値(えっち度初期値と合わせてアクメード被弾時のダメージとして計算)

    35+ dice1d65=23 (23)

  • 102二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 03:03:37

    アクメード被弾時のナギサのダメージ=93
    (目安:100を超えると重傷)

  • 103二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 03:05:37

    ギリギリ耐えきったナギサ様
    これでティーパーティーの威信は守られましたね(目逸らし)

  • 104二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 11:45:11

    アリウス生も女の子だからもうぐっちゃぐちゃですよ

    ……ユスティナのミメシスには効くのかな、アクメード

  • 105二次元好きの匿名さん23/08/31(木) 18:24:16

    どう見ても神秘由来だから効くと思うよ

  • 106二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 03:46:58

    神秘由来の誰にでも効くスタングレネード、はっきり言って凶悪すぎる

  • 107二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 03:50:34

    「────本当にここらしい。"ミハル"から得た情報とハナコの推測通りだった」
    「…………みたいですね」

     感心したような言葉を漏らすアズサちゃんに頷きで返す。突如判明したアリウス分校のナギサさん暗殺計画、その阻止に向けて動こうとした私たちにもたらされたもの。

    『私の名前は下江ミハル。お姉ちゃん…………下江コハルの意識の"裏"にいる、この身体の第二人格です』

     突如として現れた白い翼のコハルちゃん────自身を"ミハル"と称したその子は、直ぐには飲み込めず混乱する私たちをよそに、コハルちゃんのものとは違う携帯電話を片手に、矢継ぎ早に語った。

    『今、ティーパーティー側近の子と連絡が取れました。桐藤ナギサの居場所は────』

     彼女が語ったその場所は、私が持つ、ティーパーティー所有のセーフハウスとそのローテーションについての情報、そしてそこから導き出せるナギサさんの現在地にピタリと一致していて。驚きを隠せなかった私に、表情を硬くしながら彼女は言った。

    『…………急なことで、混乱させるかもしれません。本当はもっと話さなきゃいけないことがあるけど、時間がなくて話してる暇がありません。こんな大変な時にいきなり現れて、訳がわからない私のことなんて信用できないと想います。けど────』

     彼女自身が言ったように、はっきり言ってすぐには信用できなかった。さっきまでコハルちゃんだったのがいきなり人が変わったように話し始める途方もない違和感。元のコハルちゃんは無事でいるのか。今まで数度現れた白い翼のコハルちゃんは今目の前にいるミハルという少女と同じなのか。聞きたいことは山のようにあった。

    『どうか、お願いします。私のことを信じて────私のことを、使ってくれせんか?』

     けれど。真剣な顔を──いや、泣きそうで、どことなく怯えてもいるような顔で、それでも真っ直ぐに私たちを見ながら懇願する彼女を見て。疑問と疑念を一旦全て棚上げして、私たちは彼女を信じることに決めた。残された時間が少ないこともあるし、何より────

    "『────うん。信じるよ』"

     はっきりと、毅然とした態度で先生がそう言ったことが大きかった。

     とにかく私たちはそんな経緯で、ナギサさんを確保すべくこうしてセーフハウスまで来たのだった。

  • 108二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 07:38:10

    手マ◯で繋いだ人脈が広すぎる……

  • 109二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 07:46:02

    >>108

    間違ってないけど字面が酷すぎて草

  • 110二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 16:23:31

    「────ですが、後悔はしていません。全ては大義のため。確かに彼女との間柄だけは、守れればと思っていましたが……私は……」

     突入したナギサさんの部屋にて。補習授業部でのやり過ぎなほどの陰謀────特に、親しかったはずのヒフミちゃんへの仕打ちについて、その真意を問いただした私に対し、ナギサさんはそう言った。悔いる言葉の一つでも聞ければと思ったけれど、悪い言い方をすれば開き直るような物言い。…………やはり、少しお仕置きが必要かもしれません。

    「……ふふっ♡ではあらためて私たちの指揮官からナギサさんへ、メッセージをお伝えしますね。『あはは……えっと、それなりに楽しかったですよ。ナギサ様とのお友達ごっこ』……とのことです♡」
    「……っ!?ま、まさか、ということは……!?」

     特徴的な笑い方をでっちあげたセリフと共言ってやると、途端に狼狽えた様子を見せるナギサさん。

    「えいっ」

     その隙をついて、事前に受け取っていた"ピンク色の手榴弾"を投擲。

    「なっ────ふっ、ぁぁぁぁぁぁ……!?♡♡♡」

     炸裂した瞬間、あられもない声をあげるナギサさんに、すかさずアズサちゃんの銃から放たれた弾丸が突き刺さり。ほんのり赤い顔のまま、ナギサさんは意識を失ったのだった。

  • 111二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 16:26:10

    >>7

    被害者リスト

    ・桐藤ナギサ(アクメード被弾・軽傷)←new!!

  • 112二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 16:32:13

    …………まあなんというか軽傷でよかったよナギちゃん(いや良くはねえけど)
    重傷だったら脳破壊とあわせてひでえことになるよこれ

  • 113二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 19:44:08

    脳破壊と快感が繋がっちゃうんではナギサ様…?

  • 114二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 19:57:11

    アクメード使いこなすハナコとか恐ろしすぎんか?

  • 115二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 20:13:21

    このレスは削除されています

  • 116二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:06:03

    すっかり定着したアクメード

  • 117二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:09:56

    権謀術数渦巻きぴっちり閉じてしまったトリニティをミハルの手マ〇がこじ開け、多くの生徒が〇を合わせる……主人公のようなムーブだな!

  • 118二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:34:31

    貝合わせ!?エ駄死!!

  • 119二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:37:47

    >>118

    お前の妹やぞ

  • 120二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:39:59

    >>118

    「みんなで合わせると言ったら力に決まっているでしょう。ね、ミハルちゃん♡ それでコハルちゃんは何を考えてたんですか?♡」

  • 121二次元好きの匿名さん23/09/01(金) 23:42:13

    >>119

    最強の返しが生まれてて草

  • 122二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 00:27:46

    このレスは削除されています

  • 123二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 02:54:54

     アリウスが送り込んで来た襲撃部隊を相手にしたゲリラ戦。こちらの手札は手持ちの銃と、仕掛けに仕掛けたトラップ。そして────今さっきできたばかりの"友達"からもらった手榴弾。

    「"スパイ"は謎の兵器を所持している!喰らった者が痙攣を起こして行動不能になった!ガスマスクも効果が無────」
    「それっ」
    「し、しまっ…………ひいぃぃっっ!?♡♡」

     同じ体だけどコハルとは別人らしいコハル────"ミハル"が渡してくれた手榴弾。前にみんなで、ゲヘナの美食研究会というらしい人たちと戦った時にも見た、炸裂した範囲にいる者を行動不能にできる、凄く高性能で使いやすいもの。手持ちの銃や爆弾、仕掛けたトラップを使わなくても、こうして一発ぶつけるだけで途端に蹲って動けなくなるから、思った以上に戦闘が楽に有利に運べている。

    「き、貴様……何なんだその手榴弾は……!」

     範囲から逃れられたらしいアリウス生から問われる。ただ、私にはその質問には答えられなかった。

    「私にもわからない」
    「は、はぁ……?」
    「これは友達がくれたものだから。喰らった人が動けなくなるらしいけど、詳しいことは聞きそびれた」

     正直、よくわからないまま使っている。被弾した者は顔を赤くして痙攣を起こして動けなくなるけど、それがどういう症状で、どういう原理で引き起こされているのかはわからない。ガスマスクも意味がない様子から煙やガスを介したものではないようだけど、時間もなくて聞きそびれていた。

    「だから、全部終わってから聞きに行こうと思って」
    「ふざけたことを……たった1人で私たちの相手ができるとでも……!?増援もすぐに来る、大人しく諦め」
    「えいっ」
    「ひ、ぁぁぁぁぁっ!?♡♡」

     高い悲鳴と共に倒れるアリウスに銃弾を何発か撃ち込んでから距離を取る。遠くから聞こえる幾つもの足音。確かに、複数に分かれていたチームが私を捉えようと集まってきているらしい。けど、不安はない。

    「────私は1人じゃない。頼りになる友達がいるから」

     そう呟きつつ、無線を取り出す。

    「こちらアズサ。先生、ミハル、聞こえる?」

  • 124二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 02:59:15

     今回の作戦で私、というよりお姉ちゃんの役目は、正義実現委員会への連絡。それは既に済んでいるから、以降は次のフェーズまでヒフミ先輩や先生と一緒に待機……と、いう流れになるはずだったんだけど。私が現れたことで、少しだけ修正が加わった。

    "次、第11分館の裏口付近の小隊を狙って"
    『私の現在地からも充分距離がある。気にせず投げて』
    「了解です、一応巻き込まれないように気をつけて。…………せいっ」
    『──────〜〜〜〜〜!?!?♡♡』

     先生とアズサ先輩の指示をの通りに手榴弾を投げる。耳を澄ますと、遠くの方から呻き声が聞こえてくる。
     私が持つ〈強制絶頂手榴弾〉……アクメグレネード。投げつけるだけで確定でスタンする私の切り札。これを使って遠距離から敵戦力を削ぐこと、それが今回私の役目になった。アズサ先輩の要請を受けて、先生の号令に従って指定された場所に投げるという流れだ。

     …………まあ、その気になれば『高い建物の上から何十発何百発も投げまくって絨毯爆撃してひたすら行動不能にするジェノサイドアクメ戦法』もできなくはないけど。アズサ先輩を巻き込みかねないのと流石に私がヘトヘトになるから提案はしなかった。
     代わりに、アズサ先輩とハナコ先輩に何個か手榴弾を渡しておいた。助けになればと思って渡したけれど、実際にとても役立っているらしい。

    "次、第9分館の庭を狙って"
    「了解!」

     先生の号令を受けて再び手榴弾を構える。
     実はお姉ちゃんは、かなりの強肩の持ち主。普段からお姉ちゃんが愛用している攻撃と回復を兼ねた〈セイなる手榴弾〉も、どんな距離が離れていようと狙った場所にドンピシャで投げ込めるという特技があったりする。
     当然、その恩恵は身体を共有している私にも受けている。

    「えいっ」

     力一杯投げられた手榴弾が、綺麗な放物線を描いて建物を超えて────

    『─────っっっ!?!?♡♡』
    『あ、命中しましたね』
    『ありがとうミハル、かなり戦いやすい』

     さっきと同じように微かに呻き声が聞こえ、次いでスポッター役のハナコ先輩の攻撃成功報告と、アズサ先輩からのお礼が無線から聞こえて来た。実際、それなりの数を減らせているらしく、アズサ先輩のゲリラ戦も合わせてトリニティに侵入したアリウス生徒の殲滅も見えてきているらしい。

  • 125二次元好きの匿名さん23/09/02(土) 03:00:49

     そんな具合に、まさしく大活躍な私と私の手榴弾なんだけど。実はひとつだけ、問題というか、欠点があって────


    (エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑エッチなのは死刑…………)


    「お姉ちゃん怖いからマジでやめて!!!!そろそろノイローゼになりそう!!!!」


     この手榴弾の使用は、お姉ちゃんの中の『えっちなこと許容ライン』を一瞬で超過してしまうらしく。
     私の所業を目の当たりにしたショックで、壊れたレコードみたいに意識の"裏"で呪詛みたいに唱えまくるようになっちゃったお姉ちゃんに悲鳴をあげつつ、もう一回手榴弾を投げる私。

    (死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑……)
    「もうビックモーターみたいになってんじゃん!!」
    (ビッグローター!?!?エッチなのはダメ!!!死刑!!!)
    「やかましいわ!!」

     錯乱しているのかトンチキなことも言い始めたお姉ちゃん。早いところ正気に戻って欲しい、切実に。そう願いながらもう一回手榴弾を投げる私。

    "………………コハル、大丈夫かなぁ"
    「あ、あはは……」

     そんな風に、側から見たら1人で騒いでいるようにしか見えないであろう私に、先生とヒフミ先輩は苦笑いをしていた。

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