地球が大ピンチ!残された最後のプリキュア!!

登録日:2015/02/19 (木) 03:33:01
更新日:2023/06/11 Sun 01:14:06
所要時間:約 8 分で読めます




※推奨BGM:Happy Go Lucky! ドキドキ! プリキュア


初めまして!
あたし、大貝第一中学生徒会長、相田マナです!

え?えぇー!?どうしてあたしがプリキュアに変身しちゃってるの!?

何これ、ドキドキワクワクが止まらないよ!
胸の奥がキュンキュンしてる!!

新番組!

ドキドキ!プリキュア

2月3日日曜、朝8時30分スタート!

貴方に届け、マイスイートハート!







ドキドキ!プリキュア』の1話。
サブタイトルやアバンタイトルだけ見たらクライマックスだが1話目である。

放送開始前から「成績優秀、運動神経抜群、困っている人を放っておけない生徒会長」という、それまでのピンクプリキュアたちとは違った設定がシリーズファンの間で話題になっていた、
本作の主人公・相田マナ=キュアハート。彼女の個性が遺憾なく発揮された1話となっている。



【あらすじ】

どこか別の世界らしきある国。平和そうに見えたのも束の間、突然空が赤く染まる。

一人の少女が、巨大な怪物たちと戦っていた。触手責めや爆弾などに苦しめられるもこれらを撃退する少女。しかし、王国の中心部にはさらに何百倍はあろうかという大きさの怪物が……。
「なにも、守れなかった…なにも…」
少女は己の無力さに、涙を流すしかできなかった。



場面は一変。
完成したばかりの東京クローバータワー。全高999mの世界一高い電波塔であり、観光客でごったがえしている。
大貝第一中学校の生徒たちも、社会科見学で訪れていた。

自由行動の時間になったが、引率の城戸先生はバスの車内でアイマスクをして眠っている。なんでも、大貝中にはものすごく頼りになる生徒会長がいるという。

さっそくあちこちでトラブルが発生する。
「会長!二階堂くんがよその学校の子とケンカしてます!」
「会長!八嶋さんがバスで酔っちゃったみたい!」
「会長!三村くんがお財布なくしました!」

そこかしこで呼ばれる生徒会長は、ひとつひとつの現場に駆け付け、たちどころにトラブルを解決していく。

「ストーーップ!あんたたち、そんな小さいことでいがみ合ってたら、あの世界一大きなクローバータワーに笑われるよ」
「なんだ、てめえは?」
「はじめまして!私、大貝第一中学生徒会長、相田マナです!」
マナは大柄な他校の不良にも動じず、笑顔で握手する。
「手と手を握ればお友達、よろしくお願いします!」
こうしてケンカまで丸く収めてしまった。

直後、様々な運動部員がマナをスカウトにくるが、友人の菱川六花がマナを連れて行く。


タワー内で六花はマナに注意する。
落し物に介抱にケンカの仲裁、どれもわざわざ会長が出るまでもない事案なんだから、トラブルを背負わずどっしり構えたらどうなのか。
しかしマナはそんな六花のお小言の最中にも、迷子の女の子を見つけ面倒をみていた。

「お姉ちゃんがおまじないを教えてあげる。こうやって手のひらにハートを書きながらお願いしてみて。お母さんが見つかりますようにって」
「ハート?」
幸いにも迷子の少女、美智子ちゃんのお母さんはすぐに見つかった。


「どうしてあなたはそんなに、他人のお世話ばかり焼くのかしらね」
「だって、誰かが喜ぶ顔を見ると、こっちもうれしくなるじゃない」
「マナは愛を振り撒きすぎなのよ」
苦笑交じりの六花。

すると今度は、急にマナがはしゃぎ出した。
見ると、最近CMなどで売出し中の人気アイドル、マコピーこと剣崎真琴が、多数のファンに囲まれていた。
真琴のファンであるマナも、野次馬に紛れ込む。
もみくちゃにされた真琴が、リボンのついた丸い髪飾りを落としたのを見たマナは、それを拾うとファンを掻き分け真琴の乗るエレベーターまでこぎつける。

「落としものです」
「あ…ありがとう」

憧れのアイドルにお礼を言われすっかり夢見心地のマナに、おみやげ屋のおにいさんが声をかける。
マナはお店の商品を品定めし、真琴の髪飾りに似たアクセサリーを手に取る。
これはキュアラビーズという骨董品だそうな。

「よかったらそれ、もらってくれないかな?」
「そんな、いただけません!タダより高いものはないって、おじいちゃんが言っていましたし!」
意外と警戒心はあるのか、拒否するマナ。

「物の価値なんて、つける人次第で変わるものさ」
しかしお兄さんに、制服のリボンの中央にラビーズをつけられ、鏡でその姿を見てみるとまんざらでもなさそうだ。

そこにマナを探していた六花がやってきて、マナの手を引き展望台まで連れて行こうとする。

「それじゃ、ありがとうございました!」
「よろしく。マイ・スイート・ハート…」



展望台行きのエレベーターには、エレベーターホールからあふれるほど長蛇の列ができていた。

六花と共に最後尾についたマナは、横入りを試みようとした二階堂を呼ぶ。
「みんなと一緒に並んだ分だけ、感動が待ってるんだからね」

しばらくして、このクローバータワーのオーナーである少女、四葉ありすが高級車で乗り付ける。
支配人はありすを展望台行きエレベーター前まで案内しようとするが、ありすは執事セバスチャンと共に一般客の行列へと並ぶ。
「展望台に行きたい人は、こうするのがルールなのでしょう?」
「このタワーのオーナーたるあなた様が、列に並ぶ必要などございません!」
「並んだ分だけ感動が待っている…マナちゃんならそう言うと思います」
「マ、マナちゃん?」
「私の大切なお友達です」


最後尾でそんなことが起きてるとは知らないマナたち。
ようやくエレベーターまで近付いてきて、迷子だった美智子ちゃんがお母さんとエレベーターに乗るのを見送る。

そんな中、行列に並ぶ一人の青年が苛ついた様子で、「行列なんか無視して横入りできたらいいのに」とつぶやく。
すると不思議な雰囲気の少年、イーラがあらわれて、青年の体内から黒く染まったハートを抜き取った。
ただならぬ事態に気付いたマナは青年の元へ。
「いいねえ。これなら極上のジコチューが生まれそうだ」
「え?」
「暴れろ!お前の心の闇を、解き放て!」
イーラが呪文を唱えると、黒いハートは巨大なカニの姿をした怪物「ジコチュー」に変化した。

エレベーターホール内を暴れまわるジコチュー。
外から見ていたありすは…
「まあ、大きなカニさん。セバスチャン、あの子お家で飼ってもいいかしら?」
「いけません。さあ、こちらへ」


ジコチューはエレベーターが降りてくるとそれを突き破り、エレベーターシャフト内を駆け上がっていった。

このままでは、展望台の美智子ちゃんが危ない。
マナは意を決しエレベーター横の非常階段を登り始めた。


展望台へと到着したジコチュー。
今度は素晴らしい景色を独り占めしようと暴れる。
逃げようとした美智子ちゃんは転んでしまい、ジコチューに踏み潰されようとしていた。
その時、非常階段のドアを開けマナが飛び出し、間一髪で美智子ちゃんを救出した。

避難する美智子ちゃんとママを笑顔シングルピースで送り出したマナ。
体力を使い果たしてへたりこんでしまうが、展望台からの絶景に心奪われる。

そして「コノ ケシキハ オレノモンダー!」と叫ぶジコチューに、
「この景色は誰のものでもない。みんなのものよ。独り占めしようだなんて、そんなワガママ言っちゃダメじゃない。みんなこの景色を楽しみに…」
とお説教を始めた。

その時、マナの行動を見ていた三匹の妖精の一匹がマナに声をかけた。

「そこのあなた!」
「誰?」
「あたしはトランプ王国からやってきた妖精、シャルルでシャル!」
「あ、ども、相田マナです」
「さらっと受け入れたでランス…」
「あの子、やっぱり只者じゃないケル…」
「もう慣れた」

シャルルはラブリーコミューンの姿になり、自分の力を使って変身し、ジコチューと戦ってほしいと頼む。
「わかった。とにかくやってみる。変身!」

コミューンを持ってそれらしいポーズを取ってみたが、何も起きない。

変……身!!
やはり何も起きず、怒ったジコチューに襲われる。


あわやという時に、突然現れた少女がジコチューを蹴り飛ばし、必殺技であっという間に浄化してしまった。

「あの、ありがとう、助けてくれて。私、相田マナです。あなたは?」
「……」
「こんなところにいたのか!キュアソード!」
「キュア、ソード?」

すると、イーラの仲間、マーモがもう一匹用意していたジコチューが、天井を突き破って攻撃してきた。
キュアソードはとっさにマナをかばって、ジコチューのハサミに捕らわれてしまう。

「教えて。プリンセスはどこ?」
「あなたたちに教えることなんて・…ない!!」
「亡びた王国に義理立てするなんて、とんだおバカさんね。いいわジコチュー、やっておしまい!」

天井の穴から屋上に上がったマナは、ジコチューを止めようと足を引っ張る。
しかし、軽く弾かれ鉄柵にぶつかってしまう。
「どうしよう…あの子、私のせいで…」
「マナ…」
「お願い…私に勇気を、力をください…!」
マナは手のひらに乗せたコミューンに、ハートを書く。それは、マナのおまじない。
「お願いします!」

その時、胸のキュアラビーズがまばゆい光を放った。
「マナ!その輝きをあたしにセットして叫ぶシャル!プリキュア・ラブリンク!」
「うん!」

プリキュア・ラブリンク!
L・O・V・E!


みなぎる愛、キュアハート!
愛をなくした悲しいカニさん。このキュアハートが、あなたのドキドキ、取り戻してみせる!

新たなプリキュア、キュアハートが誕生した。

クローバータワーから伸びる、一筋の光。
「ついに目覚めたようだね。マイ・スイート・ハート」
タワーのふもと、あのおみやげ屋のお兄さんがつぶやいた……。



【余談など】

初めて変身した時点で終了し、敵と戦うのが2話に持ち越された1話は、『5GoGo!』、『ハートキャッチ』、『スイート』に続いて、4度目にして2年ぶり(戦闘シーン自体はキュアソードが見せている)。

後に数々の伝説≪レジェンド≫を打ち立てていくマナだが、1話の時点で既に

  • 999mあるタワーの最上階の展望台まで、23m地点(作中のエレベータで確認)から非常階段で駆け上がり、途中息切れしながらもエレベーターシャフトを登っていたジコチューとほぼ同時に到着。
  • 巨大なカニの怪物であるジコチューに物怖じせず説教。
  • しゃべる小動物にもリアクションなしで自己紹介&握手。
  • 突然の変身して!の頼みにもあっさり「わかった」
  • 天井の穴から屋上に出るが、天井までの足場らしきものはなかった。
  • 生身でジコチューに蹴られて鉄柵にぶつけられるが、なんとか無事だった。

といった伝説を生み出している。

また、バス酔いした八島さんの介抱もしているが、後々マナも乗り物酔いしやすいことが判明する。
まあ基本的に変身後の場面で見られることなので単に平衡感覚までもがパワーアップしすぎたとも取れるが。


クローバータワー屋上は、マナが初変身&初決めセリフを披露した場だが、
敵ボスのキングジコチューとの決戦に入る直前の46話ラストカットで、ドキドキプリキュアの面々が変身したのもクローバータワー屋上であった。


マナ達の担任である城戸先生は映画『太陽を盗んだ男』の主人公・城戸誠が元ネタ。
また登場時のバスで寝ているシーンは、まんま『太陽を盗んだ男』のバスジャック発生前に寝ていた城戸のオマージュだったりする。



お姉ちゃんがおまじないを教えてあげる。こうやって手のひらにハートを書きながらお願いしてみて。追記・修正お願いしますって。

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最終更新:2023年06月11日 01:14