あばたろう(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)

登録日:2022/03/13 Sun 00:00:13
更新日:2023/06/18 Sun 12:05:07
所要時間:約 17 分で読めるというお話





※推奨BGM:「俺こそオンリーワン」



やあやあやあ、祭りだ祭りだ~!


祭りの幕開け!ドンと見よ!


袖振り合うも多生の縁。

4人のお供を引き連れて、共に踊れば繋がる縁…


この世は楽園!


悩みなんざ吹っ飛ばせ!


何なの!?こいつ!?



暴太郎戦隊ドンブラザーズ!

ドン1 あばたろう


…というお話。


3月6日日曜日、午前9時30分、いざスタート!


楽しもうぜ!勝負勝負!



「あばたろう」とは、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン1話(第1話)のサブタイトルである。

監督:田﨑竜太 脚本:井上敏樹
2022年3月6日放送。

概要

スーパー戦隊シリーズ第46作として、人間離れした体形の戦士達の集まりや作者の独自色強めのキャラ設定で注目を集めた本作の記念すべき第1話。
CGをふんだんに使った豪勢な演出や、前作『機界戦隊ゼンカイジャー』とはまた違った方向の強い勢いで進むストーリーなど見所の多い一方、殆どの謎や理屈が一切説明されないまま話が進むので、どこか難解かつ複雑なシーンも少なくない。

話の流れ

21年前。
桃井陣はジョギングの最中、突然空が割れ、その割れ目から「何か」が川に落ちて流れていくのを目にした。
不思議に思った陣がその後を追うと、その「何か」は河川敷に引っかかっており、それは大きな桃の形をしたカプセルのような物だった。


まさかな…。


陣の頭に過ったのは、日本人なら誰もが知る童話「桃太郎」であった。
その直後、そのカプセルの上部分が突然消え、中から白いお包みに入れられた赤ん坊が現れた。

陣が呆気に取られていることも知らず、その赤ん坊は只管泣き声を上げていた。

時は進んで現代。


(私は生まれながらの天才だ。漫画の神様に愛されている)


その日は、女子高生漫画家・鬼頭はるかの処女作「初恋ヒーロー」の冗談社漫画大賞授賞式が行われていた。
その帰り道。
大きな花束を抱えたはるかは、タクシーが青信号でも動かないことを注意した。

するとその時、その運転手は不気味な呻き声を上げると共に怪人ヒトツ鬼のベニツ鬼に変貌。
はるかに襲い掛かる。
はるかが車外に逃げて花束を叩きつけていると、そこへバイクを駆る一人の男性が現れた。



何故花を散らす…花は風に散る物…あるいは人知れず落ちる物。

散るのは、お前だ…。


その男の名はソノイ
異種族・脳人(ノート)の一員である。
その詩的な台詞にはるかが困惑している間に、ソノイは左腕のブレスレットを操作して戦闘形態に変身。
愛剣の一級剣バロンソードを振るってベニツ鬼を一刀両断し、見事に退治して見せた。

戦いが終わると、ソノイは人間態に戻り、落ちていた花の一つをはるかの制服のポケットに挿して帰っていった。


良い夢を。


その姿に心を奪われたはるかは(居たんだ…本物のヒーローが!)(もしかして、リアル初恋ヒーロー!?)と、内心有頂天だった。

翌日。
はるかが教室に入ると、そこには黒板一杯に書かれた祝いの言葉と、受賞を祝福するクラスメートが待っていた。
「皆の衆、苦しゅうない苦しゅうない♪」と、完全に天狗になっているはるかに対し、同級生の男子生徒・吉岡(通称・よっぴー)が黒板を引っ掻きながら「何様のつもりだ!」といちゃもんを付けてきた。
そんな吉岡を制止したのは、同じくはるかの同級生にして彼女のボーイフレンドの花村だった。
「はるかの漫画は皆に夢を与えているんだ」という言葉に言い返せなくなった吉岡は、苛立ちを抱えたまま教室を出ていった。
吉岡と花村は同じ卓球部の部員で親交もあったのだが、吉岡は先月部を止めたのを境に様子がおかしくなってしまったのだという。
その頃、校舎裏で怒りを込めるかのように卓球のラケットに釘を打ち付ける吉岡の背後には、謎の悪鬼の姿が浮かび上がっていた。

放課後。
喫茶どんぶらでSNSをチェックするはるかだが、急に画面が切り替わると、謎のスロットが始まった。
そのスロットに不気味な三つ目が揃うと、虚空から謎のサングラスが現れ、はるかの顔に掛かってしまった。
サングラス越しに周り見ると、まるで3Dの如く様々な物が浮かび上がって見えるだけでなく、一部の人間の姿が絵具が混ざったかのような顔の怪物に変わっていた。
そのように見えた客の一人に気付かれてしまい、危機感を覚えたはるかは思わず逃げるように店を飛び出していった。

その様を既視感のある顔立ちをした店主が、意味深に見つめていた。

一方、そのまま街に出たはるかだが、町の様子が明らかに違う。
店と同じ光景だけでなく、今まで見えなかった筈の半透明の巨大な建造物が見え、標識や広告などのあらゆる文字は文字化けして読めなくなっている*1
そんな中、通りかかった警察官はまたも先程の怪物の姿に見えていた。


「お前……見えるのか…?」


そのことに気付かれてしまい、追いかけられるはるかは、偶然見つけた扉を開けてそこに逃げ込んだ。

逃げた先は渋谷。
しかしここでも街行くカップルやサラリーマン、工事作業員、果ては街灯テレビに映るモデルまで…そこら中に怪物・アノーニが大量におり、一斉にはるかに襲い掛かってくる。
必死に逃げるはるかは、町のギミックによってビルの屋上に飛びあがるが、アノーニ達も追ってくる。
追い詰められるはるかの前に、謎の銃・ドンブラスターが現れた。
そのドンブラスターが独りでに宙に向けて発砲すると、はるかは戦士オニシスターへ変身。
アノーニの攻撃もノーダメージで受け流した。


いった~…くない?


偶然目に入った鏡を見て今の自分の姿に驚くオニシスター。
しかしすぐに気を取り直し、変身前とは比べ物にならない身のこなしとパワーでアノーニを退け、更にはビルとビルに掛けられた橋に乗るとドンブラスターで攻撃。
得意気になるが、アノーニはその橋を破壊してしまう。


ああ~やばいやばいやばい!落ちる~!


オニシスターは焦りながら橋を渡っていき、全壊する直前でジャンプ。
何とか屋上に着地し、アノーニから逃げ切ったのだった。
それと同時に変身解除。
サングラスも外したはるかはくたびれてその場に崩れ落ちる。


もう、訳……分かんねえ……。


その日の夕方。
シロクマ宅配便の社員・桃井タロウは、とあるアパートに住む男性・鈴木春男(演:霜降り明星・せいや)の下に来てサインを求めるが、布団にくるまっていた春男は「お前が書いとけ」とタロウに投げやりな態度を取って応じようとしない。
それに対し、「それはできない。俺はあんたじゃない」と穏やかだが毅然に接するタロウ。
そのまま部屋に上がり込み、春男の手を無理矢理動かしてサインを書かせた。
サインが書き終わると、タロウは「これで俺とあんたは縁ができたな」と満足げに言った。
「あんたちょっと怖いぞ?」という春男の言葉も無視してタロウは続ける。


どんな小さな縁でも、縁は縁。

この世では、無数の縁が絡み合い、結び合い、奇跡が生まれる……!


力説するタロウだが、すっかり怒ってしまった春男は物を投げてタロウを追い出そうとする。
そうして投げられたのは、司法試験の問題集だった。
春男は司法試験を受け続けるも、中々合格できず、自棄を起こしていたのだ。
そんな春男を見かねたタロウは、一瞬で荒れ果てていた部屋を綺麗に掃除すると、机でどこかで聞いたことのある音とともに何かを書いていた。


駄目な奴などいない。

自分を信じるところから始めろ……。


そう諭しながら、タロウは「必勝」と書いた紙を春男の鉢巻きに挿した。
すると、春男はやる気を取り戻し、意気揚々と勉強に戻った。


俺が運ぶのは荷物だけじゃない。

幸福を運ぶ……。


そう言い残し、春男の姿に安堵しながらタロウは部屋を出た。

後日。


え?打ち切り……?


出版社にて初恋ヒーローの打ち切りを言い渡されるはるか。
編集者によれば、はるかに盗作疑惑が出ているのだという。
実際、その元と思われる漫画と初恋ヒーローとでは、キャラデザも構図も酷似していた。
はるかは偶然の一致を主張するも聞き入れられず、このことは既にネットニュースに取り上げられている上、相手方は裁判も辞さないという。
この件を受けて既に売られている単行本も回収する羽目になってしまった。

更に後日。
学校に行くと数日前とは打って変わって、黒板は罵詈雑言や誹謗中傷の言葉にまみれ、あれほど彼女を持ち上げていた同級生は揃いも揃ってはるかを無視して拒絶。
花村に縋りつくも「ママ…母さんが『泥棒とは付き合うな』って…」と、今まで隠していたマザコンぶりを露見させてはるかを突き放してしまった。


(何々……?転落?……いきなり?)


公園で途方に暮れるはるかは、例のサングラスが原因だと決めつけ、それを投げ捨てようとするも、サングラスはまたもはるかの顔に独りでに張り付き、更にそのまま彼女を何処かに転送してしまう。

その先は刑務所のような暗い場所。
そんなはるかの前に現れたのは、幽閉されている陣だった。

一方、花村は卓球部でいつものように練習していたのだが、そこへ例の釘ラケットを携えた吉岡が現れ、彼に試合を申し込んできた。
困惑する花村とその相手を後目に、強引に花村に向けてスマッシュを打ち込む吉岡。
人間では考えられない力で打ち出されたそれは、花村のラケットを破壊し、彼の顔に痣を付けて吹き飛ばしてしまった。
「ママ~!」と情けなく泣く花村を後目に、吉岡はそのまま学校を飛び出してしまう。


俺は強い……だがもっとだ!


そのまま吉岡は高校チャンピオンの高木涼の元へ向かい、彼にも挑戦を叩きつける。
挑発に火が付いた高木と吉岡は、ランチプレートをラケット代わりにして食堂で他の生徒も巻き込んだ激しすぎる卓球を展開するが、吉岡の一撃で高木のランチプレートを破り、高木は大きく吹き飛ばされてしまった。
ランチプレートをラケット代わりにした点にファンがツッコミを入れたのは放送が終わってからだとかなんとか


俺は強い……だがまだだ!


それでも吉岡の闘争心は収まらなかった。

その頃、陣ははるかに、彼女が「戦士」に選ばれたことを教えた。
そして、4人の仲間もいることを伝えるが、その前の優先事項として「『桃井タロウ』を探すこと」を告げる。


彼の前で跪き、忠誠を誓え。

桃井タロウ……?

決して嘘をつかない者。

探せ。タロウを……彼が君を導いてくれるだろう。

そうすれば、失ったものを取り戻せる。


現実世界に戻ったはるかが困惑していると、1人の配達員とぶつかった。
謝るはるかに対し、その配達員は「縁ができたな!」と笑顔で唐突に応える。
その姿に内心(何……?怖っ!!)と引いてしまうはるかだが、この時はまだ知る由もなかった。
この配達員こそが、まさに探し始めていた桃井タロウその人だということを……。

そうとは知らないはるかは、以前自分を助けてくれたソノイが桃井タロウだと思い込み、サングラスをかけて走り始めた。

一方、吉岡は都成乃体育大学で元金メダリストの春日誠に挑戦してきた。
困惑する春日などお構いなしに、その場に立っていた案内板を分解し、巨大なラケットに作り変えてしまう


俺の方が強い……!俺はもっともっと強くなる!!

もっともっと!!!


その頃、はるかは突然現れたドンブラスターに強制的に変身させられた上に、吉岡が春日を襲いかかろうとする現場に飛ばされる。

驚くオニシスターの目の前で、遂に吉岡はヒトツ鬼・シソツ鬼に豹変。
更にアノーニも同時に大量に現れ、その場にいた人々を襲い始める。
オニシスターはシソツ鬼を説得しようとするが、その正体に気付いたシソツ鬼は、怒りのままにオニシスターを文字通り一蹴してしまう。

大きく吹き飛ばされたオニシスターの前に、またもバイクに乗ったソノイが現れた。
待ってましたと言わんばかりに「桃井タロウ様!貴方に忠誠を誓います!だから、よっぴーを元に戻してください!」と跪くオニシスターだが、ソノイはそんな彼女が眼中に無いどころか、邪魔だと言わんばかりに彼女を蹴り飛ばした。


お前も己の欲望に負け、この世の静寂を乱す者か……。


ソノイはそういってシソツ鬼に不快感を見せると、スキン「バロンクロス」を纏い怪人態に変身。
バロンソードの一撃でシソツ鬼を吉岡に戻すことなく葬ってしまった。

その様子に流石のオニシスターも唖然とするが、すぐにソノイに詰め寄り、「簡単に人を消すなんて、そんな……!」と抗議するがすぐさまアノーニ達に取り押さえられてしまう。

そんな中、はるかのものと同じ形をした桃色のサングラスをかけたサラリーマン風の男性がその場に現れた。


え?また戦い!?


彼の名は雉野つよし
はるかと同じく選ばれた戦士である。
この事情を知っているようであることと、そのサングラスの色からまたも早とちりしたオニシスターは、アノーニを押しのけ、先程と同じく彼にも跪く。
それに対し一瞬驚いたつよしだが、それよりも戦うことを優先し、ドンブラスターとアバタロウギアを取り出すと、それらを使って変身。
身長220㎝の戦士・キジブラザーへと姿を変えた。


でかっ!……てかこいつもタロウじゃないわけ?

あっあっごめん……ちょっと下過ぎて聞こえなくて……。


そんな2人に対し、ソノイはアノーニ達を改めて差し向けて消そうとする。
2人が戦い始めると、またもドンブラスターの音が鳴った。
その方向を見てみると……


3人の天女が紙吹雪を撒き散らし、羽衣を振るいながら踊り狂う中、半裸の男達に担がれる神輿の上にバイクと共に乗っている赤い侍が現れた。



やあやあやあ、祭りだ祭りだ~!


今度は何!?



袖振り合うも多生の縁。

躓く石も縁の端くれ。

共に踊れば繋がる縁…

この世は楽園!


悩みなんざ吹っ飛ばせ!


笑え笑え!ハ~ッハッハッハ!



タロウ!?

……ああ、あれはない。きっとない。
※まさにその人です。


そのあまりにインパクトの強すぎる登場の仕方に呆気に取られるオニシスターだが、そんなことはお構いなしに赤い侍・ドンモモタロウは愛車・エンヤライドンを駆って戦場に出ると、そのままソノイに斬りかかった。


さあ楽しもうぜ!勝負勝負!

楽しむだと?この世の人間は何処まで穢れているのか……。

派手だなぁ……あの人……。


お互い一歩も譲らぬ戦いを繰り広げるが、その最中、無名の高校生相手に酷い目に合わされたことにプライドが傷ついていた春日を発見するソノイ。
「貴様も欲望の虜か」と吐き捨てると、春日を指さしてその体を騎士竜鬼に変えてしまった。
オニシスター達に突っ込んでいく騎士竜鬼を見ると、「これ以上は我が剣の穢れ」と呟いて去っていく。

騎士竜鬼を押さえつけるドンモモタロウは、「手のかかるお供どもだ!」と言うと、ゼンカイジャーのアバタロウギアを取り出し、ゼンカイザーにアバターチェンジ。
その銃捌きでアノーニを容易く蹴散らした。
その後はドンモモタロウに再変身。
ザングラソードのブーメランのような剣撃で翻弄した後、必殺技の快桃乱麻を炸裂させ、騎士竜鬼を討ち取った。

しかし、喜ぶの束の間。
直後、騎士竜鬼は騎士竜鬼ングへと巨大化を果たしてしまう。
更に上空に異空間「脳人レイヤー」が展開され、そこで騎士竜鬼ングに壊された建物は現実世界にも反映された。

そんな騎士竜鬼ングにも勇猛果敢に立ち向かっていかんと、エンヤライドンで脳人レイヤーに突入するドンモモタロウ。
その姿を、謎の戦士・ゼンカイザーブラックが見ていた。
するとゼンカイザーブラックは「センタイギア16 ゼンカイジュラン」を発動。
脳人レイヤーにジュランティラノを召喚すると、そのままエンヤライドンと合わせてドン全界合体を発動。
ドンゼンカイオーが完成した。

ドンレッグバスターや操縦するドンモモタロウ自身の戦闘センスもあって、アクロバティックな動きと巧みな剣術で騎士竜鬼ングを圧倒していった。
途中地形操作によってビルに囲まれてしまうも、持ち前のパワーで打ち破り、格闘戦でも優位に立つと、最後は必殺技のドンゼンカイクラッシュが炸裂。
騎士竜鬼ングは粉々に爆散された。


ワ~ッハッハッハッハッハッハ~!

ワ~ッハッハッハッハッハッハ~!


あっ、大勝利~!


めでたしめでたし~!


ドンモモタロウ達が勝利に沸き立つ中、ゼンカイザーブラックの手には「センタイギア43 リュウソウジャー」が落ちてきた。


まずは1つ……。


そう呟いたゼンカイザーブラックは、ギアをバックルにしまうと、何処かへと去っていった。

春日も無事に元に戻って一件落着。
オニシスターはドンモモタロウ達と話そうとするが、サングラスの効果で彼らは元の場所に返されて行った。

一人残されたオニシスターは、吉岡の釘ラケットに手を伸ばすが、届く寸前で自身もまた転送された。


地位や栄光、人望といった全てを失った挙句、訳も分からず戦いに巻き込まれてしまった普通の女子高生・鬼頭はるか。
失ったものを取り戻すための戦いに身を投じ、桃井タロウを探す彼女に待ち受ける運命とは。
そして、あの時のドンモモタロウこそが探している桃井タロウその人であることに気づくのはいつの日か……?


登場怪人

ヒトツ鬼

ベニツ鬼


身長:185cm
体重:213kg
スキン:紅カラー

とあるタクシー運転手の欲望から生まれた紅色モデルのヒトツ鬼。
その名の通り紅色の体の持ち主で、両目は後頭部から伸びる髪のようなパーツの覆われて確認できず、小さな2本角が生えている。
人を超えた凄まじい怪力を発揮し、走行中の車をも片手で容易に大破させることができるがソノイの剣の前にあっさりと消去された。


シソツ鬼


お前ぇ、鬼頭か?コノ俺ニ何様ノツモリダ!!!

CV:八頭司悠友
身長:185cm
体重:217kg
スキン:紫蘇カラー

はるかの同級生で元卓球部・吉岡の「卓球でもっと強くなりたい」という欲望から生まれた紫蘇色タイプのヒトツ鬼。
その名の通り紫の体の持ち主で、造形はベニツ鬼の色違い。

吉岡を人を超えた卓球の鬼に変え、卓球部で同級生の花村をはじめ、高校生チャンピオンや元金メダリストに道場破りのように試合を申し込み、彼らをどんどんとKOしていく形で暴走。
モンスター化すると複数のピンポン玉を集めて合体させ、更に石のように硬貨させたそれを、案内板から作った巨大ラケットで放つ鬼スマッシュを撃ち出し人々を襲った。
一般人には脅威であることに間違いはないのだが、その中身も所詮は同じなので、戦闘の達人であるソノイの敵ではなかった。
卓球という要素や素体のキャラ設定、カラーリングからリュウソウジャーネタ的には「ガイゾーグ+退場回の冒頭に卓球にハマったナダがモチーフと思われる。


騎士竜


俺は金メダリストだ……!俺ガ一番強インダァーッ!

鬨主」ォ遶懈姶髫(騎士竜戦隊)

CV:狩野絹成
身長:188cm
体重:226kg
スキン:騎士甲冑
ベース:ベニツ鬼

吉岡に敗れた卓球の元金メダリスト・春日誠の「自分が一番強いことを証明する」という欲望から生まれた騎士竜モデルのヒトツ鬼。
吉岡に負けた後、自身の金メダルに執着する様子を見せていた春日がソノイに強制的に変貌させられる形で誕生した。
リュウソウジャーやガイソーグを彷彿とさせる西洋甲冑のようなスキン「騎士の甲冑」を装着。
頭部の兜は口を開けた恐竜のようにも見え、顔の覗き穴からは赤く光る不気味な目がいくつも並んでいるのが見える。
その姿はダークファンタジーに出てくるような得体の知れない怪物が鎧を着込んで騎士のフリをしている」ようにも、
あるいは「強さを誇示することに固執した挙句、人間性を失くした化け物のようになってしまった騎士」のようにも見える。

モンスター化するとギラッと光る複数の目と並外れた動体視力で相手の技をどんどんと見切って、鬼険棒で勇猛に戦闘する。
……らしいのだが、劇中ではドンモモタロウ相手に終始劣勢で、頑強な体故に重たいのか折角の動体視力があっても相手の攻撃に反応しきれていなかった。
最終的にはドンモモタロウの「ザングラソード・快桃乱麻」で一刀両断され撃破されるも、そのまま騎士竜鬼ングへと変貌した。

モチーフは『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。
全体的な姿はよく見るとリュウソウジャーの変身アイテム・リュウソウルのナイトモードにも似ている。
カラーリングや卓球という要素から、さらに細かいモチーフは「卓球にハマったナダと渡り合ったコウと思われる。

リュウソウジャーが「正義に仕える気高き魂」を胸に、地球を守るために戦ったヒーローとすれば、騎士竜鬼は「欲望に仕える悪しき魂」を植え付けられ、自身のプライドを守るために暴走した怪物と言えるだろう。
自分の強さを証明したいがために暴れる騎士竜鬼は、周囲の全てをライバル視してなりふり構わず戦っていた幼い頃の凶暴なコウや、
蛮族とも揶揄されるほど争いの歴史を繰り返してきたリュウソウ族など、リュウソウジャーの負の部分を形にしたようなものとも取れるかもしれない。


ヒトツ鬼ング

騎士竜鬼ング


銅メダル銀メダル金メダル……銅メダル銀メダル金メダル!

身長:50.5m
体重:2070.5t
スキン:三騎士の甲冑
ドロップ:リュウソウジャーギア

倒された騎士竜鬼のパワーが脳人レイヤーに積み重なって生まれる、巨大な騎士竜モデルのヒトツ鬼ング。
キシリュウオースリーナイツを歪めたかのような姿のスキン「三騎士の甲冑」を装備。
両腕にはトリケーンとアンキローゼを思わせる青とピンクの装甲がそれぞれ右腕と左腕に装着されており、胸部にはティラミーゴとは似ても似つかぬ鬼のような大きな顔がある。
また、頭部は赤い兜を被っているような形をしている。

大剣を振るっての近接戦闘を主に展開する一方で、上記の金メダル級の呪文を唱えながら周囲の脳人レイヤーのブロックビルを自在に操る「ブロックコントロール」のスキルを得意とする。
また剣で敵わない相手には距離を取り、ブロックビルで四方から押し潰すという騎士道に反した卑怯な技で戦闘する。
倒れると「リュウソウジャーギア」をドロップする。

出現後は大剣を振り回して手当たり次第にブロックビルを破壊していたが、そこに駆けつけたドンゼンカイオーと交戦を開始。
しばらくは正面から剣での切り合いを展開するも、劣勢と見るやブロックコントロールによる圧殺戦法に出る。
しかしそれも突破された上、「剣じゃないならプロレス」と徒手空拳に切り替えたドンゼンカイオーに盛大に投げ飛ばされる。
打つ手がなくなり追い詰められたところでとどめの「ドン・ゼンカイクラッシュ」を受け、爆散した。


余談

◆タロウと春男のシーンでは、タロウ役の樋口が13テイクものNGを連発してしまう中、せいやが大御所俳優との撮影で何度も取り直した話をして励ましたという心温まる裏話がある。

◆吉岡役の八頭司悠友は、実際にも卓球歴6年の経験者である。
他にも、春日役の狩野絹成は、過去に『リュウソウジャー』のオーディションに参加していた。

◆ラストシーンではるかとすれ違った飼い犬連れの女性は、オニシスターのスーツアクトレスを務める下園愛弓と、その愛犬が演じている。

◆脚本を担当した井上敏樹氏のインタビューによると、初期稿段階ではタロウの出番は一切なく、全編はるか視点で話が進むというスーパー戦隊シリーズ前代未聞の展開にする予定だったが、スタッフから「流石にそれはちょっと……」とやんわり否定され決定稿ではタロウが登場する事になったらしい。
タロウ関連の描写をカットしても割と話として成り立つのはその名残だろう。



追記・修正は、桃井タロウを見つけてからお願いします。





※推奨BGM:「Don't Boo!ドンブラザーズ」


じか~い、次回。

私は全てを失った。


探せ!!桃井タロウ!


桃井タロウを探しているのに、

デカい雉!ちっちゃい犬

変なおばさん!?

でも、戦わなきゃ!私、戦士だし!


ドン2 おおもも、こもも


…というお話。

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最終更新:2023年06月18日 12:05

*1 化粧品のCMの「瞬間、変わる。」が「迸ャ髢薙?、峨o繧九?」になるなど。