労働組合が「賃金15%押し上げ」 米財務省調査
【ワシントン=飛田臨太郎】米財務省は28日、労働組合の存在が労働者の賃金を10〜15%押し上げるとの調査結果を発表した。中間層の底上げをはかるバイデン政権の経済政策で労組が重要になると強調した。労組を重視する政権の姿勢を鮮明にした。
労組と米経済の関連について調査をまとめた。1970年代以降、一貫して労組加入率が下落したのに比例する形で上位1%の富裕層の収入が上昇したと指摘。中間層の賃金上昇が抑...
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(更新)- 中空麻奈BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長別の視点
日本的雇用を支えて来たのが、終身雇用、年功序列と企業別労働組合。終身雇用や年功序列に対しては風当たりが強く“働きに応じた報酬”に正義が移ったのは確かだ。残された労働組合にスポットライトが当たるのは米国だけではない。厚生労働省の統計によると労働組合組織率は1949年の56%をピークにして低下傾向、令和4年度に16.5%になっている。しかし、今後分厚い中間層を目指す過程では、労働組合が権利を主張していくことが重要な流れになる可能性は日本でも想定される。今年成功裡に終わった春闘が来年も継続できるか、は新しい資本主義の成功のための最大のポイントになる。労働組合や連合に期待される面も大きい。
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(更新) - 上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト別の視点
米国の労働組合組織率は10.1%(22年)。主要国の中では低い部類である。IT関連の新しい企業が米国で業容を急拡大する場合、労働組合がないままで走ることもある。昨年はそうした企業のいくつかで組合結成の動きがあり、話題になった。日本の場合、厚生労働省によると、雇用者に占める組合加入者の割合(推定組織率)は16.5%(22年)で、過去最低更新。一方、英国は22.3%(22年)と高い。ドイツは16.3%(19年)、フランスは10.8%(16年)、韓国は14.2%(21年)となっている。
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(更新) - 今村卓丸紅 執行役員 経済研究所長分析・考察
組織率が低下しても、現存する米国の組合には強い交渉力があります。労組の支持を受ける民主党の議員の企業への働きかけも多く、同党が与党なら企業も一層意識します。労使交渉が膠着すれば、労組はためらいなくストなど争議行為を実行。この労組の行動力は労組なき企業の経営者にも影響します。目立つのは組合潰しですが、労組結成を避けようと自発的に賃上げする企業も少なくありません。一時、労組離れと言われましたが、労働者には景気停滞で雇用確保が優先に過ぎなかった面もありそう。労働者には個人より団体交渉の方が有利なことは自明、最近の人手不足で労働者側が有利になり労組の本来持つ交渉力が発揮されている面もあると思います。
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アメリカの「バイデン政権」に関する最新ニュースを紹介します。その他、日米関係や米中対立、安全保障問題なども詳しく伝えます。