「ワクチンのmRNAが卵巣に大量に蓄積する」は誤り
「ワクチンのmRNAが卵巣に大量に蓄積する」は誤り 。Dr. Stephanie Seneffがファイザー社の機密文書と吹聴して広めたもの。文書にあるのは「蓄積」ではなく薬物動態の循環を示す「分布」。厚労省の審議結果報告書も「時間の経過とともに消失すると推察」と記載。
◾️デマの元になったTrialSite記事
Pfizer機密文書を独自に入手したと言ってワクチンの副反応を煽る記事。「mRNAが注射部位に留まらず、注射後に広く全身を循環し、卵巣や脾臓などの様々な臓器に集中することが動物実験でわかった」
https://trialsitenews.com/did-pfizer-fail-to-perform-industry-standard-animal-testing-prior-to-initiation-of-mrna-clinical-trials/
◾️薬物動態試験の概要文(Pfizer機密文書と言われたもの)
これは機密文書でも何でもない日本のPMDAの資料。「ラットに50μg投与した実験で、卵巣での検出量はピーク時でも0.095%以下。mRNAは壊れやすく投与後24h程度で消滅。mRNAがコードする蛋白質の発現は投与6h後に始まり、投与部位で9日後に消滅。肝臓の場合は48h後に消滅。
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_I100_2.pdf
◾️特例承認に係る審議結果報告書
「本剤に関する非臨床薬物動態に特段の問題はないと判断した。(略) ルシフェラーゼ遺伝子発現mRNA-LNPを筋肉内投与したときの生体内分布を評価した試験の結果から、本剤を筋肉内投与した場合、本剤は主に投与部位に分布し、一部は全身(主に肝臓)へ一時的に分布し、それぞれでタンパク質を発現するが、いずれの部位でも時間の経過とともに本剤及び発現したタンパク質は消失すると推察された」
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000739089.pdf
LNP(脂質ナノ粒子)の薬物動態については、以下のよし.U@YOSH_ueda氏が詳しく説明されている。
◾️ LNPと卵巣
https://twitter.com/YOSH_ueda/status/1421022150174003203?s=20&t=Hztacp_XmjoiXcO6H3bVtw
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。