こんにちは、ヒーニョンです。
以前の記事「電気圧力鍋プレッシャーキングプロは圧力鍋としては有能、炊飯器としては物足りない」で酷評していたプレッシャーキングプロが「クッキングプロ」として生まれ変わりました。
僕が熱望していた機能が付いたので気になっていたところ、運良くショップジャパン様から商品を提供していただきました。実際に7種類の調理をしてみてのレビューです。
2020.09.11追記: ローストビーフを加えて8種類の調理を紹介しています。
どんな調理ができるのか?
大きく分けると3種類の調理法ができます。「圧力調理」が基本で、それに付随した「下ごしらえ」や「保温」です。
まとめると次の表になります。
調理法 | ボタン(機能)名 | 代表料理 |
圧力調理 ※バルブを閉める | シチュー・スープ | 煮込み調理: カレー、おでん、ポトフ、肉じゃが |
魚・野菜 | 落し蓋調理: サバの味噌煮、温野菜 | |
肉・豆 | 時間のかかる煮込み調理: 豚の角煮、ローストビーフ、ゆで卵 | |
パスタ | スパゲティ、ペンネ | |
ごはん | 炊き込みご飯、赤飯、おかゆ | |
温め直し | 短時間の加圧で温め直す | |
下ごしらえ ※フタを外す | 煮込み・炒め | 下ごしらえで煮たり、炒めたり |
保温 ※バルブを開ける | スロー調理 | スロー調理、低温調理 |
圧力調理が初心者だと誤解しているのが調理時間です。レシピ本などに書かれている時間は「加圧時間」です。実際の調理時間は「予熱+加圧+減圧」の時間が必要になります。材料にもよりますが調理時間が短縮できると過度に期待しないほうがよいです。
圧力調理のノウハウは取説に書いてありますので初心者でも大丈夫です。一般の圧力鍋と比べると、蒸気が自然に発生したり大きな音もしないので恐くなく初心者でも安心して使かえます。
クッキングプロは圧力調理という省エネ調理法。そしてガスよりも電気の熱効率がよい。この2つのメリットをあわせて光熱費を落とせる調理器具です。
開封の儀
開封すると本体の他に、お米お計量カップ、しゃもじ、電源コード、お手入れ用ピン、取説、ガイドが同梱されています。
電源コードはマグネットタイプなので引っ掛けても安心です。
別売りですが「おまかせレシピ100」というガイドブックがあります。
この記事で紹介している調理の参考にしました。
大きさは、高さ295 x 幅285 x 奥行き273mmです。僕が所有している炊飯器(5合炊き)、圧力鍋(5.5L)と比べた写真です。一概には言えませんが、クッキングプロは炊飯器より小さくて、圧力鍋より大きい感じです。
内釜には炊飯用のメモリが書いてあります。これ僕が熱望していた機能です。
圧力調理はボリュームが重要です。内釜のメモリの範囲内で材料を入れる必要があります。MAXは2.5L、MINは0.4Lです。
多すぎる料理はもちろんできませんが、少なすぎる料理もできないので注意しましょう。
内釜の表面は焦げ付き防止のフッ素加工が施されていますので、金属製の調理器具では痛めてしまい使えません。シリコン製や木製のものを用意しましょう。
フタは取り外し式なので、普通の炊飯器と比べるとフタを置く場所が必要で面倒ですが圧力鍋なのでしかたありません。細かく分解できるのでお手入れは簡単です。
本体背面につゆ受けが付いていますが、加圧調理中に湯気がでることはなく、1度も貯まりませんでした。しかしフタを開ける時にフタの裏に水滴が付いているので、開け方によっては水滴が流れて貯まります。
圧力調理をするときは、切り替えバルブを「圧力」にする必要があります。実際に圧力がかかると赤色のピンが持ち上がります。
減圧は赤いピンが下がるまでですが、なかなか下がらず急ぐときは切り替えバルブを濡れフキンでおおい、蒸気がでるので注意しながら切り替えバルブを排出にすると一気に圧力が抜けます。
2019.11.29追記: 新色レッド誕生
シチュー・スープ ボタン
冷凍保存できるトロトロ「カレー」
材料(10人分)
- 水 1000ml
- 玉ねぎ 大1個
- にんじん 中1本
- 肉 500g
- カレールー 1箱10人分
※冷凍用なのでジャガイモは入れません。
作り方
- 材料を小さめに切り下ごしらえします。(作業時間 5分)
- カレールー以外の材料を鍋にいれます。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「シチュー・スープ」ボタンで20分加圧します。
予熱21分 + 加圧20分 + 減圧50分 = 91分(0.24kW = 6.48円) - カレールーを溶かしてできあがり
実食
たまたま安かったリブロースを入れたのですが、スプーンをさすとホロホロと崩れるやわらかさです。
玉ねぎが溶けていて、トロトロのカレーができあがりです。
光熱費
調理時間は1時間半かかりました。圧力鍋としての気密性が高く、減圧に時間がかかるので、20分減圧すれば手動で圧力を抜いてよさそうです。急ぐなら1時間で完成します。
消費電力は0.24kWでしたので6.48円でした。
(ガスの場合30分煮込んで約18円)
やわらかくなりすぎ注意の「肉じゃが」
材料(3人分)
- 牛ばら肉(薄切り)250g
- サラダ油 大さじ1
- じゃがいも 中6個
- 玉ねぎ 大1個
- にんじん 中1個
- しらたき 150g
合わせ調味料
- 水 120cc
- 砂糖 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 酒 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
作り方
- 材料を大きめ切り下ごしらえします。(作業時間 14分)
※しらたきは下茹して臭みをとる - 「煮込み・炒め」ボタンで油を引きお肉を3分炒める。
予熱2分 + 炒め3分 = 5分(0.06kW = 1.62円) - 具材と合わせ調味料を入れる。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「シチュー・スープ」ボタンで10分加圧します。
予熱13分 + 加圧10分 + 減圧35分 = 58分(0.14kW = 3.78円) - フタを開け「煮込み・炒め」ボタンで3分煮込む。
予熱2分 + 煮込み3分 = 5分(0.04kW = 1.08円)
実食
じゃがいもはホクホク、玉ねぎはとろとろです。
かなり柔らかくなり、煮崩れしはじめているので、加圧時間は減らして8分でもよさそうです。
僕は西日本出身で肉じゃがは牛肉があたりまえなのですが、東日本は豚肉が多いようですね。今度は豚肉で作ってみようと思います。
光熱費
調理時間は1時間10分かかりました。想像以上にやわらかくなるので、加圧8分、減圧20分の1時間でできそうです。
消費電力は0.24kWでしたので6.48円でした。
(ガスの場合20分煮込んで約12円)
魚・野菜 ボタン
定番「サバの味噌煮」
材料(2人分)
- サバの切り身 2枚
- しょうが(チューブ式で代用)
合わせ調味料
- 水 200ml
- 酒 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- みそ 大さじ2
作り方
- 合わせ調味料を入れフタを開けたまま「煮込み・炒め」ボタンで3分ひと煮立ちさせる。
予熱3分 + 煮込み3分 = 6分(0.06kW = 1.62円) - 材料を加える。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「魚・野菜」ボタンで4分加圧します。
予熱3分 + 加圧4分 + 減圧18分 = 25分(0.04kW = 1.08円) - フタを開け「煮込み・炒め」ボタンで3分を4セットして約14分で煮詰める。
予熱2分 + 煮込み12分 = 14分(0.15kW = 4.05円)
「煮込み・炒め」ボタンは3分から変更できないので3分以上煮込むときは面倒ですが、焦げ付き防止でサバを動かすタイミングと思いましょう。
レシピ本には加圧2分とあったのですが、間違えて20分にセットしてしまいました。4分で気がついて「キャンセル」ボタンを押せば大丈夫でした。
実食
味噌ダレがとても美味しくて、サバもやわらかくできました。
光熱費
「煮込み・炒め」ボタンは圧力調理ではないので電気代がかかります。調理時間45分で0.25kWの6.75円でした。
(ガスの場合15分煮込んで約9円)
肉・豆 ボタン
作るの簡単「ローストビーフ」
2020.08.01追記: ローストビーフの調理例追記
材料
- 牛もも肉(かたまり) 500g
- クレイジーソルト(ハーブソルト)
- 黒胡椒
- にんにく
- 玉ねぎ 中1個
合わせ調味料
- 赤ワイン 1/2カップ
- 水 1/4カップ
下ごしらえ
- 牛もも肉(かたまり)にクレイジーソルト、黒胡椒を全面に揉み込む。
- ラップで包み1日冷蔵庫で寝かす。
- 調理時には冷蔵庫から出し常温にする。
作り方
- 「煮込み・炒め」ボタンで下ごしらえした牛もも肉、にんにくを入れ全面に焼き色を付ける(3分)。
予熱2分 + 炒め3分 = 5分(0.06kW = 1.62円) - 牛もも肉を取り出し、スライスした玉ねぎを3分炒めます。
予熱2分 + 炒め3分 = 5分(0.06kW = 1.62円) - 合わせ調味料を入れ、玉ねぎの上に牛もも肉を入れます。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「肉・まめ」ボタンで1分加圧します。
予熱7分 + 加圧1分 + 減圧20分(強制)= 28分(0.07kW=1.89円) - 圧力調理完了後、牛もも肉と残り汁に分けて取り出します。
- 牛もも肉はアルミ箔を巻いて予熱調理します。肉汁が漏れ出すのでアルミ箔は3重に巻くと大丈夫です。最低でも30分は予熱調理します。
- 残り汁はザル等で裏ごしにします。なんに混ぜても美味しい調味料になります。
実食
写真は6時間ほど予熱調理したローストビーフです。赤みがほんのり残っています。
ソースは残り汁にしょう油、オリーブオイル、酢、コショウを混ぜ合わせました。これはドレッシングとしても美味しいです。
ローストビーフは食べごたえがあり見た目にもよいですね。
赤い部分がありますが、真空保存すれば4日は冷蔵保存できます。
光熱費
1日寝かせたり、予熱調理の時間を除けば、調理時間35分で0.19kWの5.13円でした。
殻むき簡単「ゆで卵」
材料
- 卵 7個
作り方
- 400mlの水を入れる。※MINのラインまで
- 蒸し台を置き、卵を7個ならべる。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「肉・まめ」ボタンで4分加圧します。
予熱10分 + 加圧4分 + 減圧50分 = 64分(0.11kW = 2.97円)
※かたゆでなら4個3分加圧、半熟なら4個0分加圧が目安です。
実食
以前に記事「ゆで卵を圧力鍋で作ると驚きの効果があった!」に書いたのですが、圧力でゆで卵を作ると殻がむけやすいです。
狙い通りのかたゆでができました。
調理で困ったのが蒸し台です。一般的な蒸し台は直径が18cm以上なのですが、クッキングプロのお鍋の底部分は直径15cmと小さいので対応する商品が少ないです。純正品(直径約15cm)が別途3,500円で販売されています。
困ったときの百均頼りです。ダイソーで代用品がないか物色しているとありました。直径が13cmから23cmに可変する蒸し台「ステンレス折りたたみ蒸し器」です。100円ではなく250円でしたが安いし、他の鍋でも使えるのが良いところです。
注意点としては、足の先端が新しいため、角が立っているのでビニールテープを巻いて養生して使用しました。ダイソーでゴム管がないか探したのですがなかったため緊急処置です。
光熱費
お鍋の中の容量が少ないと減圧に時間がかかるようです。ゆで卵も減圧20分でよさそうですので、35分でできそうです。
消費電力は0.11kWでしたので2.97円でした。
(ガスの場合10分煮込んで約6円)
急ぐなら減圧は20分ほどでよさそうです。
2020.01.09追記: 純正の専用蒸しプレート
パスタ ボタン
タイミングが難しい「ミートスパゲティ」
材料(2人分)
- パスタ1.6mmゆで時間8分用 2人分
作り方
- 水300ml、塩少々入れる。
- パスタを2つ折りにしてバラバラに入れる。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「パスタ」ボタンで1分加圧します。
予熱7分 + 加圧1分 + 減圧20分(強制)= 28分(0.07kW=1.89円)
実食
今回はレトルトパックのミートソースで実食です。ミートソースもクッキングプロで作れますが、パスタを失敗したので (T_T) レトルトでごまかしています。
パスタどうしが引っ付いてしまいました。僕は2つ折りにしたものを十字に置いたのですが、もっとバラバラにした方がよいです。
もう1つの問題が柔らかすぎました。加圧1分なのでアルデンテに調整するのがシビアで難しいと感じました。減圧20分はパスタがふやける原因でしょうね。
パスタをソースでほぐしながら食べましたが、パスタの長さが短いのでフォークにからめにくいですね。
味はパスタがふやけているので不味いです。久しぶりに失敗料理を作ってしまいました。
昔懐かしい柔らかいスパゲッティが好きだったら挑戦してもよい料理です。
光熱費
28分かかり1.89円だったので、加圧0分、減圧10分にすれば、17分でで電気代ももっと節約できると思います。
(電子レンジ13分で約3円、ガスの場合15分煮込んで約9円)
ごはん ボタン
ふっくら保温もできる「ごはん」
材料(2人分)
- お米 2合
作り方
- 米2合、水は鍋のメモリに合わせます。
- フタをしてバルブを圧力に切り替え「ごはん」ボタンで加圧6分です。
予熱10分 + 加圧6分 + 減圧35分 = 51分(0.08kW = 2.16円)
加圧時間の目安は、2合6分、3合8分、4合10分、5合12分です。
通常の炊飯器と違うのは、タイマーが炊き上がり時間ではないので逆算する必要があります。
実食
メモリ通りの水で少し固めのごはんができます。
ごはんの炊きあがりは、いつものIH圧力炊飯器と変わらず美味しくできました。
普通の圧力鍋だと保温できませんが、クッキングプロは手動ですが「スロー調理」ボタンで保温できます。6時間保温して0.15kWの4.05円でした。
保温しても底に水はたまらず、温かいまま美味しくいただけます。
光熱費
炊飯時間は、普通の炊飯器とかわらない時間ですが、電気代は2.16円とかなり安くできます。
(一般的な炊飯器約4.2円、ガスの場合は約7.2円)
スロー調理 ボタン
素材の味が引き立つ「スープカレー」
材料(10人分)
- 水 1000ml
- 玉ねぎ 大1個
- にんじん 中1本
- じゃがいも 中5個
- 肉 200g
- カレールー 1箱10人分
作り方
- 具材を大きめ切り下ごしらえします。(作業時間 8分)
- カレールーを含めすべての材料を入れます。
※材料がMAXラインを超えるので減らしています。 - 「スロー調理」ボタンで12時間を2セットで24時間します。
予熱1時間 + 加圧23時間 + 減圧30分 = 24時間30分(0.70kW = 18.8円)
12時間で爪楊枝をさしてみましたが、固くて食べらる状態ではありませんでした。
実食
フタを開けた瞬間の温度は53度でした。低温調理器具に温度調整ができ75度くらいにできるものもありますが、クッキングプロは温度をあげられないので今回のような硬いものには向かず、ロールキャベツなど火が通りやすい料理にすべきですね。24時間煮込むのは大変です。
でも時間をかけただけあり、味の方は格別で、野菜本来の歯ごたえを感じることができ、素材そのもの味を堪能でき美味しかったです。
光熱費
「シチュー・スープ」ボタンで普通のカレーを作ったとき6.48円でしたので、18.8円は高くなりました。
水から調理開始すると温度が上がるのに時間がかかるので、お湯からスタートすれば、もう少し早く作れそうです。
まとめ
7種類の調理をしてみて感じるのは、炒め、加圧、煮込むまでクッキングプロ1台でこなせるので、ガスレンジが無い一人暮らしでも気軽に導入することができます。
光熱費はガスを使うより半分以下なので、フルに使う一般の家庭でも家計にやさしい調理器具だと思います。
炊飯器があっても、来客で普段より多くのごはんを炊く必要があるときも頼りになります。
個人的な要望としては、スロー調理で温度が53度でしたので、もう少し高温75度で調理できるモードがあると、朝仕込んで夜できあがる(12時間)料理が増えるとうれしいです。
タイマー仕様や自動的に保温にならないなど若干使い勝手に不便なところもありますが、安全面を考えてのことだと思いますので今後に期待したいです。
今回の調理で記載している電気代はワットモニターで計測した値です。
※1kWh=27円で計算
ではまたヾ(^^へ)
こちらで購入できます
ショップジャパン公式サイトでクッキングプロを見る
コメント
コメントありがとうございます。お役に立ててよかったです。
クッキングプロの記事はたくさんありますが、こちらは各ボタンの違いの説明や電気代の比較、蒸し器の情報など、私が知りたかったことが全部載っていたのでとても参考になりました!
ありがとうございました!(^^)