「ナノカミソリを暴露したドイツの化学者がYouTubeライブ中に逮捕されその後殺害された」は誤り
「ナノカミソリを暴露したドイツの化学者がYouTubeライブ中に逮捕されその後殺害された」は誤り。逮捕動画は暴露動画の1年前だから無関係。死因は心臓発作の自然死と警察が公表。水酸化グラフェン混入の根拠無し。元となるレポートがそもそもデマ。メーカーの組成表にも無し。
【解説】
2020年の逮捕動画と2021年の暴露動画を混ぜ合わせて創作されたデマ。デマの内容は以下の通り。
「ドイツの化学者Andreas Noack氏は、水酸化グラフェン(ナノカミソリ)がワクチンに混入されていると暴露したため、動画配信中に特殊部隊USKと私服警官に突入され逮捕。暴露動画を配信した4日後に謎の突然死をした」
◾️逮捕動画(2020/11)
https://youtu.be/OYsmk8OWP2M
◾️暴露動画(2021/11)
https://www.bitchute.com/video/AKCGsIfW30nj/
“LeadStories”、”Politifact”がファクトチェックでFalseと判定している。
◾️LeadStories
https://leadstories.com/hoax-alert/2020/11/fact-check-police-in-germany-did-not-arrest-a-lockdown-critic-live-on-youtube.html
https://leadstories.com/hoax-alert/2021/12/fact-check-covid19-vaccines-do-not-contain-razorlike-graphene-particles.html
◾️Politifact
https://www.politifact.com/factchecks/2021/dec/10/facebook-posts/german-chemist-was-not-killed-government-operative/
ファクトチェックでFALSEと判定されたポイントは以下。
1) 逮捕動画は暴露動画の1年前なので、暴露したことが理由で逮捕されたわけではない。この2つの動画は無関係だが、混同して「武装警察に殺害された」というデマまで派生している。
2) 逮捕動画の翌日も氏は動画を配信しており、「自分を脅そうとした心理戦だ」と発言し、逮捕の事実はない。ベルリンの最高検察庁は「当時外で起きていた抗議活動の為に氏のアパートに家宅捜索が入ったことは事実だが、それは氏を対象にしたものではない」と回答している。住人の確認をしたことを、逮捕劇に仕立てた演出の可能性があると”LeadStories”は指摘している。
3) 氏が殺害されたという証拠はない。氏は自宅で倒れ、オーストリア南部のヴォルフスベルグの病院に運ばれた。オーストリア警察当局は心臓発作で死亡した自然死だと発表している。
4) FDAに承認されたワクチンのファクトシートには、酸化グラフェンも水酸化グラフェン(GHO)も記載されていない。
◾️Pfizer-BioNTech ファクトシート
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/different-vaccines/Pfizer-BioNTech.html#:~:text=Ingredients%20in%20Pfizer,basic%20table%20sugar)
5) 酸化グラフェンも水酸化グラフェンも、ワクチンに混入されているとする根拠がそもそも無い。氏の説明は、酸化グラフェン混入を発表したアルメリア大学の研究者のレポートがベースになっており、その分光解析結果が「実は水酸化グラフェン(GHO)だった」と説明するが、このレポート自体がアルメニア大学から否定されたデマである。これについては既にチェック済みなので、以下をご参照ください。
◾️「ワクチンに酸化グラフェンが含まれている」はデマ
https://note.com/osamu_iga/n/n7face5e3a09f
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。