【資料】ワクチン接種歴データ
[2023/4/27更新] ◾️後藤厚労大臣答弁(2022/5/17)[動画1:55:30] ◾️CBCテレビ(2022/5/27) ◾️日経ビジネス2022/6/1) ◾️官房長官会見(2022/5/30) ◾️朝日新聞(2022/5/31)[有料記事] ◾️サンテレビ(2022/6/7) ◾️CBCテレビの追報 厚労省に電話して未接種扱い問題を確認しました ◾️参院厚労委員会(2022/6/7)[動画1:14:30] ◾️BuzzFeed Japan (2022/7/22) ◾️新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード ◾️新型コロナ感染症対策アドバイザリーボード ◾️新型コロナウイルス感染症 発生届の様式 ◾️HER-SYS 入力ガイド ◾️HER-SYS報告済み画面(2022/5/31時点) ◾️BuzzFeed Japan (7/22) ◾️新型コロナに関わるシステム
新型コロナ感染症対策アドバイザリーボードの資料で、何ヶ月にも亘り接種歴未記入が未接種にカウントされていた件、改竄か、人為的ミスか、システム不備か、色々と説が飛び交い情報が混乱しているので時系列で整理する。幾つかの報道(CBC、サンテレビ)が官房長官の会見と食い違いなど、情報が錯綜して更に複雑化させた。その後もCBCが「政府と自民党の発言が矛盾する」という追報を放送したが、BuzzFeedが詳細な検証記事を発信している。参院厚労委員会における石垣のりこ議員の質疑(2022/6/7)に対する厚労省回答が、概ね正しい事実と思われる。
ワクチン接種歴が未記入の方について、厚生労働省が未接種に計上し、感染研が接種歴不明に計上していたと。それを厚生労働省の資料においても国立感染症研究所と同様に、接種歴不明として取り扱うことといたしました。
https://youtu.be/0iTrvXZRJDg
接種歴有でも接種年月日が未記入なら「未接種」
接種の有無が空欄や不明の場合、全て「未接種」
新たに「接種歴不明」欄を設け、ここに算入
接種したと届け出のあった方を未接種として取り扱ったものではない。(動画6:30)
厚労省:
当初は接種歴がある新規感染者が少なかった為、何も入力がなければ「未接種」として扱い、その後も同じ運用を続けていた。
入力の負担を軽くするためで、未接種の感染者数を多く見せる意図はなかった。
ブレークスルー感染の人数を調べるために集計したもの。ワクチンの効果を示すものではない。
いつ打ったかわからない人が未接種にカウントされていた
河野前大臣と松野官房長官の発言が矛盾。
厚労省の回答音声は、神奈川県大和市議が厚労省のコールセンターに問い合わせたもの。
接種した日付けがわからない接種後の新規陽性者を未接種の新規陽性者に加えていたのか確認したところ、それを明確に認めました(録音あり)
よって、修正後に接種歴不明に移された陽性者を接種後陽性者に加えれば未接種陽性者を上回ることは自明です
質問: 立憲民主党 石垣のりこ議員
回答: 佐原健康局長
[以下、書き起こし]
質問)ワクチン接種歴別の新規感染者数に関する表として提示されているわけなんですが、(中略)ワクチン接種歴の未記入者、不明者を未接種の陽性者と分類していたというのは事実でしょうか。
回答)ワクチン接種歴を入力する欄は、当初、ワクチン接種者が非常に少なかったことから、医療機関や保健所等の現場の入力負担を少しでも軽減する観点から、接種歴を特に選択しない場合には、未接種としておりました。このような形で入力されたデータに基づき、これまで単純集計ではありますけれども、ワクチン接種歴別の新規陽性者に関する資料を作成してきたことから、昨年12月、HER-SYS入力画面のデフォルトを未記入に変更した後も、従来通りの取扱いに則り入力データを機械的に集計して、アドバイザリーボードに毎回公表してきたものであります。一方で、国立感染症研究所におきましては、昨年12月以降、ワクチン接種歴が未記入の方を一律に接種歴不明であるとした上で資料を作成し、やはり同じアドバイザリーボードで公表してきた経緯がございます。厚生労働省の資料の数字と感染研の数字との乖離が大きくなってきたこと、また、このことは本委員会でも4月に御指摘を頂きまして、5/11のアドバイザリーボード提出資料以降は、感染研における取扱いとの整合性を確保する観点から、厚生労働省の資料におきましても、接種歴が未記入の方は感染研と同様に接種歴不明として扱うこととしたものでございます。それから、接種不明者についての御質問がございましたが、先程お答えした内容と重複する部分があって恐縮でありますけれども、このHER-SYSにおける発生届の入力画面におきましては、ワクチン接種歴を入力する欄は3つございまして、接種歴有り、接種歴無し、接種歴の3種類が存在しております。その上で接種歴不明については、これを未接種者として振り分けたということではありません。あくまでも接種歴不明の方は接種歴不明として分類しているところでございます。
質問)接種歴不明の方を未接種の陽性者と合わせてカウントしていたということではないんですか。
回答)はい。接種歴不明の方については、これはあくまでも接種歴不明ということで未接種に分類したということではありません。
質問)未記入の場合を未接種の方に組み入れて、その陽性者としてカウントしていたということに対する妥当性はどのようにお考えですか。
回答)未記入の方の中には実際には接種した方も未接種の方も含まれておりますので、これをどういう風に処理していくのかというのは、あるいはそれがどういった形が適正なのかというのは、議論のあるところだと思います。ただ、今回はADBの場で公表する資料として、厚生労働省とそれから感染症研究所、2つの集計方法が異なるということについては適切ではないという風に判断をしまして、厚生労働省の方で修正をするということにさせて頂きました。
質問)この振り分けは自動的に行われるんでしょうか。それとも手作業で振り分けるんでしょうか。
回答)はい。これは手作業ではなくて、自動的に行なっております。(再質問に対して)システム上の振り分けで行っております。
質問)その自動的に振り分けるというシステムが変更されたということはありますか。これは事前通告していませんので、わかる範囲で結構です。
回答)HER-SYSの入力後、どういう風に集計上、それぞれのお答えをどこに集計していくのかということについては、これは手作業でやっているわけではなくて、ひとつひとつ確認しながらやっているということではなく、システム上で振り分けていることでございます。
質問)11/9までは「新規陽性者のうち接種歴が不明のものは含まれない」という但書が書かれているが、11/17からはこの表記が消えています。これはどうしてですか。
回答)はい。このワクチン接種歴別の新規感染者数というデータにつきましては、昨年の7/21のアドバイザリーボードから出させて頂いております。その後、様式の変更というのを何回かやっておりまして、我々も試行錯誤をしながらやっているところがございますが、現在の様式になりましたのは、10/13のアドバイザリーボードからのものになります。御指摘の脚注につきましては10/13に現在の様式になる以前の様式に、つまりその、計算方式のなかで本来用いられていました脚注なんですげど、従いまして10/13の時点で本来必要が無かったものなんですけど、これにつきまして削除が適切に行われていなかったということで11/17のアドバイザリーボードの資料から削除したという経緯がございます。
質問)ということは、この表の形式になった段階では、新規陽性者のうち、接種歴が不明の者は含まれないんじゃなくて、含まれることになったという判断でよろしいですか。
回答)もう一度お答え致しますと、HER-SYS上、接種歴が不明と明確にお答え頂いた場合には、これは接種歴不明と分類しております。一方でHER-SYSの画面上で接種歴が有るとか無いとか不明であるという記載が無かった場合には、これは未記入の場合ですので、これを未接種としてシステム上で集計していたということでございます。
質問)表記が4週間に亘り間違いであったとお示し頂いたのかと思います。(中略)こういう集計方法が変わったり母集団の定義が変わったりすることで、この表の信頼性が失われるものだと考えます。この表から何らかのワクチンの有効性、または効能が読み取れるものであるのかどうかということを伺いたいと思います。
回答)この資料につきましては、ワクチン接種別の新規陽性者数のデータなのではありますけど、これは一定期間内に発生した新規陽性者数を単純に集計したものでありまして、ワクチン接種から検査までの期間が考慮されていないこと等から、これにより感染予防効果が明らかになるというものではございません。例えばオミクロン株に対する1,2回目接種による予防効果につきましては、査読付きの海外の論文におきまして、経時適正に一旦は低下しますけども、3回目の接種により一時的に回復するということが示されているものでございます。こういったワクチンの効果につきましては、ワクチン分科会の方で議論して頂く際には、しっかりとした研究デザインのデータをもとに判断をさせて頂いているということでございます。
質問)こういう曖昧なデータを出して、それがひとつの根拠として、予防効果があるんだと示されてきたことが非常に問題なのだと思います。データの危うさそのものと、それをさも意味があるかのように提示し続けたことに問題があると思います。
「そもそも昨年12月1日から「HER-SYS」におけるワクチン接種歴の入力の仕方が変わりました。入力画面には接種回数ごとに「接種あり」「接種なし」「不明」という3つの選択肢があるのですが、画面の最初の状態(デフォルト)が「接種なし」になっていたのです。だから入力する人が何も確認せずに、その項目を入力しないでいると、自動的に「接種なし」として計上されることになっていました。単に接種歴を確認していないだけなのに、「接種なし」となるので、当然「未接種者」の数が過大になってしまいます。この問題については、私たちは当初からずっと指摘していて、厚労省の担当者と議論して、12月1日から、最初の状態が空欄(未入力)になるように設定を変えてもらいました。」
ワクチン接種歴別の新規陽性者数
「ワクチン接種歴が未記入の場合、令和4年4月20日までのADB提出データでは未接種に分類していたが、5月11日以降のADB提出データでは接種歴不明に分類している。」
これは、同会の鈴木先生提出資料から約6ヶ月遅れての修正になる。
鈴木先生提出資料
(第83回2022/5/11以降はデータ無し)
「HER-SYSにおけるワクチン接種歴は、第47週までは未入力の場合に「ワクチン接種なし」としてカウントされていたが2021年第48週からは未入力の場合に「接種歴不明」とカウントされるようになった」
改正前
https://www.mhlw.go.jp/content/000737647.pdf
2022/5/25改正(簡素化)案
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000942875.pdf
2022/6/30改正後
https://www.mhlw.go.jp/content/000958974.pdf
HER-SYSの入力は、カルテからの転記や患者への再確認が必要になる等、現場では不評である。接種歴は「年月日」まで入力しないと「接種歴有り」にならないシステム上の不備だという話もあるが真偽は定かではない。最終的にどのような場合にどのようなデータとして記録されるのか仕様がわからない。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00385864/040118bessi1.pdf
接種歴「有」で日付「不明」で登録可能である。(2022/5/31時点の状態である。過去にこのようにシステム修正された可能性もある)
https://twitter.com/oyanagi1/status/1531541460381667328?s=20&t=m84TyukmsPTzy5RUqjOSxQ
「そもそも昨年12月1日から「HER-SYS」におけるワクチン接種歴の入力の仕方が変わりました。入力画面には接種回数ごとに「接種あり」「接種なし」「不明」という3つの選択肢があるのですが、画面の最初の状態(デフォルト)が「接種なし」になっていたのです。だから入力する人が何も確認せずに、その項目を入力しないでいると、自動的に「接種なし」として計上されることになっていました。単に接種歴を確認していないだけなのに、「接種なし」となるので、当然「未接種者」の数が過大になってしまいます。この問題については、私たちは当初からずっと指摘していて、厚労省の担当者と議論して、12月1日から、最初の状態が空欄(未入力)になるように設定を変えてもらいました。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/268faa93badfed6c0007cce696431902dbf83a86?page=1
複数の異なる管理システムが乱立しており、データの突き合わせが困難になっている。
※図は増澤陸氏の記事より
https://news.yahoo.co.jp/byline/rickmasuzawa/20210428-00234966
【関連記事】 ◾️BUZZFEED NEWS(2022/7/22) 「2回接種者の死亡リスクが増。打てば打つほど感染しやすくなる」は誤り
未接種に比べて2回接種の感染率や死亡率が高くなる要因については以下を参照ください。
「新型コロナワクチン、2回目接種者の方が未接種者より感染しやすい? 厚労省が出しているデータの落とし穴」
https://www.buzzfeed.com/amphtml/naokoiwanaga/mhlw-covid-19-data-problem
https://note.com/osamu_iga/n/ne9b9eee9c0f5