「ワクチンでターボ癌になる」は根拠不明
[2023/7/18更新]
「ワクチンでターボ癌になる」は根拠不明。”ターボ癌”とは正式な医学用語ではなく、”ワクチン接種後の急激な癌の進行”を意味する造語。発端となった論文では、著者がワクチンとの因果関係は不明としている。日本の超過死亡に癌の増加は無い。進行癌が増えたとすれば、検査控えの可能性が考えられる。
以下はターボ癌関連の論文・記事 ◾️ターボ癌が存在する根拠とされた論文 ◾️Defender (2022/9/27) ◾️WERISE実行委員会(2021/10/21) ◾️論文(2023/5/1)
この論文で示された症例報告の患者が、論文の著書本人であることから信憑性が高まり、”ターボ癌”の名でSNSで拡散された。
frontiers in medicine(2021/11/25)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmed.2021.798095/full
Rapid Progression of Angioimmunoblastic T Cell Lymphoma Following BNT162b2 mRNA Vaccine Booster Shot: A Case Report
BNT162b2 mRNAワクチンブースター接種後の血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の急速な進行。症例報告
ワクチン推進派の有名医師が、ファイザー社のブースター注射で、彼の癌を過剰に増殖させたのではないかという疑念を公表した。
https://childrenshealthdefense.org/defender/doctor-michael-goldman-pfizer-covid-booster-shot-cancer/
https://www.werise.tokyo/dr-med-walter-weber-message/
ドイツ・啓蒙する医師団代表、Dr. med. Walter Weber氏より日本の医療関係の方々への手紙。
BALB/cマウスにCOVID-19のmRNAワクチン(BNT162b2)を静脈内投与した後にB細胞リンパ芽球性リンパ腫が発生した最初の症例を報告。結論は「直接的な因果関係の証明は依然として困難」とある。https://twitter.com/DiedSuddenly_/status/1677485075653435392
以下はターボ癌関連のファクトチェック ◾️THiP (2022/3/24) ◾️LEAD STORIES(2021/11/25) ◾️LEAD STORIES(2023/7/10)[UPDATED]
この論文は、たった1人の患者の観察を基にしている。著書はブースター接種が癌を引き起こすと結論付けてはいない。論文の結論は、ブースター接種がAITL(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫)の急速な進行を誘発した可能性があるとして、類似のケースを研究することを示唆しているだけである。
https://www.thip.media/health-news-fact-check/fact-check-do-covid-booster-shots-cause-rapid-cancer-growth/30391/
著者のMichel Goldman氏は、論文を根拠にSNSで拡散された”ターボ癌”について、「これは乱用で受け入れがたい解釈である」と語った。最大の懸念は、起こりうる副作用をワクチン接種の反対意見として利用されることであると述べた。論文が引用した症例は、非常に稀な攻撃的なリンパ腫の一例で、22日間の間に急速に進行したもの。確かに診療中にブースター接種を受けたが、接種を受ける前にAITLがどの程度広がっていたかが不明で、ワクチンとの因果関係については明らかになっていない。
https://leadstories.com/hoax-alert/2022/03/fact-check-pfizers-covid-booster-shots-do-not-cause-rapid-cancer-growth.html
(2023/5/1の論文を受けてアップデート)
この論文はmRNAワクチンが "ターボ癌 "と呼ばれるものを誘発することを示していない。Pfizer社は「ワクチンと癌の因果関係を示唆する観察結果は無い」と声明を発表。CDCは「ワクチンが癌の原因あるいは一因となるような予防接種後の癌の異常なあるいは予期せぬパターンを検出していない」と回答。
https://leadstories.com/hoax-alert/2023/07/fact-check-new-study-does-not-prove-pfizer-mrna-covid-19-vaccine-induces-turbo-cancer.html
人口動態統計で確認したが、癌による死亡者数は毎年増加傾向ではあるが、接種期間での顕著な増加は見られない。 ◾️人口動態統計
新生物(腫瘍)
2018年度 33,502
2019年度 34,345
2020年度 34,457
2021年度 34,766
2022年度 35,507
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
【追記】
ワクチンや治療薬の有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。