「マスクはエアロゾル製造機」は誤り。飛沫がマスクのフィルターを通ると、より細かな粒子に霧化され、エアロゾルを放出するので、マスクはかえって有害だという説があり、マスクを「エアロゾル製造機」と揶揄するツイートが散見されるが、いずれも論文を恣意的に切り取った誤情報である。
【解説】
誤情報を拡散したツイートと、曲解された論文の例を以下に記す。
元の論文を確認すると、ノーマスクより放出量が多いのは手作り布マスクのことで、サージカルマスクとKN95はノーマスクの約6倍減少とある。この論文の結論は、マスク装着はエアロゾル粒子の放出を防止できるとするもの。
元論文を確認すると、マスクフィルターによるエアロゾル化は現象として実験で示されているが、それがノーマスクより有害とする記述はどこにもない。これは寧ろ感染対策にマスクを推奨している論文である。
元論文を確認すると、「霧になる」とするのは単層か二層のマスクの話で、現在の標準的な市販品である三層マスクのことではない。寧ろ三層マスクは霧化による放出を防止するとあり、結論でも三層マスクは感染対策に有益だとされている。
同じ理屈でよく誤情報として流されるFögen効果については、以下を参照ください。