美祢市教育委員会は、日本で初めて発見された陸上脊椎動物ディキノドン類の化石が発見された同市大嶺町の化石採集場で行っていた発掘調査の調査結果をまとめた。日本最古の立ち木の化石をはじめ、植物やコウチュウ類などの化石が見つかり、同市大嶺町東分の市歴史民俗資料館で開催中の報告展で公開している。9月3日まで。
ディキノドン類の化石は2010年5月に化石採集場で約2億3千万年前の地層から見つかった。調査を経て同類の化石だと分かり、市が18年2月に発表。同市の公式キャラクター「ミネドン」のモチーフにもなっている。
大嶺炭田があった化石採集場には、中生代三畳紀の地層「美祢層群」が露出。ディキノドン類の他、東アジア最古の「潜葉痕」と呼ばれる葉の中に虫が食べた後が残る化石などが見つかっている。調査は18年から始まり、23年まで行われた。
報告展では、市内での展示が約5年ぶりとなるディキノドン類の歯と顎、頭の骨の一部に加え、シダ類の潜葉痕を“目玉”として展示。生きたまま土砂などに飲まれた日本最古の立ち木の化石は炭化しており、パネルや写真で紹介している。
今回の調査で発掘されたシダ類やトクサ類などの植物とゴキブリ類やコウチュウ類などの化石約40点も紹介。普段は公開していない大嶺炭田から産出された昆虫や魚類など動物の化石など計約100点も公開しており、手で触れることができる化石もある。
市文化財保護課の高橋文雄特別専門員(67)は「ディキノドン類をはじめ、通常は展示しない化石を紹介している。大嶺炭田は植物化石がたくさん出ており、研究中の化石もたくさんあるので、もっと魅力を知ってもらえれば」と呼びかけている。入館無料。月曜定休。問い合わせは同館(電話0837・53・0189)へ。
(山田貴大)
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