一般社団法人Colabo代表の仁藤夢乃氏が、夜の街からシリーズというYouTubeにアップしている動画で、あたかも買春施設のように語っていたフィリピン、マニラ市内の店舗「ORANGE5」が、売春施設とはほぼいえないことが現地取材の結果、分かった。仁藤夢乃氏は、この動画を根拠にTwitterで寄付を募っており、実態と異なる女性の貧困を謳って自己の団体に集金する行為は詐欺罪を構成する可能性がある。
これが登場するのは『夜の街から』vol.10:2023年8月7日フィリピン・マニラで女性を買う日本人男性という動画。
この動画の中でのおおまかな仁藤氏らの主張は①日本人売春客がフィリピンに来ている②撮影した被写体は日本人である③店舗は売春サービスを行うか、それを取り次ぐものであるという3つの言明に分解できる。
(男性2名が問題の店舗に入っていくシーン。ORANGE5という店舗名が確認できる)
該当部分の発言は文字に起こすと、仁藤夢乃氏と同行している社民党系活動家の菱山奈帆子氏が「2人で安全なところかってことをチェックして上で入っていったのを目撃しました。わざわざ飛行機を取ってここまできてそれでフィリピンのお店に入っていく。そして交渉次第で性交渉もできる。そういうことをやっている。本当に信じられない。」と述べ、それを受けた仁藤夢乃氏が「男たちばかりが儲かる仕組みになっていて、少女や女性たちは痩せてる方も多いです。貧困層の方ばかりだけど」などと繋ぐ。
仁藤氏によると、ご支援の依頼として「街には路上で暮らす家族やストリートチルドレン、物乞いをする子どもたちもいるフィリピンで見た日本人買春者や業者の実態をお伝えします。ぜひご覧ください。私たちは2023年度から、少女たちからの信頼と安心安全を守るため、東京都からの委託や補助金に申請することは辞め、市民の方のご寄付で自主事業として活動することにしました。活動を続けるためにご支援をお願いいたします。」などとして、コラボHPの寄付を募るページのリンクを貼っているところ、仁藤夢乃氏がマニラ女性の困窮状況としてアピールした店舗は、売春店舗とはほぼ言い難いため、実態と大きく異なる内容を喧伝しての寄付の集金行為であり、刑事の詐欺罪に当たる可能性がある。
また民事上も、仮にこの動画を見て感心した支持者が寄付をした場合には、詐欺取消、錯誤取消、不法行為に基づく損害賠償請求の対象なり得る。加えて、この動画に出演して店舗を紹介している菱山奈帆子氏にも仁藤夢乃氏およびコラボとの共同不法行為が、勘違いして募金した寄付者に対して成立する余地がある。
(昼のオレンジ5。筆者撮影)
筆者の裏付け取材は8月19日から21日までの3日間「オレンジ5」に、いやらしそうな日本人客として来訪して、店舗内で実施した。初日が開店直前の18時40分から閉店の午前3時まで、2日目が午後8時から0時まで、3日目が開店前の18時30分から午後23時30分までの合計16時間にわたり、ビデオを回す、録音するなどしながら周囲の客の構成、女性との接し方などを観察する方法で調査した。
初日はスマートフォンでネット記載の住所を頼りに訪れたものの、店舗の位置がアイフォンのマップとかなりずれていたため、「いかにも」なポン引きに尋ねたところ200〜300メートル、マップと離れた場所で店舗を確認、入店した。
3日間の取材結果として、結論からいうと、客には大別して3種類おり①主にカラオケをよく歌う客(歌っていない間は女性を傍に「はべらかす」のを楽しんでいた。歌唱力は高く、のど自慢風のタイプ)②女性らをそばに置いて酒を飲みながらよく話す客(このタイプが最も多かった。複数名で来店する場合は特にこの手の客であるケースが多い)、そして③女性の肩を抱く、キスをする、服をまさぐるなどする「エッチな」客に分類できた。
(筆者撮影の店舗内写真)
なお料金体系は90分の飲み放題(フィリピン製ウイスキー2種類、JINRO、サンミゲルビール3種から選べる)が2000円である(*1ペソ4円で換算。「400ペソ」ということだったが、それにサービス料、税などをかけた複雑な料金体系をしていたので、実際の支払額ベースで金額は記載)。そして女性一人を同席させるごとに、あるいはドリンク(一杯で1500円程度から3000円程度)を女性に飲ませるごとに料金が追加される仕組みである。
強いていうなら③タイプが最も「買春」に近い客であるが、筆者が16時間ほどかけて合計30名ほどの客を確認した限りでは、手や口の利用を含む性行為をしている様子は見受けられず、また店舗外へ女性とともに出たケースも観察の限りではなかった。なお店舗内にはVIPルームと称される部屋もあったが、どれほどいやらしそうに「この部屋で特殊な行為ができるのか」と聞いても、従業員らは首を縦に振らず、そういう店なら他にあるという旨の紹介にとどまった。
仮に仁藤氏らここで売春を行なっていると主張したい場合は(1)店舗内で売春していることを押さえるか、(2)連れ出しで①店舗を従業員女性とともに客が出てくる場面と、②その2名がホテルに出入りするようなシーンを両方とも押さえる必要があると思われる。
ところで、エコーニュースとコラボの裁判で問題になっているコラボの脱税疑惑にも、この仁藤夢乃の甚だしい事実誤認(あるいは誤導)は陰を落とす。というのは、仁藤夢乃氏ら一部役員が研修名目で毎年のように(少なくとも2014年から2018年まで)フィリピンへ旅行していたのに、売春している店とそうでない店の区別がろくに付いていないとしたら「遊び呆けていた」可能性が高いからである。
仁藤夢乃氏らのこのテンプレート的な海外売春批判はまた、「活動」としても過去の二番煎じであるという感を免れない。例えば、売春取り締まりを訴える団体の老舗である「日本キリスト教婦人矯風会」の出版した百年史を紐解くと、例えば1973年、実に半世紀前から海外売春ツアーは日本で社会問題とされている。仁藤氏らは極めて安易にその「型」を踏襲して、事実確認を行わずに印象だけでビデオを作り上げているように思われる。
ともかく、ここは冒頭で仁藤夢乃氏らが紹介したような種類の店舗ではなかった。同行した男性(稲葉隆久理事のようなフォルムである)が囮捜査のようにして入店しさえすれば、確認できるミスをなぜ犯すのか筆者には理解できない。細かい部分で言うと経営者は少なくとも表面上はふくよかな中年の「ママ」さんで、営業開始前のミーティング(ホストクラブの朝礼を思わせる、体育会系ノリのもの)を仕切ったり、切り盛りしていた現場での最高責任者は女性である。なので、仮に裏には別の男性の金主がいる可能性を排除できないとしても、「女性が搾取されている側」という簡単な図式ではない。なお仁藤夢乃氏らが「援交カフェ」として同じ動画の中で紹介していたバー(LA CAFE)は、確かに売春婦が客待ちをする施設であった。
もう少しいうと、50年前の矯風会のように「本当に」売春施設で苦しんでいる女性をコラボが援助しているならば、その店を扱えばいいわけで、見当違いのスナック・キャバクラ的なこの店を売春店舗とする理由がない。おそらく仁藤夢乃氏らはどの店が売春店舗かもちゃんと把握せず、(あとまた裏どりしようとする人間もいないものとたかを括り)適当にイメージで動画を作っているだけに見えた。
ともかくこのオレンジ5、日本で言うとおそらく、「キャバクラ」「スナック」に類する店舗で、それを仁藤夢乃氏らはソープランドと主張しているのに近い。なお、このマニラ取材はいくつかの点で興味深いため、2回に分けて掲載する(後編に続く)。より詳しい、店舗の構造や雰囲気、営業形態などは動画であらためて紹介する。
関連記事リンク 野党の支持母体「一般社団法人Colabo」の分析(1) 年間収入1億8000万円で岸田首相政治資金団体以上の集金力に、公称サポーター数1647名 仁藤夢乃氏32歳の絶大権力
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(2)・・・フェミニズム要素は皆無のスタート 「社団法人」という選択の成功
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(3) 取材対象の少女に著書を配布と、労働力確保のビジネスモデル
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(4)赤旗から聖教新聞、朝鮮総連系まで広い露出ーー「日本会議・左派バージョン」の迷彩戦術
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(5)資金源は意外な「保守・警察系」団体・・・2018年以降は助成金の支払い元がどんどん追跡困難に
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(6)共産党「赤旗」は「機関誌」でなく「新聞」あつかい・・・赤旗への露出率は年々増加
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(7)出所不明の助成金は誰が出したか・・・出資「していそうな」側の記録で追う・・・一握りのサークルで「助成金ジャック」する慈善業界の格差構造
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(8) 10代後半の仁藤夢乃が見た風景・・・クルド難民支援から「女子高生サポートセンター」への脱皮
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(9)実践倫理宏正会との対比で見る、掴みどころのなさ
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(10) 学生運動から生まれた「政治教会」・・・農園=宣教場と宣言した牧師が特異な予備校講師として仁藤夢乃を導いた軌跡
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(11)「ボランティアなら被害少女の体験を」・・・過酷なロールプレイに見る、採用方針と内面統制
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(12)仁藤夢乃氏の削除したツイッターアカウントと投稿内容で見るコラボ・・AKBを踊りアニメファンで下ネタ好きの意外な素顔
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(13)操作されたメディア 仁藤夢乃氏「メディア総出で準備を手伝った」ーー『私たちは買われた展』が記者に作られるまで
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(14)ノンポリ風の「お姉さん」が、反基地フェミニストへ向かう過程ーー左派展開と明治学院大教諭らの影
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(15)仁藤夢乃を導いた阿蘇牧師のインテリ教会ーーー中国国内で公安の目をかいくぐり北朝鮮情勢を調査した異色の韓国人牧師・賈晶淳氏
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析の分析(16)安全のため訪問は受け付けずという虚偽見解 9年前は初回納入金24万8000円〜のスクールビジネス
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(17) フェミニズム以前の幸せな日々ーー仁藤夢乃氏のアイドル嫌いと「キモいおじさん」発言はどこから来たのか
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(18) 2つの「コラボ」・・・NPO法人カタリバによる東北コラボの存在と、仁藤氏コラボの分離・独立
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(19)国会議事録で読むコラボと、人の導線でない新宿区役所から「動かない」バスの謎
「一般社団法人Colabo」の分析(20)仁藤夢乃と稲葉理事の出身母体 年間収入16億円の巨大NPO法人「カタリバ」・・・相方経営と教育スタートという共通項
「一般社団法人Colabo」の分析(21)軽度知的障害者らの支援と、政治動員という倫理的ジレンマ
「一般社団法人Colabo」の分析(22)キリスト教婦人矯風会とコラボ① 1886年の禁酒運動から戦後の左傾化・・・「神の宮」としての人体と、理想の毛沢東体制
「一般社団法人Colabo」の分析(23)矯風会とコラボ② 機関紙にコラボ役員の「ゴースト出演」と、「ツイフェミ化」した矯風会
「一般社団法人Colabo」の分析(24)英語HPでの扇動問題「東京の女子中高生が路上生活」「女子高生五千人はJKビジネスの影響下」
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(25)東京都からのバスカフェ業務委託と、個人情報保護条例に関する諸問題」
「一般社団法人colabo」の分析(26)福祉名目で困窮した少女に接近して、政治動員へ転用の体制に個人情報保護法違反の疑い
「一般社団法人Colabo」の分析(27)近隣団体・個人への攻撃性と、その戦闘員としての少女兵たち
「一般社団法人Colabo」の分析(28)初の著書は景表法違反の疑い濃厚なステマレビューで売り出しだった・・・マーケティング至上主義のニヒリズム
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(29)ピンクバスの謎・・・コラボが頻繁に交換費用を計上のタイヤ、なぜか8年前の2014年製造と刻印 車体確認で判明
「一般社団法人Colabo」の分析(30) 開示文書67ページ、ほぼぜんぶ手書きの「仁藤夢乃日誌」で読むコラボ
関連記事リンク 「一般社団法人Colabo」の分析(31)パンフレットはページ単価3000円未満に名刺デザインは〜1485円・・・クラウドワークス発注案件で見えるコラボの「倹約」経営
「一般社団法人Colaboの分析」(32)コラボが急に開示文書に予定外のバスカフェを実施・・・情報公開請求した文書と相違で判明(と、住民監査請求についてのやや長い注)
「一般社団法人Colaboの分析」(33)地方議会の会議録 全30件から見るコラボ・・・仁藤夢乃氏、令和元年以前の「全方位外交」戦略と、翌年以降の共産党接近過程
「一般社団法人Colaboの分析」(34)地方議会議事録で見るコラボ②・・・議員のゴリ押しと、財政民主主義からの「治外法権」特権
「一般社団法人Colaboの分析」(35)仁藤夢乃氏、居住実態のない新宿事務所に住民票を移転か 公正証書原本不実記載罪・公職選挙法違反(詐偽登録罪)などの疑い
「一般社団法人Colaboの分析」(36)仁藤夢乃が書き変え続けたコラボ設立趣意書・・・8つの変わった「私たちの想い」
「一般社団法人Colaboの分析」(37)仁藤夢乃氏「沈黙」の深淵 ソープ、デリヘル、ピンサロへの「無関心」に浮かぶ警察団体との助成金コネクション
「一般社団法人Colaboの分析」(38)仁藤夢乃氏に弁護団結成も「沈黙」の背景・・・受託事業評価委員に虚偽報告など大量の疑い
「一般社団法人Colaboの分析」(39)違和感満載のバスカフェ契約書・・・福祉のはずがまるで工事・・・「材料」「工具」条項に、謎の「直接折衝」案追加
「一般社団法人Colaboの分析」(40)「買春男性ウォッチ」の活動報告書、報道後に活動報告書を突如、「空白」に変更が再度の情報公開請求で判明・・・仁藤夢乃氏および関係者に私文書偽造罪の疑い
「一般社団法人Colaboの分析」(41)仁藤夢乃氏・デビュープロデューサーはのちの大阪府警トップ廣田耕一・・・真の「恩人」は警察キャリア
「一般社団法人Colaboの分析」(42)元警視総監、警察大学校長らと肩を並べる27歳の左派運動家、仁藤夢乃・・・警察内部向け雑誌の表紙に登場の異例抜擢
「 一般社団法人Colaboの分析」(43)仁藤夢乃、2014年の主張は「成人補導」制度 ・・・逮捕状なしで国民を引っ張れるというディストピア案に、安倍昭恵の最優秀賞
「一般社団法人Colaboの分析」(44)仁藤夢乃氏主張のバス傷、現地撮影の動画で検証・・・数年前から修理なしのボロボロ箇所 バス修理費150万円詐欺の疑い
「一般社団法人Colabo」の分析(45)「JK専門家」仁藤夢乃の隠れた出発点は安倍晋三・親族の「超アベ友」主催「女子高生会議」 「JK連呼」の悪趣味政治
「一般社団法人Colaboの分析」(46)仁藤夢乃氏 アパート経営業とモラルハザード構造・・・想定リターン3億4千万と障害者自立へのアンビバレンツ
2015 関連記事リンク: 「日本は児童買春の国」・・・秋葉原でJKの服装をしただけの女性を写した写真を根拠に、外国特派員協会で記者会見が開催
2015 関連記事リンク: 仁藤夢乃氏 フィリピンで講演メイドカフェを「日本は児童買春の国」の証拠と主張したスライドをまた使用
2015 関連記事リンク: 「JKビジネスをする少女の3人に1人は給食費のために働いている」・・・仁藤氏の社団法人Colaboにより、複数の外国有力メディアが日本を女性蔑視の国と攻撃
2015 関連記事リンク 児童買春、根絶目的の社団法人Colabo「繋がりを持てないJKを助けるためにスマホ下さい」と訴え・・・何故かアップル製品を指定