東証プライム上場のコンサルティング会社、「アイ・アールジャパン」社の元副社長によるインサイダー取引事件で、元副社長は初公判で起訴内容を認めました。検察側は懲役1年6か月を求刑し、裁判は即日結審しました。
コンサルティング会社「アイ・アールジャパン」の元副社長・栗尾拓滋被告(57)は、おととし、会社の売り上げが予想より低くなることを公表前に知り、知人2人に損失を回避させる目的で株を売るよう勧めたとして、金融商品取引法違反の取引推奨の罪に問われています。
きょう午前、東京地裁で開かれた初公判で、栗尾被告は起訴内容を認めたうえで「市場の公正を害し、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
検察側は冒頭陳述で、知人2人について「栗尾被告が生活費を援助する不倫相手で、自身の業務を通じて得た企業の内部情報に基づき複数の銘柄の株取引を勧めていた」と指摘。
そして、「被告はアイ・アールジャパン社が業績の下方修正を公表すれば株価が下がると確信し、2人に『うちの株下がるから売った方がよい』などと言って株を売り付けるよう勧めた」と述べました。
その後行われた被告人質問で、栗尾被告は「この程度なら許されるという大変甘い判断でした」と語りました。
検察側は懲役1年6か月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審しました。
判決は10月5日に言い渡される予定です。