私は、”山下達郎”のファンです。
出会いは、1980年に発売された「RIDE ON TIME」という楽曲でした。
それからずっと達郎さんの音楽と共に人生を歩んできました。
そんなある日、SNSのX(旧Twitter)で達郎さんが炎上していることに気づきました。
なぜ達郎さんが炎上しているのか?
調べてみると、そこにはジャニーズ事務所との深い関わりがありました。
それについて、時系列に沿って分かりやすくまとめてみました。
はじめに
達郎さんには私以外にも根強い達郎ファンがたくさんいてここ数年チケットが取りにくい状況ではありますが、2022年には運良く愛媛で行われたホールツアーに参戦することができました。
達郎さんは、「私の体力が続く限りツアーで全国を周りたい」とおっしゃっていて、その言葉どおりに2023年も6月30日から全国ホールツアーが始まっていました。
もちろん今年も参戦するつもりで近隣のツアーに申し込んでいましたがことごとく落選し、大阪城ホールのチケットの当落の結果待ちの時にそれは起こりました。
7月2日に6月30日の初公演がどうだったのかが気になり、X(旧Twitter)で検索していると何やら不穏な書き込みが‥。
不穏な書き込み①
ジャニーズ事務所を擁護とは?
不穏な書き込み②
ファンやめます、チケットを手放すって何?
不穏な書き込み③
失望しました?もう聴きません?
松尾潔さんの契約打ち切りってどういうこと?
一体どうなっているんだろう‥。
調べていると、こちらのツイートが目に止まりました。
達郎さんが炎上するきっかけとなったツイートが上がる
どうやらこちらの音楽プロデューサーの松尾潔さんのツイートが発端のようでした。
達郎さんの名前を名指ししてツィートした松尾さんとは一体何者なのか?
その意図が知りたくてその後の動向に注目していると、4日後に次のようなツイートがあがりました。
このツイートの中に記載されている#日刊ゲンダイの記事の中に、
何故、松尾氏がスマイルカンパニーを中途で契約解除されることとなったのかが詳しく書かれていました。
松尾潔氏が明かす『スマイルカンパニー契約解除の全真相』の内容
松尾氏が明かす『スマイルカンパニー契約解除の全真相』が書かれている#日刊ゲンダイの記事はこちらです。↓
こちらの記事↑を参考にしながら、分かりやすくまとめてみました。
スマイルカンパニー(SC)とは
- 日本の芸能プロダクション。
- 山下達郎のマネージメントが目的で立ち上げた会社。
- 立ち上げ当初(1978年)は「ワイルド・ハニー」だったが、1982年に小杉理宇造氏の社長就任を機に「スマイルカンパニー」に社名を変更。(小杉理宇造氏は、近藤真彦のディレクターでもあったため、ジャニーズ事務所との関係が深い。)
- 現在の代表取締役社長は小杉周水氏。(前社長の小杉理宇造氏の息子)
松尾潔氏とは
- 1968年1月4日生
- 音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、音楽ライター、小説家。
- 通称はKC。
- 2009年に山下達郎に誘われて、スマイルカンパニーと提携を結んだ。(2023年6月30日契約解除)
- 音楽プロデューサーやソングライターとしては、SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューの際のブレーンの一人として、あるいは平井堅のブレイクの仕掛け人やCHEMISTRYの生みの親として彼らを成功に導き、日本の音楽シーンに多大な貢献をしている。それ以外にもEXILE、三代目J Soul Brothers、東方神起、DOUBLE、JUJU、由紀さおり等、数多くのアーティストの楽曲制作に携わっている。<ウィキペディア(Wikipedia)より>
松尾氏と山下家、小杉家(SC)との関係性
- 山下達郎と小杉理宇造氏(SC前社長)はビジネスパートナーだった。
達郎氏は理宇造氏に絶大な信頼を寄せていた。 - 松尾氏は、2009年に以前から交流があった山下達郎に誘われて、SCと提携を結んだ。
達郎氏とはブラックミュージック愛好家同士。達郎氏に対して憧れと、尊敬と、信頼を抱いていた。 - 達郎氏が小杉理宇造氏に絶大な信頼を寄せていたので、そのまま松尾氏が小杉氏を信頼する理由になった。
何故、松尾氏は「ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及」したのでしょうか?
松尾氏が「ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及」した経緯と理由
- 松尾氏は、2023年3月、英BBCのドキュメンタリー『喜多川氏の性加害疑惑の実態を暴く』を観てはげしい悔恨の念に襲われ、「まずは、注視、そして気になるところがあれば声をあげればいい。変えていけばいい。」と思っていた。
- BBCの番組が『喜多川氏の性加害問題の実態を暴く』を放映後、元ジャニーズ所属タレントの性被害告発が度重なり、それを受けて同年5月14日、藤島ジュリー景子社長が動画と文書で公式見解(※1)を発表した<(※1)の内容は後ほど記載>
- それを受けて、翌15日の朝、松尾氏がスタッフの求めに応じて、福岡RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』の番組内でジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子に言及(※2)した。<(※2)の内容は後ほど記載>
それでは、藤島ジュリー景子社長が発表した公式見解(※1)及び、
松尾氏が言及した内容(※2)はどういうものだったのでしょうか?
藤島ジュリー景子社長が発表した「公式見解」(※1)の内容
BBCの番組が『喜多川氏の性加害問題の実態を暴く』を放映後、元ジャニーズ所属タレントの性被害告発(※3)が度重なり、それを受けて同年5月14日、藤島ジュリー景子社長がジャニーズ事務所の公式サイトにて動画と文書で公式見解を発表しました。
◼️元ジャニーズ所属タレントの性被害告発(※3)一部
- 元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)が、4月に記者会見で、「15歳で入所した2012年から16年の間に、ジャニー喜多川氏から15回から20回にわたって性被害を受けた。他の少年も被害に遭うのを見た」などと訴えていた。
- 俳優でダンサーの橋田康さんら元ジャニーズJr.の複数の男性が喜多川氏から性被害を受けたと証言していた。
このような告発が度重なり、動画と文書で公式サイトにて公式見解を発表しました。
動画内のコメント(全文)はこちら↓です。(公式サイトより引用)
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[項目] 藤島ジュリー景子社長の動画内コメント(全文)
株式会社ジャニーズ事務所代表取締役社長、藤島ジュリーでございます。この度は、創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます。何よりもまず被害を訴えられている方々に対して深く、深くお詫び申し上げます。そして関係者の方々、ファンの皆様に大きな失望とご不安を与えてしまいましたこと、重ねてお詫び申し上げます。大変遅くなりましたが、各方面よりいただいていたご質問に対して、このあと書面にて回答させていただきます。
文書(書面)での回答(全文)はこちら↓です。(公式サイトより引用)
\ 項目を開くには、項目の右端の▼をクリックしてください。(▲は閉じる)/
[項目] 各方面から頂戴したご質問への回答(全文)
なぜ、すぐに会見を行わなかったのか?
まずは事実を確認し、責任を持って対応すべきだと考えました。
個人のプライバシーにも関わる非常にデリケートかつセンシティブな問題であったため、カウンセラーや弁護士など専門家の協力を得ながら、声をあげられた方とのご対面、社内調査、具体的対応策についての協議等を慎重に進めておりましたことから、広く皆様にお伝えするまで時間が経ってしまいました。対応が遅くなった点に関しまして、お詫びいたします。
BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発について、どのように受け止めているのか?
事実であるとすれば、まず被害を訴えておられる方々に対してどのように向き合うべきか、また事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題だと受け止めました。
あらためて事実確認をしっかりと行い、真摯に対応しなければならないと思いました。
BBCの番組報道、またカウアン・オカモトさんの告発は事実か?
当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません。加えて会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております。
一方で、当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について「事実」と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。
とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております。
ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、またジュリー社長は知らなかったのか?
知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした。
このことを説明する上では、当時のジャニーズ事務所がどのような意思決定で運営されていたかについて、ご説明する必要があると思います。
週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました。情けないことに、この二人以外は私を含め、任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は、できない状況でした。また管轄外の現場で起きたことや、それに対してどのような指示が行われていたのか等も、そもそも全社で共有されることはなく、取締役会と呼べるようなものも開かれたことはありませんでした。本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました。
振り返るまでもなく、その状態は普通ではなかったと思います。ただ、1962年の創業時からずっとこの体制で成長してきたこともあり、ジャニーとメリーの二人体制=ジャニーズ事務所であることを、所属する全員が当然のこととして受け入れてしまっていたように思います。私自身その異常性に違和感を持つことができなかったわけで、ただただ情けなく、深く後悔しております。
2003年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか?
また何も対策をしなかったのか?
この訴訟は、週刊文春の記事に対し「許しがたい虚偽である」とメリーが憤慨し、名誉毀損であるとしてジャニーズ事務所側が株式会社文藝春秋らを訴えたものでしたが、その詳細については私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できておりませんでした。
あくまで私の推測ですが、メリー自身もジャニーの問題とされている行為に対しては、心の底から「やっているはずがない、ありえない」そう思っていたからこそ、自ら民事裁判で訴えに出たのだと思っております。
最終的に私どもが一部敗訴し、週刊文春の記事が名誉毀損とまでは言えないと判断されましたが、当時の裁判を担当した弁護士、裁判に関わった役員へのヒアリングによるとその時点でもジャニー本人は自らの加害を強く否定していたこともあり、結局メリー及び同弁護士から、ジャニーに対して「誤解されるようなことはしないように」と厳重注意をするにとどまったようです。いずれにせよ 私個人としては、取締役という立場でありながら、積極的にその責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えております。
再発防止策をどのように考えているか?
再発防止策を講じるにあたっては、初期の段階から弁護士をはじめ、様々な分野の有識者の方々から、会社としての問題点や改善策についてご指摘やご意見をいただいてまいりました。大前提として、私が代表に就任して以降は、エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て、コンプライアンスの強化を進めており、「ホットライン(匿名相談窓口)の設置」、未成年に対する「保護者同伴の説明会の実施」、「コンプライアンス教育の実施」、「保護者宅からの活動参加」等を推進してまいりました。しかし今回の件を受け、二度と同じような事態を起こさないためにも、外部からの協力も得ながら「コンプライアンス委員会」を設置しており、これまで以上に取り組みを強化、徹底させてまいります。
さらには、企業のあり方や社会的責任として不安な点がないか、社内外に適切なコミュニケーションが行われているか、また社内の価値観や常識だけで物事を判断していないか等、外部の厳しい目で指摘する役割として、社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めております。新しい社外取締役については、確定次第改めて発表させていだく予定です。
何故、第三者委員会を設置して徹底調査をしないのか?
当初よりこの問題は、社内のみで解決すべきではないとの観点で、第三者委員会の設置による実態の徹底究明のあり方についても、弁護士や外部の専門家・有識者を交えて検討いたしました。しかし調査段階で、本件でのヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいこと、ヒアリングを受ける方それぞれの状況や心理的負荷に対しては、外部の専門家からも十分注意し、慎重を期する必要があると指導を受けたこともあり、今回の問題については別の方法を選択するに至りました。
既に告発された方、また今後あらたな相談をご希望される方のために、外部のカウンセラーや有識者、弁護士や医師の指導のもと、相談をお受けする外部窓口を月内に設置致します。相談者の秘匿性を守り、客観的にお話をお聞きするため、外部の専門家の協力を得る予定です。
カウアン・オカモト氏とは会ったのか?会ったのであれば何のために会ったのか?
お会いしました。私が直接お会いして、長い時間お互いにお話をしました。今後このようなことが二度と起こってはならない。その為にも彼が声をあげられたということを深く理解しました。
一方でご本人以外の他人のプライバシーに関わる問題や、憶測を助長するようなご発言に関しては、私の見解をお伝えさせていただきました。
まだまだこれからではありますが、私たちが変わるきっかけを下さったと受け止めております。
被害を訴えてきた方たちに対して、どのように向き合う予定か?
デリケートな内容であり、詳細については検討中ではありますが、被害を訴えておられる方々、精神的に苦しんでおられる方々に対しては、カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります。それをやらずして、私たちに未来はないと考えております。
ご自身の経営責任をどう考えているか? また責任がある場合どう責任を取るとお考えか?
責任はあったと考えております。当時の私は、取締役とはいいながらも名ばかりとなっており、その職責を果たせていませんでした。また本件については自らも積極的に知ろうとしたり、追求しなかったことについて責任があると考えております。責任の取り方ですが、私が辞職する選択肢も考えました。ただ今すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えております。
あらゆる厳しいご意見も真摯に受け止め、所属しているタレントたちの今、そして未来への想いを尊重しながら対話を重ねていく、それが自分にできる責任の取り方だと考えております。
あらためまして心よりお詫び申し上げます。
2023年5月14日
株式会社ジャニーズ事務所
代表取締役社長 藤島ジュリーK.
ジャニーズ事務所の公式サイトはこちら↓です。
この公式見解から分かること
- 性加害問題については、「目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております。」としながらも、「事実であるとするならば」に留まり、あったとは認めていない。
- ジャニー喜多川氏の性加害を事務所、また藤島ジュリー社長は知らなかったのか?
・知らなかったでは決してすまされない話だと思っているが、知らなかった。 - 2003年の週刊文春との高裁判決で敗訴しているが、その時点でもまだ、性加害の事実を認めなかったのか?
また何も対策をしなかったのか?
・この訴訟は、メリー喜多川(ジャニー喜多川の実姉)が、週刊文春の記事に対し「許しがたい虚偽である」と憤慨し、名誉毀損であるとしてジャニーズ事務所側が文藝春秋らを訴えたものだったが、その詳細については一切共有されておらず、今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで詳細を把握できていなかった。
・ジャニー本人は自らの加害を強く否定していたこともあり、結局メリー及び同弁護士から、ジャニーに対して「誤解されるようなことはしないように」と厳重注意をするにとどまってしまった。 - 再発防止策をどのように考えているか?
・社外取締役を迎え入れて経営体制を抜本的に見直すよう、現在人選、依頼を進めているとしている。 - ヒアリングを望まない方々も対象となる可能性が大きいなどの理由から、第三者委員会は設置しない。
- ご自身の経営責任をどう考えているか? また責任がある場合どう責任を取るとお考えか?
・責任はあった。
・すべきはこの問題から逃げることなく、被害を訴えてこられた方々に向き合うこと、さらにこれから先、二度と同様の問題が起こらないよう、既に着手し始めている経営改革、社内意識の抜本的改善をやり抜くことだと考えている。
・あらゆる厳しいご意見も真摯に受け止め、所属しているタレントたちの今、そして未来への想いを尊重しながら対話を重ねていく、それが自分にできる責任の取り方だと考えている。
これを読むと、ジャニー喜多川による性加害が事実であったことは認めていないし、自身の退任についても語っておらず、改革、社内意識の抜本的な改革をやり抜くといっても自社の都合がいいようにするだけで、とても問題が改善するようには思えません。
そこで、このままではいけないと警鐘を鳴らしたのが松尾氏です。
では、松尾氏が『ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及』(※2)した内容はどんなものだったのでしょうか
松尾氏が「ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及」した内容(※2)
松尾氏は、藤島ジュリー景子社長の公式見解発表直後に、次のようにツイートしました。
まずは記者会見を。
企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか。
「エンタテインメント業界という世界が特殊であるという甘えを捨て」る覚悟がおありなら、ジュリーさん、これを機に膿を出しきりませんか。
才能ある所属タレントの未来を守るためにも。
問題は、ジャニーズ側が「ジャニー喜多川による未成年者に対する性加害」があったと認めていないことです。
当事者が亡くなっていても、それを放置してきた会社にも責任はあります。
「未成年者に対する性加害」は犯罪です!
一方的な自社動画と文面だけで済まされる話ではありません。
そこで松尾氏は、
第三者委員会を設けましょう。
事実を認め経営陣が引責辞任しなければ、今いるタレントも守れません。
とも言及しました。
また、翌15日の朝、松尾氏が、福岡RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』の番組内で次のように言及しました。
今回の疑惑を放置することは、ジャニーズ事務所だけの問題じゃないと思っています。
一番の弊害は、今回の報道やマスコミの有り様を見た子供たちが、もし性犯罪・性暴力の被害者になったとき『声を上げても無駄だ』という諦めの気持ちになるかもしれないことです。
疑惑を放置することで、社会全体が諦めの気持ちを子供たちに植え付けかねないのではと怖れを感じています。
メディア、広告業界、芸能界だけでなく、みんながこの問題を直視しない限り、性加害や性暴力は、この先もなくならないでしょう。
音楽業界に身を置く私も正直つらいです。
ましてや、こういう世界に憧れたことがある、あるいは憧れている家族がいる、といった人たちも胸を痛めているはずです。
私たち一人一人が、この国が抱える問題として当事者意識を持ち、みんなで膿を出すというところに、舵を切るべきじゃないでしょうか。
※ラジオ内で言及した内容は、前に掲載した記事『スマイルカンパニー契約解除の全真相』の中に記載されています。
このように至極真っ当なことを発言している松尾氏が何故契約解除されなければないのでしょうか?
松尾氏が記事の中で語っているように、
松尾氏の言及は、ジャニーズ事務所に対する『批判』ではなく、ジャニーズ事務所や社会全体に向けての『提言』でした。
このような提言さえも許されないのでしょうか?
SCが松尾氏に対して行った行為は、「組織的に性犯罪を犯したジャニーズ事務所を擁護している」、もしくは「問題を隠蔽しようとしている」と思われても仕方がないと思います。
達郎さんが会社の方針に賛成しているのであれば、達郎ファンも含めこの国が抱える問題として重要視している人達から達郎さんに対しても批判の声が上がるのは当然です。
私は、とにかく達郎さん自身がこの件に関してどう思っているのかを聞いてみたいと思いました。
ここで参考までに、松尾氏がSCを契約解除されるまでの小杉周水社長とのやりとりを掲載したいと思います。
松尾氏がSCを契約解除されるまでの小杉周水社長とのやりとり<山下達郎も賛成>
このやりとりは、前に掲載したげた記事『スマイルカンパニー契約解除の全真相』に記載されています。
松尾氏と小杉周水社長とのやりとりを簡単にまとめてみました。
- 松尾氏が提言した書き起こしがYahoo!ニュースで配信された翌々日(5/18)に、SC現社長の小杉周水氏が松尾氏を呼び出して、「松尾さんの話も正論、でも……と、ジャニーズ事務所やジュリー社長の名前をメディアで口にすること自体が問題」とし、マネージメントの中途解除を切り出した。
- 松尾氏は小杉社長に、「スマイルカンパニーは時代の声に耳を澄まし、対症療法ではなく体質改善を図っていくべきではないか‥。
具体的にはジャニーズ事務所に依存せずに済むよう、自社の新しい才能育成を強化してはどうか‥。
同時にジャニーズ事務所に対しても提案したいことがあるので、ジュリー社長とつないで欲しい」と請った。 - 周水社長は首を縦に振ることはなく、涙を流しながら解約の弁をくり返した。
それから周水社長の「これから山下夫妻の意向を確認する」という言葉を尊重して、その場で達郎さんに電話したい衝動を抑え、メールを含む夫妻への直接の連絡は控えた。 - 2023年6月2日、スマイルカンパニーのオフィスで周水社長は松尾氏に、「契約の中途終了に山下夫妻が〈賛成〉である」ことを告げた。
そして、「RKBラジオ等での発言はいかにも松尾らしく正論でもあるが、これまでの山下家・小杉家・藤島家のつきあいの歴史を考えると、スマイルカンパニーに松尾が在籍し続けるのを認めるのは難しい。
なぜなら、三家のつきあいはビジネスではなく「義理人情」なのだから、」と言われた。 - 2023年6月30日、代理人弁護士の喜田村洋一氏に再度、「契約の中途終了に山下夫妻が〈賛成〉である」ことを確認していただいた上で、契約終了に合意した。
松尾氏と小杉周水社長とのやりとりを読んで分かったこと
上記の記事から、山下家・SC(小杉家)・ジャニーズ事務所(藤島家)は、「ビジネス」だけでなく「義理人情」の間柄なのが分かりました。
SC側からすると、
・今後、ジャニーズから仕事を回してもらえなくなるかもしれない。⇒ビジネス
・今までたくさん稼がせてもらった恩を仇で返すような人間は、このまま身内に置いておけない。⇒義理人情
と、いったところでしょうか‥。
まさか達郎さんが所属している音楽プロダクション(SC)が、こんなにもジャニーズ事務所に依存している状態だなんて思いもよりませんでした。
周水社長が松尾氏に対して涙を流しながら解約の弁を繰り返したということから、社長にとって松尾氏の契約解除は辛い選択だったことが伺えます。
SCとジャニーズ事務所との関係は前社長(小杉理宇造氏)からそのまま受け継いでいるのでしょうから、気の毒な面もあります。
でも、正論と知りながら松尾氏をきる(契約解除)行為はまさに『義理人情』を優先し、ジャニーズ事務所と共に問題を闇に葬ろうとしているに他なりません。
ところが今回、松尾氏の勇気あるツイートによって、闇に葬るつもりが、世間に知らしめる結果となってしまいました。
それは、松尾氏が”山下達郎”の名前をあげたことが大きかったと思います。
もし、名前をあげなければ、ここまで大きな騒ぎにはなっていなかったはずです。
現に、名前をあげなければ、私が松尾さんのツィートに気づくこともありませんでした。
松尾氏は達郎さんを名指しした理由について次のように語っています。
松尾氏が達郎さんを名指しした理由
松尾氏が達郎さんを名指しした理由については、前に上げた記事『スマイルカンパニー契約解除の全真相』の中に書かれていました。
・彼(山下氏)とぼく(松尾氏)の両者を知る人が当然抱くであろう疑問に予めお答えするためであり、それ以上の意味はないことを強調しておきたい。
彼(山下氏)とぼく(松尾氏)の両者を知る人とは、『松尾氏が達郎さんの誘いでスマイルカンパニーと業務提携し、その後15年にわたって達郎さんと一緒に仕事をしてきたという両者の事情を知っている人の事』だと思います。
つまり‥、
両者の事情を知っている人が抱くであろう疑問⇩
『ジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したことが理由でSCを契約解除されたことについて、達郎さんはどう思っているのか?』に、
予め『賛成している』と、答えるためでありそれ以上の意味はない。
と、いうことなのでしょう。
その疑問に一件一件答えるより、SNSを利用して言った方が早いというわけです。
果たして理由はそれだけでしょうか?
私はそれだけではないように思えます。
松尾氏は後日、X(旧Twitter)で、次のようにも語っています。
・「ぼくは達郎さんを敵対視なんてしてませんから‥」
・絶大な影響力のあるカリスマミュージシャンに、子供たちが不幸にも性犯罪や性暴力の被害者になった時、「声を上げてもムダ」と諦めずにすむ社会を一緒に目指しましょうよ、とご提案しているのです。
つまり、
これらの問題を権力によってもみ消されないために、たとえそれが自分の尊敬する人物であったとしても、それに関わる影響力のある人物(山下達郎)を名指しする必要があった。
のだと思います。
何故なら、こうして今までもジャニーズ事務所にとって不都合なことは「権力」によって揉み消されてきたからです。
SCもジャニーズ事務所に忖度して松尾氏に対して同じことをしてしまっていては、これからそれを正していきたいと思っている松尾氏が納得がいかないのも無理はありません。
まぁ、その結果、達郎さんが炎上してしまったわけですが‥、
松尾氏のことを知らない人からすると、達郎さんの名前を出したことで嫌悪感を抱いている方も多いと思います。
私もはじめはそうでした。
でも、調べればそれには意図があることが分かります。
何も調べようともぜずに松尾氏のあのツイートだけを見て、松尾氏を叩いている人に問いたいです。
「あなたは達郎さんの音楽さえ聴ければそれでいいんですか?」
「世の中で起こっているおかしなことを未来のために正していきたいとは思わないのですか?」
人それぞれ考え方が違うので、伝わらない人には伝わらないと思います。
「何があっても達郎さんの味方だ」と思うのは自由ですが、自分の大切なものを犠牲にしてまで世の中を良くしたいとアクションを起こしている人たちを叩くのは違うのではないでしょうか?
松尾氏は「ぼくは周水くんも守りたかった。」と記事の中で語っています。
松尾氏はきっと、SCにも達郎さんにもジャニーズ事務所に忖度している状況から脱して、「声を上げてもムダ」と諦めずにすむ社会を一緒に目指したかったのだと思います。
私は長い間、達郎さんのファンです。
達郎さんのことを悪く言われるのは正直嫌ですし、達郎さんには弱者の味方であってほしいと思っています。
SC社長もしくは達郎さんの発言次第で、さらに炎上するのかそうでないのか、がかかっていました。
そんな中、スマイルカンパニーの小杉社長からHPにて次のようなお知らせがありました。
スマイルカンパニーのHPより
『山下達郎サンデー・ソングブック』 にて自身の思いを語る
7月1日に松尾潔氏がツイートして以来、さまざまな憶測が飛び交う状況となったことを受け、達郎さん自身がどう思っているのかを、7月9日放送のTOKYO FM『山下達郎サンデー・ソングブック』(毎週日曜 後2:00)にて語りました。
放送内で語った内容の全文がこちらの記事↓に書かれています。
結果、さらに炎上する事態となってしまいました。
このラジオを聴いて率直に思ったこと
私はこの放送をLIVEで聞いていました。
残念ながら、松尾氏が中途で契約解除された件について、達郎さんの口から「それはおかしい」といったような趣旨の発言はありませんでした。
それどころかジャニー喜多川の功績を讃える言葉ばかりが聞こえてきました。
放送終了後、達郎さんが「私の人生にとって1番大切なことは、ご縁とご恩です。」と言ったことに対して、とても残念な気持ちになりました。
松尾氏も達郎さんのラジオ終了後に、自身のX(旧Twitter)で「残念です。」とツイートしていました。
今問題視されている重大な社会問題より大切なご縁とご恩とは何ですか?
そして、「私はあくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。」「このような私の姿勢を忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。」と言ったことに対して、まるで自分に対して「もう聴かなくていい」と言われているような気がしてとてもショックでした。
「何があっても達郎さんを応援する!」という人にだけ聴いてもらえればそれでいいのですか?
私も含め、「社会をよくしたい」と思っている人達は置き去りですか?
私の人生において達郎さんの音楽が必要と思っているだけに「不要でしょう」と言われると本当に悲しいです。
このラジオを聴いて離れていった達郎ファンもたくさんいると思います。
「そんなの真の達郎のファンじゃない」と言われるのは本当に辛いです。
まともな考えを持った真の達郎ファンから非難されてまで守りたい大切なご縁とご恩とは何ですか?
達郎さんがジャニーズ事務所に楽曲を提供していて所属のタレントとも仲良くしているのは知っていましたが、達郎さんの経歴や所属する事務所などはこれまであまり気にかけていませんでした。
これを機に山下家・小杉家・ジャニーズ事務所(藤島家)の関係性について調べてみました。
山下達郎と小杉家・ジャニーズ事務所(藤島家)との関係性
山下家・小杉家・ジャニーズ事務所(藤島家)の関係性について調べて、時系列で表にしてみました。
(※分かる範囲で必要と思うことだけピックアップします。)
◼️後で文章で説明していますので、見てもよく分からないという方はこちら(←)をクリックして飛ばしてください。
年 | 山下達郎 | 小杉家 | ジャニーズ事務所(藤島家) |
---|---|---|---|
1962〜 | <ジャニー喜多川> ・ジャニーズ事務所代表取締役社長 <メリー喜多川> ・ジャニーズ事務所代表取締役副社長 | ||
1975 | ・シュガーベイブとしてデビュー | ||
1976〜 | ・シュガーベイブ解散 ・ソロシンガーとしてスタートを切る (RVCレコード所属) | <小杉理宇造>(音楽プロデューサー・スマイルカンパニー前社長) ・RVCレコードのディレクター。 ・山下達郎の音楽に賞賛し、一緒に仕事をするようになる。(当時のマネージャーであり、ビジネスパートナー) ・近藤真彦のディレクターでもあった。 | <ジャニー喜多川> ・近藤真彦のディレクターでもあった小杉理宇造が手掛けていた山下達郎の音楽を褒める。 |
1978 | 山下達郎のマネージメントを目的に芸能プロダクション「ワイルド・ハニー」が設立される | ||
1980 | ・マクセル(カセットテープ)のCMに起用された「RIDE ON TIME」が大ヒットする | ||
1981 | ・初めて近藤真彦に楽曲を提供する。 ※ギンギラギンにさりげなくB面「恋のノンストップツーリングロード」 | ||
1982 | ・竹内まりやと結婚 ・近藤真彦に「ハイティーンブギ」を提供し大ヒットする。 ・これ以降、公私共にジャニーズ事務所との親交が深まる。 ・RVCレコードからムーン・レコードに移籍 | <小杉理宇造> ・レコード会社(ムーン・レコード)を設立し、代表取締役社長就任。 ※ムーン・レコードはワーナーミュージック・ジャパンの社内カンパ二ーにあたるレコードレーベルの一つ。実質的に山下達郎・竹内まりや夫妻のプライベートレーベル。 | ・山下達郎から提供された近藤真彦の「ハイティーンブギ」が大ヒット。 |
1984 | ・以降、竹内まりや全作品のアレンジ及びプロデュースを手懸け、また、CMタイアップ楽曲の制作や、他アーティストへの楽曲提供など、幅広い活動を続けている。 | <小杉理宇造> ・スマイルカンパニー代表取締役社長に就任。 ※理宇造氏の就任を機に1978年に設立した「ワイルド・ハニー」から「スマイルカンパニー」に社名を変更。 | |
1997 | ・KinkiKidsに提供したデビューシングル「硝子の少年」が大ヒットする。 ・以降も現在まで楽曲の提供が続く。 | KinkiKidsのデビューシングル「硝子の少年」が大ヒット。 | |
1999 | <ジャニー喜多川> ・週刊文春に”未成年に対する性加害問題”が問題が取りざたされ、その記事が名誉毀損であるとして民事訴訟を起こす。 | ||
2003 | <小杉理宇造> ・ジャニーズエンターテイメントの社長に就任(名実共にジャニーズの人間になる) | ||
2004 | ・東京高裁がジャニー喜多川による性的虐待を認定し名誉毀損に当たらないと判決が下る。 ・ジャニーズ事務所は上告したが棄却され高裁判決が確定した。(メディアの大部分がジャニーズ事務所の忖度して社会的な問題になることがなかった) その後も、同様の虐待行為が続いていた。 | ||
2017 | <小杉理宇造> ・スマイルカンパニー代表取締役社長に退任 <小杉周水>(理宇造氏の長男) ・スマイルカンパニー代表取締役社長に就任 | ||
2019 | <小杉理宇造> ・ジャニーズエンターテイメントの事業を終了、ジェイストームへ事業を譲渡。 | <ジャニー喜多川> ・逝去 <メリー喜多川> ・ジャニーズ事務所代表取締役副社長退任 ・ジャニーズ事務所代表取締役会長就任 <藤島ジュリー景子>(ジャニー喜多川の実姉メリー喜多川の娘) ・ジャニーズ事務所代表取締役社長に就任。 | |
2020 | <メリー喜多川> ・ジャニーズ事務所代表取締役会長退任 ・ジャニーズ事務所名誉会長就任 | ||
2021 | <メリー喜多川> ・逝去 |
上の表の山下家・小杉家・ジャニーズ事務所(藤島家)の関係性を文章で説明すると、
- 1976年、近藤真彦のディレクターでもあった小杉理宇造氏が、山下達郎の音楽に賞賛し一緒に仕事を始める。
- 1970年代の末に、ジャニー喜多川氏が小杉理宇造氏が手掛けていた山下達郎の音楽を聞いて褒める。
- 1982年、近藤真彦に「ハイティーンブギ」を提供し大ヒットする。この頃から公私共にジャニーズ事務所との親交が深まる。(竹内まりやとメリー喜多川(ジャニー喜多川の姉)はハワイ旅行に行くほどの仲だった。)
- 2003~2017年まで、スマイルカンパニーの前社長の小杉理宇造氏はスマイルカンパニーの社長とジャニーズ事務所の社長を兼務していた。
- 楽曲を提供するなど今も山下家と小杉家・藤島家(ジャニーズ事務所)との関係性は続いている。
なるほど、1970年後半から山下家・小杉家・ジャニーズ事務所(藤島家)との関係性はずっと続いていたのですね。
三者は苦楽を共にしてきたといっても過言ではないのかも知れません。
ジャニーズ事務所がなんの問題もない事務所なら世間からとやかく言われることもなかったと思いますが、
こうして苦楽を共にしている間にも「ジャニーズ事務所の闇」は囁かれていました。
ジャニーズ事務所の闇
ジャニーズ事務所は日本の大手芸能事務所です。
ジャニーズのタレントを起用すれば、莫大な収益に繋がります。
ジャニーズ事務所はそれを武器に、会社に不利益になるような報道がされないようメディアをコントロールしてきました。
以前から、元ジャニーズ所属タレントからジャニー喜多川による性的虐待があったと証言されてきましたが、虚しいことにこうして揉み消されてきました。
このようにして、ジャニーズ事務所は成り立ってきました。
達郎さんは、今でも「ジャニー喜多川の功績」を讃えていますが、ジャニーズ事務所の闇を知れば知るほどその言葉に違和感を覚えて仕方がありません。
ジャニーズ事務所の闇については、こちら↓の記事に詳しく書かれています。
こちらの記事↑を参考に、ジャニーズ事務所の闇についてまとめてみました。
ジャニー喜多川氏の性的虐待問題が報じられなかった要因
ジャニー喜多川氏の性的虐待問題が報じられなかったのは要因は色々ありますが、一番の要因はジャニーズ事務所が極めて巧妙にメディアを「コントロール」してきたからです。
- 民放テレビ局は、自社にとって大切な取引先でもあるジャニーズ事務所の不祥事を報じることに、メリットがないと判断していた。
ジャニーズのコンテンツで視聴率を稼ぎ、報道機関としての役割を捨てることを選んだ。
(例)ニュース番組のキャスターにジャーニーズのタレントを起用した。本来なら事実を掘り下げて言うべき立場なのに、ジャニーズ事務所に対して不都合になる報道はしなかった。ジャーニーズのタレントを起用することによって視聴率で広告スポンサーがついた方が儲かると判断した。 - 雑誌社や新聞社にとっても、ジャニーズの不祥事を報じることで、ジャニーズタレントへの取材が成立しなかったり、広告出稿が避けられたりするリスクもあったため、報じなかった。
- 日本の芸能プロダクションは「アメとムチ」を使い分けるが、ジャニーズ事務所はそれが強圧的であることは業界ではよく知られていた。(ただ一貫性や明確さもあるので「一定のルールがわかれば付き合いやすかった」ようだ。)
- こうしたジャニーズ事務所とメディアの関係はいまも大きく変化しているわけではない。
- メディアは「ジャニーズ担当」と呼ばれる専任者を置き、ジャニーズとの関係を構築していた。
この担当者はもともとファンであるケースも多く、ジャニーズ事務所も厚い対応をして人心を掌握した。
各メディアがジャニーズ事務所の不祥事を取り上げる際、最初のハードルはこの身内のジャニーズ担当者だった。 - 各メディアとのパイプを太くしておけば、あとは勝手に“忖度”のメカニズムが働く。
もしテレビ局がジャニーズの機嫌を損ねてタレントを引き上げられてしまうと、番組のプロデューサーは左遷されるリスクがあった。 - <実際にテレビ局員から訊いた言葉>
本番5分前にプロデューサーからジャニーズ事務所への“忖度”を求められたことがあった。(タレントの起用継続と引き換えに自社にとって不都合な報道を封じた。)
これらが“自動忖度機”の大量生産のメカニズムであり、ジャニーズ事務所のメディアコントロールの方法論といわれています。
今も尚、ジャニーズ事務所が直接的に手を出さなくとも、その強大な権力が個々人の内面を見えない力で支配し続けているのです。
歌番組での「ジャニーズ枠」
ジャニーズのメディアコントロールがわかりやすく表れているケースもあります。
それがテレビ朝日の『ミュージックステーション』です。
- 1986年から続くこの長寿音楽番組は、光GENJI全盛期の1988年から“ジャニーズ枠”が用意されている。
- 『Mステ』を立ち上げた元テレビ朝日の皇達也氏(故人)は、ジャニー喜多川氏の死去の際に『週刊新潮』の取材に対してこう話している。
(略)たとえば、台頭してきた他の事務所の男性アイドルを番組に出すかどうか考えていた時のこと。
ジャニーさんは”出したらいいじゃない。ただ、うちのタレントと被るから、うちは出さない方がいいね”と言う。
ジャニーズタレントが番組から消えたら大変です。私が”そんなこと言わないで後進に手本を示してくださいよ”と返すと、”わかったよ”と理解してくれた。
厳しさの反面、度量もある方でした。
▶️ここにはジャニー氏が圧力(タレントの引き上げ)をちらつかせたものの、皇氏が抵抗してジャニー氏が納得したエピソードが描かれている。
「稀代のエンターテイナーが隠した『牙』と『孤独』――「江木俊夫」が語る『ジャニー喜多川の光と影』」(『週刊新潮』2019年7月25日号より引用) - 『Mステ』にジャニーズの競合グループが出演しにくい状況はいまも続いている。
具体的には、『紅白歌合戦』に出場したJO1やBE:FIRST、Da-iCEがそうだ。
圧力をちらつかせて“自動忖度機”を大量生産するこのジャニーズ事務所のこうした方法論は、2019年7月にやっと表沙汰となりました。
ジャニー氏の死去から8日後、公正取引委員会はジャニーズ事務所が民放テレビ局などに対し、元SMAPの3人を「出演させないよう圧力をかけていた疑いがある」として「注意」をしたようです。
だがその後も『ミュージックステーション』はジャニーズ事務所への“忖度”を続けています。
こうして、まさにJ-POPそのものが「捕食」され続けているのです。
なるほど、こうしてジャニーズ事務所への忖度”のメカニズムが構築されていったのですね。
圧力をちらつかせてメディアをコントロールし、王者に君臨し続けたジャニーズ事務所のやり方には憤りを感じます。
最近私が応援している”BE:FIRST”がミュージックステーションに出られないのも、テレビ朝日のジャニーズ事務所への忖度によるものだと思うと本当に腹立たしいです。
裁判で認定された「事実」が「噂」の域を出なかったメカニズム
この“自動忖度”のメカニズムによって、ジャニー喜多川氏の性的虐待問題を「噂」以上のものとして拡散させなかった。
結果、多くの人々がそれに沈黙し、問題視しない世論が優勢となってしまっていた。
しかし今回、BBCが取材することでこの問題が一気に再燃しました。(日本のメディアが取り上げなかったため)
「噂」だったこの件は、少なくとも、民事訴訟で認定された部分については一気に「事実」として人々に知れ渡り、それ以外の疑惑についても関心が高まってきています。
たとえ民放テレビ局などがこれまで通り“沈黙”を貫いても、BBCの日本語記事はインターネット上に残り続け、番組も動画配信サービスで個別に観ることができます。
そしてなにより、2010年代以降に浸透したSNSとスマートフォンは、ジャニーズのグループのファンたちにも強い問題意識と連帯を生み出しました。
2016年のSMAPの解散を契機に、その後に相次いだ退所者や昨年11月のKing & Princeのメンバー脱退発表などによって、ファンのあいだでジャニーズ事務所への不信感は高まり続けています。
そうした事態は、2000年代まで機能してきたジャニーズ事務所のメディア支配がもはや通用しない世の中になってきているのを意味しているのではないでしょうか?
テレビが主流であった時代では機能してきたジャニーズ事務所のメディア支配も、YouTubeやSNSなどの普及により通用しなくなってきたといっても、未だにこの問題について深掘りして連日報道するテレビ局はありません。
これだけ騒がれていても、ジャニーズ事務所のタレントを起用し続けている企業(CMやテレビ番組、雑誌など)も少なくはありません。。
このままではますますジャニーズ事務所への不信感は高まり、所属タレントにも悪影響を及ぼします。
社外取締役を迎え入れても抜本的に経営体制を見直すことはできないと思います。
このジャニーズ事務所への”自動忖度”のメカニズムを無くすためにも、社長の退任、上層部の一掃は必要不可欠なのではないでしょうか?
「自分はあくまでもいち作曲家・楽曲の提供者」であるという達郎さんの発言について
達郎さんはラジオの中で次のように語りました。
「自分はあくまでもいち作曲家・楽曲の提供者」であり、ジャニー喜多川による性加害問題については、今回一連の報道が始まるまでは漠然としたウワサでしかなく、私自身は1999年の裁判のことすら聞かされておりませんでした。」
達郎さんの「あくまでもいち作曲家・楽曲の提供者である」という言葉には説得力がある一方で、”逃げ”のように感じてしまうのは私だけでしょうか‥。
ジャニー喜多川による性加害問題については、今回一連の報道が始まるまでは漠然とした「ウワサ」でしかなかったことには頷けます。
なぜなら、先にも書いたとおり、ジャニーズ事務所の“自動忖度のメカニズム”によって、メディアがジャニー喜多川氏の性的虐待問題を「噂」以上のものとして拡散させなかったため、達郎さんに限らず多くの人々がそれに沈黙し、問題視しない世論が優勢となってしまっていたからです。
でも、1999年の民事裁判のこと(2004年に事実と確定)は少なからずメディアで報道された事ですし、ましてや自分にとって近しい人物のことなので、聞かされなくても耳に入ってくるはずです。知らなかったというのはどうにも信じがたいです。
松尾氏が、前に上げた記事『スマイルカンパニー契約解除の全真相』の中でも次のように語っています。
小杉さんはJの関連会社の社長も兼務していたから、洋楽畑出身で邦楽事情に明るくないぼくでも、SCがJと近い関係にあることは知っていた。
80年代からJのアイドルに作品提供を続けてきた達郎さんも、ジャニー喜多川氏を尊敬していることをメディアで公言していたし。
「ジャニー喜多川ってヤバいんでしょ?」とゴシップ趣味で質問をぶつけてくる知人には、たまにJのグループに作品提供したり、番組で共演するくらいの関係のぼくにわかるはずないと答えていた。
ゴシップ趣味の質問と捉えたとしても、達郎さんとって近しいの人物のことです。また、それは一度や二度ではなかったはずです。
後で判ることですが、自身が提供する楽曲でジャニーズ事務所に莫大な利益を与え、ジャニー喜多川を潤し、その裏側で苦しんでいた子達がいたのは事実です。
そして、その苦しみは今も続いています。
もし達郎さんが、「ウワサ」を耳にした時、「ウワサ」だからと放置せずにそのことに気づけていたら、ジャニー喜多川に対する尊敬の念も変わっていたでしょうか?
いずれにしても、今更それをどうこう言っても仕方がありません。
問題はそれを知った今どう対応するかです。
達郎さんはラジオで、
「私はあくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。」
と、語っていました。
本当にそれでいいのでしょうか?
それでは、今までと何ら変わりありません。何かアクションを起こさなければ世の中は変わりません。
こんなに騒がれているのにも関わらず、「自分はあくまでもいち作曲家・楽曲の提供者」だと言ってそれについて知ろうとしないのは何故ですか?
今まではそれで通っていたかも知れませんが、これまでの事を踏まえて自分がどんな相手に楽曲を提供するのか知ることは大事です。
「いち作曲家・楽曲の提供者」であっても、達郎さん自身が勇気を出して、「NOを突きつける」こともできるはずです。
他にも達郎さんのラジオを聴いて気になる点がいくつかありましたので、
それについて思うことを書きました。
ラジオを聴いて気になった点とそれについて思うこと
- そもそも彼(松尾氏)とは長い間会っておりません、年にメールが数通という関係です。
-
ここ最近、松尾氏との関係が薄くなっていたので、どちらにしても契約解除は時間の問題だったということが、「そもそも」という言葉から感じられる。(藤島ジュリー景子社長に言及したことが一番の理由と思われたくない。)
- 松尾氏がジャニー喜多川氏の性加害問題に対して、憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因となったことは認めますけれど、理由は決してそれだけではありません。
-
・あれだけ性的虐待はあったと被害に遭われた方から声が上がり事実は積み上がってきているのに、憶測というのはおかしい。
・過去(2004年)にジャニー喜多川による性的虐待があったことは事実として認定されている。
・理由は決してそれだけではないと語り、他にすり替えようとしている。 - 音楽業界の片隅にいる私にジャニーズ事務所の内部事情など、まったく預かり知らぬことですし、まして性加害の事実について、私が知る術まったくありません。
-
・知る術がなかったのではなくて、知ろうとしなかったのではないか。
・自身の周りで起きている事について知らなかったというのは、あまりにも関心が無さすぎる。
・自身の所属事務所(SC)の社長がジャニーズエンターテイメントの社長も兼務していたのだから、知るように努力するべきだ。 - 人間同士の密な関係が構築できなければ、良い作品など生まれません。そうした数々の才能あるタレントさんを輩出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません。私の人生にとって1番大切なことは、ご縁とご恩です。ジャニーさんの育てた数多くのタレントさんたちが、戦後の日本でどれだけの人の心を温め、幸せにし、夢を与えてきたか。私にとっては、すばらしいタレントさんたちやミュージシャンたちとのご縁をいただいて、時代を超えて長く歌い継いでもらえる作品を作れたこと、そのような機会を与えていただいたことに心から恩義を感じています。
-
・ジャニー喜多川のいい面にだけ焦点を当てている。
・光と影の影の部分が大きくなってきてその部分にどう対応するのかが求められている中で、影の部分については触れられていない。
・どんなに多くの被害者がジャニー喜多川によって性的虐待を受けていたと声を上げても、ジャニー喜多川に対する尊敬の念は変わらないのか。 - 私の48年のミュージシャン生活の中で、たくさんの方々からいただいたご恩に報いることができるように、私はあくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。彼らの才能を引き出し、良い楽曲を共に作ることこそが私の本分だと思ってやってまいりました。このような私の姿勢を、忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。
-
・所属タレントに罪はないが、その結果、富を得るのはジャニーズ事務所。
・いまだに社会的問題を抱えるジャニーズ事務所にこのまま楽曲を提供し続けて、本当にそれでいいのか?
・ジャニーズ事務所が膿を出しきり、経営陣が一掃されるなど新体制が整うまでは、楽曲を提供するべきではない。
このラジオを聴いて全体的に思ったことは、性加害の問題については他人事、性被害を訴えている人達及び、世の中を変えていきたいと思っている人達の思いに寄り添えていなかったことが、ただただ残念に思いました。
ラジオを聴いたリスナーの声
私が耳にしたリスナーの声も載せておきます。
※こちら↓の動画から引用させていただきました。
- 私は音楽バカですので、世間で色々言われている事には興味も関心もないので知りませんでしたと言っているようにしか聞こえませんでした。
- 松尾氏は未来に目を向けているのに対して山下氏は過去・個人に目を向けていましたね。それだけでもう察してしまいました。
でも、不要と言うには楽曲が良すぎる。
「好き」と言う気持ちを人質に取られた気分です。 - 結局俺は何も知らんし、お得意様のジャニーズ様とはねんごろに付き合っていきますぜ、ということ。
そんなことあります? - ファンというかまともな感覚を持った人を切り捨てた最後の言葉。
- 長い間、山下達郎ファンだったので、今日の放送を聞いて深く失望しショックで何も語れない、なんて人もいるでしょう。そのファンの気持ちを考えると本当にいたたまれない。
何故、今になって元ジャニーズ所属タレントの性被害告発が続いているのか?
「何故、ジャニー喜多川が生きているうちに証言しないんだ」という声をよく聞きますが、
それは、言えなかった、もしくは、言っても無駄だと思っていたからです。
それについてはこちら↓の記事に書かれています。
亡くなる直前まで、ジャニー喜多川には絶大な権力がありました。
それは、ジャニー喜多川によって築き上げられた”忖度のメカニズム”によって亡き後も続いています。
今になって元ジャニーズ事務所所属のタレントが性被害を告発している理由は、
日本のメディアがジャニーズ事務所に忖度をして報じてこなかった「性的虐待の問題」を、海外のメディア(BBC)が報じ、ようやく社会問題として関心が高まってきたからです。
彼らはずっと心の中に傷を抱えて生きてきました。
彼らは、勇気を出して告白することで、今後このようなことがあっても”声をあげても無駄”と思わせない社会にするために問題があった事を認め、二度とこのような事を起こさせない社会づくりを望んでいるのです。
これから望むこと
私が、この記事を書いてきて「これから望むこと」を以下の4つに分けて綴りたいと思います。
- ジャニーズ事務所に望むこと
- メディアに望むこと
- 日本の政治に望むこと
- スマイルカンパニー及び達郎さんに望むこと
ジャニーズ事務所に望むこと
ジャニーズ事務所に望むことは、ジャニー喜多川氏による性被害疑惑を事実として認め被害者を救済し、経営陣を一掃し、忖度のない会社として一からやり直すこということです。
松尾氏はこちら↓の記事内で次のように語っています。
- ファンの思い、そして所属タレントの未来を守るために今、するべきは、膿を出し切ることでしょう。その先に、会社が解散になるというシナリオがあったとしても、またやり直せばいいじゃないですか。才能のある人は移籍してもいいし、(経営陣は)改心して再組織化してもいい。
- “被疑者死亡”というところで逃げ切るのも無理があるし、何よりも公式見解の文書を読んで感じたことは、ジャニーズ事務所に社会的責任が欠けている、ということです。ここが欠けているから、全て空疎に思えてしまうのです。
私もその通りだと思います。
ジャニーズ事務所に望むことを私なりにまとめると次の5つのようになります。
- ジャニー喜多川による性的虐待はあったと組織として認める。
- 一方的に見解を述べるのではなく記者会見をして質問に答える。
- 第三者委員会を設置して膿を出し切る。
- 藤島ジュリー景子社長の退任や経営陣を刷新し、忖度のない新体制で新たなスタートを切る。
- ジャニー喜多川が残した資産などを被害者救済の費用に充てる。
- タレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった。
- ジャニーズ事務所の再発防止特別チームによる調査の透明性と正当性に疑問が残っている。
- ジャニーズ事務所のメンタルケア相談室による相談希望の被害者への対応(心の相談窓口)は、不十分。
- この問題を報じてこなかった“メディアの責任”です。「不祥事のもみ消しに加担したと伝えられています」と言及
- 日本政府が主体的に被害者を救済するように求めた。
以前、藤島ジュリー景子社長が公式見解で述べていた、「ジャニーズ事務所が行っている再発防止特別チーム及び、心の相談窓口」は十分に機能していないようです。
やはりジャニーズ事務所側だけでどうこうしようとするのではなく、第三者委員会の介入は必要不可欠だと思います。
調査の結果は来年6月、国連人権理事会に報告されるということです。
今回の調査が、ジャニーズ事務所が変わるきっかけになって欲しいです。
メディアに望むこと
メディアに望むことは、ジャニーズ事務所に限らず、社会で起きている問題に関して忖度しないできちんと報道してほしいです。
以前にも書きましたが、ジャニーズ事務所に忖度してジャニー喜多川氏による性加害を重大な問題として報じてこなかったメディアや広告業界にも責任があります。
又、これだけ騒がれていても、未だにジャニーズ事務所のタレントを起用し続けている企業(CMやテレビ番組、雑誌など)は少なくはありません。
国連人権理事会の調査でも「深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」との報告も上がっているのだから、本来ならば、ジャニーズ事務所が明らかに変わったといえる状態になるまでタレントの起用は控えるべきなのではないでしょうか。
このような発言をすると、ジャニーズのタレントのファンの方からお叱りを受けるかもしれませんが、ジャニーズ事務所が問題を改善し新しく生まれ変われば、今いるタレントさんの居心地も良くなると思うのです。
それにはタレントさんの起用を一旦止めて、ジャニーズ事務所側に問題意識を持ってもらう必要があるのではないでしょうか?(ジャニーズ側がさっさと認めて経営陣を刷新すればいい話なのですが‥。)
日本の政治に望むこと
「未成年者に対する性加害問題」はジャニーズ事務所だけの問題じゃなく、国の人権問題です。
被害に遭った方が、性被害を受けていると警察に相談しても、証拠がないからといってとりあってもらえなかったという証言を目にしました。未成年者が証拠を残すなんてほぼ不可能です。
こういった場合、国としてどう対策していくのかを示していただきたいです。
また、国連人権理事会の専門家が記者会見で、日本政府が主体的に被害者を救済するように求めました。
ジャニー喜多川氏から性的虐待を受けて、精神に支障をきたし仕事ができなかったり、フラッシュバックに苦しんだりしている人たちが今でも沢山います。
加害者が死亡しているからといって放っておいていいものではありません。
1日でも早い被害者に対する救済措置を望みます。
こちらは、元ジャニーズJr.で性被害を訴える橋田康さんの声です。
「子どもを預ける側の人も、子ども自身も、安心して体当たりできるような世界に。性被害が今後本当に起きない、起きてはいけないのが当たり前な未来が欲しい」
スマイルカンパニー及び達郎さんに望むこと
ジャニーズ事務所が膿を出しきり、経営陣が一掃されるなど新体制が整うまでは、ジャニーズ事務所とは距離を置いて欲しいと思うのが本音です。
達郎さんは自身のラジオ「サンデーソングブック」の中で、次のように語っています。
- いち個人、いちミュージシャンとしてジャニーさんへのご恩を忘れないことや、それから、ジャニーさんのプロデューサーとしての才能を認めることと、社会的、倫理的な意味での性加害を容認することとは全くの別問題だと考えております。
- 作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。
- 繰り返しますが、私は性加害を擁護しているのではありません。アイドルたちの芸事に対するひたむきな努力を間近で見てきたものとして、彼らに敬意を持って接したいというだけなのです。
- 性加害に対する、さまざまな告発や報道というのが飛び交う今でも、そして彼らの音楽活動に対する、私のこうした気持ちに変わりはありません。
- 私の48年のミュージシャン生活の中で、たくさんの方々からいただいたご恩に報いることができるように、私はあくまでミュージシャンという立場からタレントさんたちを応援していこうと思っております。
- 彼らの才能を引き出し、良い楽曲を共に作ることこそが私の本分だと思ってやってまいりました。ま、このような私の姿勢をですね、忖度あるいは長いものに巻かれているとそのように解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。
作品に罪はありませんし、タレントさんたちも同様です。
達郎さんは、今問題視されているジャニーズ事務所の性加害については「ウワサ」のままにして、これまでどおりジャニーズ事務所との関係を続けていくと語りました。
確かに作品には罪はありませんし、タレントさんには罪はないと思います。
でも、それで富を得るのはジャニーズ事務所です。
いくらご縁やご恩があったとしても、問題を抱えたままのジャニーズ事務所に楽曲を提供し続けるというのはどうなのでしょうか?
私は、ジャニー喜多川氏の性的虐待が「ウワサ」であった時点の話を否定しているのではなくて、これからどうして行くのかという部分を問題視しているのです。
今は、ご縁やご恩より優先すべきものがあるのではないでしょうか。
残念に思うのは、達郎さんが今いるタレントさんのことは思っていても、達郎さんに過去にジャニー喜多川氏から性的虐待を受けていた方々の声が届いているのか否か、その方々の思いには寄り添えていないことです。
達郎さんが、「自分はあくまでもいち作曲家・楽曲の提供者」であり経営に関して発言する立場にないと言うのであれば、「今後のジャニーズ事務所との付き合い」の部分については小杉周水社長(SC社長)に任せて、自身の発言は控えるべきだったと思います。
そして小杉社長には、今後、所属のタレントである達郎さんを守るためにも、これから同じ被害に遭うことがないよう勇気を出して告発している被害者の声に応えるためにも、ジャニーズ事務所とは距離を置く決断をして欲しいと思います。
ご縁やご恩の程度の違いはあると思いますが、松尾氏は次のように語っています。
『人生のなかで優先するものの違いに気づくのに、ぼくは少々時間がかかったということだ。』
何度も言いますが、
大切なのは、「知った後にどう動くか」です。
達郎ファンを辞めるのか?私の決断
結論から言うと、達郎さんの音楽は好きだけど、人として好きでいられるのかは現時点では分かりません。
達郎さんの音楽は、これから先も聴き続けると思います。
「きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう。」と達郎さんから言われてしまっても、私の人生において必要不可欠なものになってしまっているからです。
ただ、ジャニーズ事務所に忖度しているとしか思わざるを得ない行動をしたスマイルカンパニーと、ジャニー喜多川氏の性加害問題について深く知ろうとせず、今後もジャニーズ事務所と楽曲を提供し続けていくと言った達郎さんを、これまでどおりに応援することはできません。(ジャニーズ事務所の収益に繋がるような視聴はしません。)
なぜなら、せっかく社会問題として世の中の関心が高まってきているのに、私もこの問題から目を背けているように感じてしまうからです。
はじめにお話ししたとおり、今年(2023年)も6月30日から達郎さんの全国ホールツアーが始まっていました。
もちろん今年も参戦するつもりで近隣のツアーに申し込んでいましたがことごとく落選し、大阪城ホールのチケットの当落の結果待ちでしたが結果は落選‥。
まだまだチャンスはありましたがツアーの参戦を断念する決断をしました(涙)
ツアーの会場が埋まらなければ、達郎さんにも事の重大さが伝わるかもしれない、そんな気持ちもありました。
果たしてどれくらいの達郎ファンが私と同じような思いでツアーを断念しているのかは分かりません。
もしかしたら、そんなファンの想いもよそに、どこもかしこも満員御礼なのかもしれません。
そう思うとただただ虚しいです。
本当は行きたいっ!
でもどうしてもジャニー事務所の問題と達郎さんを切り離して考えることが私にはできませんでした。
これが今の私にできる、私なりのアクションです‥。
達郎さんがラジオで自身の思いを語った時点では、”ウワサ”であり”知る術もない”を強調していました。
では、藤島ジュリー景子社長が事実であったと認めた時、達郎さんはどう思うのか?
自身が提供する楽曲でジャニーズ事務所に莫大な利益を与え、ジャニー喜多川を潤し、その裏側で苦しんでいた子達がいて、その苦しみが今でも続いているという事実を‥。
今後、達郎さんがこのことについて発言することは無いように思いますが、社会の情勢に目を向けた楽曲も制作してきた達郎さんのことだから、今度こそはご縁やご恩より弱者(被害者)の思いを一番に考える達郎さんであって欲しいと願っています。
今はただ今持っている達郎さんの音楽をひっそりと聴きながら、今後の動向に注目していきたいと思います。
そしてまた達郎さんの音楽を心から楽しめる日が来ることを望んでいます。
最後に
松尾氏が次のように語っていました。
今回の疑惑を放置することは、ジャニーズ事務所だけの問題じゃないと思っている。
メディア、広告業界、芸能界だけでなく、みんながこの問題を直視しない限り、性加害や性暴力は、この先もなくならないでしょう。
私たち一人一人が、この国が抱える問題として当事者意識を持ち、みんなで膿を出すというところに、舵を切るべきじゃないでしょうか。
今こそ私たち一人一人が当事者意識を持ち、この問題を時と共に風化させないためにも、今自分にできるアクションを起こすべきなのではないでしょうか?
こういった努力が、ジャニーズ事務所はもちろんのこと、業界全体が変わるきっかけになることを願って止みません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
私(投稿者)目線で綴ってきましたが、この記事が誰かの役に立てれば幸いです‥。